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YouTubeアナリティクスとは、YouTubeを運営しているGoogleがチャンネル運営者に向けて提供している分析ツールのことです。YouTubeチャンネルをもっているアカウントであれば、無料で利用することができます。
Googleが提供しているGoogleアナリティクスでは、Webサイトのデータ分析が可能です。YouTubeの場合も同様に、YouTubeアナリティクスを利用することでチャンネルのデータ分析が可能になります。
YouTubeは近年成長が著しい市場ですが、古くからあるWebサイトとは違い、YouTube市場にはまだまだ成功法則が確率されていません。YouTubeを運営しているGoogleのアルゴリズムによって「再生されやすい動画」と「そうでない動画」に振り分けられています。
Googleのアルゴリズムは公開されていないため「これをすれば確実に再生される動画にすることができる」という要素はありませんが、YouTubeアナリティクスの指標を細かく分析することで、どのような動画が再生されやすいのかを予測することができます。
一昔前であれば、特に分析を行わなくてもチャンネル登録者数をある程度伸ばすことはできました。
しかし、現在のYouTube市場は急激に成長しており、市場参入者数も増えています。現在の市場でYouTubeチャンネルを成長させるには、確かなターゲティングとチャンネル分析を継続的に行って、日々改善していかなければなりません。YouTubeアナリティクスを利用せずにチャンネルを改善しようと思うと、推測で闇雲に施策を行うことになるため非効率です。チャンネルを成長させることは、不可能に近いといえるでしょう。
以下で解説するアナリティクスの機能を使いながら分析していきましょう。
YouTubeアナリティクスでは、自身のYouTubeチャンネルに関する各種データを確認できます。これらデータを活用したデータ分析には、主に以下の3つのメリットがあります
それぞれ詳しく解説していきます。
YouTubeアナリティクスでは、視聴者の属性や興味・関心のあるジャンル、動画がよく視聴される時間など、視聴者の詳細な情報を確認することができます。
これらを確認することで、どのような視聴者が自分の動画を再生してくれているのか、また、どのようなニーズがあるかなどを把握できます。ご自身の動画やチャンネルの改善に活かすことができるでしょう。
YouTubeアナリティクスを活用することで、動画の再生回数だけでなく、平均再生時間や視聴者数といった詳細なデータを見ることができます。
これらの情報は、どの動画がユーザーに人気で、どの動画があまり受け入れられていないのかを把握したり、動画ごとの離脱ポイントから改善点を見つけたりするができるでしょう。
YouTubeアナリティクスでは、動画で得られる広告収益やチャンネル登録者数などの推移を確認することができます。
これらのデータは、YouTubeの一つの広告効果を表したものでもあるため、YouTube運用の効果検証の際によく活用されています。
正しく活用することでさまざまなメリットが得られるYouTubeアナリティクスですが、具体的にはどのようなデータが確認できるのでしょうか。次に、YouTubeアナリティクスで確認できる指標について詳しく解説していきます。
YouTubeアナリティクスの機能で確認することができる指標は、大きく分けると以下の9つです。
上記の指標それぞれを数クリックで確認することができ、公開したばかりの動画もすぐにアナリティクス画面に反映されて、分析を行うことが可能です。
細かい分析方法は記事終盤で解説します。ここでは、それぞれがどのような機能なのかを解説していきます。
視聴回数とは、動画、ショート動画、ライブ配信のコンテンツの正式な視聴回数のことです。
どこからの流入が多いのか、どの動画が最も再生されているかなど重要な情報も得ることができます。
視聴者維持率とは、動画のさまざまなシーンが視聴者の注目をどの程度集めていたかを表す指標です。
この項目では、平均視聴時間と平均再生率が表示され、かつ動画全体の視聴維持率もグラフで確認することができます。グラフの波形によって視聴者の離脱ポイントや繰り返し再生されたポイント、ユーザーの興味・関心がどれくらい持続したかなどを把握できます。
平均視聴時間とは、動画が平均してどのくらいの時間視聴されたかを表す指標です。
「総再生時間÷総再生回数」で計算でき、動画の大まかな離脱ポイントを把握することができます。
インプレッション数とは、動画のサムネイルがユーザーに表示された合計回数を表す数値です。
YouTubeアナリティクスでは「インプレッション数÷再生回数」で求めることができる「インプレッションのクリック率」も併せて確認することができます。
再生場所とは、文字通り、公開した動画がどこで再生されているかを確認できる項目です。
外部サイトに埋め込まれた動画が再生されたのか、YouTubeチャンネル上の動画が再生されたのかなど、動画の再生場所を確認することで、再生場所別の対策を講じることも可能になるでしょう。
動画埋め込み箇所・被リンクとは、公開した動画が共有されている数やリンクの掲載数を確認できる項目です。
被リンクの多い動画は、Webサイトと同様に「質が高く役立つ動画である」と判断されます。
トラフィックソースとは、ユーザーがどのような方法で動画を見つけたか、また、外部サイトやアプリからの流入の場合、流入経路を確認できる項目です。公開した動画が関連動画に掲載されているか、どの関連動画から流入しているのかも確認できます。
チャンネルを伸ばすうえで、どのような経路からユーザーが流入しているかを把握することは非常に重要です。必ずチェックしましょう。
チャンネル登録者数とは、チャンネル登録者数の伸び具合や、性別や年齢を期間別に確認できる項目です。
チャンネル登録者が少ない状態ではあまりデータが取れませんが、多くなってくるとチャンネル登録者の傾向が見られるようになり、動画に活かせるようになるでしょう
ショート動画を投稿しているYouTubeチャンネルであれば、アナリティクスのコンテンツからショートタブを選択することで、ショート動画に関するさまざまな指標を確認することができます。
ショート動画以外の動画同様、再生回数やトラフィックソースから、ショート動画がスキップされた確率なども確認できるため、ショート動画を継続して投稿する場合には活用することをおすすめします。
ここからは、YouTubeアナリティクスの使い方の手順をわかりやすくご紹介します。まだ使用したことがないという方も、以下の手順で行えば、あらゆる指標を確認できるようになるでしょう。
YouTubeアナリティクスを起動する手順は以下のとおりです。
この手順で、YouTubeアナリティクス画面を表示することができます。
次に、アナリティクス画面の使い方を項目順に解説していきます。
概要では、チャンネル全体の視聴回数、総再生時間などを期間ごとに確認することができます。リアルタイムの視聴回数も確認可能です。
動画ごとの詳細なデータは確認することはできませんが、チャンネル全体で再生回数は伸びているのか、チャンネル登録者数は伸びているのかをざっと把握することが可能です。確認できる主な内容は、以下のとおりです。
視聴回数では、期間内にチャンネル全体で視聴された回数を確認することができます。
総再生時間では、期間内にチャンネル全体で再生された総時間を確認することができます。
チャンネル登録者数では、期間内にチャンネル登録者数が増減した数を確認することができます。
コンテンツでは、動画全体の視聴回数やインプレッション数、インプレッションのクリック率(サムネイルのクリック率)、平均視聴時間などを確認することができます。確認できる主な内容は、以下のとおりです。
インプレッション数では、期間内にチャンネル全体で動画のサムネイルがユーザーに表示された回数を確認することができます。
インプレッションのクリック率では、期間内にチャンネル全体で表示された、サムネイルのクリック率を確認することができます。
平均視聴時間では、ユーザーが動画を視聴した平均時間を確認することができます。
インプレッションとは、視聴者に動画のサムネイルが表示された回数のことです。インプレッションと総再生時間の関係では、視聴回数と総再生時間に結び付いたサムネイルのインプレッションを確認できます。
視聴者があなたの動画を見つけた方法(トラフィックソース)では、あなたのチャンネルに流入したアクセス元の詳細を確認することができます。
表示されるアクセス元としては「YouTube検索」「関連動画」「ブラウジング機能」「外部」などの項目があります。それぞれの項目を選択すると詳細を確認することができ、YouTube検索であれば、YouTubeで検索されたワードの詳細が表示され、関連動画ではどの動画の関連に表示されたのかを知ることが可能です。
視聴者維持につながる重要なパートとは、動画のどのシーンで視聴者の注目をどの程度維持していたかを示すデータです。また、通常の維持率について、同じような長さの最新 10 本の動画を比較することもできます。
視聴者が視聴しているシーン、離脱が多いシーンなどを分析し、コンテンツの構成改善に役立てることができるでしょう。
視聴者では、リピーター、ユニーク視聴者数、チャンネル登録者数を期間ごとに確認することができます。視聴者画面下部では、視聴者の内約を知ることが可能です。
把握できるのは、視聴者がYouTubeにアクセスしている時間帯、視聴者が再生した他の動画、上位の国、字幕の利用が上位の言語、年齢と性別です。
リピーターは、チャンネルを以前にも視聴したことがあるユーザーのうち、選択した期間内に再度チャンネルの動画を視聴したユーザーの数を表しています。
この数が多いほど、チャンネルのリピート率が高いため、チャンネルの動画に対するユーザーの満足度が高いことがわかります。
ユニーク視聴者数は、選択した期間内にチャンネルの動画を視聴したユーザー数の推定を表しています。
少しわかりにくい言い回しですが、ユニーク視聴者数では同じユーザーが複数回同じ動画を視聴しても1回(1ユーザー)としてカウントされるため、どの程度のユーザーがチャンネルに興味をもってくれているかを把握することができます。
チャンネル登録者数は、チャンネルを登録しているユーザー数を表しています。
視聴者の増加につながっている動画とは、チャンネル全体での視聴者のオンラインアクティビティで、すべてのデバイスにおける過去 90 日間の新しい視聴者に基づくデータです。
どの動画がリピーターにつながっているか確認し、視聴者を増やすためにどんな企画・動画がよいのか分析して、コンテンツを作成できます。
自分のチャンネルの視聴者がよく見ている他のチャンネルや、最近視聴した他のチャンネルの動画がわかります。
自分のチャンネルの動画を見てくれている視聴者の趣向・傾向がわかるため、コンテンツ企画・制作に役立てることができます。
視聴者が YouTube にアクセスしている時間帯を知ることができます。
コミュニティの構築、プレミア公開のスケジュール設定、ライブ配信の計画に役立ちます。
視聴者の年齢と性別の分布で、デバイスを問わずログインしている視聴者を対象としたデータです。
自分のチャンネルのターゲットと合った人が視聴者属性とマッチしているかどうか確認するこができます。
リサーチでは、ユーザーが任意のキーワードを検索する際に合わせて検索したキーワード、サジェストキーワードを調査することができます。
リサーチでは過去28日間のデータしか調査できませんが、YouTube全体での検索とチャンネル登録者の検索の2つのパターンで調査することが可能です。
YouTubeアナリティクスの基本的な使い方は以上です。アナリティクスページを表示させることができたら【概要】【コンテンツ】【視聴者】【リサーチ】のそれぞれの項目の設定を変更して、表示させてみてください。実際に触ってみるとすぐに操作に慣れるはずです。
ショート動画に関する指標は、YouTubeアナリティクスのコンテンツ内、ショートタブにて確認できます。
ショート動画のアナリティクスで確認できる主な項目は、以下のとおりです。
ショート動画以外の指標と重複している項目も多いため、ここではショート動画の特徴的な指標のみいくつか解説します。
フィードで表示は、ショート動画ごとのショートフィードに表示された回数を表した数値です。
視聴を選択したユーザーの割合では、ショート動画が表示されてからスワイプして閉じたユーザーとそのまま視聴したユーザーの割合が確認できます。
上位のリミックスでは、リミックス視聴回数・リミックス数・リミックスコンテンツの概要を確認できます。
リミックスとは、YouTube動画の一部の切り出しショート動画を制作するYouTubeの機能で、リミックス数が多い動画は多くのユーザーに興味・関心をもたれている可能性が高いといえます。
「YouTubeで再生されやすい動画がどのような動画か」については正式には公表されていませんが、YouTubeの広告表示の仕組みを理解していれば、YouTubeがどのような動画を再生させたいかを知ることができます。
YouTubeの収益源はYouTubeに広告を出している企業から生まれているため、YouTubeとしては、ユーザーが広告をより多く再生してくれる動画を優遇したいはずです。
広告をより多く再生してくれる動画とは、以下のような動画です。
平均視聴時間の長い動画では、最後まで再生される可能性が高く、広告が表示されやすくなります。また、インプレッションのクリック率が高い(サムネイルのクリック率が高い)動画は再生回数が多くなり、広告も多く表示されます。
反対に、クリック率が低いと「YouTube画面上に動画を表示させても再生されない」ということになるため、検索順位の低下や関連動画に表示されなくなってしまいます。
チャンネル登録者数が多いチャンネルの動画は、公開直後からの再生回数の伸び率が非常に高く、短時間でたくさんの広告を表示することができます。
このように、広告が表示されやすい動画を作ることができれば、必然的に再生される動画になり、チャンネル登録者も伸ばすことが可能です。
では次に、具体的にYouTubeアナリティクスを使った動画の分析方法をご紹介していきます。
最後に、YouTubeアナリティクスを使った分析方法を項目ごとに解説していきます。
アナリティクスで最も重要な見るべき指標は【視聴者維持率】です。
まず、YouTube Studioの左側メニューにある「コンテンツ」から、視聴者維持率を確認したい動画を選択します。左側メニューの「アナリティクス」を選択し「エンゲージメント」から視聴者維持率を確認します。
ここに表示されるグラフは、再生が開始された直後に最も視聴者維持率が低下して、そのあと緩やかに低下しているパターンが多いです。
ユーザーは動画を再生した直後が最も離脱しやすく、反対に少し再生を維持することができると、最後まで見てもらえる可能性が高くなります。そのため、視聴者維持率の低い動画を確認して、動画前半にどんな動画構成で制作しているかを把握するようにしましょう。
また、動画前半だけでなく、動画の途中で視聴者維持率が低下したポイントがある場合は、そのポイントに何か問題があるかもしれません。 視聴者維持率を各動画で確認するだけでも、再生されやすい動画にするために必要なことを知ることができるため、まずはこの項目からチェックしましょう。
次に大切な指標は【インプレッションのクリック率】です。
インプレッションのクリック率が低いと、YouTubeアルゴリズムによって上位に表示されにくい動画になってしまいます。クリック率の低い動画は、クリック率が上がるようにサムネイルを変更するようにしましょう。
クリックされるサムネイルにすることができれば、YouTube検索で上位に表示されやすなり、関連動画で表示された場合も再生されやすくなります。
最後に確認するべき指標は【トラフィックソース】です。
トラフィックソースでは、動画に流入する経路を確認することができるため、あなたの動画がどこから再生されているかをチェックしましょう。
「YouTube検索」「関連動画」「ブラウジング機能」「外部サイト」など、流入経路はいくつかありますが、特に重要な項目は、ブラウジング機能と関連動画です。ブラウジング機能とは、ユーザーが過去に再生した動画や検索したワードなどから興味のある動画をホーム画面に表示する機能で、ここに動画を表示させることができると再生回数を大きく稼ぐことができます。
ブラウジング機能からの流入を増やすには、視聴者維持率やインプレッションのクリック率を高める方法が有効です。視聴者維持率とインプレッションのクリック率を改善するように意識して動画を制作するだけでも、ブラウジング機能からの流入を増やすことにも繋がり、再生される動画にすることができます。YouTubeアナリティクスを活用して、動画の改善を続けてみてください。
性別や年齢、よく閲覧されているほかのYouTubeチャンネルといったユーザーの属性は、見えないユーザーのニーズを把握できる非常に重要な項目です。これらの情報から自身のチャンネルに訪れるユーザーに求められている動画を把握し、自身の動画に反映させていくことがチャンネルをより大きくしていくことに繋がります。
さらに、ユーザーがよくアクセスしている時間を把握することで、効果的な時間に動画投稿をすることが可能になるでしょう。チャンネル登録者がよくアクセスしている時間の前後に動画投稿をすることで、そのほかの動画に埋もれることなく、チャンネル登録者に動画が再生される可能性が高くなります。
また、動画投稿から一定期間内にどれだけ再生回数が伸びるかが、YouTubeのおすすめ動画に表示される際の一つの指標といわれています。効果的な時間に動画投稿をすることが、新規ユーザーの獲得に繋がる可能性も十分にあるでしょう。
今回は、YouTubeチャンネルを運営している方なら必ず利用するべきである「YouTubeアナリティクス」について解説しました。
YouTubeアナリティクスでデータを分析することで、現状のチャンネルの問題を見つけることができ、改善するべき項目を簡単に把握することができます。また、思いがけず伸びている動画の傾向も知ることができるので、アナリティクスを確認するまで気づかなかった動画の需要も把握できるでしょう。
YouTubeアナリティクスの使い方の手順と、確認するべき項目、分析方法をを参考にして、あなたのチャンネルをチェックしてみてください。
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