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マーケティングとは、商品・サービスに関する企画から販売までの営業活動全般を指す言葉です。動画マーケティングとは、動画をこのマーケティング(主に集客、宣伝、販売活動)に活用するコンテンツマーケティングの一種です。
動画がスマートフォンのようなモバイル端末でどこでも気軽に視聴できるようになり、この動画マーケティングも非常に重要視されるようになってきました。
動画マーケティングは、動画コンテンツを制作し不特定多数の人が視聴できる媒体へ出稿するだけでは満足な効果は得られません。細かいターゲティングから企画、構成など、動画の内容がユーザーにより伝わるように工夫するとともに、その動画コンテンツが効果的に活用できているか常に分析をすることも重要となります。
効果的な動画マーケティングを継続的に行うためには、動画分析ツールを使用することは必須といってもよいでしょう。
アクセス数やユーザーの動画滞在時間など、データを収集することによって今後の動画の方向性を決めることができ、結果的に動画マーケティングの成功にもつながってきます。マーケティングの一環として動画を配信する目的である場合、第一にユーザーに動画を見てもらうことが大切です。そして、再生される動画によってユーザーの行動喚起を促すことが、動画マーケティングの理想的なかたちとなってきます。おもに「動画再生数」「クリック再生率」「平均視聴時間」などは、動画がどの程度興味をもってもらえているか図る指針で、最低限収集しておきたい情報といえます。
マーケティング活動を目的とする動画には、動画分析ツールは必要となってくるため、正しい知識を身につけておくことが大切です。動画を配信するためには動画分析ツールは必要ありませんが、マーケティング活動としての動画配信を行う動画マーケティングにおいては、分析ツールは必須といえるでしょう。
それでは、そんな動画分析ツールは活用することで、いったいどのようなメリットを得られるのでしょうか。
動画分析ツールを使う主なメリットは、以下の3つです。
それぞれ詳しく解説します。
動画分析ツールを活用することで収集できるデータはツールによってさまざまですが、動画分析において重要と考えられている以下のデータは、ほとんどのツールにて収集可能です。
例えば、再生回数に比べて再生完了率が極端に低い場合は動画コンテンツの内容に課題がある場合が多く、再生完了率に比べてコンバージョン率が低い場合は行動喚起を促す仕掛け(アクションボタンの設置)などでマーケティング効果を高められる可能性があります。
このように、各数値単体ではなく、複数の数値を組み合わせて分析することで、動画マーケティングが思うような成果を発揮しない場合のボトルネックに気付くことができます。
動画分析ツールには、動画を視聴したユーザーの属性を分析する機能が搭載されていることがほとんどです。複数の属性にターゲティングして広告出稿をした場合、どの属性のユーザーがより動画を視聴しているか、また視聴時間が長いか、コンバージョンにつながっているかなどを把握することで、次回以降のマーケティング活動に活かすことができます。
コンバージョンに関する情報は、マーケティング活動において重要な情報の一つです。動画分析ツールではコンバージョン率だけでなく、コンバージョンにつながったユーザーの属性から、そのユーザーの視聴回数や視聴時間などの情報も併せて収集することが可能です。
なかには「ユニークユーザー」と呼ばれる一定期間に動画を複数回視聴したユーザーを把握する機能がある分析ツールもあるため、併せて使用することで動画コンテンツがどのようにユーザーのコンバージョンにつながっているかを確認することもできます。
動画分析ツールを使って収集したこれらの情報は、現在視聴されている動画コンテンツに直ちに反映させる、もしくは、次回の動画マーケティングに反映させることに意味があります。
ただ情報を収集するだけでなく、集めた情報から得た気付きを次回の動画コンテンツに反映させることで、よりユーザーが求めるコンテンツを提供することができ、結果、動画マーケティングの効果も回を重ねるごとに高めていくことにつながります。この「動画の質を上げる」ということも動画マーケティングにおいて重要なポイントで、そのためにも動画分析ツールの活用は必要不可欠といえるでしょう。
動画分析ではさまざまなデータが出されますので、注目すべきポイントがいくつかあります。分析されたデータの項目、見方を知ることが動画の質を上げることにもつながってきます。まずは基本的な部分を理解しておくことが、マーケティング活動としての動画制作にもつながってきます。
ここでは、各項目の見方について紹介していきますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
動画が何回クリック・再生されたか総数を示します。配信した動画がどの程度再生されているのか知るための数字となりますので、動画分析では最も大切な数字となります。
まずは動画が再生されなければたくさんの人に見てもらえませんので、この数字を上げることがなによりも重要です。単純に再生回数を増やすことによって、マーケティング活動の幅を広げるといった認識でよいでしょう。再生回数によって、単純に動画の人気度を測ることができるので、いろいろな項目がありますが、まずは再生回数に注目するのがマーケティングに活かす基本的な部分となります。
1人の視聴者がその動画を再生した回数を表します。再生回数と混合しがちですが、動画自体の再生回数ではなく、動画に対して何人の人が再生したかという数字です。「店舗に何人の人が来店したか」という数字と考えておくとわかりやすいです。何人の人が動画を見てくれているのか知りたい際に注目する数字となります。
より多くの人に動画を見てほしいという場合には、再生回数よりもユニーク再生数を重視して動画を制作するとよいでしょう。特に独自のサービスである場合、1人のユーザーに対して訴えかける動画が増えてくると思いますので、ユニーク再生数の数字も上がってくるかが重要となります。
平均し長時間は「総再生時間÷再生数」で算出されます。1つの動画に対して最後まで再生されているのか、ユーザーがどの部分で動画を離れてしまっているのかを測ることができます。
動画コンテンツや内容の充実が足りているのかを知るためにも再生率を知っておく必要があります。再生率の高い動画を参考に、今後の動画配信に活かすことができるでしょう。特に、動画の序盤や終盤でユーザーが離れてしまっている場合には、動画全体の構成を考え直さなければいけません。
再生完了率は「最後まで再生した数÷総アクセス数」で算出されます。動画を再生してから自動で停止するまで、すべてを見てもらえているのかどうかを測ることができます。
動画の内容に満足しているユーザーが多い場合には再生完了率の数字が上がってきますので、再生完了率を知ることによって動画の質を知ることができます。再生完了率が高ければ高いほど、動画全体がしっかり作られているものといえるのです。
コンバージョン率は、動画をクリックしたユーザーが企業の商品購入や資料請求、お問い合わせなど、アクションを起こした数字を測ることができるものです。通常の動画では気にする必要はありませんが、マーケティングが絡んでいる動画に関しては非常に重要な項目となってきます。
クリック数に対してコンバージョン率が低い場合には、動画の内容と商品、サービスのイメージにずれが出ていて、ユーザーに響かない動画になっているといえるでしょう。
動画分析ツールとして知名度が高いのが、YouTube Analyticsです。YouTube Analyticsを使うことによって、動画の視聴者がどのタイミングで動画を閉じたのかというところまで詳細を知ることができますが「YouTube以外の動画分析に使えない」というデメリットもあります。
YouTube以外の動画配信サービスを使用する場合には、ほかの動画分析ツールを使う必要があるということは知っておきましょう。逆をいうと、YouTube専門の分析ツールとして、YouTubeとの相性はこれ以上ないほど抜群です。
動画配信のサービスによっては、動画をアップロードしておくとその動画の分析までを行うことができるものがありますが、使用するサイトによって相性の良い悪いはありますので、複数のツールを使い分けて良いものを選ぶというのも一つの方法です。自社の分析ができないサービスについては、専用の動画分析ツールを導入する必要があるということを覚えておきましょう。
動画分析をする際に使用できるツールは、主にインターネット上からダウンロードやログインをして使っていくものが大半です。それぞれの会社、サービスによって特徴があります。
ここでは、動画分析におすすめのツールをいくつか紹介していきます。
Vimeoは「視聴者の動向を把握」といったものを第一に掲げているツールです。ダッシュボード画面からSNSの統計や各種レポート、Googleアナリティクスとの統合などにも対応しています。一つのツールで動画全体の解析をまかなうことができるので、迷ったらVimeoを入れておくと問題ないでしょう。
無料トライアルから始めることができますが、より高度な分析を行いたい場合にはStarter、Standard、Advanced、Enterpriseと各種有料プランもあります。まずは無料で使用して、使い勝手を確かめておくとよいでしょう。
Vidyardは「視聴者を顧客に変えます」というキャッチフレーズを掲げているツールです。動画マーケティングをより円滑にするために、リアルタイムで動画データのインサイトデータや顧客の位置、使用しているデバイスやブラウザなど深いところまで知ることができます。
CTA(コールトゥアクション)を促すアクションボタンやフォームを設置できる機能や、コンバージョンにつながったポイントの分析など、マーケティング活動において重要なコンバージョン獲得に強みがある分析ツールです。
Viralstatは、動画ごとの高評価、低評価、コメントを追跡ができるツールです。ユーザーが利用している環境を国、デバイス、利用環境など、細かいところまで見ることができます。どのコンテンツがリアルタイムでどこで拡散されているのかを特定してくれるので、動画の再生回数を気にしたい場合に強いツールです。そのほかにも競合他社、インフルエンサーなどを一覧で表示できるベンチマーク機能がある点も動画マーケティングを行ううえでありがたいポイントです。
無料トライアルから始めることができるので、まずは無料登録して使用し、使い勝手がよい場合には各種有料プランに切り替えるという使い方も可能です。
Twitterアナリティクスは、Twitter上の動画を分析できるツールです。アップロードした動画に対して、曜日ごとの視聴数や再生回数などを分析することができます。リアルタイムで動くTwitterに対してリアルタイムで分析することによって、フォロワーの傾向を知ることができるため、配信する動画を最適化したいときに役立ちます。Twitterのサービス内で完結できるため、比較的容易に活用できるツールといえるでしょう。
ほかの動画サービスに対応していないなどTwitter動画限定というデメリットはありますが、Twitterをメインに動画分析をしたい方にはおすすめのツールです。
Wistiaは、ユーザーの情報を収集したい際に活用できるツールです。ユーザーのデバイスやブラウザに限らず、これまでに再生している動画の追跡など傾向をつかむための情報を得ることができます。動画ヒートマップの機能では、ユーザーが動画のどの部分を再生し、再視聴やスキップしているかなど、細かいところまでデータを見ることができます。2つのパターンの動画を用意し、ABテストを実施できる機能も搭載されています。
BtoBにおける動画マーケティングに対して細かいところまで突き詰めて分析したいといったときに活用できるおすすめのツールです。
kamuitrackerは、株式会社エビリーが提供しているYouTubeに特化した動画分析ツールです。国内最大級のデータベースから独自の指標からYouTube内の人気チャンネルや人気動画、トレンドなどを検索することができます。
そのほかにも保有している最新のデータベースを元に適切なベンチマークチャンネルを検索することができるため、YouTubeを主戦場に動画マーケティングを行う際におすすめのツールといえるでしょう。
今回は、動画分析ツールと動画マーケティングの関係についてご紹介してきました。
商品やサービスを売るために動画を作っても、その動画が再生されなければ意味がありません。動画の質を高めるためにも動画分析ツールが必要となってきます。動画自体の再生回数や視聴率などを知ることも大切ですが、ユーザーの年齢層や使用しているデバイス、ブラウザなど細かいところまで知ることで、次回の動画制作に活かすこともできます。また、動画や商品、サービスの距離感を測ることができる、コンバージョン率はマーケティングとの関連性が高いため、数字を意識しておく必要があります。
インターネット上の動画が再生されるかどうかはユーザーにかかっていますので、どのような動画が好まれるのかを知るためにも、動画分析ツールを活用していきましょ
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