2020年動画広告の市場規模は、2019年対比で114%成長し2,954億円となりました。さらに成長を続け、2024年には6,856億円に達すると予想されています。
参照:サイバーエージェント、2020年国内動画広告の市場調査を発表
動画広告の需要が増えている理由としては以下の4点が挙げられます。
スマートフォンの普及と、4Gや5Gなどの通信システムの発展でYouTubeなどの動画視聴サービスが充実したことにより、ユーザーは動画コンテンツを消費することが多くなりました。
そのためユーザーに商品やサービスをプロモーションするためのタッチポイントは、テレビからインターネットにシフトしています。その結果、動画広告の需要が増え市場が拡大しています。
静止画や文字と比較して動画では音声を用いることが可能です。そのためユーザーに届けられる情報量が多く表現できる幅も広いため、印象に残りやすくなっています。
動画を用いることで商品やサービスを実際に利用する場面を再現できます。そのためユーザーも自身が利用しているイメージがつきやすく、結果として購入促進に繋がります。
動画広告では年齢、性別、地域、時間帯、コンテンツなどによってターゲティングをすることが可能です。テレビCMではテレビを見ているすべての人に視聴されますが、動画広告ではターゲットユーザーに絞ることができるため、効率的に広告を配信できます。
動画広告の主要媒体について紹介していきます。
世界で最もユーザー数の多い動画配信サイトであるYouTubeに掲載できます。
YouTube広告の中では、TrueViewと呼ばれるインストリーム広告が最も主流です。動画プレイヤー内に動画コンテンツの再生前、再生中、再生後に表示される広告で、再生方式も強制的に完全視聴させるものと「5秒後スキップする」というボタンを表示しスキップが可能なものとがあります。
年齢、性別、地域、動画コンテンツのカテゴリーについてターゲティングを効かせることも可能です。
料金はCPV課金となっています。CPVとはCost Per Viewのことで、視聴数に対して課金をするという意味です。
動画広告においてはCPV課金方式をとっているものが大半です。課金ポイントはYouTubeでは30秒となっているため、30秒以上見られた場合に課金されます。また任意の価格で実施が可能で最低出稿金額はありません。
世界最大のSNSであるFacebookに掲載できます。
Facebookは、ビジネスパーソンから学生まで幅広い層のリーチを獲得することが可能で、各ユーザーのニュースフィードや動画再生ページに掲載されます。
Facebookのユーザーアカウント情報を用いた精度の高いターゲティング技術で、ターゲットのユーザーに動画広告を届けることができます。
また、インパクトのあるものや印象的なものなどはシェアされ副次的な効果を期待できます。
CPV課金とCPM課金を選択できます。CPV課金での課金ポイントは10秒となっています。CPMとはCost Per Milleのことで、広告1,000回表示に対して課金をするという課金方式です。価格は任意で最低出稿金額はありません。
写真SNSとして世界最大のInstagramに掲載できます。
若年層のユーザーが多く、気になった写真や動画についてシェアするという活動が盛んです。また、Instagramの開発元はFacebookのため、Facebookと共通のプラットフォームから広告を出稿することができます。そのため、Instagramのユーザーデータに加えて、Facebookのユーザーデータも用いて精度の高いターゲティングを行うことが可能となっています。
ビジネスパーソンに強いFacebookと合わせて利用することで、幅広い層のリーチを獲得することが可能です。
CPV課金とCPM課金を選択できます。CPV課金の課金ポイントは10秒となっています。価格は任意で最低出稿金額はありません。
Twitterのタイムラインに掲載できます。
広告は可視領域に入ったタイミングで自動再生され、音声はデフォルトでOFFとなっています。アカウントの過去のツイートやフォローしているアカウントなどからユーザー属性をセグメント化し、効果的な広告配信を実現しています。
また、Twitterはリアルタイム性に長けており、ハッシュタグなどを用いてテレビを視聴しながらコンテンツの消費や生成を行っている人々も多く存在しています。そのためテレビCMと組み合わせた広告出稿なども見られます。
CPV課金で課金ポイントは3秒となっています。価格は任意で最低出稿金額はありません。
Googleでは、YouTubeだけではなくGooleが連携するネットワークに配信できます。
広告フォーマットとしては、インストリーム広告、アウトストリーム広告、バンパー広告などがあります。
CPV課金とCPM課金を選択できます(広告フォーマットによる)。CPV課金で課金ポイントは30秒となっています。価格は任意で最低出稿金額はありません。
Yahoo! JAPANや国内の主要媒体を含むネットワークに配信できます。
Yahoo! JAPANトップのタイムライン面や、Yahoo!ニュース、Yahoo!天気など、若年層から高年層まで幅広いユーザーにリーチすることが可能です。
また、Yahoo! は検索エンジンも持っているため、検索データを用いたターゲティングやYahoo! JAPANのユーザーIDを用いたターゲティングによって、精度の高い配信が可能となっています。
CPV課金で課金ポイントは10秒となっています。価格は任意で最低出稿金額はありません。
国内で最も利用者の多いメッセンジャーアプリであるLINEのタイムラインや、LINE NEWSなどに掲載できます。
幅広いユーザーが利用しているアプリですが、なかでも若年層が利用頻度、滞在時間ともに長いため若年層に向けたプロモーションが効果的となっています。
タイムラインはFacebookやInstagramと同様にコンテンツのシェアが可能なため、印象的な動画を制作し出稿できれば拡散される可能性もあります。
CPV課金で課金ポイントは10秒となっています。価格は任意で最低出稿金額はありません。
日本国内で最大級の動画配信サイトでのインストリーム広告です。
動画コンテンツにコメントを投稿できるなど、インタラクティブなコミュニケーションが特徴的なメディアであり、コンテンツ消費に積極的なユーザーが多数存在しています。年齢、地域、コンテンツジャンルなどによってターゲティングが可能です。
CPV保証で最低保障価格は0.8円となっています。ニコニコ動画の課金方式は上記の入札に参加して運用するCPV課金とは異なり、予約型の配信です。
動画広告におけるABテストについてその方法を解説します。以下の4つの流れに沿って行います。
まずは動画広告出稿の目的を明確にします。ブランディング、認知、購入などのどれにあたるのかを再確認します。
その上で追うべき指標は、Impression数、View数、視聴完了率、クリック数などのいずれかを明確にします。指標を明確にすることで、テスト結果の分析を正確に行うことができます。
動画広告におけるABテストは以下の2つの要素について行うことが効果的です。またテストを正確に行うために1度のテストで比較を行う要素は1つにする必要があります。
動画広告のストーリーやBGM、字幕などについてABテストを行います。
ユーザーが視聴するクリエイティブは最も優先的にテストを行うべき要素です。クリエイティブの中でも複数の要素を同時に変えると要因の分析が難しくなるため、比較を行う要素は1つにする必要があります。
選定したメディアやターゲティングが最適な状態になっているかABテストを行います。
メディアやターゲティングセグメントを変更して、指標の変動を確認します。商品やサービスについて定義したターゲットと実際の効果が連動しているか、すなわちターゲットの設定が適切であるかという評価も可能です。
テストや結果の分析を行うためのツールを選定します。掲載メディアや掲載方法にあったツールを選ぶことが重要です。
テスト結果を分析し、ターゲット設定の適切さや相性の良いメディア、ターゲティングセグメント、効果の良いクリエイティブを明らかにし配信に活用していきます。
動画広告においてABテストで成果を出すために必要なのは以下の3点です。
テスト結果を正しく分析するために比較する要素、すなわち変更する要素は1つに固定することが重要です。複数の要素を変更しテストを行うと、変化があった数値に寄与した要素の特定ができず有益なテストにならない可能性があります。
ABテストをする際、トラフィックを平等に分割することが不可欠です。
例えば、商品のプロモーション動画についてABテストを行うとき、興味を示しそうなWeb行動を行っているユーザー群とそれ以外の群など、AとBそれぞれのユーザー群に偏りがあると、クリエイティブなどの要素を変えたテストについて純粋な比較結果を得られません。
そのため、それぞれの群でテストユーザーの属性を揃えるか、完全にランダムトラフィックとしておく必要があります。
動画広告は静止画の広告と比べてユーザーに届けられる情報量が多く、ユーザーに印象を与えやすいです。
その反面、同じクリエイティブを繰り返し配信することによってユーザーに飽きられ、広告効果が落ちるスパンが短くなる傾向にあります。
そのため、常に新しいクリエイティブを用意し、ABテストを走らせて効果の良いクリエイティブを配信し続けることにより、広告効果の落ちを軽減できます。
今回は、動画広告のABテストが重要な理由と成果を出すためのポイントについて解説しました。
動画広告は映像と音声を用いて一度に多くの情報量をユーザーに届けることができるため、ブランディングや販売促進の高い効果が期待できます。一方で、ユーザーは受け取る情報量が多い分短期間で広告に飽きてしまうため広告効果が落ちる傾向にあります。この問題を解消するための方法がABテストです。
短いスパンでABテストを行い、複数のクリエイティブをユーザーに届けることによってユーザーに飽きさせない広告配信を実現すると同時に、効果の高いクリエイティブを配信し続けることで高い広告効果を維持することが可能です。
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