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【2024年最新】採用動画の最新トレンドをご紹介!採用動画を作るメリットや費用相場も解説

人材採用において、そろそろ動画を活用していきたいけれど、
動画のトレンドや作る際の費用相場がよくわからないため
なかなか踏み出せないと悩んでいる人はいませんか?
この記事では、採用動画の最新トレンドから制作するメリットまで詳しく解説します。

目次

採用動画とは?

再生マークが表示されたパソコンを操作する人

採用動画とは、就職を希望する学生に、言葉では伝えきれない自社の企業理念や業務内容を伝えるために制作される動画のことです。

2020年4月に新型コロナウィルス感染症の拡大防止のために緊急事態宣言が発令されたのをきっかけに、企業ではオンライン採用を導入し始めました。2021年9月にKUROKO株式会社がインターネットを通じて642名の男女を対象に行ったオンライン採用についてのアンケート調査の結果によると、オンライン採用を実施している企業は30%で、緊急事態宣言後にオンライン採用を開始した企業が70%という結果だったのです。

このような背景から、新型コロナウイルス感染症拡大以降、企業の採用活動における欠かせないトレンドのコンテンツが採用動画になったというわけです。

採用動画を作るメリット

ノートパソコンに向けて微笑むビジネスマン

企業にとって採用動画を制作するメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。5つご紹介します。

  1. 言葉だけでは伝えにくい要素を短時間で効率良く表現できる
  2. 採用にかかるコストの削減と採用担当者の負担軽減になる
  3. 企業と学生のミスマッチを予防できる
  4. スマホファーストを意識して情報発信できる
  5. スマホファーストを意識して情報発信できる

それぞれ詳しく解説していきます。

動画情報を文字情報に換算すると約180万単語分に相当し、1分間の動画はWebページ3,600ページ分の情報量に匹敵するといわれています。つまり、採用動画はテキストベースのパンフレットや資料と比較すると、伝えられる情報量が格段と多くなります。そのため、企業は採用動画を制作することで、短い時間でも自社のブランドイメージや職場の雰囲気など、テキストだけでは表現しにくい部分をわかりやすく学生に伝えることができるのです。

SNSで拡散できる

自社でSNSアカウントを運用している場合、学生向けにハッシュタグを工夫するなどして採用動画を発信すると、その拡散性の高さからより多くの学生に自社を認知してもらうきっかけとなる可能性があります。

採用動画を見た学生がSNSを通じて問い合わせなどを行った場合、それに親身に対応することでより自社のイメージアップにもつながるでしょう。

採用にかかるコストの削減と採用担当者の負担軽減になる

人事採用には、会場費用や人件費、さらにパンフレットをはじめとする資料作成代など、さまざまなコストが発生します。そして、コスト以外にも採用担当者が多くの時間と労力を割くことで、人事採用は成り立っているのです。

採用動画を人事採用に活用することで、採用活動に関わるコストを大幅に削減できます。資料作成のコストはもちろん、遠方での説明会を動画を用いたオンライン説明会に切り替えやすくなり、会場設営費や出張費用なども削減できるでしょう。

また、説明会をオンラインに切り替えたり、動画を用いた説明にすることで、採用担当者の負担も削減することができるようになります。採用担当者の負担が軽減すれば、学生の対応などを強化しやすくなるなど、雑務以外の業務に充てる時間が増え、よりスムーズな採用活動を行いやすくなるでしょう。

企業と学生のミスマッチを予防できる

企業の人事採用において大きな課題となるのが、求職者・学生と企業とのミスマッチです。採用動画を活用すれば、会社の業務内容や職場の雰囲気が伝わりやすくなり、ミスマッチが起こりにくくなります。

採用動画を作る際は、なるべく飾り立てずありのままを伝えるよう配慮することで、より自社に合った人材を採用できるでしょう。

スマホファーストを意識して情報発信できる

総務省が2020年に発表した「令和2年版 情報通信白書」では、インターネット利用端末のうちPCが50.4%であるのに対し、スマホは63.3%となっています。スマホファーストを意識して学生に手軽に採用動画を見てもらえるよう工夫すれば、より応募の促進につながるでしょう。

2022年9月現在の採用動画のトレンド

グラフなどのアイコン

2022年9月現在の採用動画のトレンドを3つご紹介します。

  1. インタラクティブ動画
  2. 大学生向けには「リアリティ動画」「インタビュー動画」
  3. 高卒学生向けには「コンセプト動画」

それぞれ詳しく解説していきます。

インタラクティブ動画

インタラクティブ動画とは、英語のinteractiveの訳である「相互作用」「双方向」といった意味から、スマートフォンやPCを見ながら双方向でやり取りできる動画のことです。具体的には動画内にクリックボタンなどを設置することで視聴者の行動を促します。

採用活動においてインタラクティブ動画の活用が増加しているのは、学生が動画配信への親和性が高く、このような仕組みに慣れ親しんでいるのが背景としてあるといえるでしょう。

採用活動でインタラクティブ動画を活用するメリットは次の3つです。

  • 学生の興味を惹きやすく離脱されにくい
  • 企業と学生のコミュニケーションを活発化させられる
  • 学生のアクションから採用動画の運用改善につなげられる

インタラクティブ動画は「クリックボタン等で選択肢の中から知りたい情報を選び、視聴を進めていく」という特性上、学生自身が知りたい情報を効率よく得られるメリットがあります。そのため、無駄な情報が続いて離脱されるケースを減らすことができ、さらに企業と学生の双方向コミュニケーションを活発化させられるのです。

また、学生がどのような選択肢を選んだかといった情報を集めれば、採用動画の運用改善につなげられます。選ばれる確率が極端に少ないものはボリュームを減らし、逆によく選ばれているものはより充実した内容にするなど、学生のニーズに沿った採用動画の制作がしやすくなるのも、インタラクティブ動画のメリットです。

アクション内容をシンプルにし、長さを3~5分程度と短めにするのがインタラクティブ動画の中でもさらにトレンドとなっています。

大学生向けには「リアリティ動画」「インタビュー動画」

「リアリティ動画」とは、会社の業務内容や雰囲気が伝わる内容の動画です。具体的には、社員の1日密着動画や、この後詳しく説明するインタビュー動画、座談会形式の動画などがあります。

大学生の新卒採用において重視されているのが「ミスマッチの防止」で、このミスマッチ防止のためには、学生に自社風土を深く理解してもらったうえで応募してもらうことが必要不可欠です。リアリティ動画を用いると、学生自身が業務内容や会社の雰囲気を理解しやすくなり、ミスマッチを防ぎやすくなるといったメリットがあります。

「インタビュー動画」とは、実際に企業で働く社員へのインタビューと実際の職場の風景を重ね合わせた動画ですが、最近は働く社員の様子にインタビューの音声を重ねたドキュメンタリー形式の動画が採用動画としてトレンドとなっています。これは、企業のよい点だけを伝えるのではなく、社員の本音を含めたリアリティのある内容が学生のニーズに合っているためなのではないでしょうか。

高卒学生向けには「コンセプト動画」

高卒学生向けの採用動画としては「コンセプト動画」がトレンドです。

コンセプト動画とは企業イメージを伝える動画ですが、多くは次の3つの内容を含めます。

  • 企業理念
  • 企業の将来におけるビジョン
  • 社長からのメッセージ

高卒学生は大卒学生ほど深く企業研究などを行うわけではないため、企業の内容がある程度しっかりとイメージできる内容が学生のニーズに合っているのでしょう。

採用動画の種類

パソコンの前で資料を持っている

そもそも採用動画にはどのような種類があるのか、表にまとめてみました。

採用動画の種類 内容
企業紹介動画 ・会社概要 ・企業理念 ・職場の雰囲気紹介
インタビュー動画 ・社員インタビュー ・仕事風景
コンセプト動画 ・企業のイメージ映像 ・シンプルなメッセージ
説明会動画 ・実際の説明会のオンデマンド ・説明会資料

企業がどのような目的で何を学生に伝えたいのかによって採用動画の種類は異なります。表現方法についても、インタラクティブ動画・アニメーション動画・ドローン空撮などのトレンドの方法から、パワーポイントなどの説明資料を加えたスタンダードな方法まで、さまざまな選択ができるのです。

採用動画の制作にかかる費用相場

電卓とコイン

採用動画の制作にかかる費用相場を表にまとめてみました。

費用相場 採用動画の種類 採用動画の制作手法 採用動画の長さ 採用動画の撮影条件 採用動画の制作期間
10万~30万円 インタビュー動画
コンセプト動画
撮影
編集
120秒程度 キャスト:社員
カメラ:1台
2週間~1か月
30万~70万円 説明会動画 撮影
編集
180秒程度 キャスト:社員
カメラ:1台
1~1か月半
70万~200万円 企業紹介動画 シナリオ作成
撮影
編集
※アニメーション動画の場合もあり
オーダーメイド キャスト:社員とプロの役者
カメラ:1~2台
1か月半~2か月
200万円以上 企業紹介動画 オーダーメイド オーダーメイド キャスト:プロの役者
カメラ:2台/照明やドローンなど
3か月

また、インタラクティブ動画の場合、制作期間が3か月程度かかる場合が多いため、3分の動画を1本作る場合の費用は初期費用+月額費用というかたちで、初期費用10万円~、月額費用3万円~となります。

価格に応じて、制作できる採用動画の種類やかかる期間が異なることを覚えておきましょう。

採用動画を作るときのポイント

木製ブロックにポイントの単語、ビンテージ風

学生にこの企業に入社したいと思ってもらえるような採用動画を制作するポイントとはどのようなものなのでしょうか。6つご紹介します。

  • 採用したい人物像(ペルソナ)を明確化して制作する
  • 採用動画の用途に合わせて動画の種類を選ぶ
  • 学生の知りたい情報は何かを考える
  • ミスマッチを防ぐため、企業の本音やリアルな映像を盛り込むようにする
  • 競合他社と差別化し、自社を選ぶ理由をアピールする
  • SNSでの拡散を想定するなら、アップロードできる長さに収めて制作する

採用したい人物像(ペルソナ)を明確化して制作する

採用動画を制作するうえで、誰に向けて動画をつくるのかを明確にするのは非常に大切です。「どんな人を採用したいか(ペルソナ)」が定まっていないと、当たり障りのない内容に終始してしまったり、求職者が求める情報が想像しにくくなったりします。人物像(ペルソナ)を明確にすれば、どんな方向性・ジャンルで動画制作をすべきか、どのような内容を盛り込むべきかが定めやすくなるでしょう。

さらに、既存動画において盛り込んでいた内容でも、必要なのか削除すべきなのかが見極めやすくなります。採用動画は「欲しい人材が、この動画を見たときに応募したいと思ってもらえる内容」になっていることが重要です。そうした内容にするためには、まず「欲しい人材」がどんな人物なのかを、できる限り明確にする必要があります。

採用動画の用途や目的に合わせて動画の種類を選ぶ

採用動画の用途には「YouTubeやTwitterなどのSNS使用」「対面で実施する採用説明会での使用」「オンラインで実施する採用説明会での使用」「企業HPに掲載」など、さまざまなものがあります。こうした用途に合わせて動画の種類や尺を選ばないと、せっかく制作した動画も見てもらえないため、注意が必要です。

さらに、ミスマッチを防ぐためなのか、自社を知ってもらうためなのかといった採用動画の目的によっても、動画の種類は変える必要があります。例えば、ミスマッチ防止ならばより社風が分かるインタビュー動画、自社への理解が目的ならば企業紹介動画が適しているでしょう。

このように、採用動画の用途や目的に合わせて動画の種類や尺などを考えることで、より効果的に動画を活用できます。

学生の知りたい情報は何かを考える

学生が知りたいことは何なのかを定めないと、一方通行の内容になってしまい、学生に対して有益な動画になりません。

前述の「採用したい人物像(ペルソナ)」を設定したうえで、その学生がどんな情報を欲しているかを詳細に考えてみましょう。「ガツガツと働く、バイタリティ溢れる学生」が理想なのであれば、実際の業務内容や残業に関すること、スキルアップの研修や昇級に関する情報などを欲しているのではないかとイメージでき、そうした情報を入れ込むことで「あまり残業はしたくない、ワークライフバランスを大切にした」といった学生とのミスマッチを防ぐこともできます。

このように、理想の人材・学生が知りたい情報を考えることは、求職者側だけでなく企業にとっても重要なのです。

ミスマッチを防ぐため、企業の本音やリアルな映像を盛り込むようにする

ミスマッチは「こんな企業だと思わなかった」「こんな仕事内容だと思わなかった」のように、入社前のイメージと入社後の体感にズレがあった際に起こります。こうしたミスマッチを防ぐためには、企業の本音やリアルな映像を採用動画に盛り込むのが有効です。

企業の本音やリアルな映像には、前述の社員インタビュー動画や座談会動画、1日密着動画などがあります。また、社員が会社内を巡る社内見学のような内容もおすすめです。

こうした採用動画を用いて、具体的にどんな企業かを深く理解してもらうことで、実態に近いイメージをもってもらいやすく、ミスマッチを減らすことができます。

競合他社と差別化し、自社を選ぶ理由をアピールする

社会人経験がない学生にとって、同一業種の会社同士の違いは理解しにくいケースが多いです。「なぜこの会社を志望したのか?他社ではいけないのか?」といった質問を苦手とする学生が多いことからも分かるように、実際に仕事をしていない側からすると、競合他社と志望企業がどう違うのかを理解するのは難しい側面があります。

そこで、競合他社と差別化をして、自社がどういった点で優れているのかをアピールする内容を盛り込むのも、採用動画において大切です。無理に差別化したり優位性をアピールしたりするのではなく、あくまで「どのように違うか」といった点にフォーカスすると、学生側も良い印象を抱きやすいでしょう。

SNSでの拡散を想定するなら、アップロードできる長さに収めて制作する

TwitterやInstagram、TikTokなどのSNSを用いた拡散を想定する場合は、動画の尺に注意が必要です。主要SNSが対応している動画尺については、以下のようになっています。

SNS アップロード時間
Twitter 140秒(2分20秒)
Instagram フィード投稿(通常投稿):60秒 ストーリーズ投稿:15秒 リール動画:30秒 IGTV:60分
TikTok 10分 (数十秒程度の動画が主流)
YouTube デフォルト:15分 アカウント確認後:256 GB または 12 時間のいずれか小さいほう

TwitterやInstagram、TikTokは短尺動画が主流です。対応時間は2分程度〜10分程度ですが、拡散を目的とするならば、多くの投稿者が投稿している動画尺に合わせたほうが良いでしょう。

YouTubeは、長尺の動画も少なくありません。もし長尺の動画を投稿するならば、YouTubeが適しています。

これらのポイントとトレンドを意識することで、さらに魅力的な動画を制作することができるのではないでしょうか。

採用動画を作るときの注意点

採用動画を制作する時の注意点を3つご紹介します。

  • 学生の離脱を防ぎ最後まで視聴してもらうために、長すぎる動画は制作しない
  • 学生が共感しにくい内容を避ける
  • あらかじめ競合他社の採用動画の内容をチェックし、差別化して制作する

以下で上記3つの注意点について解説しますので、これから採用動画を作成する方はぜひ参考にしてください。

学生の離脱防止のため、長尺動画は制作しない

就職活動中の学生は、数十社の採用選考を並行しているケースも少なくありません。学業と就職活動で多忙な日々を送る学生にとって、30分以上ある長尺動画を最後まで集中して見るのはかなり大きな負担となることもあるでしょう。そのため、動画制作をする際はあまり長尺にならないよう注意するのが大切です。

また、どうしても長尺動画を制作したい場合は、ショートバージョンがおすすめです。採用動画は見てもらえなければ意味がありませんので、尺の異なる複数バージョンを用意しておけば、より学生それぞれの事情に合わせたかたちで視聴してもらいやすくなります。

学生が共感しにくい内容を避ける

あまりにも一般的な感覚と離れた内容や自社風土を押しつける内容はNGです。

よくある例として「残業は会社のために当たり前、頑張れる人だけが来て欲しい」「社内サークルのどれかに参加する義務があり、休日は社員と過ごす」などの内容があります。上記のような内容は、愛社精神や社員同士のつながりがあってこそ成立するもので、まだ採用選考に応募するかを考えている段階の学生に共感してもらうのは非常に難しいでしょう。

ただし「学生が共感してくれるか」は社内にいると分かりにくくなる場合もあるため、新入社員や第三者に採用動画をチェックしてもらうなど、何らかの対策を取ったほうが良い場合もあります。

あらかじめ競合他社の採用動画の内容をチェックし、差別化して制作する

YouTubeをはじめとするSNSには、10年近くにわたりさまざまな企業が投稿してきた採用動画が残されています。こうした資料を活用して競合他社の採用動画をチェックし、差別化するのも動画制作におけるポイントです。

業種が同じだと、動画内容やテイストも似通ってしまいがちです。だからこそ、その業種では今までなかったような採用動画を制作できれば、競合他社との差別化につながり、採用活動も有利に進めることができます。

採用動画の成功事例を6つご紹介します。

東京建物不動産販売株式会社

2018年に東京建物不動産販売株式会社が制作した、59秒の採用動画です。

登場人物のセリフは一切なく、東京建物不動産販売株式会社で働く人たちのイメージ映像・簡単なテキスト・BGMだけで構成されているのですが、不思議と最後まで目が離せません。これは、BGMはずっと同じでありながらも場面転換が多く、次は何が起こるのかという期待感を次々にもたせる作りとなっているからではないでしょうか。

高卒学生に受け入れられやすいとされるトレンドのコンセプト動画ではありますが、大卒学生でも最後まで見てしまうような魅力ある採用動画に仕上がっています。

AS KNOW AS

20~30代の女性をターゲットにしたアパレルブランド「AS KNOW AS」が2014年に制作した、60秒のインタビュー動画です。

アパレルブランドの場合、デザイナーやプレスといった洋服に直接関わる職種の人からインタビューが開始されると思いがちですが、この動画では営業の方が最初にお話をされるため、それだけでも動画から目が離せなくなります。また、背景として流れる映像の前半は仕事風景ではなく趣味や家族と過ごす時間を映し出し、後半に登場するプレスの女性の言葉遣いに若干の訛りがあるのをそのまま編集せずに流していることなどから、社員の皆さんの温かい人間性が色濃く反映された採用動画となっているのです。

学生が就職の際に不安になることの1つに「入社してからの人間関係」がありますが、この採用動画を見るとその不安が少し払拭されるのではないでしょうか。

博報堂DYメディアパートナーズ

博報堂と博報堂DYメディアパートナーズが2017年に行った「激論トークLIVE博FES‘」という合同会社説明会の様子を映像化した、2分35秒もある長尺の説明会動画です。

「絶対に本音で話さざるを得ない説明会」というタイトルだけで惹きつけられますが、最初に合同説明会で学生に説明を行う社員の「建前」と思えるコメントをいくつか見せられます。

しかし、その後内緒で別室に待機している社員の妻・同期・上司・家族が説明会に登場し、社員は学生たちの前で本音をさらけ出さざるを得ない状況に追い込まれるのです。社員の「そんなことまで暴露されるんですか!」というセリフが象徴的に響き、最後は「『本音』のすべては、WEBで公開中。」というテキストが流れることで、博報堂と博報堂DYメディアパートナーズでは建前で説明会を行っていないということを腹落ちさせられる内容となっています。

デルタ工業株式会社

デルタ工業株式会社が2020年に制作した、ラップバトル形式で開発本部と製造本部の業務内容を説明する2分12秒の会社説明動画です。

軽快なビートにのせて、開発本部と製造本部にそれぞれ所属する2人がラップバトルを繰り広げていく内容です。社員が作詞したオリジナルの歌詞に巧みに業務内容・リアルな会社の現状・将来のビジョンを伝える言葉が散りばめられているため、学生の耳に残りやすいといえるでしょう。また、ラップバトルにすることでお互いの立場で言いたいことを言い合える環境だということを示し、最後に声を合わせて「風通しの良い会社」と表示されたテキストを読み上げることで、さらに説得力が増しています。

会社説明動画だということを忘れて見入ってしまうほど魅力ある採用動画です。

武田薬品工業株式会社

武田薬品工業株式会社が2020年に制作した、アニメーションを用いた2分39秒の会社説明動画です。

ナレーション自体は比較的難しい内容を話しているのですが、やわらかな絵柄とおだやかな色調のアニメーションを用いることで、それをあまり感じさせない工夫が施されています。また、SDGsという言葉は使わずに、持続可能な社会作りに貢献したいという内容を伝えるなど、専門用語を使わずに会社の方針がわかりやすく伝わるよう配慮されています。

強い印象を残すというよりは、淡々としていながら学生たちが共感できる内容に仕上がっている採用動画です。

社会福祉法人樹の里

社会福祉法人 樹の里が2020年に制作した、座談会形式の採用動画です。

尺は10分と比較的長めですが、バランスボールに座って社員がなごやかに語るなかで、会社に入社するということだけではなく「福祉業界で働くということ」「プライベートの過ごし方」といった大きなテーマを取り上げることで、それぞれの人柄や考え方がわかるように作られています。また「介護はチームで行うものなので、知識を深めるだけではなく、みんなで協力し話し合って仕事を進めることが大切だ」というメッセージを最後に伝えることで印象に残る動画となっています。

穏やかな雰囲気ながら、伝えたいメッセージをしっかりと盛り込んだ内容の濃い採用動画です。

三井住友銀行(SMBC)

https://www.youtube.com/watch?v=TYkid76vLeM

三井住友銀行(SMBC)が、世界初の月面探査プロジェクト「HAKUTO-R」のコーポレートパートナーにったことをテーマに制作された採用動画です。

一見アニメーション動画に見えますが、イラスト自体が動いているわけではなく、漫画を作成してコマごとに動かす「漫画動画形式」を採用しています。この漫画動画形式はYouTubeでも人気のあるジャンルで、若い求職者にはなじみのある動画になっているのがポイントです。さらに、動画でなく漫画にすると、作業現場などの社外秘情報が映り込む心配もありません。

まず、この動画を見ると「銀行にはどんな部署があり、それぞれがどんな役割を担っているのか」が理解できます。さらに「社会貢献のために、最後まで気を抜かず頑張りきれる人材」を求めていることが伝わるでしょう。「どのような形式・ジャンルにするか」「どんな情報を盛り込むか」「求める人材はどんな人か」といった設定が明確になっていることで、必要な情報がスムーズに入ってくる採用動画になっています。

TeNYテレビ新潟

テレビ新潟が制作した、インタビュー形式の採用動画です。

インタビュー映像と実務映像を行き来するかたちをとっているため、社員の雰囲気だけでなく、社内の様子や業務内容も伝わる内容になっているのが魅力となっています。

テレビ局に関わらずミスマッチの要因となりやすいのが「希望した部署に配属されなかった」というものです。この動画では、さまざまな部署の社員と仕事内容を紹介しており、それぞれの部署におけるやりがいを感じることができるため、入社後のミスマッチを防ぐ効果もあると言えるでしょう。

まとめ

パソコンで会議をしている女性

2022年の採用動画は「インタラクティブ動画」をメインに、大学生向けは「リアリティ動画」や「インタビュー動画」、高卒学生向けには「コンセプト動画」がトレンドです。

しかし、それ以外にもさまざまな制作手法があるため、企業の個性に合った採用動画を制作することが重要でしょう。また、いずれの方法であっても、利用の人材・人物像(ペルソナ)や用途による内容・形式の選択は重要です。事前にこうした設定をいかに詰めておくかで、動画のクオリティや費用対効果が大きく異なります。

この記事では、採用動画に関するノウハウや参考にすべき採用動画をご紹介しましたが、大切なのは「自社にとって有益な採用動画を制作すること」です。ぜひ他社の真似に終始せず、自社の採用活動に役立つ動画制作ができるように工夫してみてください。

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