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SEOとは「Search Engine Optimization」の略であり、検索エンジンに対してWebサイトが最適な状態になるように工夫することを指します。
今やほとんどの人がインターネットで欲しい情報を取得する世の中で、SEOは欠かすことのできない概念です。自分でコンテンツを配信している人にとってはなおさらSEOはユーザーの大量流入やコンバージョンの向上に直結するため、対策が必要不可欠でしょう。
SEOの中にはさまざまな手法がありますが、その中でも今注目されているのが『動画SEO』の存在です。
動画をウェブサイトに掲載することで、以下のようなSEO効果が期待できます。
動画は、テキストや画像に比べてユーザーの興味関心を強く引きつける力があります。商品紹介動画やサービスの使い方ガイドなど、ユーザーにとって有益な動画コンテンツを提供することで、ウェブサイトへのエンゲージメント(いいね、コメント、シェアなど)を高めることができます。
ユーザーが動画を視聴することで、ウェブサイトの滞在時間が自然と長くなります。滞在時間の長さは、検索エンジンがウェブサイトの品質を評価する上で重要な指標の一つです。ユーザーが長く滞在するということは、それだけコンテンツに価値があると見なされ、検索順位に好影響を与える可能性があります。
ウェブサイトに訪れたユーザーが、他のページを閲覧せずにサイトを離脱してしまう割合を「直帰率」と言います。魅力的な動画コンテンツは、ユーザーの関心を引き、サイト内の他のページへの遷移を促すため、直帰率の改善に効果的です。直帰率が低いウェブサイトは、ユーザーのニーズを満たしていると評価され、SEO効果も期待できます。
ユーザーにとって価値のある、またはユニークで面白い動画コンテンツは、他のウェブサイトやブログ、SNSなどで紹介・共有される可能性が高まります。これにより、被リンクを獲得する機会が増え、ウェブサイトのSEO評価を高めることができます。特に、専門性の高い解説動画や独自調査の結果をまとめた動画などは、被リンクを獲得しやすい傾向にあります。
動画がSNS等で拡散されると、自社名やブランド名、関連するキーワードが言及される機会(サイテーション)が増加します。サイテーションの増加は、検索エンジンの評価にも良い影響をもたらします。
近年、Googleなどの検索エンジンは、通常のウェブページだけでなく、動画も検索結果に表示するようになっています。動画をウェブサイトに適切に掲載し、最適化することで、動画検索からの流入増加も見込めます。
動画は、企業の理念や製品・サービスの魅力を、視覚と聴覚を通じて効果的に伝えることができます。質の高い動画コンテンツは、企業のブランドイメージ向上にも貢献し、ユーザーの信頼獲得につながります。
ウェブサイトのSEO効果を高めるためには、ただ動画を制作して掲載するのではなく、戦略的な企画と制作が不可欠です。ここでは、動画コンテンツを企画・制作する上で重要なポイントを解説します。
動画を制作する前に、まず「誰に」「何を」伝えたいのかを明確にしましょう。年齢、性別、興味関心など、ターゲットとするユーザー層を具体的に設定することで、動画の内容や訴求方法を最適化できます。ターゲットが明確であればあるほど、ユーザーの共感を呼び、エンゲージメントの高い動画を制作することができます。
ターゲットとするユーザーがどのような情報を求めているのか、どのような課題を抱えているのかを深く理解することが重要です。ユーザーの検索意図を把握し、そのニーズに応える動画を制作しましょう。例えば、製品の使い方に悩んでいるユーザーに対しては、チュートリアル動画やQ&A動画などが効果的です。
ウェブサイトSEOと同様に、動画SEOにおいてもキーワードリサーチは非常に重要です。ユーザーが検索するであろうキーワードを調査し、動画のタイトル、説明文、タグ、さらには動画の内容にもキーワードを盛り込むようにしましょう。GoogleキーワードプランナーやYouTubeのサジェスト機能などを活用して、関連性の高いキーワードを探しましょう。
ユーザーを飽きさせないためには、動画の構成にも工夫が必要です。例えば、問題提起→解決策の提示→詳細説明→まとめ、といったストーリー性のある構成にすることで、ユーザーの興味関心を持続させ、最後まで視聴してもらえる可能性が高まります。
動画の長さは、伝えたい内容やターゲットによって適切に調整する必要があります。一般的には、短く簡潔にまとめた動画の方が、ユーザーの離脱を防ぎやすい傾向にあります。ただし、専門的な内容を詳しく解説する場合は、ある程度の長さが必要になることもあります。重要なのは、冗長な説明を避け、ユーザーにとって価値のある情報を的確に提供することです。
競合他社との差別化を図るためには、独自性と専門性が重要です。自社独自のノウハウや視点を盛り込んだ動画、特定の分野に特化した専門性の高い動画は、ユーザーの関心を集めやすく、SEO効果も高まります。
動画の品質は、ユーザーの視聴体験に大きく影響します。高画質・高音質の動画を制作することで、プロフェッショナルな印象を与え、ユーザーの信頼感を高めることができます。また、見やすいテロップや効果的なBGM、分かりやすいナレーションなどを活用して、動画のクオリティを向上させましょう。
動画の最後や説明文に、CTA(Call To Action)を設置しましょう。CTAとは、ユーザーに具体的な行動を促すための指示のことです。例えば、「チャンネル登録はこちら」「詳細はウェブサイトをご覧ください」「今すぐお問い合わせを」などのCTAを設置することで、ユーザーを次の行動へと誘導することができます。
動画のタイトルと説明文は、ユーザーが動画をクリックするかどうかを判断する重要な要素であり、検索エンジンが動画の内容を理解するためにも不可欠です。ここでは、動画SEO効果を高めるタイトルと説明文の作成方法について解説します。
動画の内容に関連するキーワードを、タイトルと説明文に含めることは、動画SEOの基本です。特に、タイトルには最も重要なキーワードを、できるだけ前方に配置するようにしましょう。説明文には、タイトルで使用したキーワードに加えて、関連するキーワードを自然な文章で盛り込むことが重要です。ただし、キーワードの過剰な詰め込みはスパムと見なされる可能性があるため、注意が必要です。
ユーザーの興味を引き、クリックしたいと思わせるような魅力的なタイトルを付けましょう。具体的な数字を入れたり、「〇〇する方法」「〇〇の秘訣」などのフレーズを使ったりするのも効果的です。また、ターゲットとするユーザー層に合わせて、適切な言葉遣いを選ぶことも大切です。
説明文は、動画の内容を補足し、ユーザーの理解を深めるための重要な役割を果たします。動画で伝えきれなかった情報や、関連する情報を簡潔にまとめましょう。また、タイトルで使用したキーワードや関連キーワードを、説明文の中に自然な形で盛り込むことで、SEO効果を高めることができます。
YouTubeの場合、タイトルは全角で最大100文字(表示されるのは約35文字)、説明文は約5000文字まで入力できます。ただし、タイトルが長すぎると、検索結果画面で途切れてしまう可能性があります。重要なキーワードは前半に配置し、簡潔で分かりやすいタイトルを心がけましょう。説明文は、動画の内容を十分に説明できるだけの長さを確保しつつ、ユーザーが読みやすいように、適度に改行や箇条書きを活用しましょう。
動画を活用したSEO対策がうまくいけば、より多くのユーザーを獲得することができます。とはいえ、具体的にどんな動画を挿入すればいいのかが分からないという人も多いのではないでしょうか。
初心者の人にも挑戦しやすい動画を使ったSEO施策について紹介します。
動画SEO対策として現状おすすめなのは、一度動画をYouTubeにアップし、リンクとサムネイルをWebページの記事の中に挿入することです。動画専用メディアは他にもたくさんありますが、YouTubeはGoogle傘下の会社という点が大きな強みとなっています。
動画をYouTubeにアップしておくことで、Googleから認識されやすくなるのです。さらに、YouTubeはGoogleのグループ会社ということもありアルゴリズムの相関性が高いという特徴があります。Googleでキーワード検索されたときに、YouTubeの動画なら検索上位に表示されやすいのです。
YouTubeは動画のアップロードが簡単なので、初めて動画SEO対策に挑戦するという初心者にとってもハードルが低いでしょう。
Webサイトの内容によっては、公式動画の挿入もおすすめです。内容にきちんと沿っているうえに、情報の出どころがはっきりしていて信ぴょう性の高い公式動画であれば、Webサイトの品質は高まります。一から自分で動画を用意しなくていいというのもポイントです。
動画の中には転載を禁止しているものもあるため、動画の扱いには十分に注意しましょう。
動画を使ったSEO対策を行うのであれば、いくつかの注意点を守るように心がけましょう。頭に入れておきたいいくつかのポイントをまとめました。
共通しているのは、基本的なSEOの考え方に基づき、ユーザーのニーズを満たすような工夫をすることです。
現状、Google検索エンジンが判断基準にしていると確実にいえるのは、テキストデータのみだということを忘れてはいけません。まずはWebページの文章データを充実させないことには、動画SEOは始まらないのです。
対象となるキーワードを決めたら、ユーザーのニーズを満たせるような有益な内容と十分な文字数を確保するように意識しましょう。
まずは動画タイトルとタグの設定に注目しましょう。検索数の多いキーワードを使ったタイトルをつけたり、タグ設定をしたりすることで、ユーザーに見つけてもらいやすくなります。
動画説明文は、ユーザーが動画を再生するかどうかを判断する重要な情報です。検索キーワードを入れ込むことはもちろん、出来るだけ内容を要約して分かりやすいものにしたり、動画を視聴したくなるような興味惹かれるものにしたりしましょう。同じ理由で、サムネイルも魅力的に見えるものを選ぶべきです。
SEO対策を念頭に置き、最初から動画を埋め込むことを前提にWebページを構築するなら、肝心になるのはユーザーの検索意図を出来るだけ具体的に想像することです。
例えばユーザーが特定のアーティストについて検索しているというシチュエーションを例にとってみます。「動画コンテンツが見たい!」と強く興味喚起されるのは、『アーティスト名』に加えて『具体的な曲名』をキーワード検索している時です。背景に「アーティストの曲を今聞いてみたい!」というニーズが考えられます。
上記のようなシチュエーションの場合は、アーティストの曲を実際に聞ける動画コンテンツを用意し、さらに記事の内容は対象キーワードと動画に関連の深いものにすることで効果が期待できるでしょう。
このように、動画を活用したSEO対策は「どんなユーザーなら動画を見たいと考えるか」「どんな動画を埋め込めばユーザーにとって有益なWebサイトになるか」という視点でWebサイトを構築していくことになります。
SEO対策の基本は、Googleが評価項目としている『信頼性』『独自性』『関連性』『網羅性』を考慮することであり、動画を使ったSEO対策でも同様のことがいえます。
検索キーワードに関連性のある内容の動画を埋め込み、ユーザーの検索意図に応えたり、公式サイトから配信されている信ぴょう性の高い動画コンテンツを使用したりするのです。チャンネル登録数や再生回数も一つの判断材料にしましょう。
ただ動画を再生して欲しい、という思いだけで、Webページと関連のない動画を掲載していては、逆に有用性が低いと判断されて掲載順位を下げられてしまうことがあります。
ユーザーの滞在時間を増やそうと長時間の動画を敢えて挿入するのも問題です。ユーザーにとっての必要情報が得られず中身のない動画は、順位上昇の効果が期待できません。
動画のファイル形式は可能な限り汎用的なものにしましょう。GoogleとYouTubeでサポートがあるMOVやMPEG4、AVIが無難です。どんなユーザーもスムーズに視聴できるようにすることで、ユーザビリティが向上します。
再生できない・動画の動きが悪いという理由でユーザーが離脱しないようにしましょう。
動画の配置場所にも注意です。「より目立たせたい」「できるだけきれいな動画を見て欲しい」という思いもありますが、デザインバランスを崩してしまうと印象が悪くなるだけでなく、使い勝手も悪くなります。
適切な大きさ・場所に表示することと、高画質であると同時に重すぎないファイルサイズにして再生を容易にすることを意識しましょう。
動画を活用したSEO対策は、通常のSEOと同様にユーザーの検索意図を理解し、求める内容に沿った動画を挿入することが本質です。
ただし、注意しなければならないのは動画を挿入することによるユーザビリティの変動です。せっかく基本のSEO対策を施したのに、動画コンテンツのせいでユーザー離れを起こすことのないようにしましょう。
動画はユーザーを惹きつける強力なツールです。うまく使うことで、ユーザーの動向に影響を与え、Webサイトの価値を高めてくれます。動画SEO対策でWebコンテンツを強化し、高評価・上位表示されるWebサイトを目指しましょう。
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