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VSEOとは、Video Search Engine Optimizationの略称で、動画コンテンツに適用されるSEO全般を指します。VSEOは、検索エンジンであるGoogleだけでなく、YouTubeでの検索にも適用されているため、動画コンテンツへの流入を増やすうえで、このVSEOに対する取り組みは非常に重要となります。
VSEOは、いわばGoogleのアルゴリズムに動画コンテンツを認めてもらうための手段です。Googleのアルゴリズムについては詳細が公式から発表されていないため、具体的にはどういった基準で検索結果の順位付けが行われているかは不明です。そのため、VSEOは先駆者たちの試行錯誤の結果を元に、効果的なアクションが広まっています。
非常に厄介なことに、Googleのアルゴリズムは細かい部分でいうとほぼ毎日(厳密には数時間に一回)調整が行われています。大きな調整に関してはGoogleからアナウンスがあるものの、細かい調整に関しては突然告知なく行われます。VSEO対策とは、こうしたGoogleのアルゴリズムの更新と日々戦っていくことでもあります。
まずは、VSEOを説明するうえで重要となる「SEO」について簡単に解説していきます。
SEOとは、Google社が提供しているGoogle、YouTubeの検索結果に関わる重要な考え方の1つです。
SEOはSearch Engine Optimizationの略称で、日本語では「検索エンジン最適化」と訳されます。SEOは、Googleが検索エンジンを最適化(ユーザーにとって使いやすくする)ために重要な考え方で「SEO対策」と呼ばれることもあります。検索されたキーワードに対してどういったWebサイトを検索結果に表示するかは、Googleのアルゴリズムによって決められています。このアルゴリズムにWebサイトの内容を正しく伝え、よりユーザーに有益なサイトであると判断してもらうためには、SEOを意識したWebサイトを設計する必要があります。
アウンコンサルティング株式会社が2022年4月に発表した検索エンジンのシェアに関する調査結果によると、日本国内におけるGoogleのシェア率はPCで87.95%、モバイルで99.31%とどちらもほぼ一強の状態となっていることがわかります。
(引用元:世界40か国、主要検索エンジンシェア【PC、モバイル】/アウンコンサルティング株式会社)
つまり、Webサイトがより多くのユーザーに閲覧されるためには、Googleという検索エンジンにおいて上位表示される必要があるということになります。この上位表示の1つの方法として、SEOを意識したWebサイトを設計する「SEO対策」が重要と考えられています。
VSEOは、GoogleやYouTubeの検索結果に直接影響します。VSEO対策が施された動画コンテンツとそうでない動画コンテンツでは、コンテンツ自体が似たような内容であったとしても、ユーザーの検索結果に表示される順序が大きく異なります。動画コンテンツは、Webサイトとは違い、1つのコンテンツが数分から数十分の長さであることを考えると、検索上位に表示されない動画コンテンツがユーザーに視聴される可能性はWebサイトと比べて更に低くなることが考えられます。
VSEOはSEO同様「ユーザーにとってより有益である」とGoogleのアルゴリズムに伝え、検索上位に動画コンテンツを表示させるために必要不可欠な施策です。また、動画コンテンツは多くの企業が導入しているものの、まだVSEO対策がしっかりされた動画コンテンツを発信している企業は多くありません。
5G回線の普及なども影響し、動画コンテンツの総数が急増している今こそ、しっかりVSEO対策をして、他社のコンテンツよりも検索上位に表示させることが重要です。
VSEOは、動画コンテンツを検索上位に表示させるために必要不可欠な取り組みです。
それでは、VSEOに取り組み上位表示されることで得られるメリットにはどういったものがあるのでしょうか。
多くのユーザーが調べたいキーワードで検索し、上位に表示されるコンテンツの中から視聴する動画を選びます。そのため、VSEOに取り組むことでより多くの見込み客の流入が期待できます。
YouTubeチャンネルを運営している場合、いくつかの動画コンテンツが上位表示されることで、関連動画への表示やYouTubeチャンネル自体への流入も期待できます。
ここ数年で動画コンテンツの導入は企業にとって一般的な動きになってきていますが、制作から発信までの全ての工程を内製している企業も少なくありません。この場合、VSEOなどの費用対効果を高める対策が取られていないケースがほとんどです。VSEOはSEO同様、動画コンテンツにおいて必須の取り組みであり、今のうちから対策しておくことで競合優位性を獲得しておくことができるでしょう。
成熟した市場においては後追いから優位性を得ることは難しいですが、動画コンテンツにおいてはしっかりVSEO対策を行うことで、検索上位に表示させ優位性を得ることも難しくありません。
動画コンテンツは一度制作してしまうとコンテンツ内の情報を更新する必要がある場合を除いて、長期的な広告効果が期待できます。VSEO対策を行うことで動画コンテンツを長期的に不特定多数のユーザーにリーチできる広告として運用することも可能です。
動画コンテンツは、制作に一定のコストが必要となります。ただがむしゃらに動画コンテンツを数多く発信するだけではなく、VSEO対策をしっかり行うことが費用対効果を高めるためには重要です。
VSEOは、今後動画コンテンツの普及に伴って注目度が上がることが予想されています。VSEOは、SEOと同様Googleアップデートに伴って効果的な対策が日々変わっていくといわれています。
今回は、現時点(2022年10月時点)でVSEO対策として効果があるとされている対策を5つ解説します。
VSEOは、ユーザーの検索キーワードに対して動画コンテンツの検索優位性を上げるための取り組みです。そのため、ユーザーが検索したキーワードや合わせて検索されているキーワード(サジェストキーワード)をタイトルや説明文に挿入することが効果的とされています。
とはいえ、動画コンテンツと関係のないキーワードをタイトルや説明文に挿入することはVSEOの観点では逆効果となります。コンテンツと関係のないキーワードが多い場合、Googleのアルゴリズムに「ユーザーにとって有益な情報ではない」と判断され、検索優位性が失われる可能性が高くなります。検索キーワードを盛り込むことはVSEOにとって重要ではありますが、あくまでコンテンツの説明・解説に適当なもののみ限定して使用するように注意しましょう。
YouTubeを筆頭に、多くの動画配信サービスには「タグ」やそれに類似する機能が実装されています。タグに動画コンテンツの属性を記載しておくことで、ユーザーがその属性に関して検索した際に表示される可能性が高くなります。
タグは、タイトルや説明文と違って、視聴者にどう見えるかを気にせず、コンテンツが内包している属性を複数記載することができます。キーワード挿入と同様、コンテンツと直接関係のないタグやあまりに多くのタグを設定することは「ユーザーを混乱させる要素」としてGoogleのアルゴリズムに判断されてしまう可能性があるため、注意が必要です。
1つのコンテンツには多くの属性が含まれているケースが多く、タグの設定は正しく使えばリスクもほとんどないため、動画配信サービスを利用して動画コンテンツを発信する場合は必ず設定するようにしておきましょう。
YouTubeでは動画に「#動画マーケティング #VSEO」のようにハッシュタグを設定することができます。ハッシュタグは複数設定することができ、動画に関連するハッシュタグを設定しておくことで検索からの流入が期待できます。
ハッシュタグの設定方法は簡単で、動画概要欄の冒頭に「#〇〇」と記入するだけです。ハッシュタグを複数設定する場合は「#〇〇 #〇〇」のように前のハッシュタグの後ろにスペースを入れ次のハッシュタグを入力します。複数個設定できるようになっていますが、動画タイトルの上に表示されるハッシュタグは前から順番に3つのみとなっています。ハッシュタグは、同様のハッシュタグが設定されている動画の関連動画として表示されるため、検索上位に表示される人気動画のハッシュタグをリサーチし、自社の動画に反映させる方法も効果的です。その他、自身のチャンネル内でシリーズ動画のようにそれぞれの動画を関連付けたい場合などに、専用のハッシュタグを設定することで関連動画としてユーザーへの露出を増やすといった利用方法もあります。
ハッシュタグは前述のユーザーには見えないタグ(メタタグ)と合わせてGoogleのアルゴリズムに評価されるためVSEO対策の1つとして設定しておくことをおすすめします。
サムネイル画像は、動画の再生前や検索結果画面に表示される画像です。
ユーザーは検索結果に表示されたサムネイル画像を見て動画を視聴するかどうかを判断します。また、サムネイル画像がないとどのようなコンテンツなのかがユーザーに伝わらないため、ほとんどの場合、動画が視聴されることはありません。そのため、サムネイル画像を設定することは動画コンテンツを発信するうえで必要不可欠な要素の1つといえるでしょう。
YouTubeにはタイムスタンプと呼ばれるチャプター機能があります。
タイムスタンプは、説明欄に予め該当する時間とチャプターの説明を記載しておくと、視聴者がワンクリックでそのチャプターから再生できるようになる便利な機能です。
タイムスタンプは視聴者の離脱率を下げる効果もありますが、Googleのアルゴリズムが動画コンテンツの内容を正しく把握する手助けにもなるため、VSEO対策においても有効とされています。
テロップを多めに使用する動画コンテンツ以外では、字幕の設定もVSEO対策において有効な手段の1つです。
動画コンテンツはミュート状態で視聴されるケースも少なくないため、字幕の設定を付けることで視聴者の利便性が上がり、Googleのアルゴリズムに評価されやすくなると考えられています。YouTubeの字幕はYouTube Studioから選択するだけで付けられるため、特段の事情がない限りは設定しておくことをお勧めします。
再生リストは、YouTubeのアカウントを持っているユーザーであれば誰でも使える機能の1つです。この機能を使うことで、自身のお気に入りや関連する動画など自由に選んだ動画を再生リストとしてまとめることができます。
再生リストは自身が投稿した動画だけでなく、別チャンネルの動画なども1つのリストとして管理することができ、再生リスト内の動画は関連動画としてその他のユーザーにも表示されやすくなるという特徴があります。そのため、VSEO対策の1つとして関連する人気動画と合わせて再生リストを作成するといった手法も一定の効果が期待できます。また、再生リストの名前は検索キーワードを意識してつけるとより効果的です。
セクションとは、YouTubeのチャンネルページに表示される動画一覧のことを指します。
「人気のアップロード動画」や「再生リスト」など、多種多様なセクションを設定可能なため、動画の数が一定以上となった場合は、ユーザーにアピールしたいものから順番に設定しておくことをおすすめします。
Googleのアルゴリズムは、検索結果を最適化することでユーザーにより良い体験をしてもらい、Googleのシェアをさらに拡大することが目的です。
VSEO対策は、このアルゴリズムに動画コンテンツの魅力を正しく伝える手段のため、動画コンテンツの内容によって効果的なVSEO対策は異なります。効果的なVSEO対策を行うためには、VSEO対策の基本的な考え方として以下のポイントを意識しておくことも重要です。
動画コンテンツをユーザーに見つけてもらうためにも、キーワードをタイトルや説明文、動画コンテンツ内に盛り込むことは効果的です。
キーワードからの流入を一定以上求める場合、そのキーワードの設定が正しいかどうかという点も重要となります。どれだけ動画コンテンツの内容と親和性の高いキーワードであっても、ユーザーの興味・安心が薄いキーワードでは多くの流入は望めません。可能であれば、動画を制作する前に動画コンテンツの内容と親和性が高く、かつ、検索ボリュームの多いキーワードを盛り込めるように動画を構成するようにしましょう。
コンバージョンとは、コンテンツを見たユーザーが資料請求や購入など利益に繋がるアクションを起こすことを指します。
動画コンテンツにおいても、コンバージョンが高ければ高いほど、費用対効果の高いコンテンツであると考えられます。コンバージョン率を高めるためには、動画コンテンツの最後に商品・サービスを詳細に紹介しているLPや購入ページへ誘導するQRコードやボタンなどを表示させる手法が効果的です。
YouTubeの場合は、コンバージョン率以外にも、クリック率や平均視聴維持率、離脱率など、動画コンテンツの広告効果を測る指標はいくつかあります。
自社の動画コンテンツにおいても目標となる指標を予め決めておき、それらに対する進捗を把握し、期待していた効果が望めない場合は改善の施策を取ることが重要です。
今回は、動画コンテンツ版のSEOであるVSEOについて詳しく解説しました。
VSEOは、動画コンテンツの効果を最大化するために必須の取り組みであるにも関わらず、多くの企業がVSEOに対する知識をもたないまま動画コンテンツを作成し発信しています。今なら、VSEO対策をしっかり行った動画コンテンツを発信していくことで、同業他社のコンテンツよりも高い広告効果を発揮することが可能です。これから動画コンテンツの作成を検討している企業は、企画の段階からVSEOを意識して動画コンテンツを作成してみることをおすすめします。
そして、既に動画コンテンツを発信しているという人は、今からでもまだ間に合います。可能な限り、作成した動画コンテンツのVSEO対策に取り組んでみて下さい。VSEO対策に取り組むことで、苦労して作った皆さんの動画コンテンツが、より多くの人に視聴されより良い結果を生むことでしょう。
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