目次
YouTubeショート動画(YouTube Shorts)は、YouTubeが提供する短い動画フォーマットです。通常、60秒以下の短い動画クリップで、TikTokなどほかのショートビデオプラットフォームに対抗するために導入されました。
音楽やダンス、コメディやチャレンジものなど、さまざまなジャンルのコンテンツが配信されています。YouTubeショートはモバイルアプリで利用できますが、一部の地域ではデスクトップでのアクセスも可能です。
通常のYouTube動画との大きな違いは、動画の長さ(時間)です。通常のYouTube動画であれば、初期値で15分までの動画を投稿できます。YouTubeショート動画は最長でも60秒しか尺がありません。通常のYouTube動画とは異なり、ストーリー性を含んだ動画投稿ができないのです。
そのため、YouTubeショート動画を伸ばすためには、短時間でユーザーを満足させる必要があります。ショート動画と通常動画の比較を、表にまとめましたので参考にしてください。
<YouTubeショート動画と通常動画の違い>
比較対象 | YouTubeショート動画 | 通常動画 |
---|---|---|
投稿できる動画時間の長さ | 最長60秒 | 最長12時間、もしくは256GB (いずれか容量の小さいほう) |
視聴画面 | 縦長or正方形 | 縦長or正方形or横長 |
なお、YouTubeの通常動画は、初期設定では15分までの動画しか投稿できません。アカウント確認が完了すると、15分以上の動画を投稿できるようになります。
YouTubeショート動画は、画面を下にスクロールすることで別の動画が流れる仕組みを構築しています。また、自身の興味のある動画が表示されやすいです。
例えば、ペットのショート動画をメインで見ている方には、ペット系のショート動画が流れてきやすいです。ユーザーの興味を追跡しているため、ふだん見ているジャンルのショート動画が流れます。
YouTubeショート動画のメリット・デメリットを解説します。
YouTubeショート動画のメリットは、以下の4つです。
それぞれ解説します。
YouTubeショートにはショートフィードとよばれるタイムラインがあるため、多くの視聴者にリーチしやすいです。YouTubeショート動画は、通常の動画のアルゴリズムの影響を受けない可能性があります。
実際にショート動画を見てみるとわかりますが、チャンネル登録者数が一桁の方のコンテンツが表示されるケースがあるのです。これは、従来のアルゴリズムはショート動画に関与しにくいことを示唆しています。そのため、新規参入しても通常の動画より閲覧されやすい傾向にあるといえるでしょう。
また、YouTubeショート動画は通常の動画ほどの制作時間を必要とせず、アップロードも簡単なため、同じ期間で多くの動画を投稿できます。多くの動画を公開するほどユーザーの目に触れやすいです。有益なコンテンツを配信できれば、チャンネルを知ってもらえる機会の増加や、チャンネル登録者の増加が期待できるでしょう。
YouTubeショート動画は、比較的新しいコンテンツであり、すべてのクリエイターが利用しているわけではありません。そのため、競争が比較的少ない状況を生んでいます。
YouTubeショート動画は、尺の短さから制作が比較的手軽であるといえます。ショート動画は、撮影や編集の時間が長尺の動画ほど必要ないため、制作にかかる労力を大幅に削減でるでしょう。
スマートフォンを用いてショート動画を撮影・編集することも可能なため、特別な機材やソフトウェアを必要としない手軽さも特徴です。スマートフォンのカメラの性能は日々進化しているため、専用の機材を使わずとも比較的、高画質な動画を制作できます。
YouTubeショート動画はクリエイターにとって手軽に始められるコンテンツであり、既存のYouTubeチャンネルの活性化や新規チャンネルの立ち上げに有用です。
YouTubeショート動画は通常、最長でも60秒までの長さのものしか投稿できません。Instagramのストーリーズやリール、TikTok、Twitterなど、ほかのSNSプラットフォームで共有するのに適したフォーマットです。一度制作したショート動画を複数のプラットフォームで共有することで、より広範囲の視聴者にリーチできます。
複数のプラットフォームで共有することで、視聴者のエンゲージメントとフォロワー数の増加が期待でき、ブランドの認知度が向上するでしょう。同じコンテンツを複数のプラットフォームで再利用することにより、制作時間や労力も大幅に節約できます。
YouTubeショート動画には、メリットだけでなくデメリットもあります。デメリットも考慮して、ショート動画をはじめるか検討しましょう。
YouTubeショート動画のデメリットは、以下の2つです。
それぞれ解説します。
YouTubeショート動画は投稿できる動画時間の短さから、内容を深掘りする、詳しく解説するなど、ボリュームのあるコンテンツを投稿することは困難です。教育的な内容や詳細な解説、長編ストーリーテリングなど、時間を要する内容はショート動画では表現が難しいでしょう。また、長い動画は視聴者とのエンゲージメントを深め、視聴時間を伸ばすことができるため、YouTubeのアルゴリズムに好まれます。
しかし、ショート動画は動画時間が短いので、視聴時間を伸ばすことが難しいです。また、視聴者との関わりを深めにくいため、通常のYouTube動画に比べてファンの獲得も難しい可能性があります。
YouTubeショート動画は、動画時間の短さと手軽な視聴スタイルにより、視聴者が概要欄を確認しない可能性があります。ショート動画はスクロールして次々と視聴できるため、視聴者は概要欄を確認せずに、動画をすぐに次へと進める傾向があるのです。
そのため、概要欄にリンクを追加する、ほかの動画や商品への案内を入れるなどをしていても、視聴者を自身のチャンネルやWebサイトへと誘導する機会を逃す可能性があります。動画内で重要な情報を直接伝える、視聴者に概要欄を確認するよう促すなどの工夫で、デメリットを克服できるでしょう。
パートナープログラムに参加していれば、YouTubeショート動画の収益化が可能です。パートナープログラムに参加していない方は、まずは参加条件を満たすことを目指しましょう。
以下のどちらかの参加基準をクリアすることで、参加条件を満たすことができます。
上記を満たしている方は、パートナープログラムに申し込みましょう。承認されたら、YouTubeショート動画で収益が発生するようになります。収益の仕組みは、以下の画像を参考にしてください。
クリエイタープールに支払われた額から、クリエイターの実績に対して相応の金額が支払われます。例えば、クリエイタープールに1億円支払われたとして、収益対象のショート動画全体の視聴割合のうち、3%の視聴を獲得したとします。この場合、クリエイタープールから3%(300万円)の収益が支払われるのです。
参照元:YouTubeヘルプ | YouTube パートナー プログラムの概要と利用資格
YouTubeショート動画を制作・投稿する手順を解説します。
まずは、YouTubeアプリを開き、画面下部の「+(作成)」をタップします。そのあと「ショート動画を作成」をタップしましょう。
ショート動画の投稿画面に移行するので「サウンドを追加」をタップします。
洋楽や邦楽など、さまざまな音楽が表示されるので、好みや動画の趣向に適したものを選びましょう。使用する音楽をタップすると音楽の横に青矢印が表示されるので、タップしてください。
画面下部に表示された「撮影マーク」をタップすると、ショート動画を撮影できます。もう一度「撮影マーク」をタップすると撮影が終了します。
続いて、画面右下の「チェックマーク」をタップしてください。
下記の画面で、撮影したショート動画の確認を行います。また、テロップやナレーションなどの編集も、この画面で行えます。問題なければ、画面右上の「次へ」をタップしましょう。
タイトルなどを設定して画面右下の「ショート動画をアップロード」をタップすると投稿できます。
以上で、YouTubeショート動画の制作および投稿の手順は完了です。操作は難しくないため、ふだんからスマートフォンを利用している方であれば、スムーズに動画を投稿できるでしょう。
YouTubeショート動画の活用事例を6つご紹介します。
上記は、すべて伸びているチャンネルです。自社にぴったりな事例があれば、ぜひ参考にしてください。
doda転職応援チャンネルは、現役キャリアアドバイザーが、転職に関する視聴者からのコメントに問い合わせる方式を採用しています。転職の悩みに関して具体的に回答しているため、ショート動画でも転職に役立つ知識を得られるでしょう。
また、動画の最後に「転職の相談はdodaに。doda転職応援チャンネル」というフレーズを伝えることで、視聴者の行動を促しています。商品やサービスを訴求するショート動画を制作するなら、動画の最後に視聴者の行動を促すフレーズを利用することが効果的です。
岡野タケシ弁護士【アトム法律事務所】は、法律に特化したショート動画を投稿・運営しています。視聴者からのコメントに対して、法律の観点から答える方式を採用していて、実際の弁護士の意見を手軽に聞けることが魅力です。
具体的には「〇〇は法律に触れるの?」などの視聴者からのコメントに対して、法律や事例などを紹介しています。短い動画でありながら、視聴者が満足できる内容に仕上げている事例です。
味の素KK公式チャンネルは、味の素が販売している調味料を使った料理動画を投稿しています。動画のはじめに完成した料理の映像を流したあと、調理を行います。
食欲をそそられ「気づいたら動画を最後まで見ていた」ということもあるでしょう。動画を最後まで見てもらうだけでなく、商品の訴求にも成功している事例です。
LAKIA不動産【大阪の部屋探し】では、大阪にある物件の内覧動画を投稿しています。動画は一人称視点で進むため、実際に内覧しているような臨場感を味わえます。内覧に行かずとも物件のよさを知れるため、物件を探している方にとって有益な動画です。
Disney Parksは、海外のディズニーパークを紹介するYouTubeチャンネルです。パーク内を歩く動画が一人称視点で投稿されているため、動画から本場のディズニーランドの雰囲気を楽しめます。
また、キャストと会話するショート動画もあり、パーク内だけでなくキャストの雰囲気も知ることができます。ディズニーパークの裏側も紹介しているため、来園しても見られない光景も楽しめるでしょう。
西崎康平 ブラックな社長は、トゥモローゲート株式会社が運営しているチャンネルです。社長(西崎康平)が転職の悩みや採用したい人材の特徴、仕事ができる人の特徴を紹介するなど、ビジネスに特化した動画を投稿しています。不特定多数の方が社長の話を聞ける機会は少ないため、貴重なショート動画といえるでしょう。
YouTubeのショート動画は、最長で60秒までの動画を投稿できる機能です。比較的新しい機能なので、競合が少ない傾向にあります。また、通常のYouTube動画に比べて、手軽に制作できることも特徴です。
ただし、動画が短いためボリュームのある動画は制作できません。短時間で視聴者を満足させられるよう心がける必要があります。ショート動画をはじめるなら、まずは収益化の条件を満たすことを目指しましょう。1再生あたりの単価は安いので最初の収益は少ないですが、地道にチャンネルを成長させましょう。
活用方法がわからない方は、本記事で紹介した活用事例を参考にするとヒントが見つかるかもしれません。
WEBでのお問い合わせはこちら