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近年、YouTubeやTikTokといった「オンラインメディア」の普及により、動画の需要が拡大しています。その背景には、テレビやラジオといった既存メディアの落ち込み、世代問わずスマートフォンの普及などが理由とされています。さらに、インターネットで何でも調べられる現在、テキストよりも動画で情報収集する人々が増加しているのも大きな理由のひとつでしょう。テキストに比べると「情報量」や「記憶への残りやすさ」は動画のほうが圧倒的です。
2022年に総務省が発表した「令和4年版情報通信白書」では、インターネットに接続するための端末に関する調査結果として、モバイル端末全体の世帯保有率が97.3%、そのうちスマートフォンが88.6%と、ほとんどの世帯がモバイル端末を保有していること、そのうち約9割の世帯がスマートフォンをインターネット接続の端末として利用していることが報告されています。
また、動画の需要が増えると同時に「動画広告市場」も年々規模が拡大しています。既存メディアの落ち込みは広告市場にも大きな影響を与えており、各企業はCMからWeb広告へと移行しているといえるでしょう。株式会社サイバーエージェントの市場調査によると、動画広告の市場規模は、2025年には10,465億円にものぼるとの予想です。
引用元:サイバーエージェント、2021年国内動画広告の市場調査を発表
今後、5Gよりもさらに高速通信が可能な時代が到来することも考えると、今までよりも快適に高品質の動画視聴が可能となるため、動画広告市場はますます伸びていくことでしょう。
動画制作・編集サービスといっても、サービス内容は多岐にわたります。
動画制作・編集において主な工程は、以下の4つです。
それでは、1つずつ詳しく解説していきます。
企画・構成は、その名のとおり動画を目的に合わせて企画し、動画の流れや演出の方向性、エフェクトの有無などといった動画の構成を考える作業のことを指します。多くの動画制作会社で、この企画・構成の工程から依頼することができます。
企画の進め方は、直接打ち合わせで細かいすり合わせを行いながら企画していくケースと、外注先のフォーマットに合わせたかたちで企画しているケースがあります。一般的に打ち合わせが少ない依頼方法をとっている企業のほうが安価で依頼可能なケースが多いため、作りたい動画の内容と予算感によって使い分けるのもおすすめです。
細かい打ち合わせを伴った企画・構成の場合、台本や絵コンテを作成してくれる動画制作会社もあります。「動画の仕上がりがイメージしづらい」という悩みを抱えている方は、完成品のイメージがしやすい絵コンテを事前に制作してくれる動画制作会社を選ぶとよいでしょう。
撮影は、文字通り動画のメインとなる元動画や素材として、必要となる動画の撮影を行う業務を指します。編集業務のみをパッケージとして安価で提供している企業もありますが、多くの動画制作会社で撮影から依頼することが可能です。
撮影場所や撮影回数、撮影に必要な機材・人数などが増えれば触れるほど必要なコストも高くなるため、費用が限られている場合は可能な限り撮影にかかる負担を少なくするとよいでしょう。
編集は、動画のクオリティに直結する重要な工程です。編集と一口に言っても行われている作業は多岐にわたるため、そのほかの工程よりも特に詳しく解説していきます。
編集の工程において行われる主な作業は、以下のとおりです。
順番に解説していきます。
ひとつの映像を映し続けるのではなく、Aという映像とBという映像をつなぎ合わせていく編集を「カット割り」と呼んでいます。ドラマや映画をイメージしてもらえれば、わかりやすいでしょう。つなぎ合わせ方ひとつで、映像の仕上がりも大きく変わるため、非常に重要な作業です。
また、映像の「構成」も重要な要素といえます。動画内容にもよりますが、動画の目的・用途に合わせた構成作りが基本です。例えば、感動する動画を作る場合、やはりクライマックスに向けて徐々に盛り上がるように作ることが基本とされています。どのような構成で演出するのか、編集者の腕の見せ所でしょう。
ニュース番組やバラエティ番組などで、画面下などに表示される文字や図形のことを「テロップ」と呼んでいます。最近では、YouTube動画にも多く使用されています。そんなテロップですが、そもそもの効果をご存じでしょうか。
テロップを使用することで、以下のような効果が得られます。
そのときの状況や重要なコメントをテロップで流すことで、動画をよりわかりやすく伝えることができます。
動画の内容によっては、バラエティ風に仕上げたい場合もあるでしょう。そのような場合は、カラフルな色でフォントもポップにすれば、映像の雰囲気をより明るくすることができます。また、動画だけでは伝えたい情報が足らないこともあるでしょう。そのような場合にも、テロップを使用することで情報を補足することが可能になります。
BGMを意識して動画を観ている方は少ないでしょう。
しかし、BGMは、動画制作において欠かすことのできない重要な要素のひとつです。映像で視覚に訴えると同時に、BGMを使用することで聴覚にも訴えることができるのです。
どんなに素晴らしい動画であっても、BGMの選択を間違えてしまえば、伝えたいことがうまく伝わりません。結果的に、動画のイメージがダウンしてしまう可能性もあるでしょう。そのため、BGMを使用する場合は動画の目的を明確にする必要があります。
動画を制作するにあたり、使用する素材(クリップ)の必要な部分を残したり消去したりする編集を「カット編集」と言います。例えば、1本の長い動画素材を使用する際に、伝えたい要点部分だけを残して、残りの不必要な部分は消去するとします。残した要点部分だけをつなぎ合わせることで、動画の尺を短くすることができます。
エフェクトとは「効果」のことです。動画に特殊な効果を加えることで、視覚効果を与え、通常の撮影では作れないような映像効果も作ることが可能です。インパクトがあり、動きがある素材であれば、それだけで魅力的な動画になるかもしれません。
しかし、あまり動きのない映像が続く動画では、観ている方が飽きてしまう可能性があります。そんなときにこそ使用してほしいのが、エフェクトです。あまり動きのない映像でも、映るものを利用したエフェクトを使用するだけで、雰囲気が大きく変わることもあります。簡単なひと手間を加えるだけで、劇的に変化する可能性を秘めているのがエフェクトという編集技法です。
素材同士のつなぎ目を調整することも、動画編集においては重要とされています。Aの素材からBの素材に切り替わる際に、切替効果(トランジション)を使用することで、自然な場面転換をすることが可能です。
つなぎ目の調整が自然であれば自然であるほど、視聴者を惹きつけることができます。動画素材同士をつなぎ合わせることもあれば、動画素材と静止画素材をつなぎ合わせることもあるでしょう。制作する動画のペースやトーンに合わせて上手に使用することで、映像にリズムが生まれ、統一感のある動画ができあがります。
動画の用途によってサイズも変わります。サイズはさまざまですが、少し前までは以下の2つが基本とされていました。
スタンダードは、地上デジタル放送以前のアナログテレビや、少し古いPCの画面などで使用されていたサイズです。そのため、今では4:3で動画を制作する機会は少なくなりましたが、一部スクリーンに映像を投影するようなセミナーや式場などでは、今でもスタンダードが使用されている場合もあります。
これに対して、ワイドは地上デジタル放送で採用されているアスペクト比で、YouTubeでもこのアスペクト比が採用されているため、今ではこのサイズで動画を制作するのが一般的といえます。
これらのサイズに加えて、最近では動画視聴の端末として主流ともいえるスマートフォンや、スマートフォンでの視聴に最適化されているSNSに対応した、以下の2つのサイズもよく使用されています。
縦型のサイズである9:16は、TikTokやInstagramのインスタライブなどで使用されることの多いアスペクト比です。スマートフォンの画面サイズを有効利用した縦型動画は、今では多くの人により多くの情報を伝えるために必要不可欠な動画サイズとなってきています。
また、1:1の正方形で動画を作るスクエアは、Instagramがアプリ内での推奨サイズとして採用したことが原因で、瞬く間にこのサイズの動画が増えていきました。数多くのスクエアサイズの動画が世に生み出されていますが、このサイズはパソコンやタブレットといった横型のモニターで再生するのには不向きなため、使用するシーンが限定的であることは覚えておきましょう。
動画は、制作して公開することが目的というケースは少なく、公開した動画を通して視聴者から何かしらのアクションを得ることがひとつの目的となっている場合がほとんどです。
動画の目的によって、商品・サービスの購入や会員(チャンネル)登録、問い合わせや求人応募など、求めるアクションは動画の内容によってさまざまですが、この動画を通して多くのアクションを得るためには動画を「運用」していくという考え方も重要です。動画運用、アカウント運用、チャンネル運用など「運用」を含めてサポートしている動画制作会社も多いため、公開後の運用にリソースを割けない企業は、運用サポートを依頼できる動画制作会社を探すことをおすすめします。
分析・レポーティングは、運用とセットで提案している動画制作会社も多くあります。分析・レポーティングは、主に公開した動画において以下の項目について傾向を分析、調査結果をまとめて報告する工程のことを指します。
これらの調査結果をデータとして得られるだけで、次回のマーケティングの精度が向上するでしょう。動画自体の運用だけでなく、今後のマーケティング活動全般のためにも、公開した動画に関する分析・レポーティングは可能な限り行うことをおすすめします。
ここまで、動画編集の主要なサービスをご紹介してきました。どのサービスも、動画編集においては非常に重要な要素です。
しかし、一番大切なことは「どのような動画を制作したいのか」という点です。動画のテーマや伝えたいポイント、あなたがやりたいことを表現できるかどうか。完成してから「イメージと違う」ということにならないように、動画の目的を明確にしてから動画制作を始めましょう。
動画編集をすべて行う場合の価格相場ですが、企業によって違いはあります。とはいえ、動画制作会社に依頼した見積もり内容が高いのか安いのかさえわらかない状態では、依頼するべきか判断に困ってしまいます。
そこで、動画制作・編集を依頼する際の目安として、動画制作の工程ごとに必要な費用の大まかな相場をご紹介します。
工程 | 各工程のみ | 企画~各工程まで | 備考 |
---|---|---|---|
企画・構成 | 数万~50万円 | ー | ー |
撮影 | 10~100万円 | 20~200万円 | キャスティング除く |
編集 | 数万~200万円 | 30~300万円 | ー |
運用 | 30~100万円 | 50~400万円 | 月単価 |
分析・レポーティング | 数万~50万円 | 60~500万円 | ー |
余談ではありますが、編集費用以外にも別途で費用がかかる場合があります。
それは「修正費用」です。修正なしで完成するのがベストですが、1か所でも気になるところがあれば、修正を依頼するでしょう。ここでのポイントは「修正回数の制限」があるのかどうかです。細かな修正依頼をしていたら回数制限があり、別途費用を請求されるパターンもあります。そのため、契約時には「修正回数の制限」の有無についてもしっかりチェックしましょう。
動画制作会社に依頼して制作された動画は、ユーザーに与える企業・商品のイメージにも直結する非常に重要なコンテンツとなります。動画から期待する効果を得るためには、依頼する前に以下について正しく把握し、ある程度自社で決めておく必要があります。
それぞれ一つずつ解説していきます。
動画制作といっても、制作された動画をどのような目的で使うかは企業や商品・サービスによってさまざまです。この目的を動画制作前に自社で決めておくことで、動画の内容が打ち合わせ時点から大きくブレることなく円滑に制作が進められます。
目的によって動画の企画・構成が大きく異なってくるため、動画制作会社へ依頼する際は必ず細かく伝えるように意識しましょう。
ブランティングやプロモーションの方向性について決めておくことも、動画広告の広告効果を最大化するためには必要不可欠な要素です。
企業イメージによって動画のテイストが決まることも少なくなく、また、動画以外の方法でもプロモーションを行う場合には、動画とその他の施策で方向性を合わせておいた方がよい場合もあります。このように今回の動画を含めたブランディング、プロモーションの方向性を動画制作会社と共有することも非常に重要となります。
動画制作にかかる時間は、動画制作会社や費用によってさまざまです。動画コンテンツは自社のマーケティングにとって重要なコンテンツのひとつとなるため、あらかじめ目的と合わせて使用したい時期と、それに合わせたスケジュールをある程度把握しておくことをおすすめします。
多くの動画制作会社が納期についてWebサイトに記載しています。直近で動画を使用する予定がある場合は、自社の希望納期に間に合いそうな動画制作会社をあらかじめ調べたうえで問い合わせるほうがよいかもしれません。
動画制作は、費用と時間をかければかけるほどクオリティが高くなるというものではありません。動画制作会社によって得意としているジャンルや内容、納期や価格の算出方法などはさまざまです。自社の考えている動画コンテンツに合った動画制作会社を選ぶことが、高いクオリティの動画コンテンツを制作するためには最も重要ともいえます。
とはいえ、高いクオリティである程度のコンテンツを充実させようと思うと、それなりの費用が必要です。あらかじめ動画制作にかけられる予算を決めておき、その予算内で依頼できる工程や演出などを把握するようにしておきましょう。
個人であれば大金を出すことは難しく、企業であればあらかじめ使える予算は決まっていることが多いです。そのため、動画編集にかける費用はできるだけ安く抑えたいと考えるでしょう。
動画編集の価格を抑える方法は、以下の5つです。
詳しく見ていきましょう。
素材など、すべてを企業に用意してもらう場合、その費用も別途必要です。動画で使用する映像や画像、音楽など、ご自身で準備できるものは用意しましょう。依頼する項目が増えれば増えるほど、費用も高額になります。
動画編集を行っている企業は、世の中にたくさんあります。最初からひとつの企業に絞って考えるのではなく、複数の企業から見積りを取って比較することをおすすめします。
また、制作する動画の雰囲気も企業によって違いがあります。企業のHPには、実際に制作した動画の例が掲載されている企業もあるため、事前にチェックしましょう。
現在、副業やフリーランスとして動画編集を行っている方が数多くいます。企業よりも、個人のクリエイターに依頼したほうが費用を大きく抑えることができるでしょう。
クラウドソーシングサイトを利用すれば、依頼したい編集内容や費用をこちらで決められるメリットがあります。応募者の中には、元テレビ局出身の方や動画編集歴が5年以上の方など、十分な実績と能力をもっている方がいます。動画の内容にもよりますが、クラウドソーシングサイトで「動画編集」と検索すると、1本数百~数千円の案件が数多く出てきます。
あまりに安すぎる金額で依頼すると、クオリティの保証はできなくなるので注意が必要です。フリーランスへ依頼する場合は、個人同士のやり取りとなるため、連絡を密に取り合い、コミュニケーションを図ることが納得のいく作品に仕上げるためのポイントといえます。
ただし、クラウドソーシングでのやり取りは顔が見えないことも多く、納品されずに連絡が取れなくなってしまった、クオリティが見分けづらいというデメリットもあります。
動画制作・編集で必要となるコストの中には、企画・構成など動画の内容を考えるという工程が含まれる場合もあります。また、必要な素材を集めたり作ったりという工程が増えれば増えるほどコストが増えていきます。そのため、継続して動画制作を依頼する場合、動画をテンプレート化することで、企画・構成や素材の手配を最小限にすることができるでしょう。結果として費用を抑えることに繋がるケースもあります。
また、動画をテンプレート化することで、制作にかかる納期を短縮できる可能性もあります。同じ構成で何度も動画制作を検討している場合は、あらかじめ動画制作会社にテンプレート化の相談をすることをおすすめします。
動画制作は、元動画以外にも画像やBGM、効果音など、さまざまな素材が必要です。自社のロゴなどの素材やテロップに使用する文面など、自社で用意できるものも少なくありません。このような素材を可能な限り用意するだけで、動画制作にかかる費用を抑えることができます。
また、インタビュー動画や会社紹介などで社内を撮影する必要がある場合、動画制作会社に依頼せずに自社で撮影すれば費用を抑えられるでしょう。
動画編集サービスは、動画の種類や長さ、素材提供の有無によって費用は異なります。ここでは、数社ピックアップしてご紹介していきます。
当社が運営する動画制作サービス「Mチーム(MTEAM)」は、YouTube動画をはじめ、広告動画やプロモーション動画の制作・編集を行っています。あらゆる業種に対応しており、取り扱う動画の種類も豊富です。
※長さや難易度によって価格が変動することがございます。
動画編集だけでなく、企画戦略・動画撮影・動画編集・分析まで一気通貫でご提供することも可能です。詳しい料金・予算感を知りたい方は、まずはお気軽にご相談・お見積りください。
イートラスト株式会社の料金パターンは、3つあります。
イートラストでは、無駄なコストをできるだけ省き、低予算で提供するために外注を使わず、自社の映像ディレクターが撮影から制作まですべてを行っています。
株式会社Global Japan Corporationは、業界相場の半額で提供しています。制作実績も3,000社を突破している動画制作会社で、料金体系もとてもシンプルです。
プランは3つから選ぶことができ、各プランでどのような動画が作成できるのかイメージしやすいように、動画サンプルも用意されています。
合同会社OCEANSは、動画制作の工程(打ち合わせ・コンテ作成・撮影・編集)をクリエイターが一人で行うことで、人件費を抑え、可能な限り低価格で動画制作を提供している会社です。
各種プランは以下のとおりです。
低価格のスピードプランでは、素材を提供することにより「撮影」の工程を短縮することが可能です。さらに「撮影」の料金を抑えることによって低価格を実現させています。
株式会社ロックハーツは「Zoom」を利用したオンライン動画編集・制作サービスを展開している会社です。料金は、作業時間30分ごとに5,000円で「時間=料金」というシンプル会計が特徴といえます。
YouTube動画やプロモーション動画、ウエディング動画など、取り扱う動画の種類も豊富となっています。
動画制作・編集サービスについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか。企業のPRはもちろん、個人での利用も増えている動画編集サービスですが「料金が安い=クオリティは低い」はもう昔のことといえます。技術は日々進歩しており、どこの動画制作会社もこれからさらにクオリティの向上に努めるでしょう。
今回の記事で、少しでも動画編集サービスに興味を持っていただけたなら、まずは見積りを取ってみてはいかがでしょうか。
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