目次
YouTubeマーケティングとは、YouTubeを使用したさまざまなマーケティング手法を指します。
企業がYouTubeマーケティングを積極的に活用する背景には、広告手法がテキストから動画にシフトしてきたことが挙げられます。動画情報をテキスト情報に換算すると約180万単語分に相当し、1分間の動画はWebページ3,600ページ分の情報量に匹敵するといわれています。そのため、動画広告はリスティング広告などテキストのみの広告と比較すると訴求効果は格段に高いといえるでしょう。
YouTubeマーケティングを行うメリットと、企業での望ましい活用方法を4つご紹介します。
YouTubeはユーザー数の多さと動画を活用できることから、幅広いターゲット顧客に訴求できる媒体といえます。この訴求力の高さを利用し、企業では動画マーケティングを積極的に行うのが望ましいでしょう。動画広告では細やかなターゲティングが可能なのでコンバージョン率アップが期待できますし、企業チャンネルの運用では思わぬターゲット層からの反応があるかもしれません。
5Gの普及で、視聴者にとって良好な視聴環境が整ったことにより、動画マーケティングの訴求力がさらに高まったといえるでしょう。戦略をしっかりと立て、結果を分析しながら少しずつ運用改善し、より自社にとって効果的な動画マーケティングを行うことをおすすめします。
YouTubeにおけるマーケティング機能の多くが、無料や低いコストで利用することができます。入札単価と予算の設定ページに「初めてご利用になる場合、1日の平均予算は 1,000~5,000 円程度に設定することをおすすめします」との記載があることからも、企業としてYouTube広告を使用する場合多くの予算をかけなくて済むのがわかります。
費用対効果の高い広告が活用できることから、コストにシビアな商品やサービスほどYouTubeでの広告戦略をしっかりと立てることが望ましいでしょう。
YouTuberへのPR依頼を行うと、動画内で「概要欄に商品やサービスのリンクを貼ってあります」と一言添えてもらえますし、YouTubeカードにLPを設定すればターゲット顧客は動画を視聴しながらも次の行動を意識できます。
マーケティングの最終目標はターゲット顧客が問い合わせや購入行動を起こすなどのコンバージョンですが、YouTubeマーケティングではターゲット顧客がスムーズにコンバージョンにつながる行動を起こせる仕組みが整っているといえるでしょう。
YouTubeチャンネルは、Webメディアやコラム、ブログの動画版としても活用されてきています。例えば、潜在層〜顕在層の獲得を意識し、目的をしっかり定め設計・運営することで、Webメディアと同じように自社メディアとしての資産となります。商品やサービスの認知や訴求だけでなく、採用や企業ブランディングの場としても活用されています。
YouTubeチャンネルを始める企業が増えているため、よりイメージを伝えやすい動画のメリットを「どのように活かしたYouTubeチャンネルにしていくか」が重要となっていくでしょう。もちろん、購買や問い合わせにつなげることが目的の場合は、そのような導線設計も重要になってきます。
YouTubeマーケティングは今では多くの企業取り入れているマーケティング手法ですが、これから新しく取り入れていくという方は、主なデメリットとなり得る以下についても把握しておくようにしましょう。
それぞれ解説していきます。
YouTubeマーケティングは、一朝一夕で効果が出るものではありません。チャンネル登録者数や再生回数を増やすためには「長期的な視点」が必要となります。
以下で解説する注意点なども意識しながら、ユーザーに求められるコンテンツを継続的に投稿し、効果が発揮されるまで長期的な戦略を立てることが重要です。
YouTube動画は、今では検索エンジンのような使い方をされることも多いですが、その本質は動画配信プラットフォームであり、世界的に利用されているSNSの一つです。ユーザーの批判的なコメントといった外的要因によって、動画投稿をしている企業自体のブランドイメージが損なわれるといったケースも少なくありません。
インフルエンサーマーケティングにおいては、起用したインフルエンサーに不祥事が起こった場合、起用した企業にも批判の声が及ぶこともあります。また、YouTubeはエンターテイメントとして視聴するユーザーがほとんどのため、企業が投稿する動画であっても一定のクオリティとエンタメ性が求められる場合もあります。投稿している動画がこれらユーザーのニーズを満たせない場合、期待していた広告効果が発揮できないだけでなく、企業に対して悪い印象をもたれる可能性もあるでしょう。
前述のとおり、YouTubeマーケティングにおいて投稿する動画のクオリティは非常に重要です。
自社に動画制作のノウハウがない場合、高いクオリティの動画を安定して投稿するためには、動画制作の撮影から編集までのすべての工程を動画制作会社に外注する必要があり、そこには一定のコストがかかってきます。また、YouTubeマーケティングは動画を投稿することがゴールではないため、効果測定や分析など運用の部分も合わせて外注することになると、さらに大きな費用が必要となります。
自社ですべて対応する場合でも、多くのリソースを割くことになるため、人的コストが大きくなるほか、撮影機材や撮影場所なども準備する必要があるため、初期投資面でもコストがかかってしまうのです。
これらのデメリットを理解したうえで、多くの企業がYouTubeマーケティングにメリットを感じ、一つのマーケティング手法として取り入れています。それでは、そんなメリットも多いYouTubeマーケティングにはどのような手法があるのでしょうか。
YouTubeマーケティングの主な手法を6つご紹介します。
企業が自社の商品やサービスの宣伝・認知度のアップなどを目的に集客を行いたい場合に適した手法が、企業アカウントの運用です。
チャンネルを開設し動画を投稿することで「チャンネル登録者数」というかたちでファンが増えるため、自社がどのくらい顧客に関心をもたれているのかがわかります。
また、コメント欄で顧客の生の声を収集することもでき、そのコメントに対して返事をすることでコミュニケーションも図ることができます。テレビで人気が出たCMを、アーカイブのようにYouTubeチャンネルでも見ることができたり、企業のイメージキャラクターとしてVTuberが出演していたりと、企業アカウントの運用にはその企業の個性が出やすいといえるでしょう。
ターゲット顧客に自社の商品やサービスを強めに訴求したい場合は、動画広告の配信がおすすめです。
ただし、2022年にマイボイスコム株式会社が行った第4回「インターネット広告に関するアンケート調査」では、若年層のユーザーを中心に「YouTube等の動画サイトの、スキップできない動画広告」に対して不快に感じるという回答をしているユーザーが一定数いるため、内容には細心の注意を払わないと逆効果になりかねません。
以下に、YouTubeで配信できる動画広告のフォーマットを表にまとめてみました。
動画広告の種類 | 目的 | 長さ | スキップ |
---|---|---|---|
インストリーム広告 | 商品やサービス、ブランドの認知度アップ、比較検討 | 15~60秒 | 5秒後にスキップ可なスキッパブル広告と、スキップできないノンスキッパブル広告がある |
バンパー広告 | 商品やサービス・ブランドの認知度アップ、比較検討 | 6秒 | 不可 |
インフィード広告 | 商品やサービスの比較検討 | 制限なし | ― |
アウトストリーム広告 | ブランドの認知度アップ | 6秒~60秒 | ― |
アクション広告 | コンバージョン率アップ | 制限なし | 5秒後にスキップ可能 |
それぞれの目的に合わせたフォーマットを選ぶと、顧客への訴求効果がより高まるでしょう。
有名なYouTuberに「企業案件」として依頼をして、自社の商品やサービスをPRしてもらうというマーケティング手法で、即効性を求める場合におすすめです。
影響力の高いYouTuberが宣伝することにより商品への信頼度が高まり、購買行動にもつながりやすくなります。目的に合わせたマーケティングやターゲティングがしやすくなり、企業アカウントを運営していれば、依頼したYouTuberのチャンネル登録者がそのまま企業アカウントに流れ、チャンネル登録してくれる可能性もあるでしょう。
YouTuberにPRを依頼する場合、そのYouTuberのイメージがそのまま商品やサービスに定着します。起用するYouTuberを選定する際は、チャンネル登録者数の多さだけで決めるのではなく、それまでの動画投稿頻度やブランドイメージを損ねないかなど、さまざまな角度で検討してから依頼するのが望ましいでしょう。
YouTube動画をたくさんの人に視聴してもらいたい場合、ほかのSNSで活躍するインフルエンサーに企業のYouTubeアカウントを宣伝してもらうというマーケティング手法もおすすめです。
YouTubeはもともと動画投稿用のプラットフォームのため、SNSほどの爆発的な拡散力はありません。そのため、制作した動画を拡散する力のあるインフルエンサーに依頼して企業アカウントをPRしてもらうのです。この場合も、YouTuberにPRを依頼するときと同様、フォロワーの数だけで選定するのではなくトラブルが発生するリスクはないか、フォロワーとの関係性はよいかなど、さまざまな角度で検討してから依頼するようにしましょう。
YouTubeカードとは、誘導したいWebサイトへのリンクや動画などを動画内で「i」というマークで右上にポップアップ表示させる機能のことで、YouTubeと自社のWebサイトを効率よく活用したマーケティングを行いたい場合におすすめです。
以下に、YouTubeカードの主な機能をご紹介します。
再生リストやほかの動画を設定すると「i」マークを押したユーザーをその再生リストや動画に誘導できます。複数の動画を見てほしい場合に活用できます。
任意のYouTubeチャンネルを設定すると「i」マークを押したユーザーを該当チャンネルに誘導できます。YouTuberに自社のチャンネルを宣伝してもらう場合などに活用できるでしょう。
任意のWebサイトを設定すると「i」マークを押したユーザーをそのWebサイトに誘導できます。LPを設定しておくとコンバージョン率アップにつながるでしょう。
YouTubeには、コミュニティ機能を使ってアンケート調査を行うことができます。アンケートは動画内でユーザーに複数選択肢から選択してもらうかたちで実施することができるため、動画の内容やチャンネル、自社に対するアンケートとなど効果的な使い方は多岐にわたります。
アンケート機能を使うためには、以下の2つの条件を満たしている必要があります。
アンケート調査は、テキスト形式で選択肢を表示する方法だけでなく、画像形式で選択肢を表示する方法があります。
テキスト形式のアンケートは、1つの選択肢につき最大65文字(全角32文字)入力可能で、選択肢は5つまで表示できます。画像形式のアンケートは、16MBまでの画像(JPG、PNG、GIF、WEBP)を4つまで選択肢として表示することができます。
KPIとは重要業績評価指標と呼ばれ、KGI(目標)を達成するための要素を分解し数値化した指標です。
YouTubeマーケティングにおける代表的なKGIごとに、測定した方がよい基本的なKPIを表にまとめてみました。
KGI | KPI |
---|---|
商品やサービスの認知拡大 | ・インプレッション数 (動画のサムネイルがユーザー画面に表示された数) ・視聴回数 ・ユニーク視聴者数 (一定期間内に動画を視聴したユーザーの数) |
商品やサービスの購買促進 | ・Webサイトへの遷移数 ・CV数 |
ブランドファンの獲得 | ・チャンネル登録者数 ・高評価数 ・コメント数 |
KPIは、YouTubeのチャンネルアナリティクスで各数値を確認することができます。
YouTubeマーケティングで成果を上げるためのポイントを5つご紹介します。
どのような商品やサービスを販売する時でも同じですが、どのようなターゲット層の顧客に対して訴求するのかはマーケティングを行う前にしっかりと考えておく必要があります。
もし社内でも顧客像が明確化しない場合は、ペルソナ設定を行ってみるのがよいでしょう。ペルソナとは実際の顧客や見込み客などのデータを基に作成される理想的な顧客像を指します。架空の人物ですが非常にリアルな顧客モデルのため、関係者に共有することでターゲット顧客がどのような感じ方や考え方をするのかが想像しやすくなります。
YouTubeマーケティングを行う際は、事前にターゲティングをしっかりと行いましょう。
企業がYouTubeマーケティングを行う時は、TwitterやInstagramなど、ほかのSNSと連動させることが大切です。前述の通り、YouTubeはもともと動画投稿用のプラットフォームのため、SNSほどの爆発的な拡散力はもっていないためです。
幅広い層のターゲット顧客にアピールするためにも、顧客とのやり取りをスムーズにするためにもSNSとの連動は重要です。マーケティングの効果を最大化するためにも、SNSアカウントの運用を同時進行で行いましょう。
企業がYouTubeマーケティングを行う際に、商品やサービスの宣伝に力が入り過ぎ、結果的に視聴者がついていけない内容になっているのをたまに見かけます。YouTubeを視聴する人の立場に立って考えてみると、おもしろい動画を見て楽しい時間を過ごすためにYouTubeにアクセスしたにもかかわらず、興味があまりわかない宣伝を見せられたのではいたたまれないでしょう。
なるべく宣伝色を薄めたユーザーが楽しめる動画を制作するのも成功への近道と言えるでしょう。
ユーザーが楽しめる動画であることと同様に、提供する情報がユーザーに求められているかどうかという点にも注意が必要です。魅力的な情報を提供していたとしても、その情報を求めているユーザーにリーチできず、興味・関心の薄いユーザーにばかりリーチしてしまっているようでは逆効果になりかねません。
また、インフルエンサーマーケティングのように動画コンテンツにプロモーションを挟み込むかたちのコンテンツを制作する場合は、その動画がユーザーに求められているコンテンツにまとまっている必要があります。これらのマーケティング手法においては、商品・サービスの性質やターゲットとコンテンツ全体の内容に親和性をもたせるよう意識しておくことが重要です。
YouTubeマーケティングは、どのような目的やKPI(目標設定)であれ、即時的に結果が出ることはほとんどありません。
YouTubeマーケティングではほとんどの場合、不特定多数の人に動画が視聴されるところをスタート地点に、そこから複数のユーザーが行動を起こすことで、徐々に測定可能な結果が出始めます。そのため、短期的な結果で誤った判断をせず、定期的に効果測定を行い、中長期的な視点で施策の成否を判断する必要があることを意識しておきましょう。
YouTubeマーケティングを行った、21の成功事例をご紹介します。
森永製菓株式会社が販売している自社商品「inゼリー」を、YouTube広告を活用することで、大きく販売数を伸ばすことに成功したことが具体的な数字と合わせてGoogleによって発表されています。
同社では、スーパー・コンビニなどの実店舗での販売数が売り上げの大部分を占める同製品の拡販を目的として、YouTube広告とテレビCMを同時期に配信し、それぞれの費用対効果も合わせて検証しています。検証結果としてYouTube出稿金額に対する費用対効果(ROAS)が、およそ650%という非常に高い数値になったことが発表されています。残念ながら該当の動画広告はすでに非公開となってしまっているものの、発表された数字はYouTubeマーケティングとしてはモデルケースとなり得る大きな成功事例といえるのではないでしょうか。
参照元:セブン-イレブン「ななチキレッド」や森永製菓「inゼリー」、YouTube広告が実店舗での売り上げにも貢献
セブン-イレブン・ジャパンでは、同社の新商品(2022年7月発売)「ななチキレッド」の販売キャンペーンとして、テレビCM、YouTube広告を配信しました。YouTube広告の配信にあたって、自社アプリの購買履歴データを活用して「レジ横のホットスナックを購入した人」「蒙古タンメン中本の即席面を購入した人」(※蒙古タンメン中本=辛さが自慢の人気ラーメン店)にターゲットを絞り広告を配信し、これらのセグメントを有するユーザーの中で、YouTube広告が配信された人と配信されなかった人で購買行動にどの程度影響があるかを調査しました。
これらの調査データは今後の販促活動に大いに役立つものであると同時に、YouTube広告の費用対効果(ROAS)も182%と高い数値をマークしたことから、森永製菓株式会社同様、YouTube広告を使ったマーケティング戦略の成功事例の一つといえるのではないでしょうか。
参照元:セブン-イレブン「ななチキレッド」や森永製菓「inゼリー」、YouTube広告が実店舗での売り上げにも貢献
RIZAP株式会社は、自社が運営する「RIZAP GOLF」においてYouTube広告を積極的に活用し、顧客獲得単価27.6%改善など一定の効果を得ることに成功しています。
同社では、テレビCMと比べると比較的単価が低く、PDCAが回しやすいYouTube広告に着目、テレビCMの素材を流用することで制作コストを抑えながら高速でPDCAを回すことで、YouTube広告の費用対効果を短期間で最大化することに成功しました。
参照元:RIZAP、アドビ、カネボウのYouTube広告の作り方‐‐ABCDフレームワークで広告効果が向上
プロのクリエイターも使用し、デザインアプリや動画編集アプリなどを数多くリリースしているアドビ社は、コロナ禍で動画編集アプリの需要が増えていることに着目し、同社の動画編集アプリ「Adobe Premiere Pro」に関するYouTube広告を配信しました。
これから動画編集を始める一般ユーザーに向けて広告配信を行うにあたって、同社では新規参入が期待されているジャンルの動画クリエイターを起用し、編集のTipsをまとめた短尺動画をYouTube広告やテレビCMに配信しました。LPへの遷移を促すことで、製品関連キーワードの検索や20%増加、アプリのダウンロード単価も17%増加と、大きな成果を得ることに成功しました。
参照元:RIZAP、アドビ、カネボウのYouTube広告の作り方‐‐ABCDフレームワークで広告効果が向上
大手化粧品メーカーである株式会社カネボウ化粧品は、同社の化粧品ブランド「media」の「リキッドアイブロウAA」という商品の拡販にYouTube広告を活用し、一定の成果を上げています。
同社では、YouTube広告配信にあたり、同商品を使用することで解決できる悩みを「どのようなユーザーが、どのようなシーンでもちうるか」を事前に調査し、それらキーワードを盛り込んだ動画をYouTubeのTrueViewインストリーム広告で配信しました。YouTubeでの広告配信にあたって、事前にGoogleトレンドを用いて、この悩みが一年の中でどの時期・季節に発生しやすいかを調査をした結果、7〜8月にかけて悩みをもつユーザー数がピークであることから配信時期を決定しています。
別途行ったアンケート調査によると「商品を見たことがある」「特徴を知っている」と回答した人のうち、購入を検討している人の割合が前回と比べて8.5%増加、実際に商品を購入した人の割合も4.1%増加するなど、これらのマーケティング戦略は大きな成果をもたらす結果となりました。
参照元:RIZAP、アドビ、カネボウのYouTube広告の作り方‐‐ABCDフレームワークで広告効果が向上
株式会社丸亀製麺は、同社の子供向け新商品「丸亀こどもうどん弁当」のテイクアウト需要を高めるために、YouTubeコネクテッドテレビCMを活用しました。
同社では、コネクテッドテレビCMを以前にも活用しており、その視聴完了率が高いことやファミリー層にリーチしやすいことなどに着目し「明日、新登場!」と1日限定の広告を配信することでリアルタイムな行動喚起を促す設計にするなどの工夫をすることで高い広告効果を得ることに成功しました。
参照元:「共視聴」「視聴時間の長さ」などテレビ画面の特徴を生かしたYouTubeコネクテッドテレビ広告3選‐‐丸亀製麺、コーセー、NTTソルマーレ
大手化粧品メーカー、株式会社コーセーは自社の定番商品であるエスプリークの「ひんやりタッチBB&CCスプレー」の販促活動にYouTubeコネクテッドテレビ広告を活用しました。
同社は、PCやスマートフォンでの視聴に比べて、コネクテッドテレビがユーザーの視聴時間が長いことに着目しました。そのほかのインターネット広告は短尺の動画で認知拡大を目的としたのに対し、コネクテッドテレビCMでは30秒の動画広告に商品の機能価値などを盛り込み、ユーザーの比較検討を後押しすることを目的として広告を配信しました。
この動画広告は68万回以上も再生され、完全視聴率や完全視聴単価なども目標値を上回る結果となり、新しいYouTubeマーケティングの成功事例の一つとなりました。
参照元:「共視聴」「視聴時間の長さ」などテレビ画面の特徴を生かしたYouTubeコネクテッドテレビ広告3選‐‐丸亀製麺、コーセー、NTTソルマーレ
エヌ・ティ・ティ・ソルマーレ株式会社は、同社の電子書籍サービス「コミックシーモア」の認知度向上を目的としたYouTubeコネクテッドテレビCMを配信し、高い広告効果を得ることに成功しています。
同社では過去にもYouTubeコネクテッドテレビCMを活用したことがあり、認知度向上に高い効果があることを検証済みであったことなどから、同サービスの広告出稿の際にYouTubeコネクテッドテレビCMへの予算を大きく割き「漫画好き」の属性をもつユーザーに絞った配信を行いました。
この動画広告では、大画面で視聴することを前提とした「楽しい広告」をテーマに、広告がスキップ可能となる5秒付近でユーザーの興味を惹く演出を盛り込むなど細かな工夫がされています。これらの結果、同サービスに対するユーザーの「利用意向」「検索」が向上したことが発表されています。
参照元:「共視聴」「視聴時間の長さ」などテレビ画面の特徴を生かしたYouTubeコネクテッドテレビ広告3選‐‐丸亀製麺、コーセー、NTTソルマーレ
チャミスルは眞露株式会社が販売する韓国焼酎で、2020年から継続して、テレビCMと併せてYouTube広告を配信するマーケティング施策を実施しました。その結果、18%だったユーザーの認知度を、50%という高い数値へと引き上げることに成功しています。
同社では、認知獲得に成功した同商品に対して、韓流やエンタメファンの20~30代の「購買意欲の向上」などを目的とした新たなYouTube広告を配信しました。すると、このターゲティングが功を奏し、4分弱の長尺動画でありながら再生回数は347万回を超えるなど、多くのユーザーに視聴される結果となり、月の売上は前年から60%増、ユーザーの購買意欲も1.3倍と大きな成果を上げることに成功しています。
参照元:Best Sales Lift部門は「ファン視点での動画制作」で売上60%増のチャミスルが受賞、売上増に貢献した6作品
トヨタ自動車株式会社は、新型をリリースしたコンパクトカー「アクア」の購買意欲向上を目的としたYouTube広告を配信しました。複数の動画広告でPDCAを回し、広告効果を最大化することに成功しています。
視聴回数や購買意欲の向上が期待できる「TrueViewインストリーム広告」と、ユーザーの行動を促しやすい「動画アクションキャンペーン」の2種類を併用するかたちで広告を配信し、中間報告の時点ながらROIは想定の1.8倍、来店数も想定の1.7倍という高い数値をマークしています。
参照元:Best Sales Lift部門は「ファン視点での動画制作」で売上60%増のチャミスルが受賞、売上増に貢献した6作品
リッツ株式会社は、自社が販売している「ジムビーム」の認知度向上、販売促進を目的としたYouTube広告を配信しました。「シムビームコーラで俺のターン!!!」とキャッチーなワードで話題となり、552万回と驚異の再生回数を誇っています。
この動画広告では「俺のターン」というインパクトのあるワードが話題となったことなどから、YouTube急上昇ランキングに20時間以上掲載、幅広いリーチを獲得しました。この動画広告によって集客・購買喚起に成功し、また、SNS上で動画内のセリフを用いた投稿が数多く投稿されるなど、多くの人に注目を浴びる結果となりました。
参照元:Best Sales Lift部門は「ファン視点での動画制作」で売上60%増のチャミスルが受賞、売上増に貢献した6作品
日本コカ・コーラ株式会社は、大人向けに販売する新商品「やかんの麦茶」の認知度向上にYouTube広告を活用、発売から2か月で5,000万本販売達成に大きく貢献しました。従来の麦茶が子供向けの印象が強かったのに対し、同商品は20~30代に向けた商品として開発、ターゲットへの認知向上と購入意欲をKPIに設定しYouTube広告を配信しました。
没入感の高い一人称視点の縦型動画にすることで購入意向は21%、リーチ数も目標の2倍以上である940万を達成し、同社の製品としては過去3年間で最速の2か月間で5,000万本という販売実績をたたき出しました。
参照元:Best Sales Lift部門は「ファン視点での動画制作」で売上60%増のチャミスルが受賞、売上増に貢献した6作品
日本マクドナルド株式会社は、同社の定番商品「ベーコンポテトパイ」の販促を通して、生活習慣の変移などからマクドナルドから離れてしまったユーザーの獲得を目的としたYouTube広告を配信しました。
同商品は1990年に初登場、発売当時から人気の商品ということから、当時にマクドナルドによく通っていたであろう30~40代にターゲットを絞った動画広告を制作しました。長尺の動画流れや懐かしさを感じる作りの動画は話題となり、売上・販売数は目標を大きく上回り、予定よりも2週間早く販売終了になるなど高い広告効果を発揮しました。
参照元:Best Sales Lift部門は「ファン視点での動画制作」で売上60%増のチャミスルが受賞、売上増に貢献した6作品
マジョリカマジョルカは、株式会社資生堂が展開している若年層向け低価格コスメブランドです。同社では、チャンネル登録者数76.8万人(2023年4月時点)の美容系YouTuber「コスメヲタちゃんねるサラ」を起用したYouTubeマーケティングを実施し、現時点で34万回以上再生されるなど高いリーチ数を獲得しています。
同チャンネルはコスメ・メイクに関する動画を投稿している美容系チャンネルで、100~250万回再生されているメイク動画も複数あります。運営しているサラさんはメイクに定評があり、主に若年層への影響力があるインフルエンサーです。この動画では、すっぴんの状態から同社の製品のみでメイクを行っているため、複数の製品のアピールやブランディング、認知度向上にも貢献しています。
トップYouTuberであるHIKAKINと有名アパレルブランドPOLO RALPH LAUREN(ポロ ラルフローレン)が、YouTubeショート動画でタイアップしたマーケティング事例です。
世界的に有名な両者のタイアップをショート動画で行うという贅沢な作りの事例ですが、YouTuberやインフルエンサーへの出演料は動画尺や撮影の拘束時間などによって異なるため、認知度向上を目的としたマーケティング施策としては非常に効果的なタイアップといえるでしょう。
動画の内容は、HIKAKINさんらしい短時間で視聴者を引き付けるワードや演出が盛り込まれており、投稿から約1年の2023年4月時点で、視聴回数620万回、16万の高評価を得るなど、注目度の高いショート動画であることがうかがえます。
マルハニチロ株式会社は、冷凍食品やレトルト食品などを製造・販売している大手企業です。
同社では、自社商品である冷凍食品「王様のソテーピラフ」の販促活動の一環として、大食い系YouTuber木下ゆうかさんを起用したインフルエンサーマーケティングを実施しました。木下ゆうかさんの大食い動画は、きれいに食べることが意識されており、また倍速編集を多用することでテンポよく動画を最後まで視聴できることが特徴的です。
食事をしながら商品の特徴や味についても詳しく解説し、動画の中盤ではアレンジレシピも披露するなど、複数の食べ方をユーザーに訴求できている点も購買意欲向上につながる重要なポイントです。
ワンピの実は、集英社と株式会社バンダイから販売されているワンピースのガシャポンの人気シリーズです。同社ではシリーズ第一弾の販促活動の一つとして、人気YouTuberであるFisher’sのサブチャンネル「Fishers’s-セカンダリ-」とのタイアップ動画をYouTubeで配信しました。
今でこそ人気シリーズとなったワンピの実ですが、第一弾の発売当初は認知度向上が目下の目標であったため、人気YouTuberとのタイアップが企画されたのではないでしょうか。Fisher’sのサブチャンネルは、おもちゃやゲームなどサブカルチャーに特化した動画を中心に投稿しているチャンネルです。商品に興味・関心の高いユーザーへリーチした、インフルエンサーマーケティングのよい事例の一つといえるのではないでしょうか。
icedandy face investmentは、株式会社ザ・マーチャント・オブ・ファクトリーズが販売する男性向け家庭用美顔器で、インフルエンサーマーケティングとしてプロ格闘家の朝倉海さんを起用したことで話題となりました。
2022年11月に動画後半で紹介された美顔器は、朝倉海さんのきれいな肌質や、歯に衣着せぬ発言も多いキャラクターなどもあって、動画公開から販売台数が激増し、数千万円単位の売上を上げたことが、のちの動画で報告されています。格闘家と美顔器という異色のコラボではありながら、潜在顧客の絞り込みが高い広告効果を生み出したインフルエンサーマーケティングの成功事例です。
アウトドア・スポーツウェアを製造・販売しているColumbiaは、同社のダウンジャケットのインフルエンサーマーケティングにじゅんいちダビッドソンさんの「ちゃんねるダビッドソン Cannel Davidson」とのタイアップ動画を投稿しています。
ちゃんねるダビッドソンは、主にキャンプ動画を中心に投稿しているチャンネルで、芸人としてのじゅんいちダビッドソンさんの認知度もあってか、このタイアップ動画も多くのユーザーに視聴されています。動画の内容は、じゅんいちダビッドソンさんが同社のアウターを着用しながらキャンプを行うというもので、動画の中でアウターの着心地などを違和感なく挟み込んでいるため、広告っぽさが非常に少ないタイアップ動画になっています。
もともとキャンプをする人にとってなじみの深いブランドでもあるため、新商品の認知拡大や購買意欲向上に大きな効果が期待できるよい事例の一つです。
2018年8月にサントリーの公式VTuberとしてデビューした燦鳥ノム(さんとりのむ)は、「夜鳥四重奏」「デュラララ!」のキャラクターデザインを手がけたヤスダスズヒトさんがデザインを手がけるなど話題を呼び、サントリー製品のレビューだけではなく、サントリーのドリンクをテーマにした歌の歌唱やゲーム実況など活動の幅を広げています。
チャンネル登録者数は16万人で、VTuberという生活感のないキャラクターがタイアップすることで、宣伝色を弱めることができているのが企業アカウントとしての良い成功事例だと言えるでしょう。
「買えるアベマTV社」が、大食い&お料理YouTuberの谷崎鷹人さんに依頼してPRしてもらった水餃子3種セットは、谷崎さんが約200個を作って大食いするという内容の動画の効果も相まって完売しています。
動画の中で谷崎さんがさまざまなオリジナルのタレを使って食べたり、ビールとの相性のよさを伝えたりすることで、水餃子のよさがわかりやすく伝わっています。さらに、大食いのインパクトから印象に残る動画となっているのです。
PR動画でありながら、谷崎さんのふだんの動画の流れである「調理編」と「実食編」の2段構成を崩さず、宣伝職が薄まっていたのも成功の秘訣だといえるでしょう。
YouTubeマーケティングとは、YouTubeを使用したさまざまなマーケティング手法で、企業アカウントの運用・YouTube広告の配信など、企業のマーケティング戦略に合った手法を選択でき、費用対効果が高いことがわかりました。
この記事でご紹介した成功事例を参考に、ぜひ積極的にYouTubeマーケティングを行ってみてください。
WEBでのお問い合わせはこちら