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YouTubeの動画広告とは、世界で毎月20億人を超えるといわれるYouTubeユーザーに向けて配信される動画を用いた広告のことです。
2023年2月に電通が2022年国内動画広告の市場調査を実施しました。この調査によると2022年の動画広告市場は、前年比133.2%の5,601億円となり、2026年には1兆2,451億円に達することが予想されています。また、同調査の「動画広告市場規模推計・予測<デバイス別>」からは、スマートフォンの動画市場成長率と合わせてインターネットに接続できるコネクテッドテレビが普及しつつあることもうかがえます。
引用元:サイバーエージェント、2022年国内動画広告の市場調査を実施
PC、スマートフォンからお茶の間のテレビまでインターネット接続が可能なデバイスは年々多様化してきています。
これらのことから、世界最大の動画プラットフォームと呼ばれるYouTubeで配信される動画広告は、多くの企業が高い広告効果を期待して配信を行っているといえるでしょう。
YouTubeの動画広告を配信するのは、どのような目的を持つ企業に向いているのでしょうか。消費者が商品やサービスを認知してから、実際に購入するまでの行動を考えるためのフレームワークであるマーケティングファネルを用いて考察してみましょう。
マーケティングファネルには、消費者が商品やサービスを認知してから購入までの行動段階を示す「パーチェスファネル」、購入後の行動段階を示す「インフルエンスファネル」、パーチェスファネルとインフルエンスファネルを組み合わせた「ダブルファネル」の3種類があります。YouTubeの動画広告の場合は「購入」がゴールとなるため「パーチェスファネル」を用いて考察します。パーチェスファネルは逆三角形で全体が示され、その中に「認知」「興味・関心」「比較・検討」「購入」の4段階があり、購入に至るまでに消費者の人数が少しずつ減少していくことを表しています。
2020年12月に株式会社ネオマーケティングが20才~60才の男女1,000人を対象に行った「動画広告の接し方に関する調査」で、動画広告を見たあとの印象や行動について質問を行ったところ、次の表のような結果が出ました。
回答 | 全体に占める割合 | パーチェスファネルの段階 |
---|---|---|
そのブランド・企業・商品についての印象が良くなった | 26.6% | 認知 |
そのブランド・企業・商品についてインターネットで検索した | 11.9% | 興味・関心 |
そのブランド・企業・商品についてSNSで検索した | 4.7% | 興味・関心 |
そのブランド・企業・商品について口コミを調べた | 3.1% | 興味・関心 |
問い合わせをした | 0.9% | 興味・関心 |
店舗に見に行った | 2.2% | 比較・検討 |
購入した | 2.1% | 購入 |
パーチェスファネルの段階と回答を比較してみると、消費者のうちブランド・企業・商品を認知した人が26.6%、興味・関心をもった人が20.6%、比較・検討をした人が2.2%、購入した人が2.1%となります。
このことから、YouTubeの動画広告は「認知」「興味・関心」「比較・検討」「購入」のすべての行動を引き起こすことができ「認知」「「興味・関心」を目的とすると広告効果が高いことがわかります。そのため、まずは商品やサービスを消費者に認知してもらい、興味や関心を持ってほしいと考えている企業が広告配信を行うと高い効果が期待できるでしょう。
YouTubeで動画広告を配信するメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。5つご紹介します。
ここ数年、日本におけるYouTubeの視聴者数が加速的に増加し、2022年10月時点で月間利用者数は7,000万人を超えました。また、テレビでYouTubeを見る人も3,500万人を超えるなど、YouTubeの視聴が多くの家庭で一般的となりつつあります。
Googleが実施したユーザーアンケートでは、YouTubeを利用しているユーザーの71%が「YouTubeでしか出会えないコンテンツがある」、80%が「YouTubeは新しいことを学ぶことに役立つ」と回答していることからも、YouTubeが必要なプラットフォームとして多くのユーザーに支持されていることがうかがえます。
参照元: 登録者10万人以上のチャンネル数は前年比30%増で7,700超、コネクテッドテレビやYouTubeショートなどシーンが広がる
YouTubeの動画広告では、広告の表示対象を指定する「オーディエンスターゲティング」と、広告を表示する場所を設定する「コンテンツターゲティング」を行うことができます。
最初にオーディエンスターゲティングの一例をご紹介します。
オーディエンスターゲティングの種類 | 概要 |
---|---|
ユーザー属性グループ | 広告を表示したいユーザー層の年齢・性別・子供の有無・世帯収入を指定できる |
詳しいユーザー属性 | 大学生・住宅所有者・最近子供が生まれたユーザーなど、共通の特徴をもつユーザー層を指定できる |
興味・関心 | 特定のカテゴリに興味・関心をもつユーザー層を指定できる |
データセグメント | YouTubeチャンネルとGoogleアカウントをリンクし、動画・動画広告・YouTubeチャンネルとの接触履歴をもつユーザーや広告主のWebサイトやアプリと接触したユーザーを指定できる |
カスタマーマッチ | YouTubeとGoogle動画パートナーの利用履歴をもつユーザーを指定できる |
類似セグメント | 広告主が作成したマーケティングリストまたはカスタマーマッチリストと類似した特徴を持つユーザー層を指定できる |
オーディエンスターゲティングでは人を軸にしてターゲティングをするため、YouTube動画広告の配信条件を細やかに設定できるのがわかるでしょう。
次に、コンテンツターゲティングの一例をご紹介します。
コンテンツターゲティングの種類 | 概要 |
---|---|
プレースメント | 配信先のチャンネルやWebサイト、アプリを指定できる |
トピック | YouTubeとGoogle ディスプレイ ネットワーク上の特定のトピックを指定すると、それに関連する動画・チャンネル・Webサイトに配信できる |
キーワード | 指定したキーワードに関連する動画・チャンネル・Webサイトに配信できる |
デバイス | PC・スマホ・タブレット端末・TVなど、ユーザーの使用するデバイスを指定して配信できる |
コンテンツターゲティングでは動画広告の配信場所を軸にしてターゲティングをするため、比較的広範囲に配信できるのがわかります。
引用元:YouTubeヘルプ「動画キャンペーンのターゲティングについて」
YouTube動画広告では、企業が動画広告を配信する目標を次の5つの中から選んで設定することができます。
目標の種類 | 概要 | パーチェスファネルの段階 |
---|---|---|
販売促進 | ・購入やコンバージョンにつながる可能性が高いユーザーにアプローチする・広告主のWebサイトを訪れたことがあるユーザーや購入決定に近い段階のユーザーに働きかける | 購入 |
見込み顧客の獲得 | ・関連性の高いユーザーに、ニュースレターの配信登録や連絡先情報の提供などを通じて興味・関心を惹くよう働きかける | 興味・関心 |
Webサイトのトラフィック | ・見込み客にWebサイトへの訪問を促す | 比較・検討 |
商品やブランドの比較・ 検討 | ・商品のリサーチや購入を検討しているユーザーに、広告主のブランドや商品をアピールする・広告主のブランドに関心を示したユーザーに、今後ブランドや商品を検討してもらえるよう働きかける | 比較・検討 |
ブランド認知度とリーチ | ・ブランドを効率的に活用しながら、幅広いユーザーにリーチする・関連性の高いユーザーの間でブランド認知度を高める・ユーザーにブランドを覚えてもらえるよう多様な広告フォーマットを使用する | 認知 |
パーチェスファネルと比較すると、YouTube動画広告では「認知」「興味・関心」「比較・検討」「購入」のすべての段階を広告の目的として設定できるのがわかるでしょう。
引用元:Google広告ヘルプ「Google広告のキャンペーン目標について」
どのようなWeb広告においても、運用しながら配信内容を改善していくのは必須ですが、YouTube動画広告では改善するためのデータを無料で確認できるツールがあるのでご紹介します。
ツールの種類 | 機能の概要 |
---|---|
Google広告アカウント | ・Google広告アカウントとYouTubeチャンネルを紐づけることでYouTube動画広告の配信結果をGoogle広告アカウントの「レポート」タブより確認が可能・確認可能な指標は「主要指標」「クリックに関する指標」「エンゲージメントに関する指標」「リーチとフリークエンシー」「動画の再生に関する指標」「YouTubeのエンゲージメント」「再生リストの追加件数」「高評価の数」「動画視聴後の共有数」「アクティブビュー」の10種類 |
Googleアナリティクス | ・YouTube動画広告経由のWebサイト流入数、コンバージョン数、ユーザーのWebサイト内での行動などを計測可能 |
Googleトレンド | ・リアルタイムでどんなキーワードが検索されているか、YouTubeでの特定キーワードでの検索推移などを確認可能 |
YouTube動画広告を配信したらそれで終わりにするのではなく、ツールを用いて得たデータを基に分析し、自社にとってより効果的な配信方法を追求していくことが大切です。
引用元:Google広告ヘルプ「動画広告の指標とレポートについて」
動画はテキスト+画像と比較して約5,000倍、また1分間の動画は一般的なWebページの3,600ページ分の情報量を表現できるとされています。そのため、YouTube動画広告においては今までテキストや画像だけでは伝えにくかった商品やサービスのよさをユーザーに対してわかりやすくアピールすることが可能です。
YouTubeの動画広告は全部で8種類あります。概要を表にまとめてみました。
YouTube動画広告の種類 | 配信場所 | 料金形態 | 動画の長さ | アスペクト比 | スキップ |
---|---|---|---|---|---|
スキップ可能なインストリーム広告 | ・YouTube 動画再生ページ ・Google 動画パートナー上のWebサイトやアプリ | CPA/CPV/tCPM | 制限なし | 16:9/9:16 | 〇 |
スキップ不可のインストリーム広告 | ・YouTube 動画 ・Google動画パートナー上のWebサイトとアプリ | tCPM | 6〜15秒 | 16:9/9:16 | × |
インフィード広告 | ・YouTube検索結果 ・YouTube関連動画の横の部分 ・YouTubeモバイルのトップページ | CPV | 制限なし | 16:9/4:3 | × |
バンパー広告 | ・YouTube検索結果 ・YouTube関連動画の横の部分 ・YouTubeモバイルのトップページ | CPM | 6秒以下 | 16:9/9:16 | × |
アウトストリーム広告 | ・Google動画パートナー上のWebサイトやアプリ※モバイルのみ | vCPM | 6〜15秒 | 16:9/9:16 | ー |
マストヘッド広告 | YouTubeホームフィードの上部 | CPM | 30秒以下 ※パソコン版のみ | 16:9 | ー |
動画アクションキャンペーン | ・YouTubeホームフィード ・YouTube動画 ・Google動画パートナー上のWebサイトとアプリ | CPA | 10秒以上 | 16:9/9:16 | ◯ |
ダイレクトレスポンス広告 | 動画広告下部 | CTC、成果報酬型 | 明記なし | 明記なし | ー |
そのほかの広告が表示箇所や表示される条件が決まっているのに対し、動画アクションキャンペーンでは、複数の表示箇所や条件にまたがって自動で動画広告を出稿することが可能です。
動画アクションキャンペーンでは「スキップ可能なインストリーム広告」と「インフィード広告」のフォーマットの動画広告(10秒以上の長さが必要)を使用して、コンバージョンを促すためのよりクリエイティブな動画広告が出稿できます。動画アクションキャンペーンでは「行動を促すフレーズ」「広告見出し」「説明文」を設定でき、サイトリンクやリードフォーム、商品フィードを動画広告に追加することができます。
このように、動画アクションキャンペーンはコンバージョンに重心を置いた動画広告において魅力的な機能が備わっているため、認知度向上やブランディングではなくコンバージョンをKPIとする動画広告では積極的に活用していきたい機能です。 動画アクションキャンペーンに限らず、それぞれの広告形式にはそれぞれのメリットが存在します。
実際に配信する際は、自社の商品やサービスに合った動画広告はどれかをよく検討し、最初は少額の予算から配信し、広告効果を検証しながら広告の種類が適切かどうかを判断するのが望ましいでしょう。
引用元:YouTubeヘルプ「YouTubeの広告フォーマット」
引用元:Google広告ヘルプ「動画アクションキャンペーンについて」
このように、YouTubeにはさまざまな動画広告が出稿できます。それでは、広告それぞれの特徴について1つずつもう少し詳しく解説していきます。
スキップ可能なインストリーム広告は、YouTube動画やGoogle動画パートナーで配信されている動画の前後や、動画の途中に再生される動画広告です。ユーザーは、広告再生から5秒が経過すると広告をスキップ、動画コンテンツの視聴を再開することができます。
複数のデバイスで視聴される動画広告として出稿でき、複数の課金形態から自社の広告出稿に最適な方法を選択できます。中には最後まで動画広告を視聴したユーザー数に応じた課金形態もあるため、費用対効果が高い広告出稿も可能です。
スキップ不可のインストリーム広告は、スキップ可能なインストリーム広告と同様、YouTube動画やGoogle動画パートナーで配信されている動画の前後や、動画の途中に再生される動画広告です。スキップ不可のため、ユーザーは動画コンテンツを視聴する(再生を再開する)には、動画広告を最後まで視聴する必要があります。
ユーザーがスキップ不可のためユーザーを不快にさせないように最大15秒までの動画広告しか出稿できない仕組みになっています。
インフィード広告は、YouTubeの検索結果や次のおすすめといったユーザーに視聴される可能性が高い位置に表示される動画広告です。
YouTubeアプリのホームフィードは、アプリを通してYouTube動画を視聴するユーザーの目に留まりやすい位置でもあるため、高いコンバージョンが期待できます。
バンパー広告は、YouTube動画や、Google動画パートナーの動画再生前、再生中、再生後に表示される動画広告です。6秒以内と比較的短い動画のみ広告出稿が可能で、ユーザーが動画広告をスキップできない仕様になっています。
幅広いユーザーへリーチできる反面、ある程度の再生時間が必要な商品・サービスの紹介などには不向きな広告手法です。自社の認知度向上など、比較的短いメッセージの広告においては高い費用対効果が期待できます。
アウトストリーム広告はモバイル専用の動画広告です。Google動画パートナー上のWebサイトやアプリに表示され、音声がミュート状態で動画広告が再生される点が特徴です。
vCPMというコストパフォーマンスに優れた課金方法のため、モバイルユーザー(比較的若い層など)に限定して広告出稿をする場合などで効果的な広告手法の一つです。
YouTubeマストヘッド広告は、YouTubeのホームフィードに動画広告を表示させることができる広告形態です。
月間ユーザー数7,000万人のプラットフォーム、かつ、ホームフィードという目に留まりやすい位置に広告表示されるため、短期間で多くのインプレッション数が稼げます。これらの特徴を活かして多くの企業が自社や商品・サービスの認知度向上、ブランディングに活用しています。
動画アクションキャンペーンは、動画広告のコストを抑えながらコンバージョン率を向上させることに最適化された動画広告の配信形式です。
動画アクションキャンペーンを設定することで、YouTubeやGoogle動画パートナーのさまざまな場所に自動的に広告を出稿できます。また、動画が再生されるだけの動画広告とは違い、広告見出しや商品フィードを追加することできるため、高いコンバージョン率が期待できるでしょう。
ダイレクトレスポンス広告は、動画広告の下部にECサイトで販売している商品画像を表示することができます。この広告を使用するためには「Google Merchant Center」に登録、商品情報を管理する必要があります。
自社専用のECサイトを持っている企業などから注目されている動画広告で、直接ユーザーのコンバージョンを獲得しやすい動画広告の一つです。
引用元:Google Ads & Commerce Blog Drive results with new direct response solutions on YouTube
複数の動画広告が出稿できるYouTubeですが、課金方式は出稿する広告形式によってさまざまです。先ほど解説した広告形式でも採用されている、主な課金方式について詳しく解説していきます。
CPMはインプレッション単価と呼ばれ、広告の表示回数1,000回あたりに料金が発生する課金方式です。CPMは以下の計算式で計算することができます。
反対に、CPM課金方式の広告出稿に必要な広告費は、以下で算出することができます。
CPMは、広告のクリック数に応じて料金が発生するCTC(クリック単価)と比べると安価で広告出稿が可能な点が最大の特徴です。
不特定多数へリーチできる広告手法においてよく採用される課金方式で、潜在ユーザーへリーチする際に効果的です。また、広告のクリック数と料金の加算は無関係のため、クリック率が高いほど費用対効果が高くなります。
tCPMは、目標インプレッション単価と呼ばれるインプレッション単価の一種です。tCPMでは広告表示1,000回あたりに発生する料金の平均額を設定することができ、設定された単価の前後で、できるだけ多くのリーチを獲得できるように入札単価が自動で最適化されます。
vCPMもCPMの一種ですが、ユーザーの視認範囲に広告が表示されたインプレッション数に応じて料金が発生する課金方式です。ユーザーのアクションに関わらずインプレッションに応じて料金が発生するため、自社の認知度向上などに適した課金方式です。
CPAは、目標コンバージョン単価と呼ばれ、出稿した広告からコンバージョンが発生した際に料金が発生する課金方式です。
CPAではコンバージョンが最大化されるよう、自動で目標単価の前後で単価が調整されます。登録や契約、購入などコンバージョン数をKPIとする動画広告に適した課金方式です。
CPVは、広告視聴単価と呼ばれ、ユーザーが動画広告を1回視聴するごとに料金が発生する課金方式です。
料金が発生する条件は、視聴者が動画を30秒間視聴(30秒未満の動画の場合は広告を最後まで視聴)した場合、オーバーレイやカード、バナーに対してクリックするなどユーザーが動画に対して操作を行った場合のどちらかです。広告を一定以上視聴、もしくはコンバージョンを優先したい動画広告に適した課金方式です。
このように、YouTubeの動画広告に対する課金方式は、いくつかの中から表示場所やターゲティングの方法に合わせて最適なものが採用されています。YouTubeに動画広告を出稿する場合は、広告の表示場所と合わせて課金方式が自社のマーケティングに適しているものを選び、費用対効果を高めるように意識することが重要です。
具体的にYouTubeで動画広告を設定・配信する方法とはどのようなものなのでしょうか。動画広告の設定は、主に以下の6つの工程が必要となります。
YouTubeの動画広告においても、Google広告と同じように1営業日程度の時間をかけて審査が行われます。設定したからといって、すぐに配信が開始されるわけではないのを忘れないようにしましょう。
それでは、1つずつ詳しく解説していきます。
Google広告のアカウント作成は、Google広告のWebサイトから行います。
まずは「Google広告」と検索し表示されるGoogle AdsのWebサイトにアクセスします。サイトに表示されている「今すぐ開始」をクリックし、Google広告アカウントの作成を始めましょう。
Google広告アカウントには「スマートモード」と「エキスパートモード」の2種類があり、「スマートモード」がデフォルトでアカウント作成が進みますが、細かい広告設定を行う場合は「エキスパートモード」に変更する必要があります。エキスパートモードに変更する方法は、アカウント作成時に画面下部に表示される「エキスパートモードに切り替える」を選択する、もしくは、アカウント作成後に設定アイコンから「エキスパートモードに切り替える」を選択する必要があります。
スマートモードとエキスパートモードの違いは、以下のとおりです。
引用元:Google広告ヘルプ「スマートモードとエキスパートモードについて」
作成したGoogle広告のアカウントを使用するためには、YouTubeチャンネルと紐づける必要があります。
まずは、YouTube Studioにログインして「設定」から「チャンネル」をクリックします。次に「詳細設定」「アカウントをリンク」をクリックし、任意のリンク名とGoogle広告のIDを入力します。
「完了」「保存」とクリックし、Google広告アカウントへ送られたリクエストを承認すると、Google広告アカウントとYouTubeチャンネルの紐づけは完了です。
次は、Google広告アカウントから動画キャンペーンを作成します。
Google広告の管理画面からサイドバーにある「キャンペーン」をクリック、左上に表示されている「+」ボタンをクリック、表示されたプルダウンから「新しいキャンペーンを作成」を選択します。
次に、キャンペーンの目標を選択していきます。
細かい設定をあとから行いたい場合は、一旦「目標を指定せずにキャンペーンを作成する」を選ぶことも可能です。目標を選択したら表示されたキャンペーンタイプから「動画」を選択、続行ボタンをクリックします。次に表示されるキャンペーンのサブタイプの選択から任意のタイプを選択、続行ボタンをクリックします。
これで動画キャンペーンが作成できました。次は動画キャンペーンの細かい設定を行います。
動画キャンペーンの設定では、大きく分けて「予算」と「ターゲティング」の2つの項目の設定を行います。まずは「予算」に関する設定です。
予算の設定では「入札戦略」と「予算と日程」の項目を設定します。
入札戦略では、どのような課金方式で広告を出稿するかを選択します。前述のインプレッション単価や目標コンバージョン単価などから、出稿する動画広告に適した課金方法を選択します。
次は「予算と日程」の設定です。予算は「キャンペーンの合計(通常予算)」と「日別予算」から任意の予算、金額を入力します。「日程」の設定では、キャンペーンの開始日、終了日を設定します。
予算の次は、ターゲティングの設定を行います。
ターゲティングの設定では「ネットワーク」「地域」「言語」を設定します。
「ネットワーク」は、広告を出稿する場所に関する設定です。デフォルトでは「YouTube動画」が選択されていますが、YouTube以外でもユーザーにリーチしたい場合は「ディスプレイネットワークの動画パートナー」を追加する必要があります。
「地域」の設定では、どの地域のユーザーに広告を表示させるかを設定します。国単位(例えば「日本」「アメリカ」)だけでも設定可能ですが、よりエリアを限定したい場合は(例えば「大阪府」「東京都」など)希望の地域を手入力で設定することも可能です。
「言語」の設定では、どの言語を使用しているユーザーに広告を表示させるかを設定します。「日本語」や「英語」のように一つの言語を設定することも可能ですが「すべての言語」を選択し、使用言語によるターゲティングを行わないように設定することも可能です。
これで予算の設定と大まかなターゲティングの設定ができました。より細かなターゲティングに関しては、次の「広告グループの作成」で行います。
次は「広告グループの作成」です。
広告グループの作成では「広告グループ名」「ユーザー」「コンテンツ」の設定を行います。まずは任意の広告グループ名を入力します。
次はユーザーの設定です。
ユーザーの設定では、広告のターゲットとなるユーザーの属性やセグメントを設定します。ユーザー属性では、性別や年齢、世帯収入や家族構成などから設定したいユーザー属性を選択します。
セグメント(オーディエンスセグメント)の設定では、特定のセグメントに興味関心のあるユーザーにターゲティングする設定が可能です。
コンテンツの設定では「トピック」「プレースメント」「キーワード」の3つを設定していきます。
「トピック」では、任意のトピックを設定することで、そのトピックに関連する動画を視聴しているユーザーに広告が表示されるようになります。
「プレースメント」は、動画広告を表示する媒体を設定する項目です。「YouTubeチャンネル」「YouTube動画」「Googleディスプレイネットワーク上のウェブサイト」「Googleディスプレイネットワーク上のアプリ」から、任意の媒体を選択することで設定します。
「キーワード」は、任意のキーワードを設定することで、そのキーワードに基づいて、YouTube動画、YouTubeチャンネル、ユーザーが興味をもちそうなWebサイトに動画広告が表示されるようになります。
広告グループの作成が終わったら、最後に動画広告を設定します。
動画広告を設定する際には、広告として使用する動画を事前にYouTubeチャンネルに投稿しておく必要があります。
事前準備が終わったら、動画広告の作成を行います。事前に投稿しておいた動画のURLを入力して、出稿する動画を選択します。ここでは「動画広告のフォーマット」「最終ページURL」「行動を促すフレーズ」「見出し」「広告名」などを設定します。
「動画広告のフォーマット」では、インストリーム広告、バンパー広告など、表示されている広告形式から任意のものを選択し設定します。
「最終ページURL」は、広告をクリックしたユーザーに表示するページのURLを入力、設定します。
「行動を促すフレーズ」で入力したフレーズは、ボタンとして広告に表示され、クリックしたユーザーを最終ページURLで設定したURLへ誘導することができます。
「見出し」は、スキップ可能なインストリーム広告、スキップ不可のインストリーム広告、バンパー広告で利用でき、入力することで広告見出しを設定することができます。
「広告名」はその名のとおり、広告に任意の名前を設定する項目です。
これらすべての設定が終わったら「キャンペーンの作成」をクリックして、動画広告の設定はこれで終了です。
YouTubeの動画広告においても、Google広告と同じように1営業日程度の時間をかけて審査が行われます。設定したからといって、すぐに配信が開始されるわけではないのを忘れないようにしましょう。
YouTube動画広告では、どういったユーザーにどんな情報をどれくらい伝えたいかで使うべき動画広告が変わってきます。動画広告を使い分ける際に注意すべきポイントは、大きく分けて以下の2つです。
動画広告が表示される場所と表示回数は、どのようなユーザーにどれくらいリーチできるかが決まる重要な要素です。
動画コンテンツの再生前後に広告が再生されるインストリーム広告と比べると、YouTubeのトップに表示されるマストヘッド広告のほうが表示回数は多くなります。それに対して、不特定多数のユーザーに広告が表示されるマストヘッド広告に比べると、ある程度ターゲティングができるインストリーム広告のほうが、広告視聴を通してユーザーのアクションを促しやすくなります。
このように、動画広告の表示場所と表示回数は動画広告の目的によってその重要度が変わってきます。
動画広告にはさまざまな課金方式がありますが、どの課金方式もその動画広告が目的を達成したタイミングで料金が発生する仕組みになっています。つまり、料金が発生する条件が動画広告の目的により近いものが、その動画広告に適した広告形式となります。
例えば、インプレッション単価の課金方法の場合、インプレッションが発生したタイミング、つまり、動画広告がユーザーに表示されたことが目的の一つとなる動画広告に適していることになります。認知度向上やブランディングなど、一定以上のリーチ数を重要視する動画広告などがこれに該当します。
このように、課金方式が自社の動画広告に適しているかどうかも、どの動画広告を出稿するかの重要な指標の一つとなります。
それではこれらを踏まえて、どの動画広告がどのような目的の動画広告に適しているか、目的別のおすすめ動画広告をいくつかご紹介します。
ここでは、動画広告の主な目的となる「認知度向上」「商品・サービスの比較検討」「コンバージョン」の3つに分けて、おすすめの動画広告をご紹介します。
動画広告を認知度向上の目的で使用する場合は、CPM課金方式の動画広告が適しています。あくまで動画広告の露出を通して認知を拡大することが目的のため、クリック単価制やコンバージョンに特化した課金方式のように広告単価が高くなるものは費用対効果があまり期待できません。
顕在顧客へのアプローチの一つとして、商品・サービスについて訴求することで比較・検討を促す方法があります。動画広告は、短い時間で多くの情報をユーザーに伝えられるため、この比較・検討に適した広告手法といえます。
この比較・検討を目的とした動画広告には、CPVで広告出稿が可能な動画広告が適しています。これは、興味・関心の高いユーザーのみが料金発生のトリガーとなる部分まで動画を再生することになり、結果として費用対効果が高くなる傾向にあるためです。
動画広告の主な目的をユーザーの問い合わせや購入、会員登録などとする場合、やはりコンバージョンに対して料金が発生するCPAが最も高い費用対効果が期待できるでしょう。そのほかの目的と複合的な使い方をする場合などに、CPV課金方式の動画広告も効果的です。
広告効果を最大化するためには、広告の目的にあった動画広告を選ぶことが重要です。
とはいえ、目的に合った動画広告を出稿しても必ずしも高い費用対効果が発揮されるとは限りません。そこで、次に効果を発揮するYouTubeの動画広告を制作する際のポイントについて解説してきます。
高い広告効果を発揮する動画広告を制作する際のポイントは、主に以下の6つです。
それでは1つずつ解説していきます。
動画広告を制作する際に最も重要なポイントは、動画広告の目的を決めることです。その動画広告は自社の認知度向上のために作られるのか、それとも商品・サービスの比較検討のために作られるのか、はたまた自社サイトへの誘導・会員登録などが目的なのかなど、広告に期待すること、目的は動画広告によってさまざまです。
動画広告を制作する際に目的を正しく決定、把握できていないと高い広告効果を発揮する動画広告を制作することは難しいでしょう。
次に重要となるのは、動画広告のターゲットとなるユーザーを絞り込むことです。もちろん、中には幅広い層のユーザーをターゲットとした不特定多数へリーチする動画広告も存在します。その場合も「幅広い層のユーザーにアプローチしたい」「不特定多数へリーチしたい」ということがターゲットを絞ることになります。
動画広告はターゲットによって動画の長さから演出、内容などが大きく異なるため、細かいターゲティングを行うことは非常に重要なポイントの一つです。
動画広告は、ユーザーが視聴している動画コンテンツの前後や途中に再生されるものや、動画コンテンツの近くに表示されるものがほとんどです。そのため、動画広告のライバルは動画広告だけでなく、ユーザーが視聴している動画コンテンツ自体ともいえます。
ユーザーはその動画(動画広告を含む)を視聴するかどうかを動画の冒頭数秒で判断しているといわれています。つまり、冒頭数秒でユーザーの興味を惹けなければ動画広告も最後まで視聴してもらえないということになります(スキップ不可の動画広告を除く)。そのため、多くの動画広告がユーザーの興味を惹けるよう、インパクトのある文言や演出などを動画広告の冒頭にくるように設計されています。この冒頭の数秒に対する意識も、動画広告の効果を高めるうえでは重要なポイントです。
動画広告は、ユーザー自身がクリックして再生する場合を除き、ユーザーの意思とは無関係に広告が再生されます。そのため、ユーザーは動画広告にさほど高い注意力を割かずに視聴しているケースも少なくありません。
このようなユーザーも含めて、可能な限り動画広告を再生したすべてのユーザーに伝わる内容にするためにも、動画広告の内容は、できるだけ簡潔にわかりやすい内容にしておくことも重要です。
一部の動画広告には、動画視聴後にユーザーがクリックすることでページ遷移するようなアクションボタンを配置することができます。このほかにも、ユーザーのアクションを促す機能がいくつか設定できるようになっているため、特にコンバージョンが重要となる動画広告においては、動画視聴後にユーザーがアクションを起こしやすいように導線を設計することもポイントの一つです。
動画広告は、中長期的に広告出稿し続けることが多い広告手法です。そのため、一度出稿して満足するのではなく、アナリティクスなどを活用し、その動画広告がどれだけの費用対効果を発揮しているのか、どのようなアクションを想起させられているのか、どのようなユーザーが興味をもってくれているのかなど可能な限り効果検証をするようにしましょう。
この効果検証を次回の動画広告に活かすことで、動画広告の広告効果を最大化することができるという意識で広告運用をすることをおすすめします。
YouTubeの動画広告とは、YouTubeのディスプレイ内・Google動画パートナーのWebサイト・アプリなどに配信できる広告のことを指しますが、ユーザーの購入に至るまでの行動段階それぞれを目標として配信できるため、企業にとってメリットが大きい広告だとわかりました。
ぜひYouTubeの動画広告を活用して、自社で売りたい商品やサービスを顧客へと積極的にアピールしてみてください。
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