目次
2020年にYouTubeの国内利用者数は各段に増加し、9月には月間利用者数が6500万人を突破しました。利用者数が多いことから、自社で売りたい商品やサービスを宣伝するのにYouTubeは広告の費用対効果が高い媒体と言えるでしょう。
また2020年に総務省より発表された「令和2年版情報通信白書」によると、インターネットを利用する際に使用する機器の割合は、2016年を境としてPCよりスマホ・タブレット端末が上回りました。
スマホ・タブレット端末で手軽に視聴でき、商品やサービスの内容をわかりやすく伝えることのできるYouTube広告の出稿が増加すれば、企業にとって高い広告効果を期待できるだけではなく、Googleの目指すユーザビリティの向上にもつながります。
参照元:Think with Google「月間 6,500 万ユーザーを超えた YouTube、2020 年の国内利用実態──テレビでの利用も 2 倍に」
YouTubeで宣伝をするための広告の種類にはどのようなものがあるのでしょうか。それぞれの特徴を表にまとめてみました。
YouTube広告の種類 | 配信場所 | スキップ |
---|---|---|
スキップ可能なインストリーム広告 | 動画本編が再生されるディスプレイ内 | 〇 |
スキップ不可のインストリーム広告 | 動画本編が再生されるディスプレイ内 | × |
TrueViewディスカバリー広告 | トップページや検索結果、関連動画の横の部分 | × |
バンパー広告 | 動画本編が再生されるディスプレイ内 | × |
アウトストリーム広告 | Google 動画パートナー上のWebサイトやアプリ | ― |
マストヘッド広告(Googleの営業担当者を通じた予約ベースでのみ使用可能) | YouTube ホームフィードの上部 | ― |
オーバーレイ広告 | 動画再生画面の下部20% | 右上の×印を押すと消せる |
自社の商品やサービスを宣伝するにはどのような広告の種類が適しているのかを、費用も含めて検討してみることをおすすめします。
参照元:YouTubeヘルプ「YouTubeの広告フォーマット」
YouTube広告を制作会社に外注する際の費用の相場とは、どのようなものでしょうか。平均的な相場を表にまとめてみました。
内訳 | 金額の相場 |
---|---|
企画・構成費 | 5万~15万円 |
撮影費 | 3万~10万円 |
編集費 | 3万~8万円 |
音響・ナレーション費 | 3万~8万円 |
オプション | 内容によって変わる |
内訳についてそれぞれ解説します。
制作会社がクライアントにYouTube広告の用途や要望をヒアリングし、企画・動画の構成・動画のコンセプト・音響効果・ナレーションの有無などを決めるための費用です。
低価格のプランであれば簡易的な流れを決めるだけですが、高価格のプランでは詳細な台本や絵コンテを制作することとなるでしょう。
制作会社が企画・構成をもとに撮影を進めるためにかかる費用で、撮影スタッフ(カメラマン・照明・音声・アシスタントなど)の人件費と、撮影に使う機材費が含まれます。
低価格のプランであればハンディカメラ1つ・カメラマン1人といった簡易的な撮影となりますが、高価格のプランでは本格的な撮影機材が準備され、スタッフの人数もそれに応じて増加するでしょう。
プロモーション動画などの場合は撮影費が多くかかり、アニメーションの場合、撮影費は不要となります。
撮影で必要な素材が揃え、不要な部分をカットしたりテロップなどを挿入するための作業の費用で、動画制作のメインパートと言える段階です。
低価格のプランであれば手持ちの動画素材のみを編集するといったこともありますが、高価格のプランではCGアニメーションを取り入れることができるなど編集内容にも工夫が加わります。
編集し終わった動画にBGM・効果音・ナレーションなどを挿入するのにかかる費用です。
低価格のプランであれば無料素材を用いて費用を抑えますが、高価格プランではJASRACが著作権を管理している楽曲などを使用料を支払って用いたり、ナレーションにも声優が起用されたりするでしょう。
クライアントのニーズによって異なりますが、ドローンを使用した撮影プランや3DCGを取り入れられるプランなどがあるので、予算をかけて他のYouTube広告と差別化したい際は利用を検討してみましょう。
YouTube広告の運用にかかる費用の相場とはどのくらいなのでしょうか。まず、広告の出稿にかかる費用を広告の種類に応じて表にまとめてみました。
YouTube広告の種類 | 課金方法 | 広告料金の目安 |
---|---|---|
スキップ可能なインストリーム広告 | CPCV課金(動画広告が完全視聴されると課金される) | 3円~20円 |
スキップ不可のインストリーム広告 | CPM課金(動画広告が1,000回表示されると課金される) | 3円~20円 |
TrueViewディスカバリー広告 | CPC課金(クリックして動画広告が視聴されると課金される) | 3円~20円 |
バンパー広告 | CPM課金(動画広告が1,000回表示されると課金される) | 自分で費用を想定して入札を行うため一概には言えない |
アウトストリーム広告 | vCPM課金(動画広告が1000回、2秒以上視聴された場合に課金される) | 自分で費用を想定して入札を行うため一概には言えない |
マストヘッド広告(Googleの営業担当者を通じた予約ベースでのみ使用可能) | 固定の日別単価(CPD)制または固定のインプレッション単価(CPM)制 | YouTube広告の中で一番目立つ場所への配信となるため高額な場合が多い |
オーバーレイ広告 | CPM課金またはCPC課金 | 課金方法により異なるがクリック率が高ければCPM課金の方が費用対効果が良くなる |
次に運用代行の費用相場ですが、多くの代理店が月額広告費の20%を手数料として設定し、これとは別に初期費用や月額費用が発生する場合もあります。
また、サービスによっても価格が変わるので、料金に応じてどのようなサービスを受けられるのかを一覧表にしてみました。
料金相場 | サービス対応範囲 |
---|---|
月額10万円まで | ・YouTube広告の設定 ・運用管理 ・レポート作成 |
月額20万円~30万円まで | ・YouTube広告の設定 ・運用管理 ・レポート作成 ・動画制作(短いもの) |
月額50万円以上 | ・YouTube広告の設定 ・運用管理 ・レポート作成 ・動画制作全般 |
ただし、YouTube広告の運用代行をしてくれる代理店は、VSEO対策や動画制作などそれぞれに得意分野が異なるので、何に注力して運用してほしいのかを決めてから選ぶと、より自社に合ったサービスを受けることができるでしょう。
YouTube広告で宣伝をし、費用対効果の高かった事例にはどのようなものがあるのでしょうか。
Googleが販売するスマートスピーカー「Google Home」のYouTube広告はスキップ不可のインストリーム広告で、15秒に渡って流されました。
生活の中でありがちな「エアコンの消し忘れ」という設定から視聴者に共感を促し、15秒という短い尺の中でナレーションやストーリー説明だけではなく、価格のアピールまで詰め込んだ、飽きさせない構成が特徴的です。
「Google Home」は2017年10月の発売から2018年1月までに673万台も売れたので、この広告の費用対効果は高かったと言えるでしょう。
引用元:Googleキーワード「GoogleホームとGoogleアシスタントが2017年にもっと多くのことを成し遂げるのにどのように役立ったか」
YouTubeで広告を設定・出稿する手順をご紹介します。
おおまかな手順をご紹介しましたが、実際はもっと細かい設定が必要ですので、Google広告のヘルプを見ながら作業を進めることをおすすめします。
YouTubeで宣伝を行うメリット・デメリットは、どのようなことがあるのでしょうか。それぞれご紹介します。
YouTubeで自社の売りたい商品やサービスの宣伝をするメリットは次の7つです。
YouTube広告の主たる課金方法は、CPM課金(動画広告が1,000回表示されると課金される)とCPC課金(クリックして動画広告が視聴されると課金される)で、広告が視聴されなければ課金はされないシステムです。
また、興味のあるユーザーだけがYouTube広告を視聴するため、広告効果が出やすいのもメリットと言えるでしょう。
広告の運用にはデータ分析が欠かせませんが、YouTube広告ではYouTubeアナリティクスを用いると広告に対するユーザーの反応を可視化できるため、運用改善に繋げることができます。
視聴者の年齢や性別・広告の視聴回数・エンゲージメントなど、さまざまな角度から分析できるので、YouTube広告を配信するならYouTubeアナリティクスは必須のツールと言えるでしょう。
引用元:YouTubeヘルプ「YouTubeアナリティクスの基本」
YouTube広告では、ユーザーの属性・興味や習慣・積極的に調べている情報・Googleでよく検索しているキーワードなどにもとづき、ターゲティングを行ってユーザーに広告を配信することができます。
適切なターゲティングを設定することでコンバージョンにも繋がりやすくなるので、設定できるターゲティングの種類はどのようなものかをGoogle広告のヘルプで一度確認しておきましょう。
YouTube広告を視聴したとしても、すぐに問い合わせや購買行動などを起こすユーザーばかりではありません。YouTube広告では、そのようなユーザーに対してリマーケティング機能を用いて再度アプローチすることができます。
ターゲティング設定をする際にリマーケティングをするかどうかも選択できるので、認知度アップなどに繋げたい場合は効果的と言えるでしょう。
YouTube広告では主に動画を用いるので、テキストや画像のみの広告よりユーザーに伝えられる情報量が多くなります。動画が伝えることのできる情報量を数値化してみましょう。
このことからYouTube広告は、ユーザーの印象に残りやすい方法で興味・関心を惹きつけることができるとわかるでしょう。
YouTube広告では、動画内にCTAボタンなどを設置することでWebサイトやLPへの誘導を行うことができます。ユーザーに必要な情報をわかりやすく提供した後に、何らかのアクションを起こすように促すことができるということです。
スキップ可能な広告でも冒頭の5秒間は必ず視聴されるため、テレビCMのようにチャンネルを変えて見ないようにするといったことはできません。
YouTubeで自社の売りたい商品やサービスの宣伝をするデメリットは次の3つです。
どれだけ予算をかけてYouTube広告を作成したとしても、視聴者の心を惹きつける内容でなければスキップされたり、閉じられたりしてしまいます。
つまり、費用対効果が低くなってしまう可能性もあるということです。
2020年にマイボイスコム株式会社が行った第3回「インターネット広告に関するアンケート調査」では、20%以上の人が「YouTube等の動画サイトのスキップできない動画広告」を不快に感じているという結果が出ました。
企業として宣伝のために費用をかけて配信したにもかかわらずユーザーに不快感をもたらす内容の場合、商品・サービス・ブランドイメージの低下に繋がっているということです。
YouTube広告を出稿する際は、配信前に1営業日程度かかる審査が必要だということも頭に置いてスケジューリングしておきましょう。
場合によっては数日かかる場合があったり、審査を通過できなければ修正して再審査を受けたりする必要があるので時間に余裕を持つことが大切です。
YouTube広告を出稿する際に、より宣伝効果や費用対効果を高めるために気を付けてほしいポイントは次の通りです。
データをもとに分析を行い、運用しながら少しずつ広告効果を高めていく姿勢が大切と言えるでしょう。
YouTube広告における課金方法は、CPM課金(動画広告が1,000回表示されると課金される)とCPC課金(クリックして動画広告が視聴されると課金される)なので、それほど高額な宣伝費用がかかるわけではありませんが、外注して動画制作を行った場合は、内容に応じて費用が上がっていくことがわかりました。
どのようなWeb広告においても同じですが、出稿して最初から最適な運用ができるわけではありません。ユーザーの反応をよく観察してデータを収集しながら少しずつ改善を施し、広告効果を高めていく姿勢が重要です。
WEBでのお問い合わせはこちら