コラム

ナレーションを行う女性
動画制作・編集

動画制作におけるナレーションの役割とは?「伝わる」ナレーションにするためのポイントもご紹介

動画は映像と音、二つの要素で情報を視聴者に伝えられる魅力的なコンテンツです。
そんな動画コンテンツにおいて、ナレーションは重要な要素の1つと言われています。
多くの場合、ナレーターがマイクを使って音声を録音する方法と専用のソフトを利用して機械音声を録音する方法
この2つの方法でナレーションは録音されています。
最近ではスマートフォンやPCといった端末の性能が向上していることもあり
手持ちの端末のみでナレーションの録音を行うことも可能です。
とはいえ、一定の品質を求める場合はやはり専門の業者に外注する方が安心です。
ご自身で録音・編集する場合とナレーション制作会社へ依頼する場合、
どちらの場合もやはりナレーションを入れるという工程に対する一定の理解は必要となります。
今回はそんなナレーションのメリット・デメリット、ナレーションを入れる方法から
おすすめの制作会社まで詳しく解説していきます。

動画にナレーションを入れるメリットは?

スタジオマイク

まずはナレーションに関する理解を深めるために、ナレーションを入れるメリット・デメリットについて見ていきましょう。

ナレーションは動画にアクセントを付けてくる要素の1つでもあります。では、動画にナレーションを入れることで得られるメリットには一体どういったものがあるのでしょうか。代表的なメリットをいくつか紹介していきます。

情報量が増える

多くの場合、ナレーションは動画全体の情報量を増やす目的で動画に挿入されます。

表示しているテキストやテロップをただ読み上げるだけのナレーションもありますが、画像や図の解説をナレーションで行うといった方法もナレーションの効果的な使用方法です。TV番組でよく見かける手法として、強調したい箇所にのみナレーションを付ける手法があります。

このようにピンポイントで使用することで効果音のように、一部分のみを強調して伝える際にナレーションは活用されています。

聴覚に訴える

ナレーションはBGMや効果音と同様、視聴者の聴覚を刺激する訴求方法です。

テキストやテロップといった文字で視覚に訴えるよりも、音声として聴覚に訴えるナレーションは訴求力が高くなるといわれています。

また、最近では画面を見ずに動画を視聴する「ながら見」をする視聴者が多いこともナレーションの重要性が高くなっている要因の1つです。重要な箇所にナレーションを挿入することで、動画を注視していなくても必要な情報を視聴者に伝えることが可能です。

表現の幅が広がる

ナレーションの多くは、ナレーターを起用して人の肉声を録音して作成されているものがほとんどです。動画のイメージやその場面のトーンなどを声に反映させることで、動画自体の表現力を高めることができます。

ナレーションにも感情の起伏を反映させることで、視聴者の共感を得やすい動画になるでしょう。そのため、業務マニュアルのように説明や解説を行う動画であれば機械音声でも十分ですが、視聴者に感情の起伏を誘発させたいような場合は、人の肉声を録音したナレーションが適しています。

動画にナレーションを入れるデメリットは?

パソコンとマイク

ナレーションを入れるメリットについてお分かりいただけたと思います。では、動画にナレーションを入れることによって生じるデメリットはどうでしょうか。

コストがかかる

動画にナレーションを入れる際の最も大きなデメリットは、コストの増大です。

品質に拘らなければ自分で録音、編集することも可能ですが、視聴者にとって聞きやすい動画にするためにはそれなりの機材を準備する必要があります。結果、自分で入れる、外注する、どちらの方法を取っても一定のコストがかかってしまいます。

このコストはナレーション不要の動画の場合には必要ないため、今までナレーションを入れずに動画を作っていた人にとっては単純にコストが増えることになります。ナレーションを入れる際は、どれだけ良い影響があるか費用対効果をしっかり見定めることも重要です。

視覚+聴覚が必要

動画は必ずしも静かな場所で視聴されるとは限りません。イヤホンやヘッドホンを持ち歩いている人が多いとはいえ、町の喧騒の中で重要な情報をナレーションで伝える動画は視聴しづらいと感じる人も多いはずです。

ナレーションありきの動画を制作した場合、騒がしい場所などで動画を日常的に視聴する人には選ばれづらい動画となってしまう可能性があります。音声だけで情報を伝えられる点はメリットとなりますが、音声がなくても伝えられる動画が求められる場合もあります。

ナレーションをテロップと併用するなど、視覚でも聴覚でも伝わる動画を制作することも、あらゆるシーンで視聴される動画を作る上で重要なポイントとなります。

そんなナレーションはどのようにして録音、動画に挿入されているのでしょうか。

どうやって動画にナレーションを入れるの?

キーボードと資料とボイスレコーダー

動画にナレーションを入れる方法は、大きく分けて2つです。自身で録音・編集する方法と、ナレーション制作会社へ依頼する方法です。それではそれぞれについて詳しく解説していきます。

自分で録音・編集する方法

動画にナレーションを入れる際に最も簡単な方法は、自分で録音・編集する方法です。録音自体はPCやスマートフォンでも気軽に行うことができるため、品質に拘らない場合は非常に安価で簡単にナレーションを入れることができます。

ナレーションを録音する際に必要となる主な機材は以下のとおりです。

  • マイク
  • オーディオインターフェイス(マイクと録音機材を繋ぐ機材)
  • PC、スマートフォン(編集用のデバイス)

マイクに関しては、前述の通り品質に拘らなければスマートフォンやマイク機能のあるPCでも代用が可能です。

デバイスのマイク機能を使用する場合の注意点として、マイクの指向性が挙げられます。スマートフォンやPCのマイクは全指向(無指向)性マイクと呼ばれ、マイクを中心に全方向の音声を集音しているため、エアコンや冷蔵庫の音や家の外の騒音といった環境音も集音されやすい性質をもっています。一般的に、全指向性のマイクはこの集音の特性上、ナレーションには不向きと言われています。クオリティの高いナレーションを録音したい場合は、単一指向性(前や後ろなど一方向を中心に集音)のマイクを使用することがおすすめです。

また、マイクは集音の仕組みの違いから、ダイナミックマイクとコンデンサーマイクと2つの種類が存在し、コンデンサーマイクの方が、ダイナミックマイクに比べて高価な分、性能が良いといわれています。ダイナミックマイクが電源不要であるのに対し、コンデンサーマイクはファンダム電源と呼ばれる特殊な端子から電源を取る必要があるため、コンデンサーマイクを使用する場合は、このあとご紹介するオーディオインターフェイスも必要です。オーディオインターフェイスは、オーディオ(この場合はマイク)とコンピュータを接続する機材のことを指します。実は、PCとマイクの接続自体は、使用するマイクによってはUSBやステレオミニプラグ(PCのマイク入力端子)でも可能です。

直接繋ぐ録音方法の問題点として、雑音が入りやすい点や音質が悪くなりやすい点が挙げられます。オーディオインターフェイスは、雑音のカットやより良い音質での録音を可能にしてくれる有難い存在です。品質に拘らない場合は必要ありませんが、高品質のナレーションを収録したい場合には必要であると覚えておきましょう。

なお、最近ではオーディオインターフェイスが内蔵されているUSBマイクなども販売されているため、慣れるまではこのマイク一本で勝負という方法も良いかもしれません。

マイクやオーディオインターフェイスなど品質の良いナレーションを収録するためには、機材選びも重要となります。これらの機材はPCへの接続を前提としているものがほとんどのため、品質の良いナレーションを収録するためには、機材を接続するデバイスもスマートフォンではなくPCを使用する必要があります。

どうしても初期費用を抑えたいという人は、一度スマートフォンで録音したナレーションを自身で聞いてみて判断するのも良いのではないでしょうか。

ナレーション制作会社に依頼する

動画に入れられているナレーションは、人の肉声で読み上げられるものの場合、そのほとんどがナレーション制作会社によって制作されています。

前述のとおり、自分でも録音・編集することは可能ですが、一定以上の品質とするためにはどうしても専用の機材が必要です。また、ナレーションは本来プロの声優が行う専門技術が必要なものでもあるため、機材さえあれば誰でも聞きやすいナレーションが入れられるというわけではありません。こういった背景から、企業が自社の動画にナレーションを入れる場合、プロを要する、または、プロへの依頼を代行できるナレーション制作会社を利用するケースが多くなります。

打ち合わせなどのコミュニケーションコストや、外注費という単純なコストなどいくつかデメリットはありますが、一定以上の品質のナレーションが必要な場合は、ナレーション制作会社を利用する方法がおすすめです。

おすすめのナレーション制作会社

社内で数人のビジネスマンが話し合っている

ナレーション制作会社と一口に言っても、対応している範囲やジャンル、得意分野などナレーション制作会社によってその特徴はさまざまです。

今回は、ナレーション制作会社から際立った特徴をもつ3社をご紹介します。

株式会社ビー・エイチ・プロ/アスナレ

株式会社ビー・エイチ・プロ/アスナレのHP画像

アスナレは、株式会社ビー・エイチ・プロが提供するナレーション制作サービスです。同社にはプロのサウンドクリエイターも在籍しており、高品質なナレーションを短納期で納品可能な点が特徴です。

低価格・短納期を希望の場合は、ナレーターが自宅で録音をする宅録での依頼となりますが、高品質のナレーションが希望の場合は、スタジオ録音での依頼がおすすめです。

同社ではナレーション制作だけでなく、BGMや効果音、サウンドロゴの制作なども行っています。映像における音のプロともいえる同社ならではのサービスとして、追加料金を支払うことでBGMや効果音とナレーションのMIX作業も依頼が可能です。その他にも映像に合わせてナレーションのスピードやタイミングを調整しながら収録する「尺合わせ収録」というオプションがあるなど、柔軟に対応してくれる点も魅力といえるでしょう。

初めてナレーションを外注する際や、実績豊富な音のプロにナレーションを依頼したい場合におすすめの会社です。

株式会社スタジオスピーク

株式会社スタジオスピークのHP画像

株式会社スタジオスピークは、自社スタジオでのスピーディーな対応を強みにしている制作会社です。

前身となる会社を含めると80年以上の歴史がある会社で、さまざまな業種・業界の動画を制作してきた実績があります。株主総会ナレーションや選挙投票日広報アナウンスなど、どちらかというとお堅いナレーションを得意にしている印象の会社でもあります。

企画から撮影、ナレーション録音、編集までをワンストップで依頼することができるため、映像制作全てを外注する場合におすすめの会社です。

株式会社トゥーエイト/声の達人

株式会社トゥーエイト 声の達人のHP画像

声の達人は、株式会社トゥーエイトが提供しているナレーション録音サービスです。

宅録を積極的に取り入れることで、低価格・短納期でのナレーション録音を実現しています。宅録では品質が心配、という場合にはスタジオ収録を依頼することも可能なため、動画の内容によって使い分けることも可能です。声の達人ではナレーションが必要な総文字数と希望納期によって価格が変動する料金システムとなっているため、ピンポイントでナレーションが必要という場合に利用しやすい点も特徴です。

ナレーションの外注がどういったものかわからない、少しでも安く早くナレーションを入れたいという人にはおすすめのサービスといえるでしょう。

「伝わる」ナレーションにするためのポイントとは?

ポイント

ナレーションは動画をより魅力的にするための1つの演出でもあります。自分で録音・編集する場合も、ナレーション制作会社に依頼する場合も、ナレーションを入れることで得られるメリットを正しく理解しておく必要があります。また、ナレーションはただ入れればよいというわけではありません。

ここでは、効果的なナレーションにするために意識しておくべきポイントを2つご紹介します。

トンマナを意識する

トンマナとはトーンとマナーを組み合わせた造語で、コンテンツ全体のコンセプトや雰囲気に一貫性をもたせることや、またはそのためのルールのことを指します。動画にナレーションを入れる際も、このトンマナを意識する必要があります。

例えば、女性向けのフィットネス動画に野太い男性のナレーションを入れてしまうと、視聴者はどこか違和感を覚えるのではないでしょうか。

これは極端な例ですが、動画の雰囲気やイメージとかけ離れた声質のナレーションを入れてしまうと、情報が伝わりにくくなってしまったり、場合によっては視聴者に不快な思いをさせてしまったりと、ナレーションが逆効果となってしまう可能性があります。そうならないためにも、動画全体のトンマナを考え、ナレーションも動画のトンマナに合った雰囲気で作成するように心がけましょう。

目的に合わせて挿入する量を調整する

ナレーションを入れることには「情報量を増やす」という目的もあります。動画編集において、この「増やす」という工程は実はかなり繊細で難しい工程でもあります。「情報量は多いに越したことがいないのだから、ナレーションは全てに付ければいい!」と考える編集者もなかにはいるかもしれません。

ですが、情報量は少なすぎるとコンテンツの魅力が低くなってしまいますが、情報量が必要以上に多すぎても視聴者は必要な情報を整理できず、コンテンツの魅力が低くなってしまうこともあります。動画の主役はナレーションではなく、あくまで動画をとおして提供される情報であるという点に注意しなくてはいけません。もちろん、なかには動画全体にナレーションを入れることが最適な動画もありますが、ジャンルによっては要所で入れる程度に抑えることで高い効果を発揮する場合もあります。

ナレーションのような動画に演出を加える場合は、視聴者にとって邪魔にならない適正な量になっているかを常に意識することが重要です。

まとめ

編集しているパソコンとマイク

今回は動画にアクセントを加えるナレーションについて詳しく解説していきました。

ナレーションを入れることが動画の訴求力アップに繋がるケースは少なくありません。これを機に、動画のクオリティを上げる方法の1つとして、ナレーション挿入を検討してみてはいかがでしょうか。

WEBでのお問い合わせはこちら