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EFOは「Entry Form Optimization」の略で、入力フォームをユーザーにとって使いやすくする施策のことを指します。Web集客において、フォームの最適化は軽視できない重要項目です。
EFOの目的は、ユーザーがストレスなくフォームに入力し、最終的に情報を送信するまでのハードルを下げることです。たとえば、入力項目が多すぎたり、エラー表示が不明確だったりすると、それだけで離脱に繋がります。EFOを行うことで、ユーザー体験を向上させ、機会損失を減らす役割を果たします。
デジタルマーケティングの競争が激化する中、フォームからの離脱は大きな損失です。EFOは、UXの観点から使いやすさを徹底的に見直すことで、CVR(コンバージョン率)の向上を図る施策です。とくにスマートフォン利用者にとって、分かりやすく快適な入力体験があるかどうかは成果を大きく左右します。

EFOを実践するうえで、具体的にどのような改善が必要なのでしょうか?ここでは効果的な代表施策を紹介します。
不要な入力項目を削除し、本当に必要な情報だけに絞ることが重要です。たとえば、電話番号の入力が必須でない場合は任意にしたり、住所を簡略化した入力方法に変更することで、離脱を防げます。
ユーザーが入力中に即座にエラー内容を通知することで、最後にまとめてエラーが出るストレスを回避できます。入力欄の下に、丁寧な文言で理由を示すのがベストです。
郵便番号から住所を自動入力する機能や、過去の入力履歴の呼び出し、選択肢のドロップダウンなどを活用することで、ユーザーの負担を軽減できます。
視認性の高いボタン配置や、スマホでのタップしやすさ、視線の流れに沿った入力順序など、細部の設計でフォームの使いやすさは大きく変わります。目立つCTAボタンもCVR向上に効果的です。

実際にEFOを取り入れた企業が、どのように成果を上げたのか。ここでは具体的な施策と数字に基づいた成功事例を紹介します。
あるECサイトでは、CTAボタンの色をユーザーの視認性が高い色に変更し、文言を「購入する」から「カートに入れる」という押しやすい言葉に変えたことで、CVRが23%向上しました。ボタン周りの余白や配置を調整することでクリック率が高まり、全体のコンバージョンにも好影響を与えた事例です。
SaaSサービスの資料請求フォームでは、過去の入力情報をブラウザに保持させることで、2回目以降のユーザーの再入力を不要にしました。その結果、フォーム通過率が約1.5倍に改善され、リード獲得数が大幅に増加しました。
住宅系ポータルサイトでは、スマホユーザー向けに、フォームの入力欄や選択ボタンを指一本で操作しやすいサイズに拡大し、余白を確保することで誤タップを防止するように設計を見直しました。
また、チェックボックスやラジオボタンを縦並びにし、ラベルとボタンを一体化させることで、視認性と操作性が向上。さらに、キーボードの種類を項目に応じて自動切り替え(例:電話番号欄では数字キーボードを表示)するなど、モバイル特有のUXに配慮したUIに改善しました。
これにより、直帰率が42%→28%に改善し、同時にコンバージョン率も約18%上昇した事例があります。

EFOを効率的に実施するには、専門ツールの活用が効果的です。ここでは主要ツールと導入のポイントを紹介します。
2025年最新のおすすめEFOツールを、特徴と使いやすさを基準に3つ厳選して紹介します。
導入前には現状のフォーム離脱率や項目ごとの通過率を分析し、課題を明確にすることが重要です。ツールを設置したら、すぐに改善施策を試すのではなく、まずは現状の可視化から始めるのが効果的。トラッキングコードの設定や、個人情報保護の観点も忘れずチェックしましょう。

EFOは万能ではなく、やり方を間違えると逆効果になることも。失敗例から学び、注意点を押さえておきましょう。
「すべての項目を必須にした」「ポップアップで注意喚起を乱用した」など、過剰な施策によりUXを損ねてしまった事例があります。改善はユーザー行動を観察し、仮説と検証を繰り返すことが前提です。
装飾だけの変更や、不要な入力支援機能の追加は、かえって混乱を招くことがあります。特に高齢ユーザーやBtoBの業界では、過度な演出よりも「簡潔で安心できる」設計が求められます。
フォームは企業のためではなく、ユーザーのために存在します。ユーザビリティ調査やヒートマップツールを使って、実際の行動を観察することが成果への第一歩です。

BtoBサイトでは「とりあえず送る」ではなく「確度の高い問い合わせ」が重要です。BtoB特有のフォーム改善法を解説します。
BtoBでは「会社名・部署・役職」などが必要ですが、これらを1ページに詰め込むと離脱率が高くなります。セクション分けや進行状況バーを設置することで、心理的な負担を軽減できます。
入力されたデータが営業活動でどのように活用されるかを明確にしたうえで、必要項目を設計します。CRM連携やスコアリング基準に合った項目設計が、リードナーチャリングの成功に繋がります。

スマホユーザーの増加により、モバイルUIの最適化は不可避です。ここでは、モバイルEFOに必要な視点を紹介します。
入力欄は1行ずつ、ラベルは明確に表示し、タップしやすいボタンサイズを確保するなど、スマホ特有のUXを意識することが重要です。また、入力支援を強化することで、ユーザーの手間を最小限にできます。
PCでは1画面に複数項目を表示し、モバイルではステップ式にするなど、画面サイズや操作性に合わせた表示形式が重要です。レスポンシブデザインだけでなく、挙動も最適化しましょう。

EFOを進める際は、全体像を把握しつつ、一つずつ確実に改善していくことが重要です。チェックリストと改善の流れをまとめました。
「ここだけは外せない」EFO基本項目を一覧にしました。
【入力項目の構成・内容】
1.入力項目は必要最低限に絞っているか?
2.必須・任意の項目が明確に区別されているか?
3.入力項目の順序は自然な流れになっているか?
4.入力フォーマットが統一されているか?
5.項目ごとに補足説明や記入例があるか?
【エラーメッセージ・バリデーション】
6.入力ミスがあった際、リアルタイムでエラーが表示されるか?
7.エラーメッセージの内容が具体的で、ユーザーがすぐに修正方法を理解できるか?
8.エラーが発生した箇所が、色やアイコンなどで視覚的に分かりやすく示されているか?
9.全体のエラー表示だけでなく、入力項目ごとにエラーが分かるようになっているか?
【入力支援機能】
10.郵便番号を入力すると自動で住所が補完される仕組みがあるか?
11.都道府県や職業など、定型項目はプルダウンメニューから簡単に選べるか?
12.入力履歴やオートコンプリート機能がうまく活用されているか?
13.全角・半角の自動変換が適切に行われ、入力ストレスがないか?
【UI/UX・デザイン】
14.スマートフォンでもタップしやすい入力欄サイズになっているか?
15.全体のレイアウトが整理されており、見やすくスムーズに入力できるか?
16.長いフォームの場合、進行状況バーやページ分割で負担が軽減されているか?
17.送信ボタンの文言が明確で、思わず押したくなる表現になっているか?
18.入力完了後のサンクスページが分かりやすく、次の行動につながる設計になっているか?
【技術・解析】
19.フォーム入力の途中離脱データを取得し、改善に活かせる仕組みがあるか?
20.A/Bテストなど、フォームの効果を検証できる環境が整っているか?
21.個人情報の取り扱いについて、ガイドラインや法令に沿った対応ができているか?
これらの21項目を確認することで、フォーム全体の使いやすさや改善点を具体的に把握することができます。
1.現状分析 → 2.優先順位付け → 3.改善案の実装 → 4.A/Bテスト → 5.効果測定と再改善、というPDCAサイクルを意識することで、段階的に成果を出せます。
送信率やエラー発生率、フォーム到達率など、各種KPIを設定し、ツールを使ってA/Bテストを実施します。片方の変数だけを変えて比較することで、精度の高い判断が可能になります。

この記事では、EFOの基礎知識から具体的な改善策、成功事例、ツール選び、モバイル対策、BtoBでの応用法まで網羅的に紹介しました。
ユーザー視点に立ったフォーム改善は、小さな修正でも大きな成果をもたらします。
まずは自社の現状を分析し、できることから一つずつ改善していきましょう。。
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