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そもそも3Dデザインとはどのようなものなのか、またどういった場面で使用されているのか解説していきます。
「3Dデザイン」とは、3次元に見える「幅」「横」「奥行き」があり、飛び出して見えたり、奥行きがあるように見えたりするような立体的なデザインのことです。
近年では、アニメやゲームなどにも3Dデザインが用いられていることから、使用されることが一般的になってきました。3Dデザインの普及に伴い、3Dデザイナーの需要も高まってきています。
3Dデザインが使用されている業界はいろいろあります。
ゲーム・アニメ・映画など、いろいろな場面で3Dデザインは使用されています。
3Dを前面に押し出しているゲームやメガネを装着して鑑賞する映画や2次元のアニメでも、背景だけ3Dが使用されていることもあります。
このように、映像業界に3Dデザインはなくてはならない存在となってきました。
ARとは「拡張現実」、VRとは「仮想現実」のことです。
ARを使った最近のサービスでは、人気スマホアプリ「ポケモンGO」がそれにあたります。スマホの画面に映した目の前の風景に重なって表示されることで、ポケモンたちが現実世界に現れたかのような実在感を出せるのは、まさにAR技術によるものです。
また、家具や家電を実際のサイズで映し出してサイズ感を確認・体感できたりするAR技術などもあります。あらゆる分野でAR・VRは活用されており、今後もそのニーズは拡大していくでしょう。
建築・設計業界では、3DCADソフトという従来の平面的なCADデータに高さの情報を入力し、立体的なモデルを作成するソフトが一般的に使用されています。
また、3DCADと連携して設計を目に見える映像、つまり3DCGとして作り上げることもできます。
3Dデザインは普及が進んでいき、ソフトの機能も充実してきているので、一般の人でも勉強しやすくなってきています。
また、3Dデザインについて学べるスクールも豊富にあり、通うことなく自宅で学習ができるのでおすすめです。今回ご紹介する「Maya」と「3ds Max」は、メジャーな企業で多く使用され知名度も高いので教本が数多く出ています。
また、デジタルスクールやUdemyなどでも教材として販売されているので、情報は数多くあります。教本とインターネットの情報を活用して「Maya」と「3ds Max」の独学をすることも可能です。
3Dデザインを制作するソフトは数多く存在しますが、おすすめしたいのは「統合型ソフト」です。
「統合型ソフト」とは、モデリング・リトポロジー・UVエディット・アニメーション・リギング・レンダリング・3Dペインティング・スカルプト・エフェクト・ダイナミクスなど、3Dデザインに必要な機能が搭載されたソフトのことです。
統合型ソフトのなかでもおすすめなのが、数多くの企業で使用され機能面・情報量・日本語対応など初心者でも扱いやすい、Autodesk社がリリースしている統合型3DCGソフトの「Maya」または「3ds Max」です。
次の章では、「Maya」と「3ds Max」では何が違うのか、特徴や価格などを解説しながら比較していきます。
「Maya」とは、Autodesk社によるハイエンド3DCGソフトウェアです。ディズニーなどのクリエイティブ企業やハリウッド映画でも使用されています。
ゲーム・スマホアプリ・アニメ・映画などの3DCG制作に「Maya」のシェア率が高いため、3DCG制作用ソフトなら「Maya」と名前が上がるようなソフトです。
パワフルな統合ツールセットが搭載されており、アニメーション・環境・モーショングラフィックス・バーチャル リアリティ・キャラクターの作成に使用できます。
では、「Maya」の詳しい特徴について解説します。
Mayaはゲーム開発やキャラクターのアニメーション作成に向いています。
実写映像との相性が非常に良く、映像にエフェクトを入れるなどの加工時にもMayaが活用されているので、ゲーム・映画を含む映像業界・CMだけでなくハリウッドでも使われています。
Mayaの特徴・メリットについてご紹介します。
後述しますが、Mayaは3ds Maxと比べて使用できるプラグインの数が少ないです。
しかし、「MEL」というスクリプト言語を用いることで自分ならではの機能を拡張することが可能です。
Mayaはプラグインが少ない分、初期から使用可能なツールセットが豊富に用意されているため、手間をかけずにエフェクト・オブジェクト・アニメーションを簡単に作成することができます。
Maya2022がリリースされたことにより、MayaでUSD(Universal Scene Description)を使うことが可能になりました。
複数のギガバイトのデータを数秒でロードしたり、USD のシーン構造を簡単にプレビューできます。
USDデータのシームレスなインポート・エクスポートも可能となり、オープンソース プロジェクトとして提供されているため、必要に応じてカスタマイズすることもできます。
Mayaは、CGを実写に合成できるVFX技術に優れていて、映像業界ではトップシェアを占めています。
VFXとはVisual Effectsの略で、現実では不可能な画面効果を実現させるために、特撮を用いる映画やテレビドラマなどで使われます。
MayaはWindows・Mac・Linusに対応しています。
どのOSを使っても機能に過不足はないため、Windows・Mac・Linuxどれも問題なく使用可能です。
Mayaの「1か月」「1年」「3年」ごとの価格についてご紹介します。
¥36,300/1か月あたり(税込)
¥286,000/1年(税込)
¥772,200/3年(税込)
デザインソフトには長所もあれば短所も存在します。では、Mayaのデメリットについて解説していきます。
オブジェクトの移動・スケーリング・回転・ポリゴンの作成・プログラムの起動時などの単純な操作を実行する際に落ちやすいことです。
データが消えないように自動保存などの対策が必要です。
「3ds Max」と比較するとプラグインの数が限られています。
そのため、スクリプト言語である「MEL」を使ってカスタマイズする必要がありますが、プログラミングを覚える必要があるのでハードルは高いでしょう。
さきほど価格について紹介させていただいた通り、決して安いとは言えない価格です。
毎年、数十万の維持費が必要となるので、気軽な気持ちでの導入は難しいでしょう。
機能が充実している分、慣れるまでには時間が必要ですが、慣れればクオリティの高いデザイン制作が可能となります。
次に、Mayaとの違いも含めて「3ds Max」について解説していきます。
「3ds Max」もAutodesk社によるハイエンド3DCGソフトウェアです。「Maya」とは違い、建築パースに欠かせない3DCGなので、使用する業界も変わってきます。
3ds MaxはアニメーションCGの制作や建築業界の完成予想図の制作に向いています。
そのため、アニメーション業界・ゲーム業界・建築業界など、さまざまな業界で3ds Maxが活躍しています。
ここでは、3ds Maxの特徴・メリットについて解説していきます。
3ds Maxには、Mayaと比べると無料または有料のプラグインが豊富に用意されています。
Mayaではスクリプト言語の「MEL」を用いてプログラミングをして独自の機能を作成することが可能でしたが、3ds Maxはワンタッチですぐにプラグインの追加が可能です。
プラグインは、遠景の建物や、本棚などの家具を簡単に生成できるものがあります。「MEL」のようなスクリプト言語のコードを書かなくても、プラグインを導入することで実現したい機能を拡張できるのが特徴です。
3ds Maxはアニメーション機能が充実しています。もともとの機能も充実していますがプラグインでも多くの機能を導入することが可能です。
3ds Maxのみに対応したアニメーション系プラグインが多く、アニメ系のCG作成で使用されることがよくあります。
ここ最近では、「鬼滅の刃」も3ds Maxを使用して制作されています。以下の事例の記事をご覧いただくとお分かりいただけるように、とても精密に制作されており、人気が出るのも頷けます。
現実と遜色ないアニメーションのデザインを制作できることが特徴なので、映画やゲーム業界でも使用されています。
3ds MaxはCADとの連携に長けていて、建築や土木業界でも多く使用されています。
CADデータを3ds Maxに読み込ませることで、通行人・樹木・家具など、建物以外の素材を配置したり、色や質感をつけたり、ライティングやアニメーションをつけることも可能なので、CADで作ったデータがよりリアルに再現できます。
3ds Maxの「1か月」「1年」「3年」ごとの価格についてご紹介いたします。価格は「Maya」と同じです。
¥36,300/1か月あたり(税込)
¥286,000/1年(税込)
¥772,200/3年(税込)
Mayaは、Windows・Mac・Linuxに対応しているのに対し、3ds MaxはWindowsのみにしか対応していません。
3ds Maxを使用するときはWindowsを準備しましょう。
3ds Maxはプラグインがなければあまり高度なものが作れません。無料のプラグインもありますが、高度なプラグインは有料で高価なプラグインが多いです。
プラグインなしでも制作は可能ですが、かなりの時間を要してしまいます。既存の機能では、できることが限られてしまいます。
Mayaと同様に、3ds Maxにも毎年、維持費が必要です。
基本的な操作のみではなく3ds Maxはプラグインを活用しての制作が多いので、学習の段階で有料のプラグインを購入するとコストが高くなります。
今まで解説した「Maya」と「3ds Max」の比較を表にまとめました。
Maya | 3ds Max | |
---|---|---|
向いている制作物 | ゲーム開発やキャラクターアニメーション作成 | アニメーションCGの制作や建築業界の完成予想図 |
価格 | 1か月 ¥34,100/月 1年 ¥22,734/月 3年 ¥20,473/月 | 1か月 ¥34,100/月 1年 ¥22,734/月 3年 ¥20,473/月 |
CADとの互換性 | ○ | ◎ |
VFXとの連携 | ◎ | ○ |
プラグインの豊富さ | △ | ◎ |
カスタマイズ性 | ◎ | ○ |
アニメーション機能 | ○ | ◎ |
対応OS | Windows・MAC・Linux | Windows |
特徴・メリット | ・カスタマイズで拡張の可能性が無限大 ・ツールセットが豊富 ・VFX技術に長けている | ・プラグインが豊富 ・アニメーション機能が充実 ・CADとの連携に強い |
デメリット | ・落ちやすい ・プラグインが限られているため、プログラミングを覚える必要がある | ・プラグインがないと高度な制作ができない ・Mac非対応 |
今回は、「Maya」と「3ds Max」についてご紹介しました。
ゲーム開発やアニメのキャラクターの制作には「Maya」、アニメーションCGや建築業界の完成予想図の制作には「3ds Max」が向いています。金額は同じですが、「3ds Max」はMacに対応していないので注意が必要です。
「Maya」と「3ds Max」は30日間無料体験で使用することが可能ですので、まずはどちらも体験してみるのが良いでしょう。その後、自分が何を制作したいかしっかりと決めた後にソフトを選択して、更なる学習を進めていきましょう。
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