iMovieとは？どんな人に向いている？

iMovieは、Appleが提供する無料の動画編集アプリで、iPhone・iPad・Macなどに標準搭載されています。カット編集・字幕挿入・BGM追加・トランジションの適用など、基本的な編集機能はすべて備えており、はじめて動画編集に挑戦する人でも使いやすい設計が特徴です。

有料の編集ソフトに比べると機能面では制限もありますが、その分操作はシンプルで、直感的に使えることから初心者に非常に適しています。SNS用のショート動画や簡単なプレゼン動画、趣味のVlogなど、「まずは基本から始めたい」という方にはぴったりのアプリです。

iMovieでできること／できないこと

iMovieでできる主な編集機能は以下の通りです。

• 動画のカット編集
• テキスト（字幕）の追加
• BGMや効果音の挿入
• トランジション・フィルターの適用
• YouTubeやSNS向けの書き出し

iPhoneだけで完結する編集も可能で、SNS投稿向けの動画なら、追加アプリなしでも十分制作できます。

一方で、iMovieには以下のような制限もあります。

• テキスト（字幕）の自由な位置指定ができない（固定配置）
• 複数音声トラックの個別調整ができない
• 動画や画像のレイヤーを3つ以上重ねることができない
• テキストの装飾や詳細設定の自由度が低い

このように、「高度な編集」や「映像作品のような複雑な構成」を作りたい場合にはやや物足りなさがあるかもしれませんが、基本的な機能に集中したい初心者にはむしろ扱いやすい構成となっています。

【端末別】iMovie字幕の入れ方

以下では、Mac（PC）版・iPad版・iPhone版における最新の2025年UX/UIをもとに、字幕の入れ方を丁寧に解説します。タイトル（字幕）は「Titles」や「Text」ツールを用いて手動で追加する方式が共通ですが、端末ごとに操作手順や設定画面が異なります。

Mac（PC）版での字幕の入れ方

Mac版のiMovieでは「Titles」機能を使い、字幕をテンプレート形式で追加できます。UIは最新バージョン（2025年リリース）に準拠しています。

操作手順は以下の通りです。

• iMovieを起動後、「Create New」または既存プロジェクトを開く。
• 動画を「Import」からタイムラインへ読み込む。
• 上部の「Titles」タブをクリックし、字幕向けテンプレート（Standard／Lower Thirdなど）を選ぶ。
• 選んだテンプレートをタイムライン上の動画クリップにドラッグする。
• タイトルクリップをダブルクリックし、プレビュー画面で字幕テキストを入力する。
• フォント・サイズ・色・位置を右側インスペクタや上部ツールバーで調整する。
• 字幕のタイミングや表示時間をクリップの端をドラッグして調整する。
• 調整後、File > Share > File から書き出し設定を選んで動画を書き出す。

Mac版ではフレーム内での自由配置には制限がありますが、文字スタイルやタイミング調整の自由度は比較的高くなっています。

iPad版での字幕の入れ方

iPad版iMovieではタッチ操作で字幕を追加できます。最新UIにおいても、基本的な流れは直感的です。

操作手順は以下の通りです。

• iMovieアプリを開き、新規または既存プロジェクトを選択する。
• 「+」をタップし、動画をタイムラインに追加する。
• タイムライン上の動画クリップをタップし、下部の「T」（Text/Title）アイコンをタップする。
• 表示されたテンプレートの中から字幕向き（Standard／Lowerなど）を選ぶ。
• 選択したテンプレートをタップして追加し、プレビュー画面でテキストを入力する。
• テキストバーの両端をドラッグして表示タイミングを調整する。
• テキストをドラッグして配置を変更し、右上の完了または共有アイコンから書き出す。

iPad版では画面上の字幕を少し動かせますが、細かい位置指定は難しいという制限があります。

iPhone版での字幕の入れ方

iPhone版iMovieもiPad版とほぼ同様の操作手順です。タッチ操作中心でシンプルですが、手順は変わりません。

操作手順は以下の通りです。

• iMovieアプリを起動し、プロジェクトを新規作成または既存のものを開く。
• 必要な動画クリップをタイムラインに追加する。
• 動画クリップをタップし、「T」アイコンをタップしてテキストスタイルを選ぶ。
• 字幕テンプレートを適用し、プレビュー画面で字幕を入力する。
• タイミングや配置をドラッグで調整して完了。
• 完了後、共有アイコン（DoneまたはShare）から保存する。

iPhone版も細かいテキスト配置は難しいですが、短編動画や簡単な字幕入れには適しています。

iMovieで字幕を好きな位置に入れるテクニック

iMovieでは字幕の表示位置がテンプレートに固定されており、自由にドラッグして任意の場所へ動かすことは基本的にできません。

しかし、少し工夫すれば字幕をある程度希望の位置に配置する方法もあります。ここでは、自由度を高める3つの具体的なテクニックを紹介します。

改行・空白を活用して微調整する

文字の上下や左右の位置を少しずらしたいときには、テキストの中で改行や空白を入れることで位置を調整できます。

• 上下の位置を調整したい場合は、行頭に改行を入れてテキストを下げる。
• 左右の位置は、空白やスペースを追加することで微調整が可能。
• 左寄せ・中央寄せ・右寄せの切り替えを行うことで見え方も変えられる。

大きく動かすことはできませんが、テンプレートの見た目に沿った自然な範囲で位置をコントロールしたいときに便利な方法です。

PNG画像で好きな場所に表示させる

より自由に字幕の位置を決めたい場合は、背景が透明なPNG画像に文字を入れ、その画像を動画の上に重ねて表示する方法があります。

• KeynoteやCanvaなどで背景透過の画像を作成し、文字を配置する。
• 作成したPNG画像をiMovieにインポートし、タイムライン上に重ねて配置する。
• 動画の任意の位置に画像を配置し、サイズや表示時間も自由に設定できる。

この方法を使えば、iMovieの制限を超えて字幕を上下左右どこにでも置くことが可能になります。画像の作成にひと手間かかりますが、見た目にこだわりたい人にはおすすめです。

字幕編集に役立つiMovieの便利機能5選

iMovieで字幕を入れる際には、基本的な操作だけでなく、編集の自由度を高める補助的な機能も覚えておくと便利です。ここでは、作業効率や見た目を整えるために役立つ5つの機能について紹介します。

色の変更

字幕の色を変えることで、背景に馴染ませたり、視認性を高めたりできます。

• 字幕入力後、プレビュー画面の上に表示されるツールバーを開く。
• 色の選択ツールを使って好みの色を指定する。
• 明度や彩度も調整可能で、背景に応じてコントラストを調整できる。

文字の色を変更するだけで、動画全体の印象が変わるため、場面ごとに使い分けるのも効果的です。

フォント・サイズ調整

フォントや文字サイズを変えることで、字幕の雰囲気や読みやすさを調整できます。

• タイトルをダブルクリックすると編集画面が開く。
• 上部のドロップダウンからフォントを選択できる。
• サイズはスライダーや数値入力で細かく設定可能。

動画のトーンに合わせてフォントを選ぶと、統一感のある仕上がりになります。iMovieに用意されたフォントの中でも、読みやすさを重視するのがおすすめです。

位置調整・寄せ操作

iMovieでは自由な配置はできませんが、寄せ位置の変更である程度調整できます。

• ツールバーの整列アイコンを使って、左寄せ・中央寄せ・右寄せを切り替える。
• フォントやテンプレートによって初期位置が異なるため、微調整と組み合わせて使うと効果的。

見せたい内容や映像の構成に合わせて、適切な位置に文字を配置することが重要です。

枠線の追加

字幕に枠線を追加することで、背景に文字が埋もれるのを防ぐことができます。

• 編集ツール内にある「O」ボタンをクリックすると、アウトライン（縁取り）が有効になる。
• 必要に応じて「B」ボタンで太字化も可能。

文字に存在感を持たせたい場面や、背景が明るすぎて読みにくいときに活用すると効果的です。

複数の字幕を使う方法（※Mac限定）

複数の字幕を同時に表示したい場合は、テンプレート選択時に工夫する必要があります。特にMac版では「標準（Standard）」テンプレートを使うと、複数行の編集が可能です。

• 標準テンプレートは、最初から複数のテキスト入力フィールドが用意されている。
• それぞれに異なる内容を入れることで、同じタイミングで複数の字幕を表示できる。
• サイズや表示位置もそれぞれ独立して調整可能。

この機能は、iPhoneやiPadでは使えないため、必要な場合はMac版での作業が推奨されます。

字幕を削除・変更したいときの手順

字幕を入れたあとでミスに気づいたり、内容を変更したくなったりすることはよくあります。iMovieでは字幕の削除や変更も簡単にできるようになっているため、安心して編集を進めることができます。ここでは、Mac・iPhone・iPadそれぞれの端末別に削除や変更の方法を紹介します。

Mac（PC）版での削除方法

Mac版では、タイムライン上で字幕のクリップを選ぶことで簡単に削除できます。

• タイムライン上で、字幕の入っているタイトルクリップをクリックする。
• キーボードの「delete」キーを押すか、右クリックして「削除」を選択する。
• プレビュー画面で字幕が消えているか確認する。

字幕の一部だけを消す場合は、クリップを分割するか、内容を編集して消したい文字だけ削除します。動画の流れに違和感がないよう、必ず削除後に確認するようにしましょう。

iPhone／iPadでの削除手順

iPhoneやiPadでは、字幕を挿入したクリップをタップして編集モードに入ることで、削除や変更が可能になります。

• タイムラインにある字幕付きの動画クリップをタップする。
• 下部メニューの「T」または「タイトル」ボタンをタップする。
• 表示中の字幕を選び、入力欄のテキストを削除する。
• 字幕をまるごと削除したい場合は、テンプレート一覧から「なし」を選ぶ。
• 再生ボタンを押して、字幕が削除されているか確認する。

誤って字幕を残してしまうと、視聴者に誤解や違和感を与える可能性があります。編集後は必ずプレビューで確認するようにしましょう。

iMovie字幕テンプレートのおすすめ3選

iMovieにはさまざまな字幕用テンプレートが用意されており、動画の雰囲気や目的に合わせて選ぶことができます。どのテンプレートを使えばよいか迷ったときの参考になるように、初心者にも使いやすいおすすめのテンプレートを3つ紹介します。

ドキュメンタリー風に仕上げたいなら「下三分の一（線）」

このテンプレートは、画面下部に細い線が引かれ、その上に字幕が表示されるスタイルです。映像作品のエンドロールや、取材風の動画などにぴったり合う落ち着いたデザインとなっています。

• 企業名や日付、人物名などを記載する際に適している。
• 動画の締めくくり部分に使うことで、印象を残しやすい。
• 映像のトーンを壊さないシンプルさが魅力。

視聴者に余韻を与えるような構成を考えている場合には、このテンプレートが効果的です。

調整しやすいテンプレートなら「下」

文字の配置をある程度自由に操作したい場合には、このテンプレートが適しています。文字は画面下部に表示されますが、改行を使うことで上下の調整が可能です。

• 改行で行数を増やせば、文字の高さを細かく調整できる。
• 左寄せ、中央、右寄せの切り替えで横位置もある程度調整できる。
• テンプレート内で複数行を扱いたい人にも向いている。

iMovie内だけで完結させたいときに、自由度が高く応用が利きやすいテンプレートです。

ポップで親しみやすい雰囲気を出したいなら「雲」

このテンプレートは、字幕の背景に雲のようなイラストが表示され、全体にポップな印象を与えます。子ども向けの動画や、カジュアルな日常シーンにおすすめです。

• 雲の動きとともに文字が表示されるアニメーションが特徴。
• デザイン性が高く、動画に遊び心を加えたいときに役立つ。
• テンプレートを選ぶだけで簡単に使えるため、編集が苦手な人にも扱いやすい。

親しみやすさやかわいらしさを重視する動画には最適なテンプレートです。

まとめ

iMovieは、誰でも無料で使えるシンプルな動画編集アプリです。字幕の追加も直感的な操作で行えるため、編集に不慣れな人でもすぐに使いこなせます。

端末ごとの手順や、位置調整・便利機能・テンプレートの選び方を押さえておけば、用途に合った字幕付き動画を簡単に作ることができます。

まずは手元のiPhoneやMacから、短い動画で字幕編集を試してみてください。手軽に始められるiMovieは、動画制作の第一歩として最適なツールです。

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