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ディスプレイ広告は、Webマーケティングにおける主要な広告手法の一つです。ここでは、ディスプレイ広告の定義や仕組み、そしてリスティング広告との違いについて、分かりやすく解説します。
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリ上の広告枠に表示される広告のことです。テキスト、画像、動画など、多様なフォーマットで広告を配信できるため、視覚的にユーザーに訴求することができます。
また、潜在層へのアプローチを得意としており、商品・サービスの認知度向上やブランディングに効果的です。
バナー形式での表示が多いため、「バナー広告」と呼ばれることもあります。
ディスプレイ広告と混同されやすい広告として、リスティング広告が挙げられます。以下の表で、両者の違いを比較してみましょう。
<ディスプレイ・リスティング広告の比較>
| 項目 | ディスプレイ広告 | リスティング広告 |
|---|---|---|
| 掲載場所 | Webサイトやアプリの広告枠 | 検索エンジンの検索結果ページ |
| ターゲット | 潜在層(自社の商品・サービスをまだ知らない、または興味・関心が薄いユーザー) | 顕在層(自社の商品・サービスを既に知っている、または興味・関心が高いユーザー) |
| 広告フォーマット | テキスト、画像、動画、GIFなど多様 | テキスト |
| 課金方式 | CPC(クリック課金)、CPM(インプレッション課金)、CPV(動画視聴課金)など | 主にCPC(クリック課金) |
| 目的 | 認知拡大、ブランディング、潜在層へのアプローチ | 販売促進、見込み顧客の獲得、顕在層へのアプローチ |
| 即効性 | 中長期的な効果を期待 | 短期的な効果を期待 |
| 費用 | 比較的安価 | キーワードによっては高額 |
| 主な配信先 | Google ディスプレイネットワーク(GDN)、Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)(YDA)、各種SNSプラットフォーム(Facebook、Instagram、Twitter、LINEなど) | Google、Yahoo!などの検索エンジン |

ディスプレイ広告を配信できる主要なプラットフォームとして、GoogleのGDNと、Yahoo!のYDA(旧YDN) があります。ここでは、それぞれのプラットフォームの特徴と、どちらを利用すべきかについて解説します。
GDN(Google ディスプレイネットワーク)は、Googleが提供する広告配信ネットワークです。
Google検索やYouTube、GmailなどのGoogle関連サービスに加え、200万以上のWebサイトやアプリに広告を配信できます。
世界最大の広告ネットワークであり、幅広いユーザーにリーチできる点が強みです。
YDA(Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型))は、かつて『Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)』として提供されていた広告サービスで、2019年に現在のYDAへとリブランドされました。YDAはYahoo! JAPANや主要提携サイトを中心に、国内ユーザーへ高精度に広告配信ができるネットワークです。
GDNとYDAは、それぞれ異なる強みを持っています。
どちらを利用すべきかは、広告配信の目的やターゲットによって異なります。以下のように考えてみてください。
また、GDNとYDAを併用することで、それぞれの強みを活かし、より効果的な広告配信を実現できます。

ディスプレイ広告は、潜在顧客へのアプローチやブランドの認知拡大に非常に効果的な広告手法です。
ここでは、企業がディスプレイ広告を活用すべき「5つの主な理由」をご紹介します。
ディスプレイ広告は、特定のキーワードで検索していないユーザーにもアプローチできるのが強みです。
たとえば、関連性の高いWebサイトやアプリの広告枠に表示されることで、まだ自社商品を知らない潜在層にも広告を届けられます。
画像や動画を使った広告は、視覚的なインパクトが大きく、ユーザーの記憶に残りやすいという特徴があります。
特に動画広告は、商品の特徴やブランドの世界観をストーリー仕立てでわかりやすく伝えることができ、ブランド構築にも効果的です。

ディスプレイ広告では、リターゲティングという手法を用いることができます。
リターゲティングとは、過去に自社のWebサイトに訪問したことがあるユーザーに対して、再度広告を表示する手法です。
一度自社のWebサイトに訪れたユーザーは、商品やサービスに興味を持っている可能性が高いため、リターゲティングによって効果的に再アプローチすることができます。
ディスプレイ広告は、リスティング広告などと比べて、比較的低予算から始めることができます。
クリック課金制(CPC) や インプレッション課金制(CPM) を採用しているため、無駄な広告費を抑えることができます。
また、日予算や入札単価を自由に設定できるため、予算に合わせて柔軟に広告を運用することができます。
ディスプレイ広告では、静止画、動画、テキストなど、様々な広告フォーマットを利用することができます。
ターゲット層や広告配信の目的に合わせて、最適な広告フォーマットを選択することで、広告効果を高めることができます。
例えば、商品の魅力を視覚的に伝えたい場合は動画広告、簡潔に情報を伝えたい場合はテキスト広告など、使い分けると良いでしょう。

ディスプレイ広告には多くのメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。ここでは、企業がディスプレイ広告を活用する際に注意すべき4つのポイントを解説します。
ディスプレイ広告は、潜在層へのアプローチを得意としているため、コンバージョンに至るまでに時間がかかる傾向があります。
ユーザーが広告をクリックしてから、実際に商品を購入したり、サービスに申し込んだりするまでには、複数回の接触が必要となる場合が多いです。
そのため、中長期的な視点で、広告運用を行う必要があります。
ディスプレイ広告は、広告ネットワークが保有する、様々なWebサイトやアプリに配信されます。
そのため、自社のブランドイメージと合わないWebサイトに、広告が表示されてしまう可能性があります。
広告の配信先を、事前に確認・管理することが重要です。
ディスプレイ広告で成果を出すためには、継続的な運用・改善が不可欠です。
広告のクリック率やコンバージョン率などのデータを分析し、ターゲティング設定や広告クリエイティブを改善していく必要があります。
ディスプレイ広告では、競合他社や悪意のある第三者による不正クリックが発生する可能性があります。
不正クリックが発生すると、無駄な広告費が発生してしまいます。
不正クリックを防ぐためには、Google Adsの無効なクリックフィルタ機能や、Yahoo!広告のIP除外設定機能などを活用しましょう。また、サードパーティ製の不正クリック検知ツールの導入も効果的です。

ディスプレイ広告の課金方式は、主にクリック課金(CPC)とインプレッション課金(CPM)の2種類です。ここでは、それぞれの課金方式の特徴と、その他の課金方式についても解説します。
クリック課金(CPC:Cost Per Click)は、広告がクリックされるたびに費用が発生する課金方式です。ユーザーが広告に興味を持った場合にのみ費用が発生するため、費用対効果が高いと言えます。
ただし、競合が多いキーワードでは、クリック単価が高騰する可能性があるため、注意が必要です。
インプレッション課金(CPM:Cost Per Mille)は、広告が1,000回表示されるごとに料金が発生する課金方式です。
クリックされるかどうかに関係なく、「どれだけ多くの人の目に触れたか」を基準に費用が決まります。
CPMではクリックの有無にかかわらず費用が発生するため、必ずしも“反応(成果)”があるとは限らない点に注意が必要です。
とくに売上や資料請求などの“行動”を重視する場合は、他の課金方式との比較検討がおすすめです。
クリック課金(CPC)とインプレッション課金(CPM)以外にも、以下のような課金方式があります。
動画視聴課金(CPV:Cost Per View)は、主にYouTube広告で用いられ、30秒以上の視聴、または動画が30秒未満の場合は最後まで視聴された場合に課金される方式です。
エンゲージメント課金(CPE:Cost Per Engagement)は、ユーザーが広告に対して何らかのアクション(いいね、コメント、シェアなど)を起こした場合に費用が発生する課金方式です。
動的ディスプレイ広告では、ユーザーの興味関心に合わせて、広告クリエイティブを自動的に生成します。
課金形態は、クリック課金(CPC) または インプレッション課金(CPM) を選択できます。

ここでは、ディスプレイ広告と比較されることの多い、リスティング広告について解説します。
リスティング広告とは、ユーザーが検索エンジンで検索したキーワードに連動して、検索結果ページに表示されるテキスト広告です。
検索連動型広告とも呼ばれ、ユーザーの検索意図に合致した広告を表示できるため、購買意欲の高いユーザーに効果的にアプローチできます。
リスティング広告には、次のような強みがあります。
リスティング広告には以下のようなデメリットもあります。

ディスプレイ広告とリスティング広告は、どちらが優れているというわけではなく、それぞれに異なる特徴があります。ここでは、2つの広告を効果的に使い分けるためのポイントを解説します。
認知拡大ならディスプレイ、販売促進ならリスティングを効果を得られます。
潜在層にはディスプレイ、顕在層にはリスティングという選び方がおススメです。
ビジュアル訴求ならディスプレイ、情報提供ならリスティングと使い分けるのがおススメです。
ディスプレイ広告とリスティング広告は、併用することで、より高い効果が期待できます。
例えば、ディスプレイ広告で潜在層にアプローチし、自社サイトに訪問したユーザーに対して、リスティング広告でリターゲティングを行うことで、コンバージョン率の向上が期待できます。

ここ数年、ディスプレイ広告で動画を取り入れる動きが加速しています。 このパートでは、動画広告ならではの強みや種類、実際の活用事例、さらに効果を高めるための「動画SEO」についてお伝えします。
動画広告には、静止画と比べて次のようなメリットがあります。
動画広告には、様々な種類があります。ここでは、代表的な動画広告の種類と特徴をご紹介します。
動画の前後、間に流れる広告があり、以下のように分類できます。
また広告の表示位置により、以下のように分類できます。
インストリーム広告についてはこちらの記事でも解説しています。【今さら聞けない】インストリーム広告を基礎から解説!
動画広告の効果を高めるためには、動画SEOも重要です。
動画SEOとは、検索エンジンやYouTube検索結果で動画の表示順位を上げるための施策を指します。近年では、YouTubeが世界第2位の検索エンジンとも言われ、動画SEOの重要性は高まっています。
具体的には、以下のようにSEO対策ができます。

ディスプレイ広告で成果を上げるためには、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは、ディスプレイ広告の効果を高めるための4つのポイントを解説します。
ディスプレイ広告を配信する前に、以下のように広告配信の目的を明確にしましょう。
そして、目的を達成するためのKPI(重要業績評価指標) を設定します。
KPIには、以下のような指標が用いられます。
ディスプレイ広告では、詳細なターゲティング設定が可能です。
ユーザーの属性(年齢、性別、地域、興味関心など)や、行動履歴(過去に閲覧したWebサイト、検索キーワードなど)に基づいて、広告を配信するターゲットを絞り込むことができます。
ディスプレイ広告では、ユーザーの興味を引く、魅力的なクリエイティブを作成することが重要です。
特に、動画広告は、静止画広告に比べて、視覚的な訴求力が高く、ユーザーの記憶に残りやすいというメリットがあります。
動画制作の専門家であるMチームでは、ターゲット層に合わせた、効果的な動画広告の制作も得意としております。
ディスプレイ広告を出稿したあとは、必ず効果測定を行うことが大切です。
広告の成果を確認する際には、A/Bテストを取り入れるのが効果的です。 たとえば、複数パターンのバナーや広告文、ターゲティング設定を試して比較することで、どの組み合わせが最も反応が良いかを明らかにできます。
こうした検証と改善の積み重ねが、より効果的な広告運用につながります。

ディスプレイ広告もリスティング広告も、それぞれにメリットとデメリットがあります。
大切なのは、自社の目的やターゲットに合った広告手法を選び、適切に使い分けることです。
たとえば、「広く認知を広げたい」ならディスプレイ広告、「今すぐ購入意欲のあるユーザーに届けたい」ならリスティング広告、といった具合に使い分けることで、Webマーケティングの成果をより高めることができます。
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