目次
動画を制作する時に最初に行うのが素材の撮影ですが、どのようなポイントを押さえて撮影を行うのがよいのでしょうか。
まずは、押さえておくべきポイントを3つご紹介します。
動画を制作する際は、その目的を明確にして素材を撮影する必要があります。
例えば、動画広告を制作して自社のWebサイトにターゲット顧客を集客するのが目的の動画と、アーティストが新曲をファンに向けてプロモーションするのが目的の動画では、集めなければならない素材が異なるのです。このときに「6W1H」に当てはめて考えると、動画の目的がわかりやすいでしょう。
6W1Hのそれぞれの項目と意味を表にまとめてみました。
項目 | 意味 |
---|---|
何を(What) | 「何を」動画の題材にするのか |
なぜ(Why) | 「なぜ」そのテーマで動画を作るのか |
誰が(Who) | 「誰からの」メッセージを示す動画なのか |
どこで(Where) | 「どこで」掲載するための動画なのか |
いつ(When) | 「いつ」視聴者に見てほしい動画なのか |
誰に(Whom) | 「誰に」向けて発信する動画なのか |
どのように(How) | 「どのような」動画を作るのか |
どこで(Where)は動画の掲載先を考えるということですが、Webサイト・YouTubeなどの動画プラットフォーム・SNSなど、媒体によって掲載できる動画の仕様が変わることを意識して選びましょう。
また、誰に(Whom)は動画のターゲットを絞るということですが、もし決めにくければペルソナを作ってみることをおすすめします。本来Webマーケティングで行う手法の1つで、自社の商品やサービスの理想的な顧客像を指し、実在するターゲット顧客や見込み客のデータから顔写真なども含めて作成されるため、非常にリアルな人物像です。ペルソナを作成することで、ターゲットとする視聴者像が明確化するでしょう。
6W1Hに当てはめて動画の目的が明確になったら、それに合わせて素材を撮影します。
画質や音質にこだわって撮影した素材は、編集にそれほど重きを置かなくても魅力的な動画に仕上がりやすいといえるでしょう。
素材を撮影するうえでこだわりたいポイントを、撮影機材・撮影方法・音の3つに分けてご紹介します。
このポイントだけがすべてではありませんが、動画のクオリティにこだわりたい場合は、まずこれらを意識してみてください。
素材が揃ったら動画編集を行いますが、動画編集は慣れないうちは時間のかかる作業です。そこで、効率的に動画編集を行うためのポイントをいくつかご紹介します。
動画編集には「カット」「テロップ入れ」「BGM選択」「エフェクト」など、さまざまな作業が伴うので、この手順をルーティン化すると取り組みやすくなります。
例えば、次のような順番で動画編集を行う、とあらかじめ決めてしまうということです。
このように手順を決めルーティン化することで、決まった動作を行うことにより繰り返すうちにスピードが上がり二度手間も省けるというメリットがあります。
素材のカットを行う際、最初に出演者がまだ話し始めていない部分などの動画に使用しない所から粗くカットすることから始め、その後細かい部分をカットしていくのが効率的です。このように順序を決めてカットしていくことで、素材の使用しない部分を見て確認する作業を省くことができ、時間の短縮に結び付きます。
テロップには次のような要素があります。
これを踏まえて、テロップのルールをある程度決めておくと作業効率を上げることができるでしょう。
例えば次のようなことは最低限ルール化しておくのが望ましいといえます。
動画に合わせてマニュアル化しておくと、さらに良いでしょう。
素材が多くあるほど選択肢が増えてよい動画ができると思いがちですが、それらの素材が動画編集時に使いやすい状態に整理されていなければ、いざという時にどこにあるのかわからなくなって、結局活かすことができないといった事態になりかねません。
素材は撮影したらすぐに使いたい部分だけをトリミングし、適切なフォルダに振り分けておく癖をつけましょう。トリミングを行う場合、PCがMacであればQuickTime Player、Windowsであればビデオエディターを用いるとよいでしょう。また、フォルダは動画素材・音声素材に分けて具体的なフォルダ名をつけ、一目で何が入っているのかわかるようにすることをおすすめします。階層も深くし過ぎず、定期的にフォルダ内の素材を整理しておくのがコツです。
多くの動画編集ソフトには、作業効率化のためのショートカットキーがあらかじめ設定されています。
Windowsであれば「Ctrl+C」でコピー、「Ctrl+V」でペーストといった具合に、テキストで使用されている一部のショートカットキーがそのまま利用できることも多いため、繰り返し行う基本的な操作に関してはあらかじめショートカットキーの有無を確認しておくことをおすすめします。コピー、ペーストに加えて、素材を複製する機能や素材をカットする機能、素材の前後を詰める機能などは、どんな動画編集においても利用頻度の高い操作のため、使用するソフトのショートカットキーを確認しておくようにしましょう。
動画編集を効率的に行うためのポイントについて解説しましたが、機械的に編集を行っただけの動画では多くの人に視聴される魅力的な動画にはなりません。
ここからは、より魅力的な動画を編集するためのポイントやテクニックについてご紹介していきます。
タイトルは動画の内容を最初に視聴者に伝える役割があるため、印象的で目を惹くようなデザインを意識するのが良いでしょう。
タイトルテロップには、形・色・大きさ・位置(見やすい高さ)・長さ(テロップを表示する時間)と動きの6つの要素がありますが、このなかの大きさをまず意識してみましょう。タイトルテロップの中でも、伝えたい単語の大きさを大きくして目立たせるだけでも視聴者に与える印象は変わります。
また、色を意識して背景色とのコントラストを出すと、より見やすいテロップとなるでしょう。明るい色の文字には暗い色の背景、逆に暗い色の文字には明るい色の背景といった形で、いろいろ試してみることをおすすめします。
カットを細かく入れ無音の時間をなくすことで、動画の離脱率を下げることができます。無音時間があるということは、視聴者が飽きてしまい動画を見るのを止めるタイミングを与えてしまっているということだからです。
逆にいうと、無音時間を削除することで動画にメリハリがつき、テンポのよい展開を演出できるともいえます。さらに、早送り動画なども挿入することで、よりスピード感が出るため見応えのある動画が完成するでしょう。
動画編集のときに意外と意識せずに行ってしまうのが、映像を暗いままで完成させてしまうことです。暗い色調の動画は、どうしてもネガティブでどんよりとした印象を視聴者に与えてしまうので、ある程度編集で明るくできる部分は補正しましょう。
もし編集だけで映像の暗さが解決できないのであれば、素材撮影時の照明機材を見直してみるのもおすすめです。
視聴者は同じような画面をずっと見せられていると、そのうち飽きてきてしまいます。これを防ぐために効果的なのが、映像の色調を変化させることです。
例えば、辛い物を食べた時に画面全体を赤い色調に、寒い場所に行った時に青い色調に変化させると、話の流れとともに画面が視覚的に変化するため、視聴者が飽きずに動画を見続けることができるのです。演出と矛盾が生じたり、話の流れと噛み合わなかったりすると視聴者に違和感をもたせてしまうので、注意しながら効果的に使用しましょう。
テロップの挿入は多くのジャンルの動画編集で必要な作業です。
テロップは、動画の現在の状況や出演者のセリフなどを表示するだけでなく、動画全体の雰囲気作りにも関わってくる重要な要素です。エンタメ系の動画では文字装飾が施された可愛いフォントのテロップが中心なのに対し、ビジネス系の動画ではゴシック体のような一般的なフォントで文字装飾も少ないといったように、動画のジャンルに合ったフォントを使うことは動画のイメージ・雰囲気作りにも効果的です。
選ぶBGMによって映像の印象は大きく変わりますが、これを利用して「強調したい部分でわざとBGMを切る」というのも視聴者に強い印象を与えることができる手法です。
音に注意を払って視聴しないと気づきにくいのですが、実はテレビのバラエティ番組などでも良く使用されているテクニックなので、動画内で雰囲気を変えたり、印象に残したりしたい部分に積極的に用いてみましょう。
効果音は動画にメリハリを付ける重要な要素の1つです。動画の強調したいポイントに効果音を挿入することで動画にメリハリがうまれます。
トップYouTuberとして有名なHIKAKINは、動画の約3秒に1回といったペースで効果音を挿入することで視聴者を飽きさせない工夫をしているといわれています。このように、動画にメリハリをうむ効果音の挿入は、視聴者に一遍調子な退屈な動画として飽きられないためにも効果的です。
動画の中で話題が切り替わっているのに何の前触れもなかったとすると、視聴者はその内容に違和感をもってしまいます。
そのようなときに役立つのがトランジションです。トランジションとは、動画のカットとカットをつなぐ際に、それをつなぐために挟み込む「切り替え効果」のことを指します。イラストアニメーションや短いBGMを伴う静止画などを挟むことが多いようです。編集ソフトに標準トランジションが搭載されていることもありますが、オリジナリティに欠け、古い印象を与えてしまうため使用はあまりおすすめしません。
今までご紹介した動画編集のコツは主に素材に何かを加えるためのものでしたが、やりすぎるとかえって視聴者にチープで伝わりにくい動画という印象を与えてしまいます。
素材の撮影の際に考えた6W1Hを見直し「動画を作成する目的は何か」「どのような内容を視聴者に伝えたいのか」を意識すると、編集の引き算ができるようになるでしょう。
YouTubeにおいて、サムネイルは再生回数に直接関わる重要な要素です。ほとんどの新規ユーザーはサムネイルを見て動画を再生するかどうか判断するため、サムネイルは動画の魅力を伝えられるものであることが理想です。
サムネイルを作成する際はこれらを意識しながら、慣れないうちは同ジャンルの人気チャンネルのサムネイルを参考にしながら作成することがおすすめです。
以前はプレゼンといえばテキストや画像での表現が多かったのですが、近年そのわかりやすさから動画を用いたプレゼンテーションもビジネスの場で積極的に行われるようになりました。
しかし、魅力的なプレゼン動画を作成するためのノウハウやポイントは、まだあまり知られていないのが現状です。見る人の印象に残る、効果的なプレゼン動画を作成するためのコツをご紹介します。
プレゼン動画を作成する際も、目的を意識して作ることが大切です。
例えば、同じプレゼン動画でも、社内の従業員向けのプレゼン動画とクライアントへの提案のためのプレゼン動画では、内容がまったく異なるはずだからです。
目的が曖昧なまま動画を作成すると、内容にぶれが生じたり散漫な印象になったりするため、基本の6W1Hに立ち返り、目的をはっきりさせてからプレゼン動画を作成するようにしましょう。
動画によるプレゼンのメリットは「一目でわかる」ということです。要素をたくさん詰め込み過ぎてかえってわかりにくくしてしまうと、せっかくの動画がうまくプレゼンで活用できません。わかりやすさを重視してプレゼン動画を作成するために、次のようなポイントを意識してみましょう。
記憶に残る良いプレゼン動画にするためにも、わかりやすさを追求してみてください。
プレゼン動画はそれを見た視聴者の心を動かし、何らかの行動を起こしてもらうことを目的とするので、ただ商品やサービスの説明をするだけではなく、視聴者に与えるメリットをはっきりと提示することが必要です。
例えば、商品やサービスを使用することによる利便性の向上やコスト削減など、具体的なものであることが重要だといえます。「メリットをまず提示し、その後に根拠となる情報を提供する」という流れにすると、よりプレゼン動画として効果的でしょう。
動画編集のコツは、動画を作成する目的を明確にして素材を撮影し、視聴者にとって印象に残るカット・テロップ挿入・音入れを行い、やり過ぎと感じさせない編集をすることが大切だとわかりました。プレゼン動画も目的を決めるのは一緒ですが、特にわかりやすさを追求して制作するのが望ましいといえるでしょう。
視聴者を飽きさせず動画に集中してもらうためにも、さまざまな編集の工夫を試してみてください。
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