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無編集動画はYouTubeで伸びるのか?メリット・デメリットを解説!
動画制作・編集

無編集動画のメリット・デメリットとは

無編集動画にあまり良い印象を持っていないという方も多いのではないでしょうか?
編集にこだわっている動画が多い中、編集されていない動画はどうしても手を抜いていると伝わってしまうことがあるためです。
Youtube等で編集されている動画に見慣れてしまっている場合、無編集動画に物足りなさを感じてしまうこともありますが、やり方によっては、編集された動画よりも価値のあるコンテンツに仕上げることもできるのです。
特に、個人でアップロードされる動画では近頃では無編集のものも多くなってきています。今後は編集をおこなわない動画が増えていくことが予想されます。
今回は、無編集動画のメリット・デメリットについて紹介していきますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

無編集動画とは

無編集動画とは

撮影データに編集を加えずにアップロードされた動画のことを無編集動画と言います。動画編集ソフトで、素材の切り出しや繋ぎ、BGMやテロップの挿入など編集作業をおこなうのが一般的ですが、無編集動画ではこれらの作業はおこないません。ありのままの動画をそのまま公開するという点では生放送に近いですが、リアルタイムで公開するわけではありませんので、LIVE配信と無編集動画は別のものとなります。

撮影されたデータをそのまま公開することによって、良い点も悪い点も視聴者は見ることになります。内容次第ではありますが、視聴者に親近感を感じさせる動画になる可能性も秘めています。

ただし、動画内容によっては時間だけが長くなって間延びすることによって、中身が薄くなってしまうリスクもあります。なんとなくやろうというものではなく、あらかじめ「無編集」でアップロードすると方針を決めておいてから撮影することが大切です。

撮影時点で編集をおこなってからアップロードするのか、無編集でアップロードするのか、ある程度方針を決めておくことによって、動画内容がブレてしまうことを防ぐことができます。

ある程度初めから長時間の動画になることも想定できる、またはノーカットでお伝えしたほうが視聴者にとってより臨場感を感じることができるある動画は、無編集動画に向いていると言えるでしょう。

本記事では、「ノーカット動画」ではなく、編集を一切施していない無編集の動画について解説します。尺を変えずにテロップや装飾を加えた動画も「ノーカット動画」と呼ばれることがありますが、それとは異なり、本記事では編集を一切加えない無編集動画を対象とします。

無編集動画のメリット・デメリット

無編集動画のメリット・デメリット

撮影データ自体に高い質を求められる無編集動画ですが、編集が無くなることによって「スケジュール」、「コスト」、「動画の方針」なども180度違ったものになります。今まで通りの撮影の方法で良いのか、コスト面にどのような違いが出てくるのか、無編集動画に切り替えることによって起こる変化について理解を深めていきましょう。ここでは無編集動画のメリット、デメリットについて紹介していきます。

無編集動画のメリット

ここでは、無編集動画だからこそ得られる具体的なメリットについて紹介します。

編集時間が無くなるので時間を有効活用できる

編集作業には通常多くの時間がかかります。例えば、5分程度のデータでもテロップやBGMの挿入だけで数時間かかってしまうケースもあります。無編集動画にすることで、これらの時間を丸々カットできるという大きなメリットが発生します。

空いた時間を新たな動画の撮影時間に当てれば、動画のアップロード回数を増加させることもできます。または打ち合わせの時間を増やすことによって、動画の質を高めていくというのも良いでしょう。例えばこれまで睡眠時間を削って編集をやってきたという方にとっては、休養する時間ができます。余裕をもって撮影に挑むことで、新しいアイデアが生まれたりするものです。

編集に掛かっていたコストを削減できる

編集作業を外注している場合には、外注費コストのカットにもつなげることもできます。長時間の動画では数十万円~数百万単位の削減が見込めるケースもすくなくありません。チーム単位で動画を出している場合には、編集にかかってくる経費や人件費を削ることにもつながります。

その分を撮影にかかる費用に回したり、新たな企画にかかる費用に充てることもできるようになります。動画制作では、企画のマンネリ化で悩む方も多いようです。動画編集にかかる時間が削減できれば、新たなことにチャレンジできるという可能性も広がってくるものです。

編集費用は動画に掛かるコストの中でも大きな部分となっています。限られた予算内で動画制作を行う場合が多いと思いますが、思い切って無編集動画にすることで、大きなコスト削減に繋がります。

演者のスキル向上に期待できる

無編集で質の高い動画を出すことが求められますので、動画に出演する演者のトーク力の向上やスキルアップも見込めます。カット編集によって良いところだけをつなげることができませんので、無編集動画は動画の最初から最後まで、ありのままの映像を届けることになります。動画が面白いものになるかどうかは演者にかかっていると言っても過言ではありません。初めのうちは大変かもしれませんが、本数をこなしていくうえで動画を良く見せるための工夫も求められるので、結果的にスキルの向上につながることが多いです。

また、撮影のスキルがそのまま反映されます。臨機応変に対応が求められるカメラマンのスキルアップも見込めるかもしれません。動画撮影をチーム単位でおこなっている場合には、チーム全体のレベルアップにつなげることもできるでしょう。

視聴者にありのままを100%伝えることができる

無編集動画は、良いところも悪いところも視聴者は見ることになります。一般的に、撮影したデータは、素材の切り出しや繋ぎ、BGMやテロップの挿入など編集作業を行いますが、無編集動画ではこれらの作業は一切おこないません。ありのままの動画を視聴者に届けることができるため、内容が伝わりやすいという特徴があります。

ありのままの動画を出すことになりますので、演者が何を言いたいのか、伝えたいことはそのまま視聴者に伝わりやすくなります。新しい視聴者層を取り込むことだけでなく、親近感を持ってもらうことができれば、継続的な視聴にも期待ができます。

ただし、面白い内容だけでなく、つまらない内容までストレートに視聴者に伝わってしまうということを念頭に置いておきましょう。事前に動画でやるべきことを決めておき、メリハリのある質の高い動画を制作しようという意識も求められてきます。しかし、視聴者に熱意をもって伝えたい内容である場合、無編集動画は最適な方法と言えるでしょう。

無編集動画のデメリット

無編集動画の制作にあたって注意すべきデメリットについて解説していきます。

視聴者の高評価、低評価がハッキリ出やすい

編集が無い分、テンポが悪くなったり動画時間が長くなったりすると、評価されづらいという傾向があります。よほど演者に興味があったり、面白い内容にしなければ、視聴者は離れてしまうということを念頭に置いておきましょう。

無編集でも長時間再生し続けてもらうためには、編集がなくても面白いコンテンツを届けなければいけません。視聴者を確保するためには、これまで以上に企画力が問われます。これは困難が多いかもしれません。ただし編集作業をおこなわなくても自信を持って見てもらえる動画をアップロードできれば、新たな可能性が広がっています。

編集技術に疎くなってしまう可能性がある

「撮影・編集・アップロード」という流れで進めていたものが、編集作業が省かれることによって、編集技術が向上しないというデメリットがあります。動画編集ソフトも使う場面がなくなることで、使用方法や新しいアップデートに対応ができなくなってしまうことがあります。

定期的に編集した動画もおりまぜながらアップロードしていくことで、編集技術の低下を防ぐことができます。バランスよく編集動画も混ぜていくと良いでしょう。また、今後無編集動画だけを投稿するという方針の方も、編集は関係ないということではなく、いつ編集が必要になっても対応できるスタンスでいる必要はあるでしょう。動画アップロード後の評価次第では、方向性を変えざるを得ないこともあり得るからです。

無編集動画は編集が面倒な人に適しているか?

無編集動画は編集が面倒な人に適しているか?

無編集動画は、編集作業の負担を減らし、スケジュールやコストの面で大きな変化をもたらします。通常、編集にはテロップやBGMの挿入などで多くの時間を要しますが、無編集動画ではその作業を省けるため、撮影や企画により多くの時間を割くことができます。また、外注費や人件費を削減できるため、動画制作コストを抑えたい人にとってもメリットがあります。

一方で、無編集動画では演者のスキルがダイレクトに反映されるため、トーク力やカメラワークの向上が求められます。編集でテンポを整えられない分、視聴者を飽きさせない工夫が必要です。また、内容がそのまま伝わるため、演者の表現力が視聴者の評価に直結します。

無編集動画は、企画次第で視聴者との距離を縮め、親近感を生む強みがありますが、編集なしでも魅力的な動画を作るためには、話の構成や撮影の質を向上させる努力が不可欠です。編集が面倒だからという理由だけで選ぶと、視聴者の興味を引き続けるのが難しくなる可能性があるため、無編集のメリットを活かせるスタイルかどうかを見極めることが重要です。

無編集動画は企業案件に向いていない?

無編集動画は企業案件に向いていない?

無編集動画のもう1つの特徴は「企業案件」に向いてないということが挙げられます。純粋に視聴者(個人)に楽しんでもらいたいという動画が無編集動画に向いています。現状の傾向としては、企業から商品やサービスの紹介の依頼が来にくくなる可能性もあります。企業案件が欲しいという方には不向きと言えるでしょう。

編集動画でテンポよく端的に商品の良さを伝えてほしいという企業は多いですが、無編集動画ではその逆を行ってしまうことになります。企業案件を貰うことを前提にしていない動画であれば、全く関係ありませんが、企業案件を貰って収益を増やしたいと考えている場合には編集作業をおこなって丁寧に作り込んだ動画を出すべきです。

企業が宣伝したい商品やサービスは、視聴者に宣伝して使ってもらうというのが最終的な目的になっていますので、編集された動画で良いところを紹介して欲しいというのが本音です。もちろん無編集動画でも宣伝はできますが、編集が無いことによって良いところも悪いところもリアルに映し出されてしまうのは、企業にとってはややリスクを感じるでしょう。撮影前に編集するべき動画、無編集で出すべき動画を分けて考えるというのも1つの手段です。

Youtubeで無編集動画は再生回数を伸ばせるのか?

Youtubeで無編集動画は再生回数を伸ばせるのか?

無編集動画は、編集の手間を省ける一方で、視聴者の興味を引き続ける工夫が求められます。YouTubeでは「動画の長さ」「エンゲージメント率」などの要素が再生回数に大きく影響するとされており、編集の有無に関係なく、戦略的な動画作りが重要になります。

例えば、YouTubeで上位表示される動画の中央値の長さは約8~9分であり、視聴者が飽きることなく視聴しやすい時間設定が必要です。また、人気動画のエンゲージメント率(いいね・コメント・シェアの割合)は平均2.65%であり、これを上回ることが視聴者との接点を増やすカギとなります※。

無編集動画で再生回数を伸ばすには、次のような工夫が有効です。

  • 動画の長さを適切に設定する(短すぎると情報量が不足し、長すぎると離脱率が上がる)
  • 最初の数秒で視聴者を引き込む(イントロやサムネイルで興味を惹きつける)
  • タイトルとサムネイルを工夫する(視聴者がクリックしたくなるような要素を入れる)
  • 視聴者との交流を増やす(コメント返信や、コミュニティ投稿を活用する)
  • 動画内でアクションを促す(「チャンネル登録お願いします」「コメントで感想を教えてください」と促す)

無編集動画はリアルな雰囲気を伝える強みがある一方で、視聴者が飽きずに見続けられる構成を意識しないと、再生回数が伸び悩む可能性があります。そのため、無編集であっても**「話のテンポ」「間の取り方」「内容の濃さ」**などを意識することが重要です。

Web担当者Forum「YouTube動画の長さとエンゲージメント率の分析」(2025)

無編集動画を投稿しているYoutuberの実例

無編集動画を投稿しているYoutuberの実例

それではここからは、実際にアップロードされた無編集動画を紹介します。以下のチャンネルは無編集の動画をYoutubeに投稿していますが、沢山再生されています。これから無編集動画制作を考える方には、参考になるでしょう。

スーツ 背広チャンネル

鉄道や旅行に関する豊富な知識をもとに、淡々と語るスタイルが特徴のYouTuberです。動画は基本的にテロップやBGMを使わず、ワンカットで撮影されたものが多くを占めています。旅先での経験や社会への考察を持論ベースで語る構成が中心で、テンポの良い語り口と情報量の多さによって、編集なしでも視聴者を惹きつける力があります。
編集に頼らず、自身の話術と内容だけで成立させている点で、無編集動画の成功例として注目されています。知識を活かしたトーク動画を志す方には、参考になるチャンネルと言えるでしょう。

堀江貴文 ホリエモン

時事・社会テーマを中心に動画投稿を行う堀江貴文さんは、撮影から公開までのスピードを重視した「無編集スタイル」の第一人者とも言える存在です。

車内や移動中にスマートフォンで撮影したワンカット映像を、テロップや音楽なしでそのまま投稿する形式が多いです。
編集による演出を一切排した構成は、内容そのものの強さと話し方のテンポで勝負するスタイルであり、特にリアルタイム性や速報性を求められるテーマとの相性が抜群です。

まとめ

無編集動画は、演者のトーク力やスキルが必要とされる、ある意味高度な技術が必要とされる分野

無編集動画のメリット・デメリットについて紹介してきましたがいかがだったでしょうか?視聴者の評価がはっきり分かれやすいものではありますが、「時間を有効活用できる」、「コストを削減できる」、「演者のスキル向上に期待できる」、「視聴者にありのままを100%伝えることができる」といった多くのメリットがあります。編集でカバーすることができませんので、演者のトーク力やスキルが必要とされる、ある意味高度な技術が必要とされる分野と言えるでしょう。

動画の内容によって、編集する動画、編集しない動画を分けておくと撮影もスムーズに進めることができます。事前に編集の有無をはっきりさせたうえで、撮影に臨むという姿勢が必要となってきます。最終的には、編集・無編集どちらの動画でも出すことができるというのが理想ですので、自身にマッチするかどうかも含め、1度無編集動画にチャレンジしてみることをお勧めします。

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