動画制作の外注費用について考えるうえで、重要なのは動画制作の依頼先です。
動画制作の依頼先は主に個人・動画制作会社・広告代理店の3つです。それぞれの特徴・費用相場・メリット・デメリットを表にまとめてみました。
動画制作の依頼先 | 特徴 | 費用相場 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|
個人 | 動画制作の1工程のみを切り取って行っている人が多い | 安い | ・費用を抑えられる細かな融通を効かせやすい ・動画制作の1工程のみを依頼できる | ・納期やクオリティなどが保証されない ・信頼できるクリエイターを探しにくい ・トラブルが起こった場合に解決しにくい |
動画制作会社 | 「企画」「映像制作」「編集」の3つの工程をすべ「て行う | 中程度 | ・「企画」「映像制作」「編集」の3つの工程をすべて依頼できる ・動画制作を専門に行っているため幅広いニーズに対応できる ・オプションメニューが豊富に準備されている | ・修正やスケジュール調整など、細かい部分で融通が利きにくい ・会社ごとに得意なジャンルと不得意なジャンルがある |
広告代理店 | 「企画」「映像制作」「編集」の3つの工程をすべて行うが、広告を売るのが本業のため、この部分は外注される事が多い | 高い | ・「企画」「映像制作」「編集」の3つの工程をすべて依頼できる ・動画を使った広告戦略を相談できる ・コンプライアンスやセキュリティがしっかりしている | ・動画制作費用が外注となるため価格が割高となる ・クライアントのイメージが伝わりにくい場合がある |
依頼先ごとの特徴・メリット・デメリットと費用の相場を照らし合わせて考えると、個人に依頼した場合と動画制作会社や広告代理店に依頼した場合で価格差が出る理由がおおまかに理解できるのではないでしょうか。
動画制作会社や広告代理店に動画制作を依頼する場合、費用は次の式で計算することができます。
見積金額の合計=企画費+人件費+諸経費
実際の見積書には、企画費・人件費・諸経費の中でも費用が細分化して記載されているため、それぞれの費用と内容を表にまとめてみました。
費用の項目 | 見積書に記載される項目 | 内容 | 1日あたりの料金相場 |
---|---|---|---|
企画費 | 企画構成費 | 動画制作の骨格となる企画を制作するための費用 | 5万~50万円 |
人件費 | プロデューサー費 | プロデューサーが1日稼働するための人件費 | 5万~50万円 |
ディレクター費 | ディレクターが1日稼働するための人件費 | 5万~50万円 | |
カメラマン費 | カメラマンが1日稼働するための人件費 | 5万~10万円 | |
アシスタント費 | アシスタントが1日稼働するための人件費 | 2万~5万円 | |
照明費 | 照明が1日稼働するための人件費 | 3万~10万円 | |
スタイリスト費 | スタイリストが1日稼働するための人件費 | 3万~5万円 | |
ヘアメイク費 | ヘアメイクが1日稼働するための人件費 | 3万~5万円 | |
音声録音費 | 音声録音担当者が1日稼働するための人件費 | 3万~10万円 | |
キャスト費 | 出演者が1日稼働するための人件費 | 10万~20万円 | |
エキストラ費 | エキストラが1日稼働するための人件費 | 1万~3万円 | |
ナレーター費 | ナレーターが1日稼働するための人件費 | 3万~5万円 | |
諸経費 | 撮影機材費 | 撮影機材(カメラ・レンズ・三脚・ドローンなど)照明機材(白熱球・蛍光灯・LEDなど)音声機材(ガンマイク・ワイヤレスマイク・ピンマイクなど)にかかる費用 | ・カメラ本体:5万~15万円 ・レンズ:3万~10万円 ・照明機器:3万~10万円など |
撮影スタジオ・ロケ費 | 撮影スタジオのレンタル費用やロケを行う場所の使用料金(ロケハンを行う場合はディレクターやカメラマンの人件費・交通費・宿泊費を加算) | ・スタジオレンタル:15万円~30万円 ・ロケ地レンタル:10万~25万円 |
制作したい動画のジャンルによっては、アニメーションやCGを使ったほうが効果的です。このような場合は、見積書の項目にアニメーション制作費やCG制作費といった形で加算されます。
まずアニメーション制作費ですが、演出・表現の違いと動画の尺によって価格が変わります。主な演出方法とその内容は次の通りです。
アニメーションの演出方法 | 内容 |
---|---|
スライドショー | グラフィックス素材を順番に表示させるアニメーション動画 |
モーショングラフィック | ロゴ・イラスト・文字・図形・写真などに動きや音を加えたアニメーション動画 |
ホワイトボードアニメーション | 黒板やホワイトボードに手書きで絵を描く様子をアニメーションで表現する動画 |
パラパラ漫画 | 複数の絵を連続で動かすアニメーション動画 |
フレームバイフレーム | 1レイヤー = 1フレームとして扱い、フレームが変わったらレイヤーの表示・非表示を切り替えていく手法で、アニメ映画のようなクオリティを再現したアニメーション動画 |
キャラクターアニメーション | 企業のオリジナルキャラクターが出演する動画 |
既存の素材を組み合わせて手間や時間をかけずに制作することも、アニメ映画のような高いクオリティで制作することも可能なので、動画を制作するうえでどのようなアニメーション動画にしたいのかを事前にしっかりと考えておくことが重要です。
そしてCG制作費ですが、(人件費+機材費)×日数で見積金額が決まります。人件費はCGクリエイターにかかる費用で、CGクリエイターの技量によってCG動画のクオリティが変化することから、見積金額もそれに応じて変動するという仕組みです。
また、機材費にはCG制作を行う際に使用するPCなどのハード・ソフトウェアのライセンス使用料や電気料金などが含まれているのです。
見積書に書かれているすべての項目を詳細に理解しておく必要はありませんが、制作したい動画の内容や演出によって費用が大きく変化することを覚えておきましょう。
動画制作を依頼する前に、動画制作をするための費用相場について知っておきたい人も多いのではないでしょうか。
動画の種類と依頼先に応じて相場が異なるため、それぞれ表にまとめてみました。
個人 | 動画制作会社や広告代理店 | |
---|---|---|
実写動画(ロケ・キャスト費用なし) | 5万円~ | 5万~50万円 |
実写動画(ロケ・キャスト費用あり) | 5万円~ | 10万~200万円 |
アニメーション動画 | 5万~10万円 | 5万~500万円 |
CG動画(2D) | 5万~10万円 | 30万~200万円 |
動画制作の依頼先には、個人・動画制作会社・広告代理店がありますが、費用も含めてどのような動画を制作したいときに依頼をするのがよいのでしょうか。それぞれご紹介します。
個人に依頼するのが望ましいのは次のような場合です。
できることは自社でまかない、できないことだけを切り離して依頼したい場合は個人へ依頼するのが望ましいでしょう。
動画制作会社に依頼するのが望ましいのは次のような場合です。
「企画」「映像制作」「編集」のすべての工程を外注して、一定以上の品質を担保しながら動画を制作したい場合は、動画制作会社に依頼するのが望ましいでしょう。
広告代理店に依頼するのが望ましいのは次のような場合です。
動画を制作する目的が商品やサービスのブランディングや販売促進である場合は、広告やマーケティング戦略を専門とする広告代理店に依頼するのが望ましいでしょう。
動画制作の費用を安く抑えるには、どのようなポイントに気を付ければよいのでしょうか。7つご紹介します。
動画制作は工数が多ければ多いほど費用がかかります。実写での撮影なら日数が多くなればなるほど工数は増え、実写・アニメーション・CGの中ではCGが一番工数がかかります。凝った台本や最新の技術を使わないと人の心を動かす動画ができないかといわれれば、そうではありません。動画制作の費用を抑えるためにも、自社で伝えたいことをよりシンプルな表現で伝えるには、どのような方法があるのかを考えてみましょう。そのためにも、参考になる動画を複数視聴するなど、リサーチは欠かせません。
あらかじめ自社の動画制作における予算を伝えておくと、その範囲内の金額で見積もりを出してもらうことができます。
ただし、あまりにも安い予算ではクオリティの低い動画しか作ることはできないため、予算を決める際には必ず自社の制作したい内容の動画における相場価格を把握しておくようにしましょう。
動画制作において、制作する動画の尺が長ければ長いほど費用がかかります。無理をして尺を削ることはないのですが、動画の目的やコンセプトをはっきり定めておくことで、無駄に長い尺の動画を制作して予算を掛け過ぎてしまうのを防止できるでしょう。
ナレーションの収録を自宅で行うと、スタジオ費やエンジニアの人件費を削減することができます。その際、ナレーターの所持している収録機材はどのようなものかを確認しておくと、音質の低下も避けられるでしょう。
撮影機材・照明機材・音響機材にかかる撮影機材費は、凝ったものを使用すればするほど高くなります。例えば、流行りの空撮動画を制作するためにドローンを使用したり、オリジナル曲を制作してBGMに使用したりすれば、その分だけ動画制作費用は高くなるということです。その機材を使用しないとイメージに合った動画が作成できないのか、今一度確認してみることが大切です。
人件費は時間単位で計算されるため、撮影日数をなるべく短くすることで削減できます。できるだけ効率のよい撮影スケジュールを組めるよう、全体を見渡して調整を行いましょう。
動画素材を撮影する際、地方でのロケを行わなければ、高額なロケ費・ロケハンにかかるディレクターやカメラマンの人件費・交通費・宿泊費などをかけずに済みます。ロケ地を探す際は近場で似たような雰囲気の場所がないかを必ず検討するようにしましょう。
動画制作を行う場合、外注先の動画制作会社や広告代理店を選ぶ際には、どのようなことに気を付ければよいのでしょうか。2つご紹介します。
自社の作りたい動画において概算の費用はおおまかに決められていても、制作の段階で特殊な撮影などが必要になる場合、機材や人材の不足から追加費用を請求されてしまう場合があります。このようなことを防止するためにも、自社の作りたい動画の目的・コンセプト・表現方法などについてしっかりと企画段階からチェックし、担当者とよくコミュニケーションを図ってイメージを共有しておくことが大切です。
どれだけ制作実績のある動画制作会社や広告代理店でも、コミュニケーションが不足した状態では自社が作りたい動画とは異なる動画になってしまう可能性がある。このようなことを避けるためにも、動画の企画・予算・納期などについて担当者と要所要所でしっかりとすり合わせを行い、外注先と動画のイメージをできるだけしっかりと共有しておくことが大切です。
一本の動画制作に必要な費用は、実写・アニメーション・CGなどの表現手法やロケやキャストの有無、また動画制作を依頼する先に応じて異なることがわかりました。自社の作りたい動画のイメージやコンセプトを積極的に外注先に伝えることで、より動画制作を適切な費用で行うことができます。
この記事を参考にして、ぜひ自社に合った外注先選びと動画制作を行ってみてください。
※今回紹介した費用はあくまでも目安です。実際の発注金額とは異なりますのであくまでも費用の参考としてください。
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