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Twitchは2011年に誕生したサービスで、2014年にAmazonが買収し同社が運営を続けています。Twitchは知っていても運営がAmazonであることを知らない人は多いのではないでしょうか。
ゲームのライブ配信に特化したサービスであり、ゲームのライブ配信サービスとしてはおそらく世界で最も配信者数と視聴者数が多いサービスでしょう。視聴環境としては、パソコンのブラウザやスマートフォンのTwitch公式アプリなどから手軽に閲覧できます。
Twitch固有の便利な機能としては、Twitchを開くとゲームのタイトルとアイコンがずらっと並んでおり、自分の興味のあるゲームやトレンドになっているゲームをすぐに見つけることができる点です。ゲームのタイトルをクリックすると現在配信中の配信者が表示されますが、ほとんどの配信者のアイコンの下にその配信者の使用言語がタグとして表示されています。日本語で実況している配信者のコンテンツを閲覧したい場合は『日本語』とタグがついている配信者のコンテンツを探してクリックすれば配信を閲覧することが出来ます。
ゲームに限っては、Youtubeよりはるかに目的のコンテンツを見つけやすいサービスです。Youtubeとの違いを挙げるとすれば、どちらのサービスも配信した動画を残せる機能がありますがTwitchの保存期間は14日間となっており、あくまでリアルタイムでの配信を通じて視聴者とコミュニケーションをとることに特化している点です。
Twitchでゲーム配信するメリットを2つに分けて紹介します。
Twitchでゲームの配信をするメリットの1つとしては配信方法の手軽さにあります。
以前はOBSと呼ばれるツールなどを使用してかなり複雑な設定をしなければ配信が出来ませんでしたが、現在は『Twitch Studio』という無料の公式の配信ソフトがWindowsとMac用に配布されており、インストール後に簡単な設定のステップに従うだけで配信が可能です。
筆者も試してみましたが、何も戸惑うことなく配信が出来ました。この『Twitch Studio』は2020年12月13日現在ではベータ版となっておりますが、おそらく近日中に正式版としてリリースされると思われます。公式のツールなのでTwitch側で何か機能の追加や仕様の変更があっても安心して使えることがメリットだと思います。
また、PlayStation®4(以下、PS4)からの配信も試してみました。PS4の初期画面の『設定』- 『シェアとブロードキャスト』- 『他のサービスと連携する』- 『Twitch』を選択すると画面にQRコードとパスコードが表示されます。そのQRコードをスマートフォンで読み込むとTwitchのログイン情報を求められます。ログイン情報を入力するとパスコードを入力する画面が表示されるので、そのパスコードを入力するとTwitchのアカウントとの連携ができます。
配信するには、何かしらのゲームをプレイ中に、コントローラーの『SHARE』ボタンを押すと、配信先のサービスを選択する画面が表示されますのでTwitchを選択します。画面右側に『On Air』という赤い印が表示され、配信が開始されていることを知らせてくれます。終了するにはもう一度コントローラーのSHAREボタンを押して『終了』を押せば配信が終了されます。こちらも特に迷うことなく操作ができました。
1つ注意点をあげるとすれば、ゲームによっては『録画禁止区間』という権利的に配信ができないムービーのシーンなどがあり、その間は配信は止まりませんが視聴者には画面が映らない仕様となっています。これはTwitchに限らずYoutubeでも、どの配信サービスでも同じ条件なので覚えておくと良いでしょう。
Twitchでゲーム配信をするもうひとつのメリットとしては収益化の条件がYoutubeより比較的簡単であることです。2020年12月13日現在の情報では、Youtubeの収益化の基準は「過去12か月間の総再生時間が4,000時間、チャンネル登録者が1,000人以上」に対して、Twitchは以下のような条件となっています。
Youtubeに大量に動画をアップロードすれば再生時間の4,000時間は超えられるかもしれませんが、チャンネル登録者数を1,000人獲得するのはかなりハードルが高いです。それに対してTwitch側の条件はある程度コツコツ配信しながらSNS等で告知をしていけば決して無理な数字ではないのではないかと思います。また、ゲームも人気のタイトルや発売されてすぐのタイトルを配信することで、より簡単に収益化の条件を達成できるのではないでしょうか。
Twitchで収益を得るための条件として、『Twitchアフィリエイト』か『Twitchパートナー』資格への参加条件を満たした上でTwitchの運営サイドから承認を得る必要があります。(『Twitchアフィリエイト』と『Twitchパートナー』の違いに関しては、次のセクションで詳しく解説します。)
『Twitchアフィリエイト』か『Twitchパートナー』のどちらかに承認された上で、Twitchで収益を得る方法は以下の3つです。
1つめは『サブスク』と呼ばれる視聴者に有料でチャンネルを月額登録してもらう方法です。サブスク登録したユーザーは、配信中のチャットで使用できるオリジナルのスタンプや、サブスク会員限定のコンテンツを閲覧できる権利などを得ることが出来るというメリットがあります。
2つめは『ビッツ』と呼ばれるTwitch内独自の通貨のようなものを視聴者があらかじめ購入し、配信者の番組内でそのビッツを使用することにより収益を得られる投げ銭のような仕組みです。(こちらはYoutubeライブのスーパーチャットとほど同じ機能です)
3つめは広告収入で、これはYoutubeの広告収入とほぼ同じと考えても良いでしょう。
このほか、『Twitchアフィリエイト』か『Twitchパートナー』に承認されなくても利用することができる『Amazonアソシエイト』があります。これは、配信に使用している機材などをAmazonのアフィリエイトリンクで紹介し、視聴者がそのリンクを踏んで購入することで得られる収益です。
Twitchの収益化のプログラムには『Twitchアフィリエイト』と『Twitchパートナー』の2パターンが存在すると説明をさせていただきましたが、この2つの違いを説明したいと思います。
『Twitchアフィリエイト』は、一般的な収益化プログラムで、先にも説明しましたが、以下の条件を満たすことが条件です。この条件をクリアすると数週間以内にTwitchからメールが届くか自分のTwitchの画面の通知欄にお知らせが届きます。
『Twitchパートナー』は『Twitchアフィリエイト』の上位版と考えるのが一番簡単で、『Twitchアフィリエイト』では使用できない様々な機能が使えるようになります。2020年12月13日現在では『Twitchパートナー』に承認されるための具体的な条件や数字は公表されていませんが、相当数の登録者数や配信回数が求められることが予想されます。詳しくは、以下のリンクの下部にある比較表をご覧ください。
アフィリエイトプログラムへの参加(パートナーとアフィリエイトの違い)
このほか、注意点やポイントとして、以下の3点を挙げておきます。
支払いの受け取りに関してはPayPalが一番早くて便利だと思います。アカウントを持っていない方は事前に作成しておくことをおすすめします。
これまで説明してきた通り、Twitchは気軽にゲーム配信をできるプラットフォームです。ただ反面、注意しなければならない点も存在します。
Twitchに限らず、どの配信サービスでも注意したいのは『著作権』に関してです。最近大きな話題になったのが、2020年12月10日に発売されたばかりの『サイバーパンク2077』というゲームで「著作権法を違反した曲が使用されている」という申し立てがあり、これを受けてTwitch側が当該コンテンツを削除し、加えて複数回にわたって配信しているユーザーはアカウント停止となったというニュースです。サイバーパンク2077の開発会社は事前にこの問題を避けるために、動画の配信者向けにゲーム内の設定で『著作権保護楽曲の無効化機能』という設定を設けていたにもかかわらずこのような事態が起こりかなり大きなニュースとなりました。(※)
この件は、デジタルミレニアム著作権法(略称: DMCA)という著作権法に侵害したケースで、上記のようなゲーム内の映像や音楽に対して著作権法の侵害の措置がとられる事はかなりレアなケースですが、ゲームの実況配信者の中には部屋の中で別の端末で音楽を流しながらゲームを配信していることも少なくなく、その曲がマイク越しに配信されてしまいコンテンツが削除される事態が想定されます。最悪の場合はアカウント停止の措置となってしまうことも考えられるため、注意すべきでしょう。
配信の一般的なマナーとしては、視聴者が自分の配信に参加してきた時には「こんにちは」や「いらっしゃいませ」などの声をかけるようにしましょう。定期的に参加してくれる視聴者には「いつもありがとうごさいます」などの感謝の言葉をかけるようにすると良いと思います。視聴者からコメントで質問の書き込みがあれば戦闘中などの忙しいシーン以外ではなるべくこたえてあげるのが親切です。
TwitchはYoutubeに比べて自分の言語圏ではない視聴者が参加する事も多いので、英語のコメントなどの書き込みなどがあった場合は可能な範囲で答えるようにしましょう。こういった小さなことの積み重ねがフォロワー獲得やビッツ(投げ銭)に確実につながっていきます。
配信の際の告知ですが、2020年12月13日時点でのTwitchの機能ではTwitter等の外部SNSとの連携機能がありません。(Twitterアカウントのリンク掲載は可能)
現時点でTwitchの配信を開始した時に自動でTwitterに投稿ができるようになる一番簡単な方法は『IFTTT』というツールを使うことです。このツール上でTwitterとTwitchのアカウントを連携すれば、Twitchで配信を開始した時に自動でTwitter上で投稿が行われます。
また、Twitchのリンクの「https://www.twitch.tv/」のあとにユーザー名をつけたリンクが自分の配信チャンネルページとなりますのでそちらのページを定期的に告知することも有効です。
※参考:『サイバーパンク2077』の配信向け機能「著作権保護楽曲の無効化」に一部問題が発生
ゲームといえば子どもが遊ぶもので、趣味がゲームと聞けば暗いイメージがあるという時代があったかもしれませんが、スマートフォンの普及とともにカジュアルなゲームであれば誰もがダウンロードして遊んだことがある、という時代に変化したと思います。
直近では、『PlayStation®5』や『Nintendo Switch』などの登場で、社会現象と呼べるほどにゲーム人口は右肩上がりに増えています。それに伴いゲームの配信の方法も日に日に簡単になり、配信と視聴ともに私たちの日常となりつつあります。そのような状況の中で、楽みながら安心に配信をするために必要なTwitchの情報を書かせていただきました。この情報が何かしら皆さまの役にたてば幸いです。
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