目次
ここでは、企業が採用動画を使用する効果とそのメリットについて下記6つの観点からご紹介します。
採用動画の本質的な役割は、文字情報だけでは伝えきれない企業の魅力や雰囲気を求職者に「ありのまま」に伝えられることです。
また、動画コンテンツが伝達力に優れている理由は、その「圧倒的な情報量を凝縮」出来るからです。実際に、テキストと比較すると、動画は5000倍もの情報を伝える事が出来ます。圧倒的な情報量を一度に、かつ直感的に受け取れるのは動画ならではの強みです。
また、文字だけでは伝えられない表情や声のトーン、社内の空気感といった要素をまとめて表現できるため、視覚や聴覚に訴えかける形でわかりやすく発信できます。
採用のオンライン化やリモートワークが普及したことで、1人あたりが検討・応募する企業数は格段に増加しています。そして、多くの企業の中から、数社を選ぶ要素として、「印象に残っているか」が重要なポイントとなります。
数ある企業の中から、自社を選んでもらうためには、求職者の印象に残りやすい差別化が重要です。
動画であれば、多彩な演出やストーリー性を通じて、企業の雰囲気や社員の活気をテキスト以上にリアルに伝えられるため、採用動画がある会社とない会社では、求職者の記憶に残る度合いが大きく変わるでしょう。
情報があふれる時代だからこそ、記憶に残る採用動画づくりを意識して、自社ならではの魅力をアピールすることが、求職者の心をつかむ大きなカギとなるのです。
採用動画の大きなメリットは、企業理念やビジョンなど、言語化が難しい内容を可視化出来ることです。採用活動では、企業の理念やビジョンに共感してくれる人材をどれだけ引きつけられるかが重要ですが、理念やビジョンは非言語要素が強いぶん、文字や静止画像だけで伝えるのは容易ではありません。そのため、映像や音声といった複数の表現手段を組み合わせることで、企業が目指す世界観や大切にしているバリューを、視覚と聴覚の両面から直感的に伝えられます。
たとえ知名度の高くない企業でも、動画を通じて“自社らしさ”を色濃く表現できれば、マッチ度の高い求職者から共感や関心を得る事が出来ます。
採用活動では、企業情報や事業内容など、同じ内容を繰り返し説明する場面が多くあります。採用動画を活用することで、人事担当者の説明に割く時間や手間を大幅に削減でき、負担軽減につながります。
さらに、担当者の経験値によって説明の質や内容がばらつきやすい場合も、採用動画を共有することで統一感を保ちやすくなります。
採用動画を通して、社内の雰囲気を事前に動画越しに見ることができるため、求職者の企業選定の判断材料の一つになります。また、求職者に会社の雰囲気を正しく伝えることは、入社後のギャップを少なくし、早期退職者を減らすことにも繋がります。
採用動画は拡散性に優れており、独自のコンセプトやストーリー性をもたせることで、多くの求職者の目に留まりやすくなります。多くの学生に見てもらえれば認知度も高まり、有能な人材を採用できる期待も高まるでしょう。
また企業ホームページだけでなく、SNSなどさまざまな媒体で配信しやすいのもメリットのひとつです。
ここでは、効果的な採用動画を作る際に考慮すべきポイントについてご紹介します。
採用動画の内容や演出は、ターゲットとなる人材の年齢・性別・職種などによって大きく変わります。たとえば、営業職の新卒採用を狙うのに技術職向けの内容にしてしまうと、求める層には響かず、せっかくの動画が有効に活用されない可能性が高いです。
そこでまず重要なのは、自社で採用したい社員の人物像を具体的に決めることです。新卒・中途、職種、学歴、年齢層などのターゲット要件を洗い出し、イメージを固めることで、動画内で伝えるべき情報や演出が自ずと絞り込まれます。
採用動画を制作するときに目的が曖昧だと、動画全体のコンセプトがブレてしまい、企業のメッセージが十分に伝わりにくくなります。たとえば、エンタメ要素で認知度アップを狙っているのに、社員同士がシリアスに語り合うインタビュー形式を採用してしまえば、視聴者との間にギャップが生まれてしまいます。
主な採用動画の目的としては、以下の4つが挙げられます。
複数の目的を詰め込むと、動画の軸が定まりにくくなるため、まずは1つの目的に絞ってコンセプトを練り上げましょう。
採用動画は、使用する場面によって求められる内容や演出が変わります。会社説明会、インターンシップ、懇親会・SNSなど、さまざまなシーンで使われるからこそ、どこで何を伝えたいのかをあらかじめ設定しておくことが重要です。シーンごとに動画を使い分ければ、自社の魅力やメッセージをより的確に効果的に発信できるでしょう。
採用活動で使う動画の軸を定めるうえで、「4P」（Profession・People・Philosophy・Privilege）のどこに焦点を当てるかは非常に重要です。4Pを意識しておかなければ、動画のコンセプトがあいまいになり、伝えたいメッセージがぼやけてしまいます。4Pの意味は以下のとおりです。
例えば、Professionにフォーカスするなら現場社員へのインタビューを通じて、仕事のやりがいや職務内容をリアルに伝える戦略が有効です。自社が求める人材像と照らし合わせて、どの要素に重きを置くかを決めておきましょう。
たとえば、中途で女性の方を募集する際、ユニークな福利厚生（マッサージ制度や記念日の特別休暇、リモート可など）を強調することで、求職者に「ここで働きたい」と思ってもらいやすくなります。
採用動画の代表的な種類は、以下の6つです。
それでは一つずつご紹介していきます。
会社説明動画は、求職者向けに会社の基本的な情報を伝えるために制作される動画です。会社説明会などで放映されるほとんどの採用動画で、この会社説明のパートが作られています。
事業紹介動画は、会社案内とは違い、会社が取り組んでいる事業を1つずつ紹介していく動画です。複数の事業を取り組んでいる会社では、会社案内と併せて採用動画に盛り込まれることが多い傾向にあります。
社内紹介動画は、実際に社員が働いているオフィスや現場を撮影し、情報を補足しながら求職者に社内の雰囲気を伝える目的で制作される動画です。求職者が会社の雰囲気を具体的に掴みやすくなるため、求職者の興味・関心が高まる傾向にあります。
インタビュー動画は、求職者が気になるであろう質問に対して、先輩社員がインタビュー形式で答えていく動画です。先輩社員の入社したきっかけ・やりがいを感じる点・会社のよいところなどを話すことが多いですが、求職者の気になるポイントに答えているかどうかで求職者に与える印象が大きく変わるため、動画の構成が重要といえます。
座談会動画は、複数の社員が会社に対して話し合う場を動画に納めて編集・制作される動画です。そのほかの動画と比べると採用動画として使われることは少ないですが、その分、他社とは違う点として求職者にアピールしやすい動画でもあります。
ストーリー動画は、業務の流れや会社の雰囲気などを求職者が掴みやすいようにストーリー仕立てで編集された動画です。求職者を飽きさせないために、そのほかの採用動画よりも企画・構成をしっかり行う必要があります。
採用動画で自社の雰囲気をしっかり伝えたいなら、実際の職場や仕事風景を撮影場所に選ぶことがポイントです。社員がイキイキと働く姿を映し出すことで、文字だけでは伝わりにくい仕事への熱意やチームの空気感を求職者にリアルに感じ取ってもらえます。こうしたリアル感があるほど、メッセージに説得力が増し、共感を得やすくなるのです。
さらに、社員へのインタビュー動画を盛り込むことで、視聴者の入社意欲を高めるだけでなく、入社後のミスマッチを防ぐ効果も期待できます。たとえば、残業や有給休暇の取りやすさといった、社員が実際に体感しているメリットや苦労をあえて正直に伝えることで、働くイメージが掴めるため、安心感を持ちやすくなります。
採用動画で競合他社との差別化を図るには、自社にしかない独自の魅力を盛り込むことが重要です。たとえば、年間業績の優秀者に3泊4日の旅行をプレゼントしたり、社内で扱う製品・サービスが特許取得済みであることをアピールするなど、他社にはない取り組みや実績を動画に反映させましょう。自社だけの強みが多いほど、求職者の興味を強く引きつけられ、採用動画を効果的に活用できます。
また、最新の採用動画のトレンドを取り入れることもおすすめです。YouTubeやSNSを活用する求職者が増えている昨今、話題性の高い構成や演出を組み込むことで、視聴率を高め、より多くの人に認知されやすくなります。
採用動画のトレンドは以下のとおりです。
| 特徴 | メリット | |
|---|---|---|
| インタラクティブ動画 | 一方的に動画を流すだけではなく、動画内に仕掛けを設置して双方向のコミュニケーションが可能に。 | 興味・関心に基づいてストーリーを選択できるため、最後まで視聴してもらえる。 |
| 社長インタビュー動画 | 会社の理念や目指す方向性を正確に伝えられる。 | 企業理念や目指す方向性にに共感するマッチ度の高い求職者の採用が可能に。 |
| 会社の裏側や本音を出した動画 | 企業の実態をありのまま伝える。 | 入社後のギャップを感じにくくなる。 |
| 縦型動画 | エンタメ色を強く出した動画で、主にInstagramやTikTokで活用する。 | 他者と差別化でき、会社の認知度向上・応募数増加に繋がる。 |
ここでは、採用動画の一般的な相場と安く作成する方法について解説します。
採用動画を動画制作会社に依頼する場合、制作したい採用動画の種類によって費用は異なります。依頼する動画制作会社によっても費用は異なりますが、おおよその相場は主に以下のとおりです。
採用動画にかかる費用は、撮影に必要な機材や撮影場所、撮影する日にちなどがそれぞれ多くなればなるほど高くなる傾向にあります。
インタビュー動画のように、1日でカメラ・マイクのみでも撮影可能なものであれば比較的安価で制作可能ですが、屋外での撮影も含まれるストーリー動画のようなものだと、企画料も込みでかなり高額になるでしょう。
採用動画を作る際は、なるべく飾り立てずありのままを伝えるよう配慮することで、より自社に合った人材を採用できるでしょう。
上記を踏まえて、 外注費を抑えるための方法を3つご紹介します。
採用動画の制作は複数の工程に分けて進めるため、工程の一部を内製化すれば費用を抑えつつクオリティを高められます。たとえば、プロに絵コンテや撮影を依頼して、編集作業だけを自社で行うといった方法が一例として挙げられます。
動画制作会社の中には、複数本の動画をまとめて作成できる“パッケージプラン”を提供しているケースがあります。こうしたプランを活用すれば、1本ずつ制作を依頼するよりも費用を抑える事も可能です。
大手の動画制作会社に依頼するよりも、フリーランスの映像クリエイターに依頼することで、制作費を抑えられるケースがあります。
ただし、フリーランスは個人のスキルや経験により、クオリティにばらつきが生じる点には注意が必要です。過去の制作実績やポートフォリオをしっかり確認し、信頼できるクリエイターかどうかを見極めることが大切です。
ここでは採用動画を活用して、実際どのような効果があるのかを、以下の5つの種類に分け成功事例も交えてご紹介します。
まずは、企業の雰囲気やミッション・ビジョン・バリュー等を盛り込んだ採用動画となっています。
動画内で社内の機材が実際に稼働しているシーンや社内風景と合わせてインタビュー動画も盛り込まれているため、会社の雰囲気が伝わりやすい採用動画です。少し長尺ながら場面転換も早く、インタビュー動画内にも強調したいワードが表示されるなど飽きさせない工夫が際立つ内容になっています。
「ふるさと富山の暮らしを豊かに」をテーマに制作されたショートムービーは、地域に根ざしたテーマと未来へのビジョンを織り交ぜた採用動画となっています。2040年の創業100周年を目指し、富山の発展とともに歩み続けるというミッションを掲げた内容は、企業の長期的なビジョンを明確に示しています。
採用動画では、富山の美しい街並みや自然風景を背景に、社員が語る「地域を豊かにしたい」「ふるさとを大切にしたい」という確固たる想いが伝わってきます。このリアルで真摯なメッセージは、視聴者に深い共感を与え、企業が目指す未来像を明確にイメージさせます。
社員に密着する等して、実際の社内の様子をありのままに紹介した採用動画をご紹介します。
社長をはじめとした多くの社員が登場し、趣味や日常の一面を発信することで、学生に親近感を与えがら、魅力的な会社であることをアピールしています。
動画内では、社員一人ひとりの個性や人柄が垣間見える演出があり、働く環境や社風をリアルにイメージできる点がポイントです。
一人の社員に密着し、その日常の様子をリアルに描きながらメッセージを発信する動画となっています。社会人経験がない学生にとって、実際の職場の雰囲気や仕事内容はイメージしにくいものです。
このような密着型の動画は、まだ情報が少ない学生に対して、職場でのリアルな体験を具体的に伝え、「自分が働く姿」を想像させる力があります。
インタビュー形式で実際の会社のリアルな声をお届けする事が出来る採用動画です。
インタビュー動画は、社員のリアルな声を反映している採用動画です。「道路舗装工事」「土木工事」「環境・景観整備」「合材製造販売」の事業を行っている世紀東急工業社は、女性社員の視点でリアルな座談会を実施し、それを動画にしています。画の質感や配色・色味、テロップデザインにこだわり、女性が「見たい」と感じられる仕上がりになっているのではないでしょうか。
動画制作会社ならではのスタイリッシュな演出がふんだんに盛り込まれた採用動画になっています。インタビュー動画が中心ながら、インタビュアーが変わるタイミングで凝った演出やインタビュー内容のテーマを表示するなど、短時間で伝えたいことが伝わりやすいように工夫されている動画です。
社員同士が会話を展開していく事によって、フランクな会話が生まれ、実際自分が働いた後のキャリアや姿を想像しやすくなる動画です。
ロフトの採用動画「台本のないチーフ座談会」は、先輩社員たちの等身大の姿や会社の日常をありのままに映し出しており、視聴者に親近感を与える内容となっています。
この動画は、採用動画としては珍しい約9分という長さですが、構成に工夫が凝らされており、最後まで飽きずに楽しむことができます。動画の中では、入社前と入社後のギャップや仕事のやりがいといったテーマについて、先輩社員たちがリラックスした雰囲気で語り合っています。このリアルな対話の様子から、視聴者は入社後の自分の姿をイメージしやすくなり、企業への親しみや期待感を抱きやすくなります。
ストーリー性を加える事で、視聴者の憧れや共感を得やすくなる採用動画となっています。
ほかの採用動画に比べると、テロップやテキストの装飾が少ないのが特徴です。ふだんの業務をさまざまな角度から撮影し、編集することで一本のドラマのような動画になっています。警察官という仕事の厳しさやかっこよさなどが際立って演出されている動画ではないでしょうか。
くら寿司の採用動画は、セリフなしのアニメーションで構成されており、視覚的にわかりやすく親しみやすい仕上がりが特徴です。
動画の内容は、新入社員である主人公の入社後の日々を描いており、慣れない仕事に戸惑いながらも、周囲に認められ、成長していく姿がストーリーとして展開されています。この構成により、視聴者が自然と主人公に共感し、自社で働くイメージを抱きやすくなっています。
また、軽やかで爽やかなBGMが印象的で、動画全体の雰囲気を明るくし、視聴者に好感を与える要素となっています。
ここまで、採用動画のメリットや活用シーン、成功事例などについてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
採用動画は、現在、数多くの企業で活用されています。採用動画をうまく活用することで、企業は求める人材を採用しやすくなり、求職者は社内の雰囲気などを事前に知ることができ、入社後をイメージしやすくなります。このように、採用動画は企業・求職者のどちらにもメリットが見込めるものです。スマホのようなモバイル端末でも動画の視聴が気軽にできるようになったこともあり、これから採用動画を導入する企業がより増えていくことが予想されます。
まだ採用動画を活用できていない方は、この記事を参考にして、採用動画の制作を検討してみてください。
WEBでのお問い合わせはこちら
