COLUMNコラム
YouTubeの広告費用はいくら?宣伝効果を高めるポイントを解説
動画マーケティング

YouTube広告はいくらかかる?費用相場から配信設定、成果を出すためのポイントまでわかりやすく紹介

YouTube広告は、動画の影響力を活かして効率よくプロモーションを行える手法として注目を集めています。
しかし「広告の種類が多くてわかりにくい」、「効果があるのか不安」といった声も少なくありません。
本記事では、YouTube広告の基本から具体的な費用、出稿方法、成果を上げるためのポイントまでを初心者にもわかりやすく解説します。
動画広告を活用したい企業のご担当者様や、Webマーケティングにこれから取り組みたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

YouTube広告とは?

YouTube広告とは?

 2024年5月時点で、日本国内のYouTube月間アクティブユーザー数(18歳以上対象)は約7,370万人に達しており、2020年の6,500万人から大幅に増加しています。(※1)利用者がこれだけ多いことから、自社の商品やサービスを宣伝する手段として、YouTubeは費用対効果の高い媒体であると言えるでしょう。
 また、総務省が発表した「令和6年版情報通信白書」によると、2023年の時点でスマートフォンの世帯保有率は90.6%に達し、パソコンの65.3%を大きく上回っています。(※2)今やスマートフォンはインターネット利用の主流端末となっており、手軽に動画が視聴できる環境が整っていることが、YouTube広告の普及を後押ししていると言えるでしょう。
(※1)好きと出会える YouTube は、深掘り、行動につながる場所へ
(※2)令和6年版 情報通信白書(第2部 第1章 第2節 第1項)

YouTubeで宣伝するための広告には種類がある

YouTubeで宣伝するための広告には種類がある

YouTubeで宣伝をするための広告の種類にはどのようなものがあるのでしょうか。それぞれの特徴を表にまとめてみました。

<広告の種類>

広告の種類 配信場所 スキップ可否 特徴
スキップ可能なインストリーム広告 YouTube 動画の再生前、中、後 可能(5秒後) 視聴者が5秒後にスキップ可能。30秒以上視聴またはクリックで課金対象。
スキップ不可のインストリーム広告 YouTube 動画の再生前、中、後 不可 6秒〜15秒程度の強制広告。視聴者はスキップできないため、確実にメッセージを伝えられる。
インフィード広告(旧:ディスカバリー広告) YouTubeのホーム、検索結果、関連動画 クリックで再生 サムネイルとテキストで構成され、視聴者が興味を持ってクリックすると動画が再生される。
バンパー広告 YouTube 動画の再生前、中、後 不可 6秒間の短い広告。視聴者を強制的に視聴させるため、認知度向上を目的に適している。
アウトストリーム広告 Google動画パートナーのサイトやアプリ 自動再生 YouTube外のサイトやアプリで表示される動画広告。モバイルユーザーへのリーチが効果的。
マストヘッド広告 YouTubeのホームフィード上部 自動再生 YouTubeのトップページ表示で大きなリーチを得られる。予約制で利用可能。
オーバーレイ広告 YouTube 動画の再生画面下部 閉じることが可能 動画再生中に表示される横長バナー広告。視聴を妨げずにクリックを促す。

自社の商品やサービスを宣伝するにはどのような広告の種類が適しているのかを、費用も含めて検討してみることをおすすめします。

参照元:YouTubeヘルプ「YouTubeの広告フォーマット」
参照元:YouTubeヘルプ「動画広告フォーマットの概要」

YouTube広告の制作にかかる費用

YouTube広告の制作にかかる費用を計算する

YouTube広告を制作会社に外注する際の費用の相場とは、どのようなものでしょうか。平均的な相場を表にまとめてみました。

<YouTube広告制作の費用相場>

内訳 金額の相場
企画・構成費 5万〜15万円
撮影費 3万〜10万円
編集費 3万〜8万円
音響・ナレーション費 3万〜8万円
オプション 内容によって変わる

内訳についてそれぞれ解説します。

企画・構成費

制作会社がクライアントにYouTube広告の用途や要望をヒアリングし、企画・動画の構成・動画のコンセプト・音響効果・ナレーションの有無などを決めるための費用です。

低価格のプランであれば簡易的な流れを決めるだけですが、高価格のプランでは詳細な台本や絵コンテを制作することとなるでしょう。

撮影費

制作会社が企画・構成をもとに撮影を進めるためにかかる費用で、撮影スタッフ(カメラマン・照明・音声・アシスタントなど)の人件費と、撮影に使う機材費が含まれます。

低価格のプランであればハンディカメラ1つ・カメラマン1人といった簡易的な撮影となりますが、高価格のプランでは本格的な撮影機材が準備され、スタッフの人数もそれに応じて増加するでしょう。

プロモーション動画などの場合は撮影費が多くかかり、アニメーションの場合、撮影費は不要となります。

編集費

撮影で必要な素材が揃え、不要な部分をカットしたりテロップなどを挿入するための作業の費用で、動画制作のメインパートと言える段階です。

低価格のプランであれば手持ちの動画素材のみを編集するといったこともありますが、高価格のプランではCGアニメーションを取り入れることができるなど編集内容にも工夫が加わります。

音響・ナレーション費

編集し終わった動画にBGM・効果音・ナレーションなどを挿入するのにかかる費用です。

低価格のプランであれば無料素材を用いて費用を抑えますが、高価格プランではJASRACが著作権を管理している楽曲などを使用料を支払って用いたり、ナレーションにも声優が起用されたりするでしょう。

オプション

クライアントのニーズによって異なりますが、ドローンを使用した撮影プランや3DCGを取り入れられるプランなどがあるので、予算をかけて他のYouTube広告と差別化したい際は利用を検討してみましょう。

YouTube広告の課金方式

YouTube広告には、目的や配信形式に応じて以下の課金方式があります。

CPV(Cost Per View)

動画が一定時間(通常30秒)以上視聴された場合に課金される方式です。視聴者が広告を最後まで見た場合や、広告内のリンクをクリックした場合にも課金対象となります。主に、視聴者の関心を引き、ブランド認知を高める目的で利用されます。

CPCV(Cost Per Completed View)

広告動画が最後まで視聴されたときにのみ料金が発生する課金方式です。広告の完視聴に対して課金されるため、視聴者の関心度が高いケースに絞って費用を支払うことができます。

CPM(Cost Per Mille)

広告が1,000回表示されるごとに課金される方式で、主に認知度向上を目的としたキャンペーンに適しています。広告が表示されるだけで課金されるため、広範囲にリーチしたい場合に効果的です。

vCPM(Viewable Cost Per Mille)

「ユーザーの画面上で広告の50%以上が1秒以上表示された」などの視認可能な表示1,000回ごとに課金される方式です。単なる配信数ではなく、実際に視聴者の目に触れた可能性の高い表示に対してのみ課金される点が特徴で、より精度の高いリーチを重視する場面に向いています。

CPC(Cost Per Click)

広告がクリックされるたびに課金される方式で、ウェブサイトへの誘導やコンバージョンを目的としたキャンペーンに適しています。クリック数に応じて費用が発生するため、成果報酬型の広告運用が可能です。

CPD(Cost Per Day)の説明

1日単位で広告枠を買い取る課金方式です。YouTubeのマストヘッド広告などで用いられ、大量のリーチを狙いたいキャンペーンやブランディング施策で使われます。

これらの課金方式を理解し、目的に応じて適切な方式を選択することが、効果的な広告運用につながります。

YouTube広告の運用にかかる費用

YouTube広告の運用にかかる費用の相場とはどのくらいなのでしょうか。まず、広告の出稿にかかる費用を広告の種類に応じて表にまとめてみました。

<YouTube広告と課金方式>

YouTube広告の種類 課金方法 広告料金の目安
スキップ可能なインストリーム広告 CPCV課金 3円〜20円
スキップ不可のインストリーム広告 CPM課金 400円〜600円 / 1,000回
インフィード動画広告(旧:ディスカバリー広告) CPC課金 3円〜20円
バンパー広告 CPM課金 自分で費用を想定して入札を行うため一概には言えない
アウトストリーム広告 vCPM課金 自分で費用を想定して入札を行うため一概には言えない
マストヘッド広告(Googleの営業担当者を通じた予約ベースでのみ使用可能) 固定の月別単価(CPD)制または固定のインプレッション単価(CPM)制 YouTube広告の中で一番目立つ場所への配信となるため高額な場合が多い
オーバーレイ広告 CPM課金またはCPC課金 課金方法により異なるが、クリック率が高ければCPM課金の方が費用対効果が良くなる

次に運用代行の費用相場ですが、多くの代理店が月額広告費の20%を手数料として設定し、これとは別に初期費用や月額費用が発生する場合もあります。

また、サービスによっても価格が変わるので、料金に応じてどのようなサービスを受けられるのかを一覧表にしてみました。

<サービスと費用相場>

料金相場 サービス対応範囲
月額10万円まで ・YouTube広告の設定
・運用管理
・レポート作成
月額20万円〜30万円まで ・YouTube広告の設定
・運用管理
・レポート作成
・動画制作(短いもの)
月額50万円以上 ・YouTube広告の設定
・運用管理
・レポート作成
・動画制作全般

ただし、YouTube広告の運用代行をしてくれる代理店は、VSEO対策や動画制作などそれぞれに得意分野が異なるので、何に注力して運用してほしいのかを決めてから選ぶと、より自社に合ったサービスを受けることができるでしょう。

参考:YouTubeAds 「料金設定」

YouTube広告の事例と費用に対する宣伝効果

YouTube広告の事例と費用に対する宣伝効果

YouTube広告で宣伝をし、費用対効果の高かった事例にはどのようなものがあるのでしょうか。Googleが販売するスマートスピーカー「Google Home」のYouTube広告はスキップ不可のインストリーム広告で、15秒に渡って流されました。

生活の中でありがちな「エアコンの消し忘れ」という設定から視聴者に共感を促し、15秒という短い尺の中でナレーションやストーリー説明だけではなく、価格のアピールまで詰め込んだ、飽きさせない構成が特徴的です。

「Google Home」は2017年10月の発売から2018年1月までに673万台も売れたので、この広告の費用対効果は高かったと言えるでしょう。

引用元:Googleキーワード「GoogleホームとGoogleアシスタントが2017年にもっと多くのことを成し遂げるのにどのように役立ったか」

YouTube広告を設定する手順・出稿する手順

YouTube広告を設定する手順・出稿する手順

YouTubeで広告を設定・出稿する手順をご紹介します。

Google広告
  1. Google広告のアカウントを作成する
  2. Google広告の管理画面で「ツールと設定」→「リンクアカウント」→「YouTube」から、自社チャンネルをリンクする(手順はGoogle広告ヘルプ「YouTube チャンネルと Google 広告アカウントをリンクする」を参照)
  3. Google広告にログインし、「新しいキャンペーンを作成」をクリック
  4. 管理画面左の「キャンペーン」→「+」→「新しいキャンペーンを作成」。
  5. 広告を配信する目的やキャンペーンのタイプを選択する
  6. → 「販売促進」「ブランド認知」「ウェブサイトトラフィック」などから選択し、キャンペーンタイプで「動画」を選びます。
  7. ※ 2025年4月以降は「動画アクションキャンペーン」は非推奨となり、「デマンドジェネレーション」などの形式が推奨されています。
  8. 広告グループを作成して、広告のターゲットや設定を行う
  9. → 広告グループ名、ユーザー属性(年齢・性別・興味関心など)、キーワード、トピック、プレースメント(表示先の指定)などを設定します。
  10. YouTubeにアップロードした動画のURLを貼り付け、「広告作成」を進める
  11. → 動画のURL(※限定公開または公開設定)を入力し、広告の形式(インストリーム広告・インフィード広告など)を選びます。
  12. → 広告見出し・説明・行動を促すフレーズ(例:「詳しくはこちら」)・ランディングページURLを入力し、作成を完了します。

おおまかな手順をご紹介しましたが、実際はもっと細かい設定が必要ですので、Google広告のヘルプを見ながら作業を進めることをおすすめします。

YouTubeで宣伝をするメリット・デメリット

YouTubeで宣伝をするメリット・デメリット

YouTubeで宣伝を行うメリット・デメリットは、どのようなことがあるのでしょうか。それぞれご紹介します。

YouTubeで宣伝をするメリット

YouTubeで自社の売りたい商品やサービスの宣伝をするメリットは次の7つです。

費用対効果が高い

YouTube広告の主たる課金方法は、CPM課金(動画広告が1,000回表示されると課金される)とCPC課金(クリックして動画広告が視聴されると課金される)で、広告が視聴されなければ課金はされないシステムです。

また、興味のあるユーザーだけがYouTube広告を視聴するため、広告効果が出やすいのもメリットと言えるでしょう。

広告の配信結果を分析できる

広告の運用にはデータ分析が欠かせませんが、YouTube広告ではYouTubeアナリティクスを用いると広告に対するユーザーの反応を可視化できるため、運用改善に繋げることができます。

視聴者の年齢や性別・広告の視聴回数・エンゲージメントなど、さまざまな角度から分析できるので、YouTube広告を配信するならYouTubeアナリティクスは必須のツールと言えるでしょう。

引用元:YouTubeヘルプ「YouTube アナリティクスの利用を開始する」

ターゲティングができる

YouTube広告では、ユーザーの属性・興味や習慣・積極的に調べている情報・Googleでよく検索しているキーワードなどにもとづき、ターゲティングを行ってユーザーに広告を配信することができます。

適切なターゲティングを設定することでコンバージョンにも繋がりやすくなるので、設定できるターゲティングの種類はどのようなものかをGoogle広告のヘルプで一度確認しておきましょう。

リマーケティングができる

YouTube広告を視聴したとしても、すぐに問い合わせや購買行動などを起こすユーザーばかりではありません。YouTube広告では、そのようなユーザーに対してリマーケティング機能を用いて再度アプローチすることができます。

ターゲティング設定をする際にリマーケティングをするかどうかも選択できるので、認知度アップなどに繋げたい場合は効果的と言えるでしょう。

伝えられる情報量が多い

YouTube広告では主に動画を用います。動画は視覚と聴覚を同時に活用できるため、テキストや静止画よりも多くの情報を短時間で伝えることができます。

このことからYouTube広告は、ユーザーの印象に残りやすい方法で興味・関心を惹きつけることができるとわかるでしょう。

ユーザーのアクションを促すことができる

YouTube広告では、動画内にCTAボタンなどを設置することでWebサイトやLPへの誘導を行うことができます。ユーザーに必要な情報をわかりやすく提供した後に、何らかのアクションを起こすように促すことができるということです。

一定時間は必ず視聴される

スキップ可能な広告でも冒頭の5秒間は必ず視聴されるため、テレビCMのようにチャンネルを変えて見ないようにするといったことはできません。

YouTubeで宣伝をするデメリット

YouTubeで自社の売りたい商品やサービスの宣伝をするデメリットは次の3つです。

広告が視聴されない可能性もある

どれだけ予算をかけてYouTube広告を作成したとしても、視聴者の心を惹きつける内容でなければスキップされたり、閉じられたりしてしまいます。

つまり、費用対効果が低くなってしまう可能性もあるということです。

広告が逆効果になる恐れがある

2024年にマイボイスコム株式会社が実施した第6回 インターネット広告に関するアンケート調査によると、「スキップできない動画広告」に不快感を抱いていると回答した人は全体の42.1%にのぼりました。特に「消せない広告」(51.3%)や「画面全体に表示される広告」(43.8%)なども不快に感じる広告として上位に挙げられており、ユーザーの広告体験に対する意識が厳しさを増していることがうかがえます。

企業として宣伝のために費用をかけて配信したにもかかわらずユーザーに不快感をもたらす内容の場合、商品・サービス・ブランドイメージの低下に繋がっているということです。

審査に時間がかかる場合もある

YouTube広告を出稿する際は、配信前に1営業日程度かかる審査が必要だということも頭に置いてスケジューリングしておきましょう。

場合によっては数日かかる場合があったり、審査を通過できなければ修正して再審査を受けたりする必要があるので時間に余裕を持つことが大切です。

引用元:YouTube広告ヘルプ「広告のポリシーの概要」

YouTubeでの宣伝効果を高める大切な5つのポイント

YouTubeでの宣伝効果を高める大切な5つのポイント

YouTube広告を出稿する際に、より宣伝効果や費用対効果を高めるために気を付けてほしいポイントは次の通りです。

  • YouTube広告を配信する目的を明確にすること
  • 目的に合わせたフォーマットを選定すること
  • 適切なターゲティング設定を行うこと
  • スキップされにくい広告クリエイティブを制作すること
  • 広告は複数のパターンで制作しテストを行うこと

データをもとに分析を行い、運用しながら少しずつ広告効果を高めていく姿勢が大切と言えるでしょう。

まとめ

データを収集しながら少しずつ改善を施し、YouTube広告効果を高めていく

YouTube広告における課金方法は、CPM課金(動画広告が1,000回表示されると課金される)とCPC課金(クリックして動画広告が視聴されると課金される)なので、それほど高額な宣伝費用がかかるわけではありませんが、外注して動画制作を行った場合は、内容に応じて費用が上がっていくことがわかりました。

どのようなWeb広告においても同じですが、出稿して最初から最適な運用ができるわけではありません。ユーザーの反応をよく観察してデータを収集しながら少しずつ改善を施し、広告効果を高めていく姿勢が重要です。

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