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最近、個人でYouTubeを始める人だけでなく、企業のマーケティングや集客などでもYouTubeが活用されています。そういった市場の動向にともなって、動画を編集する「動画編集」の副業が盛り上がっているのです。ここでは、動画編集の副業が注目されている理由をお伝えします。
かつてYouTubeは、はじめしゃちょーやヒカキン、ラファエルといったエンタメ系YouTuberが中心でした。しかし近年では、ビジネス系YouTuberや芸能人、モデル、企業公式チャンネルなど、多様な分野の動画が急増しています。この流れは加速し続けており、今後も動画市場が拡大していくと考えられます。
さらに、YouTubeだけでなく、TikTokやInstagram Reelsなどのショート動画プラットフォームの台頭によって、短時間で情報を伝える動画の需要が高まっています。この変化により、「誰でも手軽に動画を発信できる時代」になった一方で、「動画のクオリティを高める編集スキル」へのニーズも急増しています。
サイバーエージェントの最新調査(2024年4月発表)によると、国内の動画広告市場は2024年に7,249億円(前年比115.9%)に達し、2025年には8,408億円、2028年には1兆1,471億円に達すると予測されています。特にスマートフォン向け広告が市場の約82%を占めており、この分野の伸びが市場全体をけん引しています。こうした成長により、動画編集の仕事も今後ますます拡大していくと考えられます。

※出典:サイバーエージェント、2024年国内動画広告の市場調査を発表
市場の伸び率も非常に大きいため、動画編集の需要増加が見込めるのです。
動画市場の成長に伴い、動画編集の需要も高まっています。しかし、これから副業として始めたい人にとって、「スキルを身につけるのにどれくらいの時間がかかるのか?」という疑問は大きなポイントではないでしょうか。専門のスクールに通う必要があったり、多額の費用と時間がかかるようでは、手軽な副業としてはハードルが高くなってしまいます。
結論として、動画編集は比較的短期間でスキルを習得し、収益化できる副業の一つです。一から映像を制作するような高度なクリエイティブスキルを身につけるには何年もの学習が必要ですが、すでに撮影済みの動画を編集する技術なら、1〜2ヶ月程度の学習で仕事を受注できるレベルに到達できます。
また、動画編集の需要に対して、編集者の数がまだ不足しているため、スキルを習得すれば比較的スムーズに案件を獲得できる点も魅力です。ポートフォリオを作成し、クラウドソーシングサイトやSNSを活用して営業をかければ、初心者でも案件を受注しやすくなります。初めのうちは単価が低めの案件が多いですが、実績を積むことで継続案件を受注しやすくなり、安定した収益につなげることも可能です。
このように、動画編集は短期間でスキルを習得しやすく、仕事を獲得するまでの期間も短いため、副業として非常に始めやすいのです。

動画編集は比較的始めやすい副業ですが、事前に押さえておくべき注意点があります。特に、本業を持ちながら副業として始める場合、会社の就業規則や時間の管理、案件の選び方を誤ると、思わぬトラブルにつながることもあります。ここでは、動画編集の副業で失敗しやすいポイントを解説します。
最近では副業を解禁する企業が増えてきていますが、まだ副業を禁止している会社も多く存在します。2018年には厚生労働省のモデル就業規則から「副業禁止」の文言が削除され、副業を推奨する動きも見られます。しかし、全ての企業がこの方針に従っているわけではありません。
特に、就業規則で副業が禁止されている場合、会社に無断で副業を行うと処分の対象になる可能性もあるため、事前にしっかり確認することが大切です。また、副業が認められていても、本業に影響が出ると問題視されるケースもあるため、時間管理には注意が必要です。
初心者が動画編集を始める際、最初はクラウドソーシングなどで案件を獲得することが一般的ですが、単価が極端に低い案件ばかり受けてしまうと、作業量に対して報酬が見合わず、モチベーションが下がってしまうことがあります。
ある程度経験を積んだら、単価の高い案件を狙い、スキルを活かせる仕事を選ぶことが大切です。

副業で動画編集をはじめる際に、どういったスキルが必要なのでしょうか。ここでは、動画編集をおこなうための基本的なスキルをご紹介します。
これらの基本的な編集スキルを身につけることで、まず1つ目の案件獲得を目指しましょう。1つ目の案件を獲得することができたら、あとは案件を通して編集スキルを向上させていけば、2つ目、3つ目と継続的に案件を獲得するリズムができるようになります。
カットとはその名の通り、動画の不要な部分を取り除くことです。動画の中で「あのー」や「えーっと」など、情報として不要な部分をカットしていくことで、無駄を削ぎ落とすことができ、テンポの良い動画に仕上げることができます。動画のテンポの良さは、「動画視聴維持率」にも直結する大切な要素です。視聴者が途中で離脱しにくい動画を編集することができれば、動画編集者として重宝される存在になることができるでしょう。
動画に文字や字幕を入れる作業が、テロップ入れです。動画にテロップを入れることで、主に2つのメリットを得ることができます。
1つ目は、周囲に人が多い電車の中などでイヤホンがなくても動画を見ることができることです。音声を出さなくても、字幕を読むことで動画の内容を理解することができます。
2点目は、動画を演出できる点です。動画の中では、プラスで明るい演出、マイナスで悲しい演出、喜怒哀楽、驚きなど、演者が様々な演出をしています。その演出に合わせたフォントの色や字体を変えることで、より一層、感情を表現することが可能となり、魅力的な動画に仕立てあげることができるのです。
動画編集において、色の調整も大切な作業になります。実際に動画を撮影すると、光の加減が悪く、人物の顔色が悪く映ってしまったり、食べ物があまり美味しそうに映らなかったりといったことが起こります。そこで色調整することで、イメージ通りの色合いに加工することができるのです。
テレビや雑誌では、色調整を当たり前のようにおこなっています。動画の内容がいくら良くても、色味がよくない動画は内容自体よりも色味の違和感が気になってしまい再生されづらいです。動画の内容とは関係ない部分で、視聴者が離脱してしまうのはとても勿体ないことでしょう。そのため、色味を調整することも動画編集をおこなうには必須のスキルなのです。
音量調節とは、演者の声量や効果音の音量を調節することです。音が小さいと聞こえづらいですし、音が大きいと耳障りになります。動画を見ていてストレスがかからないよう音量を調節することも大切なことです。
サムネイル作成ができる動画編集者は、初心者の枠を抜け出して、どちらかというとマーケター寄りのスキルになります。動画は再生されなければ意味がないのですが、その動画が再生されるか否かは、サムネイルが大きなウエイトを占めているのです。思わず視聴したくなるようなサムネイルを作成することができれば、動画のクリック率が向上します。
また、動画のクリック率は計測することが可能です。そのため、クライアントの動画のクリック率を改善することができれば、明確な数値としての実績ができるため、今後の案件も獲得しやすくなるでしょう。ただ闇雲に動画を編集する動画編集者よりも、マーケティング視点をもった動画編集者の方が単価も上がりやすく、価格競争にも巻き込まれづらくなります。
動画編集の副業をはじめて基本的なスキルが身についた段階で身につけていくことで、より長く稼いでいくことが可能となるでしょう。

動画編集を副業にすると、一体どれほどの収入を見込むことができるのでしょうか。動画編集で稼ぐことができる金額については、以下の式で求めることが可能です。
確保できる時間 (何時間) × 編集スキル (単価)
1日のうち動画編集に使うことができる時間を増やすことは難しいかもしれませんが、単価を増やすことはできます。駆け出しの段階でも、近年では10分程度の動画編集で5,000円〜8,000円程度の案件が多くなってきています。スキルや実績を積めば、同様の尺でも10,000円以上の単価を提示されるケースも珍しくありません。特にショート動画やSNS広告系の編集では高単価化が進んでいます。編集スキルによって単価相場が異なるため、動画編集の副業でどれくらい稼ぐことができるのかについては一概には言えないのです。
そこで一例として、動画編集の初心者が月に5万円稼ぎたいと考えた場合のモデルケースを考えてみましょう。
上記の場合、2日に1本の案件を納品することができる計算です。月に25日稼働すると考えた場合、月12本の動画を納品することができます。すると、12本 × 単価4,000円で、おおよそ5万円の収入です。
これを多く感じるか、努力の割りに少なく感じるかは考え方次第なのですが、動画編集を継続していき編集スキルが上がり、単価9,000円の案件を獲得することができた場合の収入は、ほかの条件が同じだと過程した場合、以下のようになります。
12本 × 単価9,000円 = 108,000円
動画編集を副業で頑張っていきたいという方は、編集スキルをあげて単価を上げていくことや、編集効率を上げて納品できる本数を上げていくことで、収入を増やしていくことが可能です。焦らず着実に継続していくことで、しっかりと稼ぎを増やしていくことができる点も動画編集の魅力的な点でしょう。

動画編集を副業として行う場合、確定申告が必要になるケースがあります。たとえば会社員として本業がある場合には、「副業で得た所得(収入−経費)」が年間20万円を超えると確定申告の対象になります。
一方で、個人事業主やフリーランスとして動画編集を行っている場合には、収入額に関わらず原則として毎年確定申告を行う必要があります。
また、所得とは「収入」から「経費」を差し引くことで計算できます。動画編集をおこなう経費には、通信費や動画編集ツールにかかる費用があるでしょう。自宅で動画編集をおこなう場合、家賃も経費として認められる場合があります。
しかし、家賃を全額経費にできるわけではなく、「家事按分(かじあんぶん)」といい、家賃をプライベート部分と仕事部分に切り分けて、仕事部分に該当する部分に関しては経費処理することができる制度です。
経費の申告には、「客観性」「合理性」「証拠」を満たしておくことが大切になります。ご自身で経費を算出することが不安な場合は、一度税理士に相談してみてはいかがでしょうか。

クラウドソーシングとは、インターネット上で「仕事を受けたい人」と「仕事を依頼したい人」とのマッチングサイトです。クラウドソーシングには、動画編集を依頼したい人が多く、案件が豊富にあることがメリットになります。表的なクラウドソーシングサービスには、CrowdWorks(クラウドワークス)、ランサーズ(Lancers)、ココナラ(coconala)などがあり、動画編集案件も多数掲載されています。
しかしクラウドソーシングは、案件を獲得したいと考えるほかの初心者の動画編集者も多く登録しているため、価格競争が起きており単価相場が低いことがデメリットでしょう。そのため案件を獲得したら、クライアントに対して精一杯、価値を提供し継続的に案件を任せてもらい、信頼を積み上げていきながら、単価交渉をしていくことがコツです。
独学でも習得可能な動画編集ですが、体系的にスキルを身につけることができる動画編集スクールも近頃、人気が出てきています。
そして、多くの動画編集スクールはスクールを卒業した受講生に対して案件の紹介をおこなっております。スクールを卒業した動画編集者からすると、駆け出しの段階でスクールから案件を紹介してもらえることは大きなメリットでしょう。紹介してもらった案件をこなしながら実績をつけ、より単価の高い案件へとステップアップしていくことが可能になります。
また、案件を紹介する側のスクールとしても、自分のスクールを卒業したスキルをしっかりと習得していて信頼のおける動画編集者に案件を任せることができるため、win-winな関係なのです。
たとえば、以下のような動画編集スクールでは、受講後に案件紹介やサポート体制が整えられています。
デジハリオンライン:卒業後、案件紹介や副業支援サービスあり。
Movie Hacks:「仕事案内所」制度により、案件紹介を受けられる。
デジハク: 案件紹介・単価交渉支援・キャリア支援まで対応。
初心者のうちから、動画編集を通じて学んだことを発信しておくと良いでしょう。SNSをしっかりと運用しているような意識が高い動画編集者は、クライアントからの評価が高いです。発信をみたクライアントからDMで案件を依頼されることも珍しくありません。
また、SNSを運用してある程度フォロワーを獲得したら、自分からアプローチすることも有効です。普段YouTubeをみている人の動画を自分なりに分析して改善案とセットで提案すれば、動画編集を任せてもらえる可能性は十分にあります。
さらに、クラウドソーシングやスクールからの紹介に比べて、単価も期待することができるでしょう。自分なりに案件の獲得先を複数開拓していくことが、案件を切らしてしまわないためのコツです。

動画編集のスキルを習得しても、実際にどうやって案件を獲得すればいいのか分からないという方も多いでしょう。特に初心者のうちは、競争が激しい中でどのように仕事を得るかが大きな課題になります。ここでは、初心者向けの案件の選び方や、案件獲得のための準備、報酬を適正にするための単価交渉のコツを解説します。
動画編集の案件にはさまざまな種類がありますが、初心者がいきなり高単価な案件を狙うのは難しいことが多いです。まずはハードルの低い案件で経験を積み、徐々に単価の高い仕事へとステップアップすることが大切です。以下のような案件は、初心者でも受注しやすいものです。
YouTubeの動画編集案件は数が多く、特にカット編集やテロップ入れが中心の仕事は初心者でも取り組みやすいです。YouTuberや企業のチャンネル運営者が依頼することが多く、継続案件に発展しやすいのも特徴です。
最近では、短尺動画の編集案件も増えています。作業時間が短く、エフェクトや字幕を追加する作業が中心となるため、比較的取り組みやすいでしょう。特にSNS広告として使われる動画は、初心者でも受注しやすい分野です。
企業がYouTubeやSNSに投稿するためのPR動画も、基本的なカット編集やBGM・テロップ追加が中心の案件なら初心者でも対応できます。クライアントによっては、マニュアルが用意されている場合もあり、未経験でもスムーズに作業しやすい案件です。
オンラインセミナーや講演のアーカイブ動画の編集も、初心者向けの案件として狙いやすいジャンルです。不要な部分のカットや音量調整、スライド資料の差し込みなどが主な作業になります。
動画編集の案件を獲得するためには、ポートフォリオ(編集サンプル)が必須です。クライアントは編集者のスキルを確認してから仕事を依頼するため、「どのような編集ができるのか」を明確に示すことが大切です。
初心者でも、以下のようなサンプル動画を作成しておくと、案件の受注率が上がります。
特に、案件に応募する際は自分のスキルを一目で分かる形で提示することが重要です。
作成したポートフォリオ動画は、Google Drive、YouTubeの限定公開、Vimeoなどを活用して、URLリンクで共有するのが一般的です。応募時には、視聴環境を問わずすぐに確認できる形式で提示することが信頼獲得につながります。
案件に応募する際、ただ「動画編集できます」と伝えるだけでは不十分です。クライアントの目的に沿った提案をすることで、採用されやすくなります。
クライアントがこの人なら頼めそうと思えるように、分かりやすい提案を心がけましょう。
動画編集の仕事は、初心者のうちは単価が低くなりがちですが、スキルや実績を積むことで報酬を上げることが可能です。単価交渉を成功させるためには、以下のポイントを意識しましょう。
単発案件ではなく、長期的な仕事を受けることで単価を上げる交渉がしやすくなります。クライアントに継続して編集を担当することで、よりスムーズな制作が可能になりますと提案するのも効果的です。
ただカット編集をするだけでなく、BGMの選定、モーションエフェクト、サムネイル作成などを提案できると、案件の価値が上がり、単価交渉がしやすくなります。
クラウドソーシングでは、低単価の案件が多いため、受け続けると収益化が難しくなります。ある程度の実績ができたら、SNSや直接契約を活用して適正価格で案件を受注できるようにしましょう。

動画編集は、今もっとも注目されている副業のひとつです。ビジネス系YouTuberや芸能人、モデルなどが続々とYouTubeに参入し、視聴者数が増加しています。これに伴い、企業もテレビ広告からYouTube広告へシフトし、動画広告市場が拡大しています。この流れにより、動画編集の需要が急速に伸びており、他の副業と比べても短期間で収益化しやすいのが特徴です。
動画編集のスキル習得は、基本的なカット編集やテロップ入れ、色調整、音量調節などであれば1〜2ヶ月程度で可能です。最初のうちは3,000円〜5,000円の案件からスタートすることが多いですが、スキル向上や編集効率の改善、案件獲得の工夫をすることで、安定した副収入を得ることができます。
市場が成長を続けている今こそ、動画編集を副業として始める絶好のタイミングです。短期間でスキルを習得し、努力が収入に反映されやすいこの分野で、新たな収益のチャンスを掴んでみてはいかがでしょうか。
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