目次
様々なマーケティング戦略が必要とされるアパレル業界ですが、実際動画を活用したマーケティングは向いています。動画活用が進む前は、商品を確認するには『直接確認する』もしくは『写真で確認する』、の2パターンしかありませんでした。素材やサイズなどは文字情報で伝えるにしても、購入者側に商品のイメージを正しく伝えられていたか疑問です。そのため、ECサイトなどで写真のみで商品を掲載した場合、実際に届いてみると購入者側の持っていたイメージと違うことも多くあり、返品やトラブルに繋がることも多くありました。
動画を活用して商品を訴求することで、写真だけでは感じることができなかった着用時のイメージなども購入者に伝えることが可能になります。販売者の伝えたい商品の魅力を、購入者側により正しく伝えることができるのです。商品の魅力が正しく購入者に伝われば、それだけ売り上げアップも見込めます。それにより、これまで以上に利益をあげることも期待できるのです。
しかし前提として、販売者側がイメージ通りの動画を作成する必要があります。商品の魅力をうまく伝える動画撮影や編集が必要になるのです。そうした意図通りの動画ができて初めて、アパレルへの動画活用が上手く機能すると言えるのです。
アパレルに動画を取り入れるメリットは以下の3つです。
それでは、解説していきます。
アパレルで取り扱っている商品を購入してもらうためには、これまで何度か説明した通り、商品のイメージを購入者側に伝えることが非常に重要です。商品のイメージを伝えることができなければ、「自分にはこの服合っていないかも。」と誤解されてしまい、商品購入に結びつけることができません。そのため、商品を動画化することにより、商品イメージをより具体的に購入者側に伝えることが可能です。特に、実際に服を着用して動いているシーンなどは、購入した後のことをイメージしやすいため、かなり効果的と言えます。
自社サイトなどで服を着用している写真を掲載していても、実際の着丈やシーンなどを想像することが難しかったのですが、動画にしてみるとその服を着る場面が想像しやすくなります。動画内で服が風になびいていれば、透けやすい素材であることがわかります。特にこうした素材感などは、画像だけだと伝えるのが難しく、文字情報だけだと認識のずれが起こりやすい問題でもあります。
また、動画では販売したい服や靴、アクセサリーをモデルに着用させることができるため、トータルでの販売も期待できます。着用したモデルの方が動いているため、より明確に利用シーンがイメージできます。購入者は、自然と自分の利用シーンと重ねてしまうはずです。そのため、購買意欲が高まりやすいのです。
アパレルを動画に取り入れるメリットとして、動画をSNSで拡散しやすい点も挙げられます。自社ホームページサイトやYouTubeなどのプラットフォームで動画を公開し、 Twitterやインスタグラムなど別のSNSプラットフォームでその情報を流します。SNS活用の魅力は、なんと言ってもその拡散力です。単に自社のホームページやYouTubeで動画を公開しただけでは、知っている人しかその動画を見ることはないと言っていいでしょう。そこでSNSを活用することで、動画をよりアピールすることができるのです。
動画活用が進む前は、SNSごとに商品の写真などを発信することで、購入者側に訴えるしか方法がありませんでした。ただ、画像情報の場合は次々と情報が流れるSNSでは流し見されることが多く、目に留まりずらいという問題がありました。その点動画なら、動きがあるので目に留まりやすく、SNS上でも目を引きつけることができるのです。
また、動画を拡散してもらうことができれば’、新たに広告費をかけることなく商品の宣伝を行ってくれるので、コスト削減にもつながります。
YouTubeなどで動画を配信する場合、概要欄などに自社サイトやECサイトのURLを掲載することができます。そのため、自社のECサイトなどへの誘導がスムーズです。動画を視聴してもらえれば、購買意欲が高まりやすく、視聴者はより商品について深く知りたい状態にあります。そこにURLなどを掲載しておけば、動画視聴者をすぐに自社サイトに誘導することができるのです。
また、動画コンテンツを視聴した方がすぐサイトまで移動しなかった場合でも、動画のイメージは静止画よりも頭に残りやすいので、後ほど検索してくれる可能性もあります。
動画活用前に関しては、自社サイトやECサイトまでアクセスしてもらわなければ商品画像を目にしてもらうことはできませんでしたが、YouTubeなどのプラットフォーム上であれば、関連動画や動画広告などから誘導することも可能です。これまでより、購入者の誘導導線が増えたということです。
画像以上に商品イメージを肌で感じることができる動画なら、アパレル商品の持つイメージを伝えるのも容易です。画像だけの場合より、様々な方法で販売活路を広げることができるのです。
ここまで読んで、「アパレルに動画を取り入れるメリットは理解できたけど、どうやって取り入れたらいいの?」といった疑問が出てくるのではないでしょうか。
アパレルに動画を取り入れると以下の2つの場面で取り入れて活用することが可能です。
それぞれ詳しく解説していきます。
上記メリットの部分でも紹介している通り、アパレルの動画はECサイトやSNSなどと非常に相性が良いです。そのため写真だけではなく、ECサイト内で動画を使えば、実際の着用シーンやコーディネートなどの具体的なイメージを伝えることができます。
また、公式サイトに併せてSNSなどでも動画で情報を発信すれば、より多くの人の目に触れる機会が増えます。 Twitterやインスタグラムなどでは独自の動画サービスが存在しており(ストーリーなど)、それらも使えばさらに広範囲にマーケティング活動を広げることが可能になります。
動画で商品イメージを伝えることで、購買意欲を喚起できる可能性が高まることは先にお伝えしました。しかしこれは商品に限ったことではなく、ブランドそのもののイメージ伝達にも役立つのです。
ブランド独自の世界観やイメージは、通常実際の店舗に来ていただかないと、肌感覚で伝えることは難しいです。ブランドイメージを伝えるような動画を作ることで、実際の店舗に訪れる以上に、ブランドの持つ世界観を伝えることが可能になるのです。
こうしたイメージ戦略やブランディングは、アパレル業界の場合は売り上げに直結します。動画を活用することで、ブランドイメージ向上に役立てることができるのです。ブランディング活動が上手くいけば、比例して売り上げも伸びることが予想されます。
アパレルに動画を取り入れる際のポイントは以下の通りです。
それでは、解説していきます。
動画の需要が高まっている現代では、動画を掲載することができる様々なプラットフォームが存在しています。プラットフォームによって視聴年齢やイメージが異なるため、アパレルイメージにあったプラットフォームで動画を掲載しなければ、イメージが下がってしまう可能性があります。そのため、動画をどこに掲載するのかをしっかり決めることが、アパレルでは非常に重要です。
また、掲載するプラットフォームによって、掲載できる動画の長さも変わってくるため、制作する動画にあったプラットフォームを選ぶようにしましょう。
動画内で商品を訴求していくために非常に有効な手段として、『インタラクティブ動画』が挙げられます。インタラクティブ動画とは、再生されている動画内をクリック・タップすることで画面が反応、反応した場面からすぐ別サイトに移動できる動画のことを指します。通信速度の高速化などから、インタラクティブ動画を比較的簡単に作成することが可能になりました。
今までは視聴だけで終了していた動画ですが、視聴者の行動により表示を変えることもできるようになったため、より細かいマーケティング戦略にも応用することができます。アパレルに動画を取り入れる際は、ただただ再生されている動画ではなく、インタラクティブ動画を採用することをおすすめします。
アパレルの動画では、動画内に出演するモデルによってイメージが大きく左右されます。作成した動画が非常にクオリティの高い動画であるのにもかかわらず、出演しているモデル・人物がブランドのイメージにあっていない場合、視聴者に誤ったイメージを与えてしまう可能性があります。まだブランドが比較的新しく、ブランドイメージが定着していない場合は、採用するモデル・人物によって視聴者に与えるブランドのイメージが確立されてしまうでしょう。
意図していないブランドのイメージを与えてしまってから、イメージを変更していくのは非常に難しいため、アパレル動画を作成する際は、ブランドイメージに最大限気を使うことが重要です。
続いては、アパレルで動画を活用している事例を実際の動画と共に紹介していきます。ブランドによって動画は異なってくるため、イメージの参考としてみてください。
adidasは、全世界を中心にスポーツウェアやスポーツ用品を販売しているアパレルブランドです。紹介した動画は、adidasで販売しているスポーツウェアのPR動画となっており、adidas独自のスタイリッシュなイメージや機能性を表現しています。
動画内で商品の素材や機能性が紹介されています。BGMやナレーションもないのに、見るだけで、商品の性能の高さがよくわかります。機能性の高さを売りにした商品であるがゆえの見せ方と言えるでしょう。あえて着用イメージを動画にしないことで、明確なコンセプトが伝わってくるようです。
H&Mは、スウェーデンを拠点にするファストファッションのアパレルブランドです。上記の動画では、1つの商品をPRしているわけではなく、ブランドの持つコンセプトなどを盛り込んでいます。H&Mは環境に配慮した服作りを意識しているため、資源を再利用して服を作る過程と、そこから出来た服の着用イメージを動画で伝えています。
40秒程度の短い動画ですが、スピーディーにブランドコンセプトやイメージを印象付けています。動画の最後のシーンでは、プラスチックなどから生まれたデザイン性の高い服を着用しています。ブランドコンセプトだけでなく着用イメージも同時に伝える上手い手法です。短い動画であるがゆえに、視聴者も飽きることなく最後まで見ることができます。
ユニクロは、実用的・生産性の高い製品を提供している国内アパレルブランドです。上記の動画は、エクストラファインコットンについて紹介する動画です。全体の動画尺は3分10秒と、上記2つと比べても比較的長い動画に仕上げています。しかし、こうして一つの素材に一つの動画を作ることにより、製品にかける思いや情熱が伝わりやすくなります。結果的にそれが視聴者にも伝われば、購入に繋げることも可能になるでしょう。
ユニクロはこうして、アピールしたい製品や素材を一つずつ取り上げた動画を制作しています。製品に自信があるからこそ、このようなアピール方法を取り入れたのでしょう。動画制作の手間はかかりますが、動画編集技術としてはそこまで特別なことは必要ありません。より丁寧に製品をアピールしたい場合はぜひ取り入れてみると良いでしょう。
以上、アパレルに動画活用は向いているのか、アパレルに動画を取り入れるメリットや動画を取り入れる際のポイントについて詳しく説明しました。今後ますます、動画を中心としたコンテンツが増えてくると予想されます。また、アパレルと動画は非常に相性が良いため、大手企業以外でも動画コンテンツの活用が進むことも予想されます。低コストで動画を作成できる制作会社も増えてきているため、興味のある方は1度チェックしてみてはいかがでしょうか。
WEBでのお問い合わせはこちら