コラム

女の子がテレビの上に座りカメラを構えている
動画制作・編集

読み聞かせ動画が流行した理由とは?著作権侵害にならないためにはどうしたらいい?

在宅時間が増えたことで子供たちから人気のコンテンツとなった読み聞かせ動画は
子育て世代からの注目度も高く、1度は見たことがある人も多いことでしょう。
なかには、自分でも作ってみたいと意気込んでいる人もいるのではないでしょうか。
しかし、読み聞かせ動画には著作権に関わるトラブルがあると耳にした人もいるはずです。
そこで本記事では、読み聞かせ動画の基本的な概要・著作権との関係を解説していきます。
安心して読み聞かせ動画を作るノウハウも提供しているので、ぜひ最後までお読みください。

読み聞かせ動画とは?

男性と女性の間に子供がいて3人でパソコンを見ている

読み聞かせ動画とは、絵本などを読み聞かせる子供向け動画コンテンツです。

単純に絵本の内容を音声だけで届ける動画や、実際の絵本のように絵やイラストを交えた動画まであります。

読み聞かせ動画の主なジャンル

5匹の動物が並んで本を読んでいる

読み聞かせ動画は子供向けコンテンツですが、内容はさまざまなものがあります。詳しく解説していくので、参考にしてみてください。

絵本

まずは定番の絵本です。自宅や幼稚園で大人が子供に絵本を読み聞かせるように、優しい声色と演技で子供の興味を引きます。動画によっては登場人物ごとに読み聞かせる人物が変わり、声劇のようなクオリティのものもあります。

よくある桃太郎や浦島太郎といった昔話でも、作り手の個性が出やすいのが特徴です。ストーリーは同じでも、内容はまるで別物という動画が数多くあります。子供向けとはいえ、大人でもつい見たくなってしまう動画もあるので侮れません。

これから読み聞かせ動画を作りたい人は、絵本の読み聞かせをしている動画をいくつか参考にすることから始めるといいでしょう。

朗読

次に多いのは子供向けの短編漫画や小説を朗読するというものです。元の作品に絵がないため、イメージ画像などを使いつつ、絵本と同じように読み聞かせる動画となります。

子供の就寝時に流せるように、あえて画面には何も映さない動画もあるのが特徴です。なかには子供がすぐに寝付けるように、落ち着いたトーンの声を意識していたりBGMに静かな音楽を流している動画もあります。

絵本の読み聞かせに比べると地味ですが、実用的な要素にこだわっているのが朗読の特徴です。

図鑑の解説

番外編として図鑑の解説というのもあります。子供向けの生物図鑑の解説文を優しく読み上げるというものです。なかには、生物の鳴き声などをマネして、子供の興味を引くように工夫されている動画もあります。

子供の学習に効果的なほか、大人も知っているようで知らなかった知識を得られる特徴があります。親子で楽しめるコンテンツといってもいいでしょう。

ただし、図鑑は基本的に出版社に著作権があるため、個人で制作することは難しいです。公開されている動画は、出版社や専門機関が子供向けに作った動画が大半となります。

読み聞かせ動画が流行った理由

女の子が室内でソファに座りテレビを見ている

読み聞かせ動画の概要を解説しました。では、なぜ読み聞かせ動画は流行したのでしょうか。大きな理由として、以下の3点が挙げられます。

  • 多忙な子育て世代が増えたため
  • 子供の娯楽が動画サイトになった
  • 在宅時間の増加
  • 動画投稿のハードルが低い

以上が読み聞かせ動画が流行った主な要因です。それぞれ詳しく解説していくので、これから読み聞かせ動画を制作するときの参考にしてみてください。

多忙な子育て世代が増えたため

まず、読み聞かせ動画が流行った大きな要因に多忙な子育て世代が増えたことが背景にあります。現代社会では共働き夫婦が多く、子供の相手をする充分な時間が得られない家庭が増えています。

そこで活用されるのが読み聞かせ動画です。スマートフォンやタブレットで読み聞かせ動画を再生しておけば、子供たちは動画に夢中になってくれます。その間に家事や仕事を行えるため、子供にとっても大人にとっても大きなメリットとなるのです。

ネット社会の現代において、かつての教育番組の代わりとなっているのが読み聞かせ動画といっても過言ではないでしょう。

子供の娯楽が動画サイトになった

子供の娯楽が動画サイトになったことも流行した大きな理由といえます。かつては子供の娯楽といえばテレビが中心でしたが、現在はテレビよりもYouTubeなどの動画サイトが中心です。子供向けのコンテンツに力を入れているYouTuberも多くいます。

子供が自ら動画サイトで自分の好きな動画を選べる時代となったため、自然と読み聞かせ動画の需要も高まったのです。YouTubeでは視聴履歴に応じた関連動画が表示されるため、子供でもカンタンに興味のある動画を新しく見つけることができます。

読み聞かせ動画の流行は、時代の移り変わりを大きく表しているといえるでしょう。

在宅時間の増加

次に、昨今の情勢による在宅時間の増加も読み聞かせ動画が流行した大きな要因といえます。不要不急の外出を避け自粛生活が強いられると、自然と家で過ごす時間が増えます。そんなときに自宅での楽しみとなったのが、読み聞かせ動画です。

読み聞かせ動画はYouTubeなどで無料で公開されているものを見ることができます。数も豊富にあるため、飽きることなく楽しむことが可能です。定番のストーリーからユニークなストーリーまで、色々な内容の動画が存在します。

在宅での時間を有意義なものに変えてしまうほど、読み聞かせ動画はパワーのあるコンテンツといえます。

動画投稿のハードルが低い

読み聞かせ動画は制作から投稿までのハードルが低いことも流行った一因です。

読み聞かせ動画はストーリーを朗読して録音するだけで制作できます。絵本の場合は、画像をスキャンしてイメージ画像を追加したりなどします。これも特に難しい作業ではありません。誰もが簡単に制作できる動画なので、公開されている動画の数も計り知れないのが特徴です。

毎日のように動画が投稿されているため、視聴者も次々と動画を選ぶことができます。何らかの動画投稿にチャレンジしたい人にとって、読み聞かせ動画は最も適したジャンルといえるでしょう。

読み聞かせ動画をアップするのは違法?著作権侵害にならないためには

黒い背景とグレーの床に©コピーライトのマークがある

大人気の読み聞かせ動画ですが、1つだけ問題点があります。それは著作権問題についてです。読み聞かせをする元となる作品には必ず著作権が存在します。著作権について何の知識もないまま動画を制作すると、大きなトラブルになるので注意が必要です。

次に詳しく解説していきます。

市販のコンテンツを無断で公開するのは違法

まず大前提として、市販のコンテンツを無断でインターネット上に公開するのは違法です。一時期『漫画村』というサービスが大問題となりました。漫画村では、数々の漫画を無料で読むことができましたが、出版社などの著作権者に無断で公開していたのです。そのため、違法サービスとして大きな波紋を呼びました。

この問題を読み聞かせ動画に当てはめると、元となる絵本や台本を朗読して公開したり中身の絵を勝手に公開するということになります。公共施設で子供たちに読み聞かせるのとは違い、インターネット上は不特定多数の人が見ることができるため、著作権法上の「公衆送信権」の侵害にあたります。

残念ながら、各動画サイトには市販のコンテンツを無断でアップしている動画が多数あるのが実情です。これから読み聞かせ動画を制作する場合、他の人もやっているからと無断で市販のコンテンツをアップしないように気をつけてください。

著作権侵害で訴えられる可能性がある

仮に市販のコンテンツを読み聞かせ動画として勝手に公開した場合、著作権侵害で訴えられる可能性があります。訴えられた場合、10年以下の懲役又は1,000万円以下の罰金に科せられることもあるので注意が必要です。

また、著作権者から公開している動画を削除するように求められます。そうなると、せっかく作った動画もすべて非公開にして削除せざるを得ません。仮に著作権者からの要請を無視したとしても、動画サイトの運営から削除される可能性があります。

積み重ねてきた努力が一瞬で無駄になるため、著作権侵害を甘く見てはいけないことを覚えておきましょう。

著作権侵害は炎上リスクもある

著作権侵害は訴えられる可能性のほか、ネット上で炎上する可能性さえあります。とくに読み聞かせ動画を投稿して活躍している人は、各SNSで活動報告などを行っていることが多いです。もし著作権侵害を行っていると判明した場合、各方面からのバッシングは避けられないことでしょう。

とくに本名を名義にしている人や、プライベートのアカウントを流用して使っている人は注意が必要です。炎上すれば、個人情報が特定されたりリアルな人間関係に迷惑がかかったりします。人によっては仕事に影響が出ることもあるでしょう。

社会的なリスクを考えるのであれば、安易な考えで著作権侵害をしてはいけません。

安心して読み聞かせ動画をアップする方法

母親と子供が寄り添ってパソコンを見ている

では、著作権侵害をせずに安心して読み聞かせ動画を投稿するにはどうすればいいのでしょうか。基本的には以下の3つの方法が考えられます。

  • 著作者に許可を取る
  • 著作権フリーの作品を使う
  • ストーリーや絵を自作する

以上が合法的に読み聞かせ動画を投稿する主な方法です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

著作者に許可を取る

まず、市販のコンテンツを読み聞かせ動画にしたい場合は、著作者に許可を取りましょう。事前に許可を取っていれば、市販のコンテンツであっても著作権侵害とはなりません。

昨今では、読み聞かせ動画の流行から各出版社がWEBサイトに読み聞かせ動画についての案内を記載していることが多いです。専用の問い合わせフォームを設けている出版社もあります。もし読み聞かせ動画にしたい作品が手元にあれば、記載されている出版社のWEBサイトを見るか直接問い合わせてみましょう。

とくに読み聞かせ動画にしたい作品がないのであれば、案内が記載されている出版社の作品から選ぶとスムーズに許可申請が行えます。

許可を取るまでには時間がかかることもありますが、著作権侵害にならないためにも、必ず事前に問い合わせを行っておきましょう。

著作権フリーの作品を使う

著作者に許可を取るのが面倒だったり許可が下りなかった場合は、著作権フリーの作品を使うのも有効です。著作権フリーとは、その名のとおり著作者が著作権を行使しないことを明記してある作品のことです。

たとえば、完全に著作権フリーと明記された絵本があれば、事前に許可を取らずとも読み聞かせ動画にすることができます。著作権侵害として訴えられることもありません。

ただし、著作権フリーの作品であっても、使用にはガイドラインや禁止事項が設けられていることもあります。不明な点があれば、必ず著作権者に詳細を確認しておきましょう。確認を怠ると、後で大きなトラブルになることもあるため、注意が必要です。

ストーリーや絵を自作する

最終的な手段として、ストーリーや絵を自作するという方法があります。台本から素材までオリジナルのものを作ってしまえば、著作権者は自分となります。誰に許可を取らずとも自由に動画投稿が行えるので、創作が好きな人はチャレンジしてみる価値があるでしょう。

注意点があるとすれば、自分の作品を他の人が勝手に使ってしまう可能性があることです。言い換えると、自分が著作権侵害をされる側になるという意味になります。そういったトラブルを避けるためには、動画内や動画説明文に作品が自分のオリジナルであることを明記するようにしましょう。

自分が作ったストーリーを他の人にも使って欲しいときは、使用についてのガイドラインを書いておくのがおすすめです。

まとめ

白い床に散らばったミニカーとタブレットを触っている男の子があぐらをかいて座っている

読み聞かせ動画が流行った理由・読み聞かせ動画に関する著作権について解説してきました。

読み聞かせ動画は、在宅時間が増えた現代ではとても需要の大きいジャンルです。自分で読み聞かせ動画を制作して投稿すれば、大きな反響があることでしょう。

ただし、読み聞かせ動画を制作するときは、くれぐれも元となる作品の著作権を侵害することのないようにしてください。許可を取るのが面倒だからと無断で動画を制作すると大きなトラブルにつながります。きちんと許可を取り、健全な状態で動画制作を行うようにしましょう。

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