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YouTube動画にテロップを挿入することは、より多くのユーザーに動画を視聴してもらうために重要な要素の一つです。テロップを挿入することで、動画から視覚的に伝えられる情報を増やすことができます。
例えば、通勤電車の中など環境音が大きな場所で動画を視聴する場合、声や効果音、BGMなどすべての音声をバランスよく視聴者に伝えることは難しいです。動画にテロップを挿入しておくことで、視聴者が重要な部分を聞き逃してしまった場合に、情報を補完することができるのです。
そのほかにもYouTube動画にテロップを挿入することで得られるメリットはいくつもあります。以下、具体的なメリットについて詳しく解説します。
YouTube動画にテロップを入れる主なメリットは、以下の3つです。
一つずつ詳しく確認しましょう。
動画は視覚・聴覚の両面から多くの情報を伝えることができます。耳から入る情報は記憶に残りやすいといわれていますが、すべての視聴者が音声を明瞭に聞き取れる状況で動画を視聴するとは限りません。そのため、重要な部分には耳から入る情報を補うようにテロップを挿入することも、視聴者の満足度向上に繋がります。
一定量のテロップを挿入することで、さまざまな理由からミュートの状態で動画を視聴する必要がある視聴者も取り込めるため、チャンネル全体の新規視聴者獲得に繋がるケースもあります。
YouTube動画において、テロップは単なるテキストとして使われているわけではありません。テロップに装飾を施す、目線を引く位置に挿入するなど、演出として活用すると動画の魅力を上げることが可能です。テロップを使った演出は、動画全体のイメージや雰囲気を作るうえで欠かせない要素の一つとして、さまざまなジャンルの動画で活用されています。
重要な部分を強調するようにテロップを挿入すると、視聴者により強い印象を与えることにも繋がります。このような演出が動画のクオリティを上げ、エンゲージメント率にもよい影響が期待できるでしょう。
YouTube動画は、YouTube内での検索だけでなく、Googleなどの検索エンジンでの検索からも新規視聴者の流入が期待できます。検索エンジンからの流入を期待する場合、それぞれの検索エンジンにおいて一定の優位性を確保することが重要です。
動画内にテロップとして文字情報を追加することで、検索エンジンに動画の内容が正しく認識されやすくなるといわれています。また、テロップ内に視聴者が検索すると予想されるキーワードを挿入する方法も、検索エンジンでの優位性確保が期待できます。
キーワードは不自然に挿入すると、視聴者の満足度を下げるだけでなく、検索エンジンにもスパム行為とみなされる可能性があるため、あくまで動画の説明として必要な情報の場合に限って挿入しましょう。
メリットの多いテロップですが、どのような方法・ツールで挿入されているのでしょうか。YouTube動画にテロップを入れる方法は、大きく分けて以下の3つです。
一つずつ解説します。
YouTubeの「字幕」機能はYouTube Studioの機能を活用して字幕を表示する方法です。YouTube Studioにログインし、左側にあるメニューバーの中から「字幕」をクリックします。チャンネルの動画一覧が表示されるため、字幕を追加したい動画をクリックし、字幕に使う言語を選択します。動画の音声を自動で認識させ、動画に字幕を挿入できるのです。
字幕を挿入したあとに「字幕」から編集したい動画をクリックし、「複製して編集」を選択することで字幕のテキストを編集することも可能です。一から文字起こしする必要がなく、場合によっては短時間で字幕が挿入できるため、動画編集の効率アップにも繋がります。
字幕機能で作れるテロップはあくまで動画の字幕のため、演出の一環としてテロップを表示したい場合には不向きな機能といえるでしょう。
動画編集ソフトを使ってテロップを入れる方法は、ほかの方法と比べると一番自由度が高く、演出効果の高いテロップの挿入に適しています。無料の動画編集ソフトもありますが、有料のソフトに比べると使用できる演出効果が限られているケースが多いです。
多くの演出効果が使える動画編集ソフトを使いこなすためには、一定の知識とスキルが必要なこともあります。スキルや知識が必要になる点は、動画編集ソフトのデメリットといえるでしょう。
しかし、動画編集ソフトを使いこなすことができれば、プロ顔負けのクオリティの高いテロップを使用した動画が制作できます。動画のクオリティはユーザーの離脱率低下や、動画・チャンネルのファンを増やすことに繋がります。動画の演出効果は、動画の再生回数やYouTubeチャンネルのチャンネル登録者数にも直接影響を与える重要な要素の一つです。
音声を認識して自動で字幕をつくれる「Vrew」のように、Web上で誰でも使用できるテキスト挿入ツールを使ってテロップを挿入する方法です。使用するツールによって使用方法は異なりますが、Web上に動画をアップロードし、表示された動画のキャプチャを見ながら自動生成されたテキストを修正していく仕様が一般的でしょう。セキュリティ上の問題があると考える方もいることや、商用利用可能な状態で出力できないツールがあることなどが、これらのツールの問題点といえます。
代表的なテロップを入れる方法をご紹介しましたが、それぞれにメリット・デメリットがあります。テロップ挿入を自身で行う場合は、挿入したいテロップに合ったツールを使用しましょう。
フォントとはテキストの書体を指す言葉です。YouTube動画のテロップといっても、動画のジャンルによって適したフォントは変わります。どのジャンルにおいても、視聴者に伝えたい情報が伝わりやすい認識しやすいフォント、印象をよくするスタイリッシュなフォントなどが好まれるでしょう。
以下、YouTube動画でよく使われている人気のフォントをご紹介します。
それぞれのフォントの特徴を解説します。
ヒラギノ角ゴシックは、MacやiPhoneなどのMacOSに標準で搭載されているフォントの一つです。ゴシック体は、比較的癖がなく読みやすいフォントのため、無料で使えるフリーフォントとして多くのYouTube動画で利用されています。
たぬき油性マジックは、個人・商用問わず誰でも使えるフリーフォントで、手書きらしさのある柔らかい印象が特徴的なフォントです。油性マジックで書いたような可愛らしい印象を与えるため、ポップな雰囲気のYouTube動画などでよく見かけます。
けいふぉんとも、たぬき油性マジック同様、手書きらしさのある柔らかい印象が特徴的なフォントです。たぬき油性マジックよりも文字が太く、丸みを帯びているため、さらに可愛らしい印象を与えるフォントです。有名アニメのタイトルに使われているフォントに似ていることから、この名前が付けられました。
JKゴシックMは、名前にもあるように「JK(女子高生)」が書いたような文字が特徴的なフォントです。丸みを帯びた文字で、全体的に小さく可愛らしさを押し出したフォントです。主に若年層の女性向けのYouTube動画で使われています。
コーポレート・ロゴはその名のとおり、企業のロゴをイメージして作られているフォントです。直線的で少し縦長にデザインされた文字は、シンプルかつ誠実な印象を与えます。企業のYouTube動画やビジネス系動画などでよく使用されているフォントの一つです。
Rounded M+は、ゴシック体をベースに、文字の角に丸みを帯びさせた、角丸ゴシックなどとよばれるフォントの一つです。ゴシック体の癖のないシンプルで誠実な印象に、角を丸くすることで、柔らかさや可愛らしい印象を追加した幅広いシーンで使えるフォントといえるでしょう。女性向けの動画や、柔軟性のある印象を与えたい解説動画などでもよく使われています。
テロップを装飾・デザインすることはテロップの視認性を上げるために重要な要素の一つです。テロップに使える装飾や効果は多くあり、テロップのデザインも編集者によってさまざまです。テロップの装飾・デザインで最もよく使われる基本的な3つの要素を解説します。
境界線は、文字と背景の間に任意の色で付けられた線のことを指します。縁取りともよばれるこの装飾は、文字と背景が同系色で見づらい場合や、テロップの中でも一部分のみを強調させたい場合など、さまざまなケースで効果を発揮するでしょう。
ドロップシャドウは、影を落とすという言葉のとおり、テロップの背後に影を付ける装飾のことです。テロップに影を付けることで立体感が出るため、テロップの演出効果が増すだけでなく、テロップ自体の視認性も高くなります。単純な影を付けるだけでも効果的ですが、影の角度やテロップとの距離、色やぼかし具合などを調節することで、より印象的なテロップを作ることも可能です。
背景は、テロップが境界線やドロップシャドウだけでは見えづらい場合や、テロップ自体を部分的に極端に目立たせたい場合などに効果的です。テロップのうしろにテロップより一回り大きな背景を付けるため「座布団」や「座布団を付ける」などと表現されることもあります。テロップの装飾でよく活用されている方法の一つです。
色や透明度を調整することで、動画本編の邪魔にならないように工夫された座布団も多くあります。
YouTube動画においてテロップは非常に重要な役割をもっています。テロップ作成のコツを押さえることで、動画のクオリティや視聴者の満足度を向上させ、YouTube動画のもつ広告効果を最大化させることができるでしょう。
以下、YouTube動画にテロップを入れる際の5つのコツをご紹介します。
一つずつ詳しく確認しましょう。
テロップは、動画の説明や伝えたい内容を簡潔にまとめたいときに使用されることが多いです。
しかし、あまりに多くの文字を入れると視聴者が文字を読むことに集中してしまい、動画本来の持ち味が発揮されません。伝えたいことが多く文字数が多くなってしまう場合は、一度に表示する文字数を抑えましょう。
視聴者が見やすく、わかりやすいテロップを入れることが重要です。
視聴者が読みやすいフォントを選択することも重要なポイントです。フォントによっては特定の文字が小さく見えるものもあるため、使用するフォントによって読みやすいサイズに調整しましょう。
テロップは最適なタイミングで表示されないと、視聴者にストレスを与えかねません。出演者の話し言葉をテロップとして表示する場合は、出演者が話し始める少し前にテロップを表示し、話し終えた少しあとにテロップを消すのが一般的です。
また、人が1秒間に判読できる文字数は3〜4文字程度といわれています。文字数に応じてテロップを消すタイミングを決めてもよいでしょう。多くの場合、編集者はテロップの内容を知っている状態でテロップを挿入するため、視聴者は編集者がテキストを読むのに必要な時間の1.5倍程度の時間を必要とすることも頭に入れておきましょう。
魅力的なテロップを作成したいと考え、目立つ色を使う、縁取りやシャドウなど複数の効果を使用するなどを行うと、テロップが読みづらくなりテロップ本来の効果が発揮されないケースがあります。テロップの色は背景色とのコントラストを考え、できるだけ同系色にならないようにすると、見やすいテロップになります。
動画の統一感を演出する際に、動画の一部分とテロップが同系色になって見えづらい場合には、境界線やドロップシャドウを使う、背景を付けるなどして、テロップと背景が一体化しないように意識しましょう。
また、テロップに効果と合わせてモーションを付けることで、テロップの視認性を上げる方法も効果的です。モーションはすべてのテロップに付けるとかえって情報が伝わりにくいため、特に強調したい部分に限って使用しましょう。
前述のとおり、テロップに使用されるフォントやデザイン、演出などは動画の内容やジャンルによってさまざまです。テロップを挿入するたびにこれらの調整を一から行うと、テロップ挿入に非常に多くの時間がかかるため効率的ではありません。
効率的に魅力的なテロップを作るには、テンプレートを使用するとよいでしょう。テンプレートはフォントや色、簡単な装飾などがすべて調整されているため、そのままの状態で魅力的なテロップとして使うことができます。
テロップに限らず、動画に使用するエフェクト(特殊効果)やトランジション(場面転換用のエフェクト)などのテンプレートは、動画編集ソフトに標準で備わっていることが多いです。テンプレートは有料の動画編集ソフトのほうが無料のソフトよりも多く備わっていることが多いため、手軽に魅力的なテロップやエフェクトのテンプレートを使いたい方は、使いたいテンプレートが標準で提供されている動画編集ソフトを探すとよいでしょう。
非常に便利なテンプレートですが、どのツールにおいても提供されている種類は限られているため、想像どおりのテロップがテンプレートだけで作れるとは限りません。テンプレートの有無に関わらず作りたいテロップを自身で作成することが難しい場合は、YouTube動画の制作を得意とする動画制作会社に依頼するのも一つの手ではないでしょうか。
テロップは適切に作成・挿入されていないと、動画の魅力を上げられないだけでなく、動画の内容が正しく伝わらず視聴者の満足度を下げることにもなりかねません。
YouTube動画にテロップを挿入する方は作成のコツと合わせて、以下の注意点も意識しましょう。
一つずつ詳しく解説します。
テロップに使用できるフォントや装飾、効果などは、動画編集に使うツールによっては選びきれないほどの種類があります。初めて膨大な種類のフォントなどに触れると凝った演出にしたくなり、複数の装飾や演出などを使った目立つテロップを量産してしまうことが多いです。
目立つフォントや演出のテロップを挿入することが効果的な場面もありますが、テロップを装飾する場合は、動画のコンセプトとイメージに合ったテロップかどうかを動画投稿前に改めて確認しましょう。
動画編集ツールを使用すれば、テロップを動画の好きな位置に好きなタイミングで挿入することができます。テロップはほとんどの場合、動画の下部に表示するように配置します。
動画本編の邪魔にならないように、動画の一番下にテロップの下端を合わせて表示している動画を見かけることがありますが、あまりよくありません。YouTube動画は視聴環境によっては動画の下部にシークバーが表示されるため、動画の最下部にテロップを表示するとシークバーとテロップが重なり、読みにくい場合があるからです。
多くの動画編集ツールにはセーフマージンと呼ばれる機能が搭載されています。セーフマージンは「このラインより内側はどんな視聴環境でも見やすい」というラインを表示する機能です。もともとはテレビでの視聴を前提とした動画編集の際に考慮するものでしたが、YouTube動画のシークバー対策にも流用することができます。
テロップの読みやすさは、テロップのフォントやサイズ、色、演出、背景とのコントラストなどさまざまな要素で変わります。どのような動画でも読みやすいテロップというものは存在しないため、編集している動画に挿入して読みやすいかどうかを考えながらテロップを作成する必要があるでしょう。
また、テロップを表示するタイミングや、表示する長さなども読みやすさに影響するため、テロップを挿入した動画は、編集が終わったあとに最初から最後まで確認し、予備知識がない方でもテロップから情報を読み取れるかどうかをチェックすることが重要です。
テロップは基本的には話し言葉ではなく書き言葉で記述するほうがよいとされています。話し言葉は文章にすると読みにくく、視聴者に情報として伝わりにくいことが多いためです。
しかし、演出の一部として使用するテロップの中には、話し言葉のままでないと動画のイメージを損なうものもあるため、必ずしも書き言葉にしないといけないわけではありません。話し手の内容を補足する文章の場合は書き言葉、演出の一つとして単語や短い文章を表示する場合は話し言葉でもよい、と覚えておくとよいでしょう。
また、テロップとして文章を表示する場合「、」や「。」といった句読点は付けないほうがよいとされています。イメージできない方は映画の字幕を思い浮かべてみてください。映画の字幕で句読点が使われているのは見かけないでしょう。句読点を省くと読みにくい場合は、半角スペースや全角スペースなど、文字と文字の間にスペースを入れて代用する方法が主流です。
YouTube動画にテロップを入れることで、より視聴者に情報を効果的に伝えることできます。また、テロップを演出の一部として活用することで、動画にメリハリを付けたり、動画のクオリティをアップさせることも可能です。
しかし、テロップの量や作り方に注意しなければ、逆に視聴者のストレスになることもあります。テロップを作成する際は、フォントや装飾・デザインにも注意し、適切なサイズや表示時間などを設定することが重要です。
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