YouTubeに動画を投稿する際、適切な投稿時間を選ぶことはチャンネルの成功にとって非常に重要な要素の一つです。
YouTube動画と一口にいっても、動画のジャンルや内容、目的は動画によってさまざまです。動画の内容と同じく、ターゲットとなる視聴者の年齢・性別、居住地や興味のあるジャンル、内容もさまざまであるため、より多くの人に動画を視聴してもらうためには、自分のチャンネルの視聴者層や視聴地域、視聴時間帯などを分析し、それに合わせて投稿時間を設定する必要があります。
このように、視聴者について分析した結果を反映し、適切な投稿時間に動画投稿を続けることは、視聴者数や視聴時間の増加、エンゲージメント率の向上に繋がります。
では、適切な投稿時間を知るために、具体的にどういった分析を行う必要があるのでしょうか。次は、視聴者の行動パターンを知る分析方法について解説していきます。
YouTube動画の投稿時間を決めるうえで重要となるのは、視聴者の属性や行動パターンを理解することです。この視聴者の属性・行動パターンの理解には、YouTubeアナリティクスの活用がおすすめです。
YouTubeアナリティクスは、誰でも無料で使える視聴者の行動パターンを分析するための有用なツールです。
YouTubeアナリティクスを使った分析は、以下の手順で行います。
YouTubeアナリティクスを活用することで、投稿時間をより効果的に選定することができます。視聴者の行動パターンを分析し、そのデータに基づいて投稿時間を調整することで、視聴者の獲得やチャンネルの成長に繋がるでしょう。
YouTubeアナリティクスでは、さまざまなデータを確認・分析することができます。今回は、その中でも投稿時間を選ぶ際に最も重要となるデータが確認できる「視聴者」タブについて解説していきます。
YouTubeアナリティクスの「視聴者」からはさまざまなデータが確認できますが、投稿時間を選ぶ際には、少なくても以下の3つのデータは確認するようにしておきましょう。
それぞれどのようなデータが確認できるのか、詳しく解説していきます。
この項目では、過去28日間に自身のチャンネル動画の視聴者がYouTubeにアクセスした時間帯が表示されます。動画視聴のモチベーションが高いユーザーのアクティブな時間が確認できるため、この時間帯に投稿時間を固定することで、リピーターの獲得が期待できます。
ただし、視聴者の多い時間に公開することが再生回数の最大化に繋がるとは限らないため、注意が必要です、これは、公開する時刻とYouTubeがおすすめする時間帯が同じではないためです。この指標は、YouTubeのコミュニティ投稿機能やプレミア公開、ライブ配信などに活用できるとされています。
この項目では、チャンネル登録者とチャンネル登録していない視聴者の総再生時間の割合が確認できます。チャンネル登録者の総再生時間が極端に少ないと、動画の内容だけでなく投稿時間に問題がある場合もあります。今までの投稿時間がアクティブユーザーの多い時間帯からあまりにズレている場合、動画の内容を見直すだけではなく、投稿時間も併せて見直す対策ができるでしょう。
この項目と前述の「視聴者がYouTubeにアクセスしている時間帯」を併せて分析することで、ユーザーの行動パターンをより正確に把握することができます。
年齢と性別では、このチャンネルの総再生時間を押し上げている年齢層と視聴者の性別分布が確認できます。この項目だけでチャンネルのターゲットとなるユーザーの大まかな属性が把握できるため、ターゲットの生活習慣に合わせた時間帯に投稿時間を固定することができます。
このほかにも「視聴者」タブの中では「視聴者の増加につながっている動画」や「視聴者が見ている他のコンテンツ」「このチャンネルの視聴者が見ている他のチャンネル」といった項目も確認することできます。これらは、新規視聴者の獲得に課題を感じたときに見てみると課題解決のヒントになるデータが見つかるかもしれません。
投稿時間の固定で一定の効果が得られたあと、さらにチャンネルを成長させていきたいという人は、これらのデータもしっかり分析し、チャンネルに反映させていくとよいでしょう。
YouTube動画は適切な時間に投稿することで効果を最大化できます。実は、この「適切な投稿時間」は、どんな動画でも共通の「この時間に投稿すればよい」という時間があるわけではありません。YouTube動画の投稿時間帯は、ターゲットのペルソナ(属性)や曜日によって異なります。
HubSpot Blog Researchが発表した「The 2023 State of Social Media Trends」によると、YouTubeに動画を投稿する最適な時間帯は【午後6時〜午後9時】【午後3時〜午後6時】であるとされています。このレポートは、1,200人以上のマーケターに行ったアンケート結果がまとめられたものです。このアンケートの一つである「YouTubeに動画投稿をするのに最適な時間はいつですか?」という問いに対して、【午後6時〜午後9時】【午後3時〜午後6時】と答えた回答者がそれぞれ22%で最も高い割合でした。
引用元:Best Times to Post on YouTube in 2023[Research]
このように、一流のマーケターですら適切な投稿時間に対する認識にバラつきがあるのは、マーケターが得意としている業種・業態、動画のジャンルなどがさまざまだからだと考えられます。
それでは、これから投稿時間を固定してYouTube運用を始める場合は、どうすればよいのでしょうか。以下は、これらを踏まえたうえでおすすめできる投稿時間帯とその理由です。
平日の夜は、さまざまなジャンルで多くの視聴が期待できる最もおすすめの投稿時間です。
18時頃は学生やサラリーマンの帰宅が始まる時間のため、通学・通勤の移動時間といった隙間時間での視聴が見込めます。また、19~21時の間は、テレビ業界でもゴールデンタイムと呼ばれる時間(ゴールデンタイムは19~22時)で、多くの人が自宅で自由な時間を過ごしている時間帯です。そのため、YouTube自体への滞在時間も長く、場合によって投稿動画だけでなく、チャンネル全体の視聴時間を伸ばす効果も期待できます。
週末は、いわずもがな多くのユーザーが動画を視聴しているおすすめの投稿時間です。
中でも土曜日の午前中は、視聴する動画を探しているアクティブユーザーが多くおすすめです。同様に、金曜日の深夜も、動画のジャンルによっては多くの視聴が期待できる時間帯です。これらの投稿時間以外でも、週末はどの時間帯もアクティブユーザーが増える傾向にあるため、週末は全体的に動画投稿に適した日といえます。
ただし、BtoB向けのチャンネル・コンテンツの場合は休日のアクセスが少なくなる可能性もあるためしっかりと検証や確認が必要です。
平日日中は、多くの人が仕事や学校に行っているため、動画視聴をできる環境にありません。
しかし、YouTube全体として動画の投稿が少ない時間帯でもあります。この時間に投稿すると、競合が少ないため相対的に視聴者を取り込みやすくなります。また、一部の学生や主婦のように平日日中に自由な時間があるユーザーも一定数いるため、こういったユーザーがターゲットとなる動画の投稿にはおすすめの時間帯です。
このように、おすすめの投稿時間帯はターゲットや曜日によって異なります。上記おすすめの投稿時間に固執せず、自身のターゲットに合わせて、YouTubeアナリティクスのデータを活用して最適な投稿時間を見つけることも重要です。
YouTube動画を定期的に投稿する際に、投稿時間を固定することはチャンネルを成長させるために有効な手段の一つです。
投稿時間を固定することで得られる主なメリットは、以下のとおりです。
それぞれ詳しく解説してきます。
同じチャンネル内で投稿時間を固定して動画を繰り返し投稿することで、視聴者に視聴を習慣づけることができます。
視聴を習慣づけたい場合は「毎週何曜日の何時に動画投稿」といった具合に、あらかじめ視聴者にも投稿スケジュールがわかるように案内しておくことが効果的です。このように固定した投稿時間を視聴者と共有することで、動画の視聴が視聴者の生活の一部となります。
動画投稿前から視聴者の可処分時間を予約できるという点は、投稿時間を固定する最大のメリットです。
チャンネル登録者が動画の視聴を習慣づけてくれることで、投稿動画の再生回数を安定して増やすことができます。また、こうした定期的な動画の投稿は、視聴者がチャンネル自体に好意的になりやすく、その結果、チャンネル登録者数を増やす効果が期待できます。
どれだけお気に入りのチャンネルでも、動画の投稿が少なければ自然と視聴者は離れていってしまいます。投稿時間と併せて、投稿頻度もある程度固定することで、視聴者の満足度を高め、チャンネルのファンを増やしていきましょう。
前述のおすすめ投稿時間は、YouTube自体にアクティブユーザーが多い時間帯です。
この時間帯以外でも、自身のチャンネル視聴者の中でアクティブユーザーが多い時間帯に動画を投稿することで、投稿した動画の再生回数が初動で伸びやすくなります。こうした投稿動画の初動は、YouTubeアルゴリズムの評価にも影響があるといわれています。また、繰り返しチャンネルの動画を視聴している視聴者には、おすすめ動画としてそのチャンネルの動画が表示されやすくなります。
このように、投稿時間を固定することは、YouTubeアルゴリズムに好影響を与える行動を視聴者に促すことにも繋がります。
YouTubeチャンネルを成長させるためには、動画投稿が滞らないようにすることも重要です。そのためには、動画制作から投稿までのスケジュールを日々考えなくてはいけません。
投稿時間や投稿曜日の固定には、投稿時間から逆算することで動画制作のスケジュールも把握、管理しやすくなるというメリットもあります。これは、自身で動画投稿する際ももちろんですが、動画制作から投稿などのYouTube運用までを外注している場合でも同様です。特に、動画制作会社への継続した外注で、一つひとつの動画に対して進捗の把握・管理が難しい場合は、投稿時間を固定することで常に一定のスケジュールで管理する方法もおすすめです。
このように、YouTube動画の投稿時間を固定することには多くのメリットがあります。
反対に、投稿時間の固定で気になるデメリットとして「エラーで投稿できていなくても気付けないこと」「定期的な投稿に追われること」が考えられます。
投稿時間を固定する際は多くの場合、YouTubeの予約投稿機能を使うことになりますが、事前に設定しておけば自動で投稿してくれるため、投稿後にすぐに確認しないことも増えていきます。万が一、何かしらのエラーで動画が投稿できていなくても気付くのが遅くなってしまうため、予約投稿を使った投稿のときも可能な限り投稿後に動画が正しく投稿できているか確認するようしましょう。
また、投稿時間を固定すると毎日、もしくは決まった曜日の決まった時間に動画が投稿できる状態でなければいけません。
投稿時間の固定はファンを増やすことにも繋がりますが、スケジュールを意識するあまり動画の質が下がってしまっては本末転倒です。一定の投稿頻度で投稿時間を固定する場合は、動画の質を維持(向上)する、という点も常に意識しておくようにしましょう。
適切な投稿時間を選ぶことは、YouTubeのメリットを活かすために欠かせない要素です。視聴者の行動パターンを理解することで、投稿時間を最適化し、視聴者との繋がりをより強いものにすることができます。
継続して動画投稿をする場合、投稿時間の固定自体にかかる労力はそこまでかかりません。投稿時間を固定せずに定期的な動画投稿を行っている人は、自身のチャンネルにとって適切な投稿時間を分析し、投稿時間を固定してみてはいかがでしょうか。
WEBでのお問い合わせはこちら