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SEMとは、Search Engine Marketingを略したものであり、和訳すると検索エンジンマーケティングといいます。内容は文字通り、検索エンジンで行われるマーケティングのことを指します。SEMのなかには「SEO」と「リスティング広告」が含まれており、いわばSEMは検索エンジンで行われているマーケティング全てを総称しているともいえます。検索エンジンで行われるマーケティングといえば、SEOのイメージが強い方も多いでしょう。
しかし、SEOはあくまでSEMに含まれるマーケティング施策の一部という位置づけが正しいといえます。この機会にぜひ、SEOやリスティング広告についても見識を深めておきましょう。
SEOとは、検索エンジン上での表示順位を上げるための施策を指します。GoogleやYahoo!といった検索エンジンで検索されたときに上位に表示されれば流入数の増加が期待でき、CV数の向上を狙えます。SEOは「SEO施策」「SEO対策」と呼称されることが多く、SEO対策は主に「内部施策」「外部施策」の2つに分けられます。SEO単体ではなく、これらの名称の方が聞き慣れている方も多いのではないでしょうか。
内部施策とは、Webサイト内で行う施策のことを指します。具体的な施策は多数ありますが、代表的な施策は以下の通りです。
日本国内において、検索エンジンのシェアはGoogleが約75%を占めており、SEO対策といえばGoogle対策といっても過言ではありません。上位表示を狙うにはGoogleから高評価を得ることが求められ、そのためには内部施策を万全に行う必要があるでしょう。
外部施策とは、対象のWebサイト外で行う施策を指します。外部施策といえば主に被リンク対策のことを指し、リンク数だけでなく、リンクが張られているサイトのクオリティまでが評価対象であるといわれています。以前まではリンク数が多ければ評価がプラスされるというのが通説でした。
しかし、現在は闇雲にリンク数を増やしクオリティの低いサイトにリンクを張ってしまうと、逆に順位が下がる可能性が高くなります。 上記で述べた通り、昨今ではリンクが張られているWebサイトも評価の対象となるため、クオリティの高いサイトにリンクが張られる必要があります。よって、外部施策を行うときにはむやみにリンク数を増やすのではなく、いかに「クオリティの高いWebサイトにリンクを張りたいと思ってもらえるか」を考えて行わなければならないでしょう。
リスティング広告とは、検索エンジンで検索を行った際に上部に表示される広告を指します。PPC(Pay Per Click)広告の一種であり、表示されるだけでは料金が発生せず、クリックされる度に料金が発生するのが特徴です。ブランド認知の向上や認知拡大の要素は少なく、どちらかといえばユーザーへ商品を販売する目的が強いマーケティング手段といえるでしょう。とはいえ、上部に表示される広告のため、前者の効果は少なからず得られるのも利点の1つといえます。
リスティング広告はSEOと同じく、SEMに含まれる代表的な検索エンジンを使用したマーケティング施策の一部です。次のセクションにてSEOとの違いを詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
ここではSEOとリスティング広告の違いについて、項目別に詳しく解説します。
SEOとリスティングでは、効果の即時性に大きな違いがあります。
SEO対策は即時性が低いです。対策方法としては、サイト構造を見直したり、質の良い記事を作成するなどがありますが、これらの対策方法は行ってから効果が確認できるまで、ある程度のタイムラグが発生します。期間は数日から数週間、長いと数か月かかる場合もあるなど、その長さはまちまちです。
一方、リスティング広告は比較的即時性が高く、効果をすぐに見て判断できます。1日ごとに課金額の変更が可能なため、予算や表示順位に応じた施策変更をすぐに施せるのは利点といえるでしょう。
コントロール性では、リスティング広告の方が圧倒的に高いといえます。
リスティング広告は、主に広告費用とクオリティによって表示順位が左右されます。広告に投入する金額を増やせばそれだけ表示される順位が上がり、ユーザーの目にとまる機会も比例して多くなることが期待できます。逆に、表示順位を下げたい場合は広告に投入する費用を減らせば調整ができます。このように、ある程度表示順位を意図して調整することが可能であるため、リスティング広告のコントロール性は高いといえるでしょう。
一方、SEOはコントロール性が極めて低いといえます。なぜなら、SEOは検索エンジン側で手綱を握っているため、こちらで順位を決めることは叶わないからです。また、順位は検索エンジンがもつアルゴリズムによって決定されるだけでなく、その基準も公にはされていません。Webサイトを運営している側はあくまで予測して対策をするしかなく「SEO対策をしたけれど自分の意図した結果を得られなかった」ということが起こり得るでしょう。
とはいえ、SEO対策については多くの人が分析をしており、ある程度の予測のもとで狙った対策をすることは可能です。Google公式ページにて情報を一部公開しているので、参考にしてみるのも有効な方法です。
クリック率では、リスティング広告よりもSEO対策によって上位表示されたページの方が高くなります。
リスティング広告のほうが検索結果上位に表示されるのにも関わらず、SEO対策を施したページの方がクリック率が高いのには理由があります。それは、意図的に上位表示されている広告をユーザーが好まないからです。実際、クリック率を比較したデータを見ると、検索1位の記事はクリック率20%、リスティング広告のクリック率は5%であり、SEO対策によって自然検索で上位表示される方がクリック率においては効果が高いことがわかります。
SEOは上位掲載に対する費用は発生しませんが、リスティング広告は一定の費用をかけないと上位掲載は難しくなります。また、リスティング広告を運用する際には、適切なキーワードを選択しないと費用だけが多くかかり、CV数に繋がらない可能性も考えられます。はじめから費用がかかると分かっている施策であるため、予算を無駄にしないためにも、計画的にキーワードを選定し、クリック率やCV数に応じて適宜こまめに対応する必要があるでしょう。
SEOは、費用をかけずに対策することが可能です。とはいえ、コンテンツを作成したりWebサイトの内部構造を大幅に改装するなど、手段は幅広くあり、それらの業務を外注している業者も多く存在し、有料のシステムやアプリを導入することもできます。そのため、Webサイトの規模感や現在の状況や対策内容によって、費用は大きく変わってくるといえるでしょう。
ここでは、SEOとリスティング広告のメリット・デメリットについて詳しく解説します。
SEOで行う対策はWebサイトのレイアウトを変更したり、サイト構造をシンプルにしてユーザビリティを上げたりなど、作業自体は無料で行えるものばかりです。ある程度の知識を要しますが、独学で対策することも決して不可能ではありません。また、ページコンテンツの内製化を行うことで費用の軽減がしやすくなります。
事業を拡大するときはもちろん、運営していくだけでも多くの費用がかかります。そのなかで、費用をかけずに対策できる点は大きなメリットだといえるでしょう。
SEO対策は検索上位を獲得するための手段ですが、上位に表示されることで集客効果やブランド認知度の向上が期待できます。
そもそもWebサイトを見てもらいCVに繋げるためには、まずそのページの存在を知ってもらわなければなりません。Webサイトを見てもらうためにできる施策はリスティング広告を含めた広告運用からSNS、オフラインイベントへの参加など幅広くあります。そのなかでもSEOはより多くのユーザーにアプローチできる方法であるため、対策が成功すればその効果は集客や認知に大きく影響します。
SEO 対策で作成したサイトやページ、コンテンツは、そのまま資産として長く使用することができます。また、内製化を行うことで社内にノウハウを貯めることができるのも、長期的な視点で大きなメリットといえるでしょう。
SEOは、対策したからといってすぐに効果を得られるものではありません。先述したように、SEO対策をしたページが検索エンジンに認識されるまでには時間を要します。すぐに効果を得たい場合において、SEOは不向きといえるでしょう。
とはいえ、検索結果が上位に表示されることで得られるメリットは大きく、軽視できるものではありません。長期的にデータを収集し、地道に対策をしていくだけの価値は十分にあります。SEO対策を行うときには、効果が出るまでタイムラグがあることを加味したうえで、どのような対策を行っていくか考え、実行することが大切です。
また、Googleのアルゴリズムは日々変化しています。一度SEO対策をしたからといって放置すれば、情報が古くなり順位が下がってしまうリスクも十分に考えられるでしょう。そのため、SEOは定期的に効果検証や情報収集をしながら常に対策することが必要です。
リスティング広告は、施策を実行するとすぐに検索結果の上位に表示されるため、効果をすぐ得られます。SEOではページが上位に表示されるまで多くの時間を要し、対策をしても上位に表示される保証はありません。一方、リスティング広告は、広告を出稿すればすぐにユーザーの目に触れる機会を増やすことが可能です。確実に検索エンジン上に表示させられるため、選定したキーワードが適切ならば、その効果は決して少なくないでしょう。
また、リスティング広告はクリックされた分だけ費用が発生します。表示されただけでは費用はかからないため、無駄な出費がなく施策を実行できるのは魅力の1つといえるでしょう。そのうえ、広告にかかる費用や配信の有無は自分で決められるので、予算に合わせた運用を行えます。
このように低予算で始められるだけでなく効果もすぐに得られる点は、リスティング広告の大きなメリットといえるでしょう。
リスティング広告は、キーワードだけでなく、曜日・時間帯・地域などを限定して配信することも可能です。たくさんの広告を配信したとしても、ターゲットが見ていないと予想される時間帯や地域に広告を配信してしまえば、その効果は最大限に得られません。特定のターゲットを狙って曜日や時間帯・地域を絞り込むことで、効率よくリスティング広告の効果を獲得できる可能性が高まります。
リスティング広告を配信するには一定の費用がかかります。とはいえ、表示回数ではなくクリック数で発生する費用のため、他の広告と比べると低予算で開始できる広告だといえます。余計な費用を発生させないためにも、キーワード選定・配信する期間・曜日・時間帯・地域などの要素をしっかりと検討するのが大切です。軽率に広告を配信してしまえば、余計なクリック数だけ嵩みCVに繋がらないといった事態を招きかねません。
なお、リスティング広告はリアルタイムで効果を確認できるので、その利点を生かして、効果が低ければすぐに配信を停止するといった対応も可能です。ある程度の予測のもとに広告を配信したとしても、思うように効果が得られない場合も十分考えられます。無駄に費用をかけてしまわないように、しっかりとデータを見ながら運用することが大切です。
SEOとリスティング広告には、それぞれメリット・デメリットがありますが、実際どのように使い分けたらいいのか分からない方も多いのではないでしょうか。この2つをうまく使い分けるには、施策を実行する期間を明確にすることが重要です。
短期的に施策を実行したい場合は、リスティング広告が向いています。リスティング広告は一定の費用は発生しますが、即時性とコントロール性が高く、短い期間で効果を得られる施策方法です。「短期間で利益を得たい」「すぐにデータを収集したい」といった場合には、リスティング広告を用いると良いでしょう。
長期的に施策を実行したい場合は、SEOが向いています。「集客を増やしたい」「ブランドの認知度を高めたい」「自然流入を増やしたい」といった場合にはSEO対策を用いたいところです。SEO対策は、効果を得られるまでには数日から数か月といった日数がかかるばかりでなく、実際に対策が効果を発揮しているか否かを判断するデータを取得するのにも時間を要します。
しかし、上位にページが掲載されれば集客効果やブランド認知の向上など、得られるメリットが豊富にあるため、実行しておきたい施策だといえます。SEO対策を行う際には、時間を有効に使うために、短期的に効果が得られるリスティング広告を同時に実行するのも1つの方法です。
SEMとは検索エンジンで行われるマーケティングのことを指し、SEOとリスティング広告も含まれます。SEOは無料で対策が行えるものの、効果を得たり検証するまでには時間を要するため、長期的な目線で実行するのに向いている施策だといえるでしょう。
一方、リスティング広告は一定の費用はかかりますが、すぐに検索結果の上位に表示されるため効果を即時に得ることができ、なおかつリアルタイムでデータを収集できるので短期的な施策に向いています。
SEMに含まれるマーケティング施策であるSEOとリスティング広告は、どちらもメリット・デメリットがあります。双方について深く知り、適切なタイミングで施策を実行することが大切です。
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