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近年、SNSを活用した動画広告が急速に普及しています。
特に、YouTubeやInstagram、TikTokなどの主要プラットフォームでの動画広告は、従来のバナー広告やテキスト広告と比べて視認性が高く、エンゲージメント率も向上しやすいのが特徴です。
しかし、SNSごとに最適な広告フォーマットや課金方式を理解し、適切に運用しなければ、広告効果を最大化できません。本記事では、SNS動画広告が注目される理由や種類、効果的な戦略について詳しく解説します。

SNS動画広告が注目されている背景としては、スマートフォン・SNSユーザーの増加と、視聴環境の改善により動画コンテンツが身近になったことなどが考えられます。いつでもどこでもSNSや動画コンテンツを視聴できる環境が整ったために、動画広告の需要が高まったのでしょう。
以下、SNS動画広告が注目されるようになった理由を3つのポイントで解説します。
インターネットの利用について総務省が調査を行ったところ、インターネットの利用端末としてパソコンを選択している人よりも、スマートフォンを選択している人のほうが多いことがわかりました。
<インターネットの利用端末>
| 利用端末 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
|---|---|---|---|
| スマートフォン | 68.3% | 68.5% | 72.9% |
| パソコン | 50.4% | 48.1% | 47.4% |
出典:総務省「情報通信白書 令和6年版(2024年発行)」
引用元:総務省「情報通信白書 令和6年版」
スマートフォンの利用者数が増加したことに伴い、ネットの利用時間も増加傾向にあります。同じく総務省の調査によると、10〜60代でテレビの利用時間が減少しており、スマートフォンの利用時間が増加していることがわかりました。
<年代別のインターネットの利用時間>
| 世代 | 平成29年 | 平成30年 | 令和1年 | 令和2年 | 令和3年 |
|---|---|---|---|---|---|
| 10代 | 128.8分 | 167.5分 | 167.9分 | 224.2分 | 191.5分 |
| 20代 | 161.4分 | 149.8分 | 177.7分 | 255.4分 | 275.0分 |
| 30代 | 120.4分 | 110.7分 | 154.1分 | 188.6分 | 188.2分 |
| 40代 | 108.3分 | 119.7分 | 114.1分 | 160.2分 | 176.8分 |
| 50代 | 77.1分 | 104.3分 | 114.0分 | 130.0分 | 153.6分 |
| 60代 | 38.1分 | 60.9分 | 69.4分 | 105.5分 | 107.4分 |
引用元:総務省「令和3年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 報告書」
テレビCMをはじめとした動画広告よりも、SNSをはじめとしたインターネットサービスに出稿する動画広告の需要が高まっていると考えられます。
2020年以降、5G回線の商用化が進み、高画質な動画コンテンツの視聴が容易になりました。
さらに、携帯料金の値下げや公共Wi-Fiの普及により、データ通信量を気にせずSNS動画を視聴できる環境が整っています。
広告運用に関わるさまざまな機能が強化され出稿しやすくなったことも、SNS動画広告が注目されるようになった背景と考えられます。
後述しますが、現在ではさまざまなSNSにおいて広告を出稿できる体勢が整っています。ビジネスの状況に合わせたさまざまな課金形式や配信方式が用意されているのです。ユーザーのリアクションを分析するツールの機能も強化され、より効率よく動画広告を運用できるようになりました。
各SNSの機能改善・強化も、SNS動画広告が注目されるようになった一因でしょう。

動画広告には、大きくわけて2つの種類があります。表示される場所でわけられているので、SNS動画広告を運用する際は種類を把握しておきましょう。
以下、SNS動画広告の種類を詳しく解説します。
インストリーム広告とは、ユーザーが閲覧したい動画と同じ枠に表示される広告のことです。代表的なのは、YouTube動画の視聴中に表示される広告でしょう。
インストリーム広告は、表示されるタイミングによって3つに分類されます。
<インストリーム広告の種類>
| 種類 | タイミング |
|---|---|
| プレロール広告 | 動画本編が再生される前に表示される |
| ミッドロール広告 | 動画の途中で表示される |
| ポストロール広告 | 動画が終了してから表示される |
表示されるタイミングによって、ユーザーが受ける印象は変わります。それぞれの特徴を理解し、広告運用に活かしましょう。
プレロール広告は、動画本編が再生される前に表示される広告です。YouTube動画を再生しようとクリックした際に、先に表示される広告を指します。確実に広告を見てもらえることがメリットですが、動画がすぐ再生されないストレスを与える点はデメリットといえるでしょう。
ミッドロール広告は、動画を再生している途中に挿入される広告です。昨今では、プレロール広告よりもユーザーに与えるストレスが少ないとして、多く利用されています。
ポストロール広告は、動画の再生が終了してから表示される広告です。ユーザーに与えるストレスは少ないですが、視聴してもらえる確率は極端に下がります。
アウトストリーム広告は、ユーザーが閲覧したいコンテンツの枠外に表示される広告です。ニュースサイトに表示されるバナー広告や、Instagramのタイムラインに表示される広告などがアウトストリーム広告に該当します。
アウトストリーム広告は、以下の3つにわけられます。
<アウトストリーム広告の種類>
| 種類 | 表示場所 |
|---|---|
| インリード広告 | SNS投稿やニュース記事に紛れるように表示される |
| インバナー広告 | ブログやメディアサイトに設置されたバナーに表示される |
| オーバーレイ広告 | コンテンツに重なるように表示される |
アウトストリーム広告の場合、種類によってユーザーに与えるストレスの大きさが異なるため、注意が必要です。
インリード広告は、SNS投稿やニュース記事の見出し一覧に紛れるように表示される広告のことです。プロモーションツイートがインリード広告に該当します。
通常の投稿と同じ形式で表示されるため、広告であると気づかれにくく、ユーザーにストレスを与えにくいのが特徴です。なお、「インリード広告」はフィード内に自然に差し込まれる動画広告を指し、「インフィード広告」は静止画や動画を含むフィード内広告全般を指す用語であり、媒体や提供会社により使い分けが異なる場合もあります。
インバナー広告は、メディアサイトやブログなどのバナーに表示される動画広告のことです。ユーザーにストレスを与えにくい一方、見てもらえない可能性が高いことがデメリットといえるでしょう。
SNSの場合、バナー広告を表示できるサービスはほとんどありませんが、LINEではトーク一覧画面の上部にバナー広告を表示させられます。
オーバーレイ広告は、画面に覆い被さるように表示される広告です。メディアサイトを見ていてページを移動しようとした際に、それまで見ていた画面に被るように表示される広告などが、オーバーレイ広告に該当します。オーバーレイ広告は、表示方法によって3つに分類されます。
<オーバーレイ広告の種類>
| 種類 | 表示方法 |
|---|---|
| インタースティシャル広告 | 画面に重なるように表示される |
| ポップアップ広告 | 新規ウィンドウで表示される |
| アンカー広告 | 画面の上部・下部に固定して表示される |
インターステイシャル広告やポップアップ広告は、ユーザーに強いストレスを与える場合が少なくありません。また、スマートフォン利用者が多い昨今では、アンカー広告も大きなストレスを与えるでしょう。

SNS動画広告には、主に4種類の課金形式があります。課金形式によって予算が大きく異なるので、動画広告を運用する際は自社に適した課金形式を考えましょう。
<課金形式と料金の発生タイミング>
| 課金形式 | 料金が発生するタイミング |
|---|---|
| CPV課金 | 一定時間視聴されたとき |
| CPM課金 | 動画広告が1,000回視聴されたとき |
| CPC課金 | 広告リンクがクリックされたとき |
| CPI課金 | アプリがインストールされたとき |
広告の種類によって課金方式が決まっている場合もあります。
以下、課金方式を詳しく解説します。広告を運用する際は、種類や課金形式を検討しましょう。
CPV課金は「Cost Per View」の略で、動画広告が一定時間再生されると料金が発生する課金形式です。料金が発生するタイミングは広告によって異なり、3秒や5秒のほか、完全視聴時のみ料金が発生するものもあります。
スキップ可能な「スキッパブル広告」で採用されており、CPMに比べるとユーザーにストレスを与えにくいことがメリットです。
CPM課金は「Cost Per Mille」の略で、動画広告が1,000回視聴されると料金が発生する課金形式です。
広告の再生をスキップできない「ノンスキッパブル広告」で採用されており、動画を最後まで視聴してもらいたい場合に適しています。
CPC課金は「Cost Per Click」の略で、動画広告のリンクをクリックされた回数に応じて料金が発生する課金形式です。
CPVやCPMと比べると、よりコンバージョンに繋がりやすいタイミングでのみ料金が発生する課金形式といえます。
CPI課金は「Cost Per Install」の略で、アプリがインストールされたときに料金が発生する課金形式です。
CPCと同じく、コンバージョンに繋がりやすいタイミングでのみ課金されるため、費用が無駄にならないことがメリットでしょう。

動画広告の戦略は、利用するSNSに応じて考える必要があります。主要SNSと特徴をご紹介します。
X(旧Twitter)は、若年層を中心に幅広い年齢層のユーザーがいるSNSです。Twitterに出稿できる広告は、以下の5種類です。
<X(旧Twitter)に出稿可能な広告の種類>
| 広告の種類 | 概要 |
|---|---|
| プロモツイート(ビデオ) | プロモツイートに動画を添付 |
| インストリーム動画広告 | 公式に認定されたパートナーのコンテンツで表示 |
| Amplifyスポンサーシップ | 指定したパートナーの動画コンテンツに表示 |
| ファーストビュー | タイムライントップに表示 |
| プロモライブビデオ | ライブ配信形式の動画広告 |
X(旧Twitter)の動画広告において重要なのは、無音でも成立する内容にすることです。TikTokやYouTubeと異なり、X(旧Twitter)を閲覧する際には音声をオフにしている方も少なくありません。字幕を入れる、文字ベースの広告にするなど、無音でも内容が伝わるよう工夫しましょう。
また、15秒以内の動画のほうが長い動画よりも反応がよいことが公式から発表されています。無音でも問題のない15秒以内の広告クリエイティブを作成すると、高い運用効果を発揮できるでしょう。
参照元:Twitterマーケティング「Twitter動画広告の効果を高めるためにモバイル最適化を勧める5つの理由」
Facebookは、若年層だけでなく中高年層も多く利用するSNSです。ほかのSNSと比較して、若年層よりも中高年層の利用頻度が高い傾向があります。Facebookに出稿できる広告の種類は、以下の3種類です。
<Facebook に出稿可能な広告の種類>
| 広告の種類 | 概要 |
|---|---|
| フィード広告 | タイムラインに表示 |
| インストリーム広告 | Facebook動画の再生中に表示 |
| ストーリーズ広告 | ストーリーズで表示 |
Facebookでは技術的に最大241分(約14,460秒)の動画広告が出稿可能ですが、Meta社ではユーザー体験と広告効果を考慮し、15秒以内の短尺広告が推奨されています。特にスマートフォン中心の視聴環境では、短時間でインパクトを与える構成が効果的です。
また、Facebookは、ほかのSNSと比べて中高年層の利用者が多いため、あまりにカジュアルな雰囲気は合いません。文字フォントや配色などに注意し、大人でも楽しみやすい雰囲気の広告を制作してください。
YouTubeは、動画広告を運用するうえで非常に重要なプラットフォームです。動画共有プラットフォームとしてトップクラスのユーザー数を誇り、日本国内だけでも7,000万人の月間アクティブユーザーがいます。YouTubeに出稿できる広告は、以下の6種類です。
<YouTubeに出稿可能な広告の種類>
| 広告の種類 | 概要 |
|---|---|
| TrueViewインストリーム広告 | 動画の前後や途中で表示 |
| インフィード動画広告 | 関連動画や検索結果一覧に表示 |
| バンパー広告 | 動画内で表示されるスキップ不可能な広告 |
| アウトストリーム広告 | パートナー認定を受けたサイトやアプリで表示 |
| マストヘッド広告 | トップ画面上部に表示 |
| オーバーレイ広告 | 動画再生中に再生枠下部に表示 |
YouTubeの場合、テレビCMに用いられるクリエイティブがそのまま広告として流れる場合も多いです。そのため、ほかの広告と比べて見劣りしないような高いクオリティの動画を制作する必要があるでしょう。
クオリティが低い動画はユーザーから信頼されにくく、コンバージョンにも繋がりません。スキッパブル広告に関しては、動画冒頭でユーザーを引き込むようなメッセージを入れ込む工夫が必要です。
参照元:Think with Google「YouTube をマーケティングのヒントに —— トレンドが生まれ、マルチフォーマットなどで生活に定着進む」
Instagramは、写真や動画の共有プラットフォームとして人気があるSNSです。ユーザーは若年層が中心ですが、中高年層にも人気があります。Instagramに出稿できる広告は、以下の4種類です。
<Instagramに出稿可能な広告の種類>
| 広告の種類 | 概要 |
|---|---|
| フィード広告 | タイムラインに表示 |
| ストーリーズ広告 | ストーリーズ投稿に紛れて表示 |
| 発見タブ広告 | 発見タブの一覧画面に表示 |
| リール広告 | リール動画に紛れて表示 |
Instagramの動画広告を制作する場合は、テキストの位置に注意が必要です。リールやストーリーズ広告の場合、テキストが上下に寄りすぎていると、アイコンやCTAボタンに重なって読めません。
また、スマートフォンユーザーが大半を占めるので、基本的に縦型の動画を制作してください。
TikTokは、若年層に人気があるSNSです。1分ほどの短尺動画を投稿するプラットフォームとして、2020年頃から爆発的にヒットしました。TikTokに出稿できる動画広告の種類は、以下の3種類です。
<TikTokに出稿可能な広告の種類>
| 広告の種類 | 概要 |
|---|---|
| 起動画面広告 | アプリ起動時に表示 |
| チャレンジ広告 | ハッシュタグを活用したキャンペーン |
| インフィード広告 | 通常投稿と同じスタイルで表示 |
TikTokで動画広告を運用する場合は、動画のテンポ感が重要といえるでしょう。1分ほどの短尺動画がメインのプラットフォームだからこそ、冒頭2〜3秒で視聴者の心を掴み、気づいたら1分経っているようなテンポのよさが必要です。
具体的には、カットを増やして間をなくす、字幕を頻繁に切り替える、効果音を入れるなどが効果的でしょう。縦長動画のメリットをしっかりと活かすこと、カジュアルな配色を心がけることも効果的です。
LINEは、全世代から幅広く支持されているSNSです。友人や家族、仕事仲間などと連絡を取るために利用するので、多くの人が日常的に閲覧している点が強みといえるでしょう。ユーザー数は9,500万人以上で、国内利用者がトップクラスに多いことも強みです。LINEに出稿できる動画広告の種類は、以下の4種類です。
<LINEに出稿可能な広告の種類>
| 広告の種類 | 概要 |
|---|---|
| オーディエンスセグメント配信 | 年齢・性別・地域・興味関心をターゲティングして配信 |
| オーディエンス配信 | 広告のオーディエンス情報から特定のユーザーのみに配信/特定ユーザーを除外して配信(リターゲティング配信) |
| 類似配信 | ソース元とするオーディエンスと類似のユーザーに配信 |
| 友だち追加 | 友だち追加を促す広告/友だち追加されるごとに課金 |
LINEはさまざまなサービスを展開しており、広告配信に関しても「友だち・グループ一覧」「トーク一覧」「LINE NEWS」「LINE VOOM」など、さまざまな配信面に広告を表示させられます。ユーザー数が多い分、どれだけ緻密にターゲティングできるか、どれだけ広告クリエイティブを作り込めるかが鍵となるでしょう。
さまざまな配信面で表示されても問題がないように、あらかじめ複数の表示形式で見え方を確認することも大切です。

SNS動画広告を制作する際は、単に目を引く動画を作るだけではなく、売上やコンバージョンに結びつく設計が重要です。ターゲット設定や媒体ごとの最適化、広告フォーマットの選択、遷移先の作り込み、そして継続的な改善が求められます。ここでは、効果的なSNS動画広告を制作するためのポイントを5つ紹介します。
SNS動画広告の効果を最大化するには、誰に向けて発信するのかを明確にすることが不可欠です。ターゲットが曖昧な広告は、誰の心にも響かず、期待するコンバージョンにつながりません。
動画広告を通じて訴求したい相手を明確にするために、年齢や性別、趣味嗜好、居住地域などの条件を具体的に設定すると、訴求内容や表現が定まりやすくなります。適切なターゲティングができていれば、広告の効果が高まり、無駄な広告費の削減にもつながります。
SNSごとにユーザー層や求められるコンテンツのスタイルは異なります。TikTokとInstagramでは、同じ縦型動画でも雰囲気が大きく異なりますし、YouTubeではShortsを除くと横長の動画が主流となっています。TikTokのユーザーはエンタメ性の高いコンテンツを好む傾向があり、短時間でインパクトを与えることが重要です。
一方で、Instagramはビジュアルにこだわったブランディング重視の動画が求められます。YouTubeでは長尺のコンテンツでもじっくりと視聴されるため、ストーリー性を持たせた広告が効果的です。
同じ広告を複数のSNSに展開する場合でも、プラットフォームごとに動画の編集を最適化することで、より高いエンゲージメントを得ることができます。視聴者の行動特性やSNSの特徴を踏まえ、それぞれの媒体に適した編集を行いましょう。
SNS動画広告にはさまざまな種類があり、目的やユーザーの行動に応じて最適なフォーマットを選択することが求められます。例えば、YouTubeやFacebookでよく使用されるインストリーム広告は、動画の再生前や途中に挿入される形式で、ブランドの認知度向上に適しています。スキップ可能な広告は興味を持ったユーザーに訴求しやすい一方で、最後まで視聴される確率は低いため、冒頭の5秒で強く印象付けることが必要です。
一方で、SNSのフィード上や記事コンテンツの間に表示されるアウトストリーム広告は、視聴者が意識せずに目にする機会が多く、ブランド想起に役立ちます。ただし、ユーザーが受動的に視聴するため、短時間で興味を引く内容にすることがポイントです。ターゲットや目的に応じて、適切な広告の種類を選びましょう。
どれだけ魅力的な動画広告を制作しても、広告から誘導された遷移先のサイトが魅力的でなければ、コンバージョンにはつながりません。ECサイトやランディングページの作り込みが不十分だと、ユーザーは途中で離脱してしまいます。特に、動画広告をクリックした後のページで、ユーザーが求めている情報にすぐにアクセスできない場合、購買意欲や申し込み意欲は大きく下がってしまいます。
広告の内容と遷移先の情報が一致していることが重要です。動画広告で伝えたメッセージをLPのデザインやコピーにも反映し、ユーザーが迷わず次のアクションに進めるように工夫しましょう。また、スマートフォンでの閲覧が中心となるため、レスポンシブ対応を徹底し、読み込み速度にも注意を払うことが重要です。
SNS動画広告は一度出稿して終わりではなく、継続的な改善が求められます。広告の効果を最大化するには、動画の視聴データやクリック率、コンバージョン率を細かく分析し、改善点を見つけることが欠かせません。たとえば、A/Bテストを活用し、異なるクリエイティブや広告の配信時間を比較することで、どの要素が効果的なのかを明確にできます。
また、ターゲティングの精度を高めるために、広告を視聴したユーザーの反応をチェックし、最適なユーザー層に絞り込むことも重要です。広告の出稿後もデータをもとにPDCAを回し、より効果的なSNS動画広告へと進化させましょう。

SNS動画広告を運用したいと思っていても、実際に自社で行うイメージが湧かないとお悩みの方もいるでしょう。運用イメージを掴むためには、実際に動画広告を活用して成功した事例を知るのが一番よいです。
以下、YouTube・Instagram・TikTok、それぞれの動画広告の成功事例をご紹介します。

お菓子のサブスクサービスを展開する「snaq.me」は、TrueViewアクションを活用して、申し込み件数を3倍まで伸ばすことに成功しました。
しかし、最初からうまくいったわけではないようです。既存の動画を活用して広告を打ったものの反応が悪く、動画クリエイティブの改善を繰り返して結果を出せたといいます。指名検索やSNSからの申し込みも増加したそうです。
参照元:YouTube Advertising「snaq.me(スナックミー)」

Panasonicでは「オーブントースター ビストロ」の発売に合わせて、Instagramのフィード広告やストーリーズ広告を活用しました。過去の実績データをもとに消費者のリアクションを分析し、Instagramに最適化した広告クリエイティブを制作したそうです。
認知から購入まですべてをInstagram上の広告運用で行ったといいます。旧モデルよりの売上数と比較して、倍になりました。
参照元:Meta for Business「パナソニック株式会社」

株式会社I-neは、同社のブランドSALONIAのイオンフェイシャルブラシを宣伝するために、TikTokフィード広告を活用しました。クーポン訴求が可能なInteractive Gestureという機能を活用して広告を打ったところ、CTR(クリック率)が22.10%も向上したそうです。
媒体ごとの広告機能を最大限に活用することも、動画広告を運用するうえで重要でしょう。

日本マクドナルドホールディングス株式会社は、サムライマックシリーズの新商品「旨辛ダブル肉厚ビーフ」と「燻製風マヨトリプルベーコン肉厚ビーフ」をPRするため、Twitterの動画広告を活用しました。ツイートには商品名やキャッチコピーを用いた4つのハッシュタグが記載されており、拡散しやすい工夫が施されています。
公開してまもなく1,000を超えるリツイートが行われるほどの人気となりました。ほかにも、マクドナルドは画像や動画を添付した広告ツイートを長年活用しており、投稿するたびにトレンド入りするほど安定した人気を誇っています。
改行の仕方やハッシュタグの活用方法、縦型画面でも見やすい動画に編集している点など、さまざまなポイントが参考になるでしょう。

株式会社バンダイナムコエンターテインメントは、ユーザー数が多く、なおかつモバイルゲーム利用者も多いLINEに魅力を感じ、LINE広告の運用をスタートしました。新規顧客の獲得はもちろん、アプリをインストールしたまま利用していないユーザー向けの「リエンゲージメント配信」を利用して、休眠ユーザーにアプローチする施策も打ちました。
Talk Head Viewは特に効果があり、動画を視聴した休眠ユーザーの復帰率は、未視聴の休眠ユーザーと比べて5倍になったといいます。モバイルゲームユーザーの多いLINEの広告は、ゲーム業界に適しているといえるでしょう。

PAL CLOSET Online Storeは、パートナーシップ広告と通常広告を組み合わせたMeta Advantage+ショッピングキャンペーンを行い、顧客獲得効率を高めることに成功した企業です。
まず、新作サマーコレクションの認知拡大と新規顧客の獲得を図りました。そして、Instagramリールを活用したパートナーシップ広告と通常広告を組み合わせ、広告配信のA/Bテストを実施します。顧客獲得単価は50%減少、広告費用対効果は2.1倍に改善し、より効率的な販売促進が可能になったそうです。

スマートフォンの普及やSNSの浸透、さらに通信環境の向上によって、SNS上で配信される動画広告のニーズは年々高まっています。動画は、静止画やテキストでは伝わりにくい魅力やストーリーを直感的に届けられるため、ブランドの認知拡大や購買意欲の喚起に大きな効果を発揮します。
SNS動画広告を企画・運用する際には、まず誰に届けたいのかというターゲット像を明確にし、目的に合わせて最適な媒体や配信形式を選ぶことが欠かせません。また、各SNSごとにユーザー層や利用シーンが異なるため、それぞれの特性に合わせた動画クリエイティブを制作することで、より高い効果が期待できます。
この記事が、SNS動画広告をより効率的に活用するためのヒントになれば幸いです。しっかりと戦略を立て、SNSならではの動画発信の力を最大限に引き出していきましょう。
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