
メルマガ動画とは、従来のテキストや静止画だけのメールマガジンに動画コンテンツを組み込んだ新しいマーケティング手法です。
動画を活用することで、受信者の関心を引きやすく、メッセージをより効果的に伝えることが可能になります。動画の活用方法には、(一部のメールクライアントに限定されますが)メール本文に動画を直接埋め込む方法と、YouTubeなどの動画共有サイトへのリンクを記載する方法があります。ただし、一般的にはリンク挿入が主流です。特に後者は、メールの容量制限を気にせず、多くの環境で再生できるため推奨されます。
動画を活用することで、開封率やエンゲージメントの向上、ECサイトへの流入促進など、コンバージョンアップに直結する効果が期待できます。

メルマガに動画を使用するメリットは、以下のとおりです。
動画では音声や映像を使用できるので、文章の何倍もの情報を伝えられます。社員の雰囲気・製品の質感・製品の動作音など、文章では伝えにくい情報もしっかりと入れ込めるのです。
例えば「業界トップクラスの静音性」「濃密な泡での洗浄」「リラックスできる空間」と文字で書いてあっても、明確なイメージは湧かないでしょう。動画を活用することで、魅力を視覚・聴覚情報を用いて具体的に示すことが可能です。CV率のアップにも繋がるでしょう。
内容を最後まで確認してもらうには、ユーザーが手間をかけずに情報を得られることが重要です。情報量の多いメルマガは、読む際に何度もスクロールしなくてはなりません。
動画であれば、どれだけ情報を増やしてもスクロールせずに楽しめます。画面を眺めているだけで多くの情報を得られるので、忙しい方はもちろん、興味が薄れている方にもしっかりと情報を届けることができるのです。
通常のメルマガは、文章を最初から最後まで読まなくてはなりません。忙しい人は、面倒だと思うでしょう。多くの文字が並んだメルマガが届いたものの、読む気が起きずに放置した経験がある方も多いでしょう。
メルマガに音声ありの動画を使用した場合、耳から情報を得られるようになります。家事や仕事をしながら内容を確認できるので、開封率や読了率がアップし、CV率の改善も見込めるでしょう。

ここでは、メルマガ動画を作成する方法をご紹介します。
VIDEOタグで実装する際の特徴は、非常に画質がよいことでしょう。動画ファイルのサイズ制限を気にせず、最高画質で再生したい場合に適しています。
ただし、対応メーラーが限られており、GmailとOutlookでは再生できないため、現在はあまり使用されません。ユーザーによっては動画が表示されないことがあります。また、動画ファイルをアップロードするためのWebサーバーも必要です。
フル動画をVIDEOタグで表示する方法は、以下のとおりです。
<video autoplay controls preload="none" src="[動画のアップロード先のURL]" type="video/mp4"></video>
動画ファイル(MP4やMOVなど)をGIFアニメーションに変換すると、より多くのメールクライアントで再生可能になるという利点があります。ただし、GIFは音声を含めることができず、画質もやや劣化しやすい点に注意が必要です。
GIFをメルマガに挿入する方法には、「読込方式」と「添付方式」の2種類があります。
読込方式とは、WebサーバーにアップロードしたGIFファイルをメール内で呼び出して表示する手法です。この方式では、比較的高画質のGIFを使うことができ、ファイルサイズの制約も受けにくいというメリットがあります。具体的な手順は以下の通りです。
<img src="https://example.com/sample.gif" alt="GIFアニメーション">
※GIFファイルはサイズが大きくなりやすいため、圧縮処理を施すことが推奨されます。また、ループ再生を有効にする設定も忘れずに行いましょう。
一方の添付方式では、GIFファイルをメールに直接添付し、HTMLメール本文で表示させます。オフライン環境でも再生可能という利点がありますが、メールの容量制限や再生可否がメールソフトによって異なるため、事前のテストが重要です。
アニメーションGIFを添付する方法では、HTMLメールに対応しているほとんどのメーラーで動画が表示されるようになるほか、オフラインでも再生できるようになります。
手順も簡単なので、動画付きメルマガを初めて試す方に向いているでしょう。ファイルを添付する手法のため容量には上限があり、動画は必然的に低画質に制限されるため注意してください。
アニメーションGIFを添付する手順は、以下のとおりです。
※ 変換によってファイルサイズが大きくなるため、圧縮などの工程が加わる場合もある
※ GIFアニメーションがループ再生になるように設定する
メルマガ配信のサポートサービスを利用している場合、オプション機能を使って動画付きメルマガを作成できます。ふだん利用しているシステムで作成できるので、追加のコストも必要ありません。
YouTubeのリンクを貼る方法は、手軽さが最大のメリットです。HTMLコードを書く必要もなく、自社サーバーで動画を保管しなくてもよいので、動画本数が増えても管理しやすいでしょう。視聴者が自社チャンネルのほかの動画にも興味をもち、成約に繋がる可能性もあります。
URLから動画を視聴してもらう手法の場合、表示環境によって視聴できないトラブルも発生しにくいです。YouTubeを視聴できる端末であれば、どんな環境でも基本的に再生できるでしょう。
YouTubeの埋め込みコードは、ほとんどのメールクライアントでサポートされておらず、HTMLメールに直接埋め込んでも再生されません。そのため、リンクを貼る方法が実質的に唯一の手法です。
YouTubeに動画を投稿した場合、メルマガ以外の集客経路が増えます。メルマガと同等の集客力をもつチャンネルに成長するかもしれません。

ただ動画を付けるだけでは、メルマガの開封率やCV率はアップしません。メルマガという媒体に適した動画とは何かを理解して、適切な動画を付けることが重要です。
以下、メルマガに適した動画を制作するためのポイントを解説します。
現代は情報が溢れ、ユーザーは短時間で効率よく情報を得たいと考える傾向にあります。特にメルマガの場合、受信者は限られた時間の中で開封・視聴・判断を行うため、動画の長さが体験全体に強く影響します。
動画が長尺になると、読み込みに時間がかかったり、途中で視聴をやめられてしまうリスクが高まります。そのため、最も伝えたいポイントに絞って内容を構成し、動画の尺は7〜10秒程度に収めるのが適切です。このくらいの長さであれば、ユーザーが最後まで視聴しやすく、印象を残すことができる可能性が高まります。
短時間でも十分な情報を届けるためには、冒頭で強い印象を与える工夫や、視覚的にわかりやすい構成を心がけましょう。
10秒という非常に短い時間で最大限の成果を上げるには「何のために動画を用いるのか」を明確にすることが何よりも重要です。目的が曖昧だと、届けたい情報のどこにフォーカスすべきか、何を削るべきかが判断できません。
例えば、脱毛器具のPR動画の場合「最大の魅力である〈低刺激〉をリアルにイメージできる内容にし、自分に必要だ、欲しいと思わせる」という目的が考えられるでしょう。明確な目的があると、使用後の肌の状態や使用している様子、使用者の表情などの情報が必要なことがわかります。動作音や充電のもち、大きさなどの情報は最低限でよいと判断できます。
訴求ポイントを明確にし、無駄のない構成にするために、動画の目的は具体的に絞り込みましょう。
広告らしさが強い動画には、視聴者は興味を抱きにくくなります。販促用だからと、多くの時間や予算を費やし、高度な技術を駆使した動画を制作する必要はありません。表面的な演出よりも、内容に注力すべきです。ユーザーが視聴時間以上の価値を感じられる動画にすることが重要でしょう。
メルマガ動画では、過度に広告的な演出を避け、自然で親しみやすい内容を心がけましょう。例えば、製品の使用方法を実際に示すデモンストレーションや、ユーザーの声を取り入れたインタビュー形式の動画などが効果的です。
高価な機材や専門的な編集技術を用いなくても、スマートフォンで撮影したシンプルな動画でも、視聴者にリアルな印象を与えることができます。重要なのは、視聴者にとって有益で信頼性のある情報を提供することです。

動画付きメルマガの実装がより簡単に行えるツールをご紹介します。

配配メールは、直感的に操作できる使いやすさと、手厚いサポートが魅力のメルマガツールです。メール作成画面では、テキスト・動画・ボタンなどの項目をドラッグ&ドロップするだけで本文に配置できます。専門知識のない方でも思いどおりのメルマガを作成できるでしょう。
カスタマーサクセスチームによるサポートや運用提案、利用者専用イベント、メルマガ配信結果の分析機能なども、配配メールの魅力です。メルマガを活用したいものの、おしゃれな内容にするのが難しい、運用方法があまりわからないとお悩みの方に適しています。

Benchmark Emailは、2004年に設立された米国発のメール配信システムで、世界50万社以上に導入されています。日本では、株式会社ベンチマークジャパンがサービスを提供しており、日本語でのサポートも充実しています。
直感的に操作できるHTMLメールエディターや、AIによる文章作成アシスト、豊富なテンプレート、リアルタイムレポート機能など、メールマーケティングに必要な機能を幅広く備えています。さらに、ShopifyやPayPalなどの外部サービスとの連携も可能で、eコマース事業者にも適したツールです

Mailchimpは、世界中で広く利用されているメールマーケティングプラットフォームです。2025年5月時点では、管理画面やサポートは日本語に対応していませんが、メールの件名や本文には日本語を使用することができます。ブラウザの翻訳機能を活用することで、英語のインターフェースでも比較的スムーズに操作可能です。
ただし、英語に不慣れな方には、完全に日本語対応している他のメールマーケティングツールの利用を検討することをおすすめします。

動画は、ユーザーに直感レベルで訴求する力をもっています。メルマガに動画を活用したことによる成功事例は多くあり、商品購入などのコンバージョン率の向上は大いに期待できるでしょう。
導入の際は、動画を最適な状態でユーザーに届けることに加え、動画に対するユーザーのリアクション分析も行いましょう。配信ツールによっては有料プランの導入が必要ですが、ユーザーの反応分析を通じて成果向上が見込めるため、利用を考えてみてはいかがでしょうか。
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