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ホワイトボード風動画とは、ホワイトボードに人の手で文字や絵をその場で書いているようなアニメーション動画で、ホワイトボードアニメーションとも呼ばれます。ホワイトボードアニメーションは、2007年にアメリカで始まったと言われています。その頃は、人がホワイトボードに文字やイラストを書いていました。ですから、人に見せられるレベルの字や絵が描けないと使える手法ではなかったと言えます。
日本に入ってきたのは5年~6年前ですが、広く知られるようになったのは昨年くらいからです。しかし、ホワイトボード風動画の使い方は導入で紹介したような書籍紹介だけではありません。ではどのようなシーンで活用できるでしょうか?次の章で解説していきますので、続けてお読みください。
ここから、ホワイトボード風動画を活用する効果的な場面をご紹介します。ホワイトボード風動画の特徴は、文字やイラストを描きながら説明をすることです。この特徴を生かして様々な場面で活用されています。代表的な活用方法を5つご紹介していきます。
企業PRや商品プロモーション動画に限らず、視聴者に動画を最後まで見てもらうことは難しいと言われていますが、ホワイトボード風動画は最後まで見てくれる比率が高い動画です。日本人は子供の頃からアニメーションを見て育っていますから、ホワイトボードアニメーションも抵抗なく受け入れてくれます。
人が登場して商品紹介をする場合、商品以外のことに気を取られやすくなります。例えば、説明している人の風貌が嫌いとか、背景に映り込んだものが気になるとか。商品の説明に集中してもらえず、途中で動画を閉じてしまうこともあります。一般的に視聴維持率(動画を最後まで見る人の割合)が40%であれば、良い動画とされています。ホワイトボード風動画に登場するのは、イラストと文字、場合によっては画像です。人が登場するのは声だけですから、話している人が気にくわないから離脱するということが少なくなります。
また、リアルタイムでホワイトボードに描いていくので、次に何が起こるのか見たいと言う興味から、集中力も高まります。記事の冒頭で紹介した、書籍紹介YouTubeなども、つい最後まで見てしまう動画が多いです。これはYouTuberの力でもありますが、ホワイトボード風動画もその一つの要因としてあるのではないでしょうか。集中して見るので、紹介している企業や商品について理解してもらえます。その中で会社や商品のストーリーを語ることで、より親近感を持ってもらうこともできます。
ホワイトボードに文字を書くのは、学校での授業風景に似ています。学校と違うのは、先生が登場しないことと周りにクラスメイトがいないことだけです。注意をそらす人や物がないので、動画に集中することができ、学習効率が上がるので教材としても効果的です。
社内や社外で資料を使ってプレゼンテーションをすることがありますよね。その場合、一般的にはパワーポイント等のビジネスソフトを使っていると思います。でも、文字や数字やグラフをずっと見ていると疲れてしまいませんか?このホワイトボード風動画を使えば、イラストで表現するため、説明が難しい抽象的な内容も理解されやすくなり、集中して聴いてもらうことができます。
ウエディングムービーは、これまでのビジネス関連とはテイストの違う使い方です。披露宴を感動的に盛り上げるために動画を使うと思います。新郎新婦の生い立ち・出会い。そして、2人を育ててくれたご両親への感謝。文字やイラストを使って感動的なストーリーを表現することができます。2人の似顔絵イラストを使ってホワイトボード風動画を作れば、ほのぼのとした温かい披露宴になりますね。
ホワイトボード風動画は、テキストに比べ記憶に定着しやすいという特徴があります。そのため、社内の新人研修や業務研修に導入する企業が増えています。研修というと、通常は前にトレーナーが立って資料を見ながら解説するというスタイルが多いと思います。これは、企業・商品紹介でもお話した通り、解説する人に対する印象で研修に集中できるかどうかが決まってしまいます。人が登場しないホワイトボード風動画を使えば、研修内容に集中してもらうことができます。
この章では、ホワイトボード風動画が活用できる場面を紹介しました。次の章はそのメリットについて解説です。
ホワイトボード風動画を活用するメリットは、4つあります。
ホワイトボード風動画が記憶に定着しやすいことは、前章でもお話しました。2012年心理学者のRichard Wiseman氏は、解説者が登場して説明する動画とホワイトボード風動画を被験者に見せた後、内容に関する質問をするという実験をしました。結果は、ホワイトボード風動画を見せた被験者の正解率が、解説者が登場する動画よりも15%高かったということです。※
この結果から、ホワイトボード風動画で企業や商品プロモーションを行うことによって、視聴者に理解され、覚えてもらえることが分かります。商品の良さを理解してもらえれば、購入率の向上が期待できます。
動画を制作するには、録画機材やロケーション費用、編集ソフトが必要になります。ホワイトボード風動画であれば動画制作に必要なものは、ホワイトボードアニメーションの作成ソフトと解説者の声だけですので、それ以外の費用がカットできます。作成ソフトの購入費用はかかりますが、出演者にかかる費用が抑えられるため、お財布にやさしいプロモーション方法です。
日本人は小さい頃からアニメーションを見て育っているので、動画でもアニメーションをすんなり受け入れてもらえます。アニメ文化がないと、再生した動画でアニメーションが出てきた時点でページを閉じられてしまうことも考えられます。その点、日本でアニメーション動画を使うことは、親近感を持ってもらう意味でも有益です。
YouTubeで知識やノウハウを発信したいと思う人が増えてきましたが、副業のため顔出しができないという悩みを抱えている人がいます。そんな人こそ、このホワイトボード風動画を使うべきだと思います。これまでに説明したように、名前も顔も出さずに情報発信することができます。通常ホワイトボード風動画でも、ナレーションを使うのが普通ですが、中には声も出さず文字とイラストだけの動画もあります。それで内容を伝えられるのであれば、1つの使い方だと思います。
※引用:THE SECRETS BEHIND THE RISE OF VIDEO SCRIBING
ホワイトボード風動画を作成するためには、作成するツールが必須です。代表的なツール3選をご紹介します。
VYONDは、アメリカのAnimeDemo社のソフトでYouTubeでもよく見かけるアニメーション動画に使われています。VYONDの中にもホワイトボード風動画作成ツールがあり、簡単に動画を作成することができます。アメリカ製ソフトですが、日本語が使えますし、日本の代理店から購入することができます。契約も支払いも日本語で対応してもらえるので、英語に自信のない人には安心です。
14日間の体験版を使用後購入の有無を決められます。価格は、代理店で契約すると165,000円(税込)の年間プランのみで途中解約しても返金してもらえませんので、契約の際は慎重に。日本の代理店は1社だけですが、アメリカのAnimeDemo社に直接申し込むこともできます。AnimeDemo社では、月々支払うプランもありますので途中でやめる場合も損することはありません。
一番高いProfessional Planでも999ドルなので、10万円程ですから代理店から購入するより6万円以上安くなります。デメリットは、英語で契約しなければならないことです。それが不安なら代理店をおすすめします。1年間使い続ける自信がない人は、月払いで契約する方が良いでしょう。
日本ではまだ見かけないので、このソフトを使って発信すれば他と差別化できるかも知れません。DOODLYは、文字よりも絵を描くことに重きをおいたソフトです。プレゼンテーションや商品紹介などより、自分のブランディングに使った方が良いと思います。価格は、月々39ドル(年間契約なら月々20ドル)です。
VideoScribeは、ホワイトボード風動画制作に特化したソフトです。日本企業ではないため、申し込みもヘルプもすべて英語で支払いもドルになります。月々35ドル、年間契約すれば月々14ドルになります。年払いにすれば月々1500円程なのでお手軽だと思います。
ですが、このソフトは日本語を書けないという致命的な欠点があります。工夫すれば日本語を書くこともできるのですが、かなりの労力がかかってしまうため、おすすめできません。
この章では、実際のホワイトボード風動画を5本紹介していきます。
【20分で解説】黄金の羽根の拾い方|金持ちは”節税”から生まれる
まず初めにご紹介するのは、サラタメさんの本紹介動画です。昨年から今年にかけて爆発的に売れたYouTuberさんなので、あなたもご存知かと思います。軽快なトークとスピード感のあるアニメーションで、一度見始めると途中でやめることができず、気付くと最後まで見てしまっている動画です。サラタメさんは、サラリーマンをしながら副業として活動されているので、顔出しをせず情報発信する手段としてホワイトボード風動画を始めたそうです。
「そんなやり方、あまりにも理不尽じゃないですか!」現在の社長がまだブラック企業の一社員だった頃、上司に抗議するセリフから始まります。この動画は、求人用に作られたホワイトボード風動画です。「何が始まるの?」と動画に見入ってしまいました。
上司に逆らった彼は会社を辞め、自分の会社を立ち上げます。会社の利益より社員の将来を最優先にする会社です。ストーリーが素晴らしく引き込まれる動画でした。こんな会社に入りたいと思わせる感動的なストーリーです。
作品事例 FVT株式会社様 求人用 ホワイトボードアニメーション™
作品事例 外務省様 ハーグ条約広報動画 ホワイトボードアニメーション
こちらの事例は、外務省の広報動画です。ハーグ条約について解説している動画なのですが、テキストで表現すると分かり辛い内容もアニメーションにすることで理解しやすくなり、親近感を持てるように仕上がっています。硬くなりがちな内容でも、ホワイトボードを使えばわかりやすく伝えることができます。
ホワイトボードアニメーション結婚式オープニングサンプル
手書き風のホワイトボードアニメーションを使い、結婚式に集まってくれた人たちへの感謝の想いを伝える心温まる動画です。ナレーションの代わりに手書き文字で表現するという手法も良いですね。
営業用サービス説名動画ーホワイトボードアニメーション
「こんなことありませんか?」というナレーションの後に、病院でトラブルになりそうなことを次々とイラストで表現しています。画面を見ながら、「そう、そう…」とうなずく病院勤務者の声が聞こえてきそうな動画です。動画がここまで浸透していなかった頃は、このプロモーションをテキストでやっていました。
この動画では、悩み・問題提起から解決策の提示、サービスを使うメリットまでを、わずか2分程で表現しています。これを文章で表現しようとすると、A4用紙10枚以上になると思います。それだけのテキストで表現しても、この動画には負けてしまうかも知れません。商品やサービスのプロモーションツールとしても、ホワイトボード風動画は優れたツールだと言えます。
いかがでしたか?ホワイトボード風動画について解説しました。最後にこの記事でお伝えした内容をまとめておきます。
ホワイトボード風動画は、
視聴者にとって価値ある情報を理解しやすい形で提供できる、ホワイトボード風動画は発信者にとっても、視聴者にとっても有益なツールです。その効果を一度試してみてはいかがでしょうか。
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