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【2025年最新】ZoomとYouTube Liveの連携ガイド|ウェビナー配信の手順とメリット、注意点

オンラインでのウェビナー(Webセミナー)が主流となり、Zoomを使った配信は一般的になりました。しかし、より多くの人に届けたい、あるいはZoomの参加人数上限を超えそう、といった悩みはありませんか?
そんな時に非常に便利なのが、「Zoom」と「YouTube Live」を連携させた配信方法です。
この記事では、ZoomとYouTubeを連携させる具体的な手順から、アーカイブや参加人数に関するメリット、配信時の注意点まで、2025年11月現在の最新情報に基づいて詳しく解説します。

Zoomの動画配信方法

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ZoomとYouTube Liveを利用したウェビナー開催に向けて、まずはZoomでの配信について解説していきます。

ライブ配信

Zoomは、リアルタイムなライブ配信に特化したソフトです。

Zoomには、多くのユーザーが利用しているミーティング形式の配信と、有料プランに登録しているユーザーのみが利用できるウェビナー形式の配信の2つの配信方法があります。

ミーティング形式

Zoomの機能の中で最も多く利用されているであろう機能が、このミーティング形式の配信機能です。

Zoomミーティングは、無料プランでも使用可能で(時間制限付き)、ビジネスシーン以外でも多くのユーザーに利用されています。Zoomミーティングを利用した配信のメリットは、ホスト以外も配信者と同等の権限が得られることにあり、ホスト以外の参加者も音声通話が可能な点はもちろん、画面共有などの機能も使用することができます。

こういった特徴から、Zoomミーティングは対面でのミーティング同様、一定数以下の人数で相互に対話を必要とする集まりに適していると言えます。

ウェビナー形式

ウェビナー形式 Zoomミーティングが少人数に適した配信方法であるのに対し、Zoomウェビナーはプランのライセンス購入(アドオン)により500人から1万人以上までの同時接続が可能な大人数向けの配信方法です。

多くの企業でオンラインセミナーに使用されている機能で、ホストの発言が中心となるような配信に適しています。Zoomウェビナーでは、ホストと一部のユーザーのみが画面共有を行えることや、質疑応答・アンケートなどオンラインセミナーに特化した機能も実装されています。

有料のアカウント登録が必要とはなりますが、不特定多数の参加者が想定されるような配信においては、ZoomミーティングではなくZoomウェビナーを利用するほうが良いでしょう。

録画配信

録画配信は、その名の通り、Zoomを利用して事前に収録した動画を再生・配信する方法です。Zoomウェビナーの機能を利用した録画配信は、オンデマンド配信とダウンロード配信の2つの配信方法から選ぶことができます。

録画配信を行う際は、Zoomウェビナーを利用して配信した動画をあらかじめ記録しておく必要があります。

手順としては、ウェビナー配信時にウェビナーのオプション欄から「ウェビナーをオンデマンドにする」をチェックします。配信が終了したら、Zoomのナビゲーションメニューから「記録」をクリックし、任意の動画の「共有」をクリック、メニュー左下の「共有情報のコピー」をクリックします。これで得られた共有リンクをメールなどで共有したい相手に送付することで、配信済みのウェビナーを視聴することが可能になります。

また、Zoomのナビゲーションメニューから「記録」「ダウンロード」をクリックすることで配信済みのウェビナー動画をダウンロードすることもでき、ダウンロードした動画をYouTubeなど動画配信サービスにアップロードすることでも配信済みウェビナーを視聴することが可能です。録画配信ではリアルタイムに視聴者とコミュニケーションを取ることはできなくなってしまいますが、ユーザーが好きな時間に好きな場所でウェビナー動画を視聴できる点がメリットです。

複数回同じ内容で配信するオンラインセミナーなどを記録しておき、必要に応じてユーザーをリンクへ誘導する方法などが便利です。

ZoomとYouTube Liveを連携したライブ配信の特徴とメリット

メリット

Zoomウェビナーは、複数の参加者と数名の配信者で行うセミナーに特化した配信方法です。もちろんZoomのこの機能だけでもウェビナーの開催は可能ですが、YouTube Liveと連携することで双方のメリットを活かした配信が可能になります。

それでは一体どういったメリットがあるのか、具体的にいくつか紹介していきます。

アーカイブ保存

YouTube LiveはZoomウェビナーと違い、アーカイブが自動で保存されるためオンデマンド配信を検討している際に非常に便利です。Zoomウェビナーでもアーカイブ保存は可能ですが、事前に保存設定が必要な点がYouTube Liveとは異なります。また、YouTube Liveを利用して保存したアーカイブは、そのまま自身のYouTubeチャンネルで動画として配信することも可能です。

YouTubeには許可したユーザーのみが閲覧できる「非公開」や、URLを知っているユーザーのみが閲覧できる「限定公開」などといった公開範囲を指定する機能も搭載されているため、有料で配信したウェビナーの映像が不特定多数の人に閲覧される心配もありません。

参加人数

Zoomウェビナーは、大人数へのセミナー配信に特化した機能です。そのため、1万人までの参加者が同時接続可能となっていますが、YouTube Liveと連携することでこの上限人数を超えた参加者にも対応することが可能です。

また、接続数が増えることでZoomの映像が重たくなるなどの事象が多くのユーザーから報告されています。あらかじめZoomウェビナーを利用する参加者とYouTube Liveを利用する参加者を振り分けておくことで、こういった事象を回避することができます。

ZoomとYouTube Liveを連携したライブ配信方法

ライブ配信しているビジネスマンとZOOMが表示されたスマートフォン

非常に便利なZoomとYouTube Liveの連携ですが、実際に利用するにはいくつかの手順が必要となります。 それぞれの設定方法から相互の連携方法まで、2025年11月現在の最新のUIに基づき、テキストで具体的に解説していきます。

STEP1.事前準備

配信当日までに、Zoom(有料プラン)とYouTube(ライブ申請)の両方で準備が必要です。

Zoomアカウントの登録 (有料プラン)

ZoomからYouTubeへライブ配信(カスタムライブストリーミング)を行うためには、Zoomの有料プラン(Proプラン以上)への契約が必須です。

  1. Zoomの公式サイトにアクセスし、まずは無料アカウントを登録します。
  2. サインイン後、マイページの「プランと価格」または「アカウント管理」→「支払い」へ進みます。
  3. 「アカウントをアップグレード」をクリックし、「Pro」プランを選択します。(※2025年11月現在、Proプランは年額20,100円(月額換算1,675円)または月額2,125円(税込)です。)
  4. 支払い情報を入力し、アップグレードを完了させます

YouTubeアカウントの登録 (チャンネル作成)

YouTube Liveを利用するには、Googleアカウントが必要です。

  1. YouTubeにアクセスし「ログイン」をクリックします。
  2. Googleアカウントをお持ちでない場合は、「アカウントを作成」を選択し、画面の指示に従い氏名、メールアドレス、パスワード等を設定します。
  3. Googleアカウントが作成されると、自動的にYouTubeアカウントも作成(ログイン)されます。

YouTube Liveの申請 (24時間前)

ライブ配信を行うには、電話番号によるチャンネルの確認と、機能の有効化(アクティベーション)が必要です。

  1. YouTubeにログインした状態で、右上のアカウントアイコンから「YouTube Studio」を選択します。
  2. 初めての場合、「チャンネルを作成する」よう求められるので、チャンネルを作成します。
  3. YouTube Studioの左側メニューから「設定」→「チャンネル」→「機能の利用資格」に進みます。
  4. 「スマートフォンによる確認が必要な機能」(または「中級者向け機能」)を展開し、「電話番号を確認」をクリックします。
  5. SMSまたは自動音声通話で認証コードを受け取り、入力して電話番号の確認を完了します。
  6. 重要:電話番号の確認後、ライブ配信機能が有効になるまで最大24時間かかります。配信予定日より前に、必ずこの作業を完了させてください。

STEP2.配信当日

事前準備が完了したら、以下の手順で配信を開始します。

⑴Zoomの設定(事前確認)

まず、Zoom側でYouTubeへの配信を許可する設定を行います。

  1. ZoomのWebサイトにサインインします。
  2. 左側のナビゲーションメニューから「設定」をクリックします。
  3. 「ミーティング」タブの中にある「ミーティング中(詳細)」セクションまでスクロールします。
  4. 「ミーティングのライブストリーミングを許可」という項目を探し、トグルをオン(有効)にします。
  5. 表示されるオプションのうち、「カスタム ライブストリーミング サービス」にチェックが入っていることを確認します。

⑵YouTube Liveの配信枠を作成

次に、YouTube側で配信の受け皿(配信枠)を作成します。

  1. YouTube Studioにログインし、右上の「作成」→「ライブ配信を開始」をクリックします。
  2. 左側のメニューで「ストリーミング ソフトウェア」(※元記事の「エンコーダー配信」からUIが変更)を選択します。
  3. 「新しいライブ配信」を作成し、「タイトル」や「公開範囲」(通常は「限定公開」または「公開」)を設定します。
  4. 配信枠が作成されると、ダッシュボードに「ストリームキー」(または「ストリーム名/キー」)と「ストリームURL」が表示されます。この2つをコピーしておきます。

⑶ZoomとYouTube Liveの連携

最後に、Zoomのミーティングを開始し、YouTubeに接続します。

  1. Zoomアプリでミーティング(またはウェビナー)を開始します。
  2. ホストのコントロールツールバーにある「詳細」(または「その他」の「・・・」)をクリックします。
  3. メニューから「カスタム ライブストリーミング」を選択します。(※元記事の「カスタムライブストリーミング配信サービス」からUIが変更)
  4. ブラウザで入力画面が開きます。
  5. 先ほどYouTubeでコピーした「ストリームURL」と「ストリームキー(ストリーム名/キー)」を入力します。
  6. 「ライブ ストリーミング中のページ URL」(これはYouTubeの実際の視聴用URL)を入力します。
  7. 「Go Live!」ボタンをクリックすると、ZoomからYouTubeへの映像送信が開始されます。
  8. 重要:この時点ではまだYouTubeでの配信は始まっていません。
  9. YouTube Studioの管理画面に戻り、プレビュー画面にZoomの映像が映っていることを確認します。
  10. 右上の「ライブ配信を開始」ボタン(YouTube Studio側)をクリックすると、一般視聴者への配信が開始されます。

ライブ配信する際の注意点

ビックリマーク

ZoomウェビナーとYouTube Liveを組み合わせることで双方のメリットを活かした配信が可能になるため、多くのユーザーが2つを組み合わせたウェビナー配信を実施しています。

しかし、それぞれが独立した別の機能を使用しているため、主催者が仕組みや注意点を正しく理解しておかないと、ウェビナー配信中に予期せぬ不具合が生じる可能性もあります。

ここでは、特に気にしておくべき注意点を紹介します。

事前テストの実施

多くの人に向けて配信するウェビナーを開催する場合、配信環境の確認も含め、事前にテスト配信を実施しておくことをおすすめします。ホスト以外に登壇者がいる場合、最低1名はテスト配信に参加してもらうようにしておきましょう。

また、YouTube Liveで使用するURLは一度配信してしまうと無効になってしまう点に注意が必要です。テスト配信はあくまで配信環境や動作チェックを行うものですので、テスト配信後、新たに配信用のURLを再度取得することを忘れないようにしましょう。

遅延を把握

ZoomウェビナーとYouTube Liveを組み合わせて配信を行う場合、Zoom側で受信されたものをYouTube側へ送信することで画面を共有するかたちになっています。そのため、Zoom側で参加しているユーザーと、YouTube側で参加しているユーザーとで遅延(ラグ)が数十秒発生してしまいます。

リアルタイムで参加者に反応を求める際など、この遅延を把握しておかないと、ちぐはぐな進行となってしまうため、登壇者にはあらかじめ説明しておくことをおすすめします。

画面・機能の共有

ZoomウェビナーとYouTube Liveを組み合わせたウェビナー配信は非常に便利ですが、あくまで配信しているライブ映像を共有しているだけにすぎません。それぞれの機能・画面は共有できていないことにも注意が必要です。

  • Zoom側で参加しているユーザーはYouTube Liveに書き込まれたコメントを閲覧することができない
  • YouTube側で参加しているユーザーはZoomウェビナーの機能(アンケートや質疑応答)などを利用できない

上記のコメントやZoomウェビナー機能はよく利用されるため、特に注意が必要です。

ライブ配信する際に必要な機材

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配信環境さえ気にしなければ、ライブ配信自体はPC1台で行うことも可能です。

しかし、ウェビナー配信ともなれば多くの人が参加することを前提としています。快適に閲覧してもらうため、最低限の機材は用意しておく方が無難です。

それでは、配信環境に直接影響する機材をいくつか解説していきます。

PC

配信に欠かせない端末がPCです。もちろん配信を行うだけであればスマートフォンやタブレットでも可能なケースがあります。

しかし、撮影・配信を行う端末は、映像や音声の処理を行う重要な役割を担っているため、特段の事情がない場合はPCで行うことをおすすめします。一般的にノートPCよりもデスクトップPCのほうがスペックは高い傾向にありますが、よほど古いPCでない限りウェビナー配信を行うためのスペックが不足しているということはないため、持ち運びが便利なノートPCで問題ありません。

後述のマイクやカメラを別途用意することが難しい場合は、使用予定のPCにカメラとマイクが内蔵されているか、しっかり確認しておきましょう。

インターネット環境

ウェビナー配信では、撮影した映像・音声をインターネット回線を利用してリアルタイムで配信します。そのため、ホスト(登壇者)が配信している場所のインターネット環境は重要となります。最近では光回線が主流となってきているため、多くの場合、通信速度は問題ありません。

しかし、無線LANでインターネット接続を行っている場合は、接続状況が安定しないケースがあるため、ウェビナー配信をする際、ホストや登壇者は有線LANでPCを接続しておくことをおすすめします。

カメラ

カメラ機能はほとんどのノートPCに標準で搭載されています。配信時の画質や画角にこだわりがない場合は、事前にカメラ機能のオンオフの動作チェックをしておけば問題ありません。

ウェビナーではスライドの共有などが可能ですが、もしオフラインでのセミナーのように、ホワイトボードなどを利用したウェビナーを実施したい場合は、別途カメラを接続しておく必要があります。

このように、配信するウェビナーの内容によって必要なカメラの機能は変わってきますので、ウェビナーの内容に合わせて機材のチェックも行いましょう。

マイク

マイクもカメラ同様、ほとんどのPCに標準で搭載されている機能の1つです。

ホストや登壇者に動きがほとんどない場合、PCに搭載されているマイクでも配信は可能ですが、PC内蔵のマイクでの配信はあまりおすすめではありません。PC内蔵のマイクを利用する場合、周囲の環境音やキーボードのタッチ音などが入り、登壇者の声が聞き取りづらくなる可能性があります。そのため、マイクに関しては予め外付けのものを購入し、動作確認をしてくことをおすすめします。

まとめ

ライブ配信しているビジネスマン

今回は、ZoomとYouTube Liveを連携する最新手順を解説しました。この方法には「アーカイブ自動保存」や「参加人数の拡大」という大きなメリットがあります。

ただし、「Zoomの有料プラン(Pro以上)」と「YouTubeの24時間前申請」が必須であり、配信中も「遅延(ラグ)の発生」や「コメント・アンケート機能が連動しない」点には注意が必要です。

これらのメリットと注意点を理解した上で、より多くの視聴者に情報を届けるため、ウェビナー配信に活用してみてはいかがでしょうか。

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