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YouTubeの関連動画とは、YouTube動画の視聴中に再生動画の周囲(PCでは右側、スマートフォンでは下側)に表示される動画全体やその動画が表示される場所のことを指します。YouTubeの関連動画は、視聴中の動画に近いジャンルや内容の動画からユーザーが興味・関心をもちやすそうな動画を、YouTubeアルゴリズムが判断して表示します。
大前提として、YouTubeを利用している傾向によって表示する「関連動画の特性は異なる」ということを理解しておく必要があります。ユーザーが好むジャンルやキーワードはそれぞれ異なるため、表示される関連動画もユーザーごとに異なるということを覚えておきましょう。
例えば、野球に興味をもっているユーザーが「野球のスーパープレイ」という動画を見ていた場合、関連動画には「野球のホームラン集」「野球の三振集」など、野球に関する動画が表示されることになります。野球に興味をもっているユーザー向けに、野球関連の動画の再生を促せるため、自然と再生されやすい環境が作れるというわけです。
ここでは野球という例を出しましたが、日々YouTubeを利用しているユーザーが見ている動画のジャンルや検索するキーワードによって、関連動画は変化していきます。そうした関連動画の特性をしっかり理解しておくことが大切です。特性を理解し、投稿する動画にも関連動画対策を行うことが、チャンネル登録者数の増加や動画再生数を稼ぐことにもつながります。
他のチャンネルの動画と類似の動画は関連動画に表示されやすいのですが、同じチャンネル内で再生回数が多い動画も関連動画として表示されやすいです。人気の動画がユーザーの目に触れやすいということは、インターネット上の人気のWebサイトと同じ挙動を示すため、基本的な部分は覚えておくようにしましょう。
YouTube動画の再生回数を増やすには、質の高い動画を投稿するということが重要であり、プラスアルファーとして関連動画対策を行うと効果的です。YouTubeの動画への流入の7~8割が関連動画からとも言われているため、動画の質を上げると同時に投稿時に関連動画を意識しましょう。
YouTubeの関連動画対策で得られる効果は、以下の3つです。
それぞれ詳しく解説していきます。
関連動画対策を行うと動画がユーザーの目に触れる機会が増えます。何も対策していなければ、再生してもらえる可能性がなかった動画にもチャンスが生まれ、動画の視聴回数を増やすことができるでしょう。
一度、関連動画対策をすれば、不特定多数のユーザーに半自動的にYouTube側がサービスとして関連動画を表示してくれるため、大きな宣伝効果が得られます。Google検索と同様に検索結果から動画を表示させることにもつながるため、できる限り関連動画対策は行うとよいでしょう。
また、チャンネル登録者数の多い動画の関連動画に表示できれば、一度に多くのユーザーの流入も期待できるため、ある時期に急に再生回数が増えるという効果も期待できます。
別チャンネルの関連動画から再生された動画をきっかけに、過去に投稿した動画を再生してもらえるというケースもあります。関連動画で再生された動画の質によりますが、どのようなチャンネルか、どのような動画を制作しているのか少しでも興味をもってもらうことで、過去動画の再生につながる機会が増えます。
関連動画からたまたま再生された1つの動画によって、過去に投稿した10~20の動画を再生してもらえたり、チャンネル登録してもらえることもあるでしょう。また、これから投稿する動画の再生にもつながる可能性があるため、自身のチャンネルや動画のファンを増やしたいならば関連動画対策は行うべきといえます。
関連動画対策では、ジャンルを絞って対策を行います。ある程度動画のジャンルを絞ることによって、キーワードやコンテンツの中身を決めやすくなるでしょう。
ふだんからジャンルを意識することによって、将来的にどんなジャンルで勝負できるのかも自然と定まってくるため、動画を制作するうえでの負担を減らすことにもつながります。動画コンテンツの制作スピード、編集スピードも自然と上がることによってスピード感が生まれ、漠然と時間だけを消費するということを回避できます。
ユーザーに興味のある特定のジャンルの動画を再生してもらえるため、チャンネル登録されやすくなり、定期的に投稿する動画の視聴回数も大幅にアップするでしょう。関連動画対策を日ごろから意識して行うことによって、全体的な動画の制作効率アップが期待できます。
YouTubeの関連動画に表示される動画はYouTubeのアルゴリズムが自動で判断していることには先ほど触れましたが、この「アルゴリズム」とは、一体どのような仕組みになっているのでしょうか。
YouTubeのアルゴリズムを一言で表すと「YouTube動画をより多くのユーザーにより多くの時間視聴してもらうための仕組み」です。
YouTubeのトップページに表示されるおすすめ動画や今回解説している関連動画をきっかけに、今まで視聴したことのないチャンネルの動画を再生した経験があるのではないのでしょうか。これはユーザーが興味・関心をもつであろう動画を、YouTubeのアルゴリズムが投稿されているすべての動画の中から判断し表示した結果です。このように、YouTubeのアルゴリズムは、YouTube動画の再生回数に直接影響を与える非常に重要な仕組みの一つといえます。
YouTubeのアルゴリズムは、判断基準が明確に公開されていません。そのため、多くの企業が経験則からアルゴリズムに評価されるためにさまざまな対策を日夜研究しています。
それでは、そんなYouTubeのアルゴリズムの中でも、関連動画に動画を表示させるために効果的とされている方法をいくつかご紹介していきます。
関連動画の概要をご理解いただけたところで、実際に何をしていけばいいのか解説していきましょう。
関連動画対策には、効果的とされているものがいくつも存在します。そのどれもが必ずしもすべての動画において効果があるというわけではなく、動画によって対策の方法や対策の細かい内容は変わってきます。
具体的な対策を以下に10つご紹介します。
関連動画対策としてまず最初に行うべきことは、動画のターゲットを設定することです。その動画がどのような属性のユーザーの興味・関心が高い内容なのかを正しく把握することで、その動画に対してどのような対策を行うのが効果的かを把握することができます。
このターゲットの設定は動画の内容を魅力的なものにするためにも、またその動画を多くのユーザーに視聴してもらうためにも非常に重要な対策です。
ユーザーが動画を再生するか決める大切な要素が動画のタイトルです。
動画とタイトルの内容は、最低限一致していなければいけませんし、タイトルによってどのような動画か一目瞭然であるタイトルが理想です。タイトルは、ほかのチャンネルとの動画とも比較され、類似のタイトルであったりジャンルである場合には関連動画への表示がされやすくなります。
ただし、人気のチャンネルのタイトルを完全一致で真似してしまうとスパム扱いされ、動画自体が検索されなくなったり、関連動画として表示されなくなるため注意が必要です。また、続編の動画を出す場合には、タイトルに続編とわかるように数字を入れて示したり、前回の続きとわかるような文章を入れる必要があります。また、ユーザーが動画を検索する際に入力するキーワードを動画タイトル内に入れることも対策の一つです。重要なキーワードほど動画タイトルの冒頭にもってくると、より効果が高くなるといわれています。
このように、タイトルを工夫することによって、関連動画への対策をすることにもつながるということを覚えておきましょう。
YouTubeの中で唯一、オリジナルの文章で動画を説明できるのが動画説明欄です。単に動画の説明をするだけでなく、キーワードに関連のあるタイトルやURLを入れることで関連動画対策ができます。
YouTubeのアルゴリズムは公開されていませんが、文章から検索結果や関連動画を表示させるという点はGoogle検索と同様であるため、ほかのサイトからのコピー文章ではなく、オリジナルの文章でキーワードを入れていくことが大切です。具体的な文章の作り方としては「キーワード+キーワードに付随した事項を入れる」ということを意識して、ユーザーがわかりやすい文章を入力するようにしましょう、
ただし、GoogleのSEO(検索エンジン最適化)対策同様に、あまりにもキーワードを入れすぎたり不自然な文章を入力してしまうと、スパム扱いされる恐れがあるため注意が必要です。
タグは、動画との関連付けをするための機能で、関連動画とのつながりも強いです。タグは「野球」「ホームラン」「三振」など、動画がどのジャンルに属しているかを示すためのものとなります。キーワードをもとにユーザーが動画を探しやすくなる便利な機能のため、関連動画対策をする際には必ずタグの設定も行いましょう。
タグは複数設定できますが、適切な数は5~10程度、それ以上になると関連動画として表示されなかったり、最悪の場合、スパム扱いされてしまうため注意が必要です。流行はリアルタイムで変化していくため、大手チャンネルの動画のタグや、Twitterで人気のキーワードなども織り交ぜるということも有効です。
再生リストは、リストに追加されている動画を順番に自動再生してくれる機能です。特定のジャンルに絞って再生リストを作っておけば、ユーザーが動画を再生したときにリスト内にある動画が自動で再生されます。また、リスト内の動画の関連度も上がるため、YouTube側に関連動画として認知してもらえる可能性が高まります。
再生リストを作ることは必須ではありませんが、関連動画の対策として余裕があればやっておくと、より成果につながりやすいでしょう。特に、シリーズ化している動画であったり、音楽系のチャンネルであれば連続して再生される傾向にあるため、再生リストは作成することをおすすめします。
また「この順番で見るとストーリーとしてわかりやすい」などの意図があるような場合にも再生リストは有効です。関連動画が表示されていたとしても、ユーザーは意図した順番で動画を再生するとは限りません。その点、再生リストがあればユーザーは再生リスト内の動画を順に視聴する傾向があるため、 動画の順番にこだわりがあるような場合には、特に有効です。
再生リストは特に意図がなければ動画のアップロードの日付順でも構いません。ないよりはあったほうがよいものです。
旧アノテーション機能の代替として追加されたのがカード機能です。これは、動画内にURLやほかの動画へのリンクなどを挿入で、その名のとおり、カード上の見た目です。
ほかの動画のリンクや関連する動画のリンク、テキストを貼ることによって関連動画対策につながります。1つのチャンネル内で動画を関連付けることができるため、自身のチャンネル内の動画をセルフで関連付けができるというイメージです。カードを活用すれば、自分のチャンネルのほかの動画への誘導も容易になるため、チャンネル内の回遊率が上がります。
ただし、適切なタイミングでカードを表示させないと、単に現在見ている動画を途中離脱することになってしまうため、カードを表示させるタイミングには注意しましょう。カードで関係性の高い動画やリンクを表示することで、よりわかりやすい親切な動画であると印象付けることができ、動画全体の質のアップにもつながります。適切に使えば効果的な機能です。
サムネイルは、ユーザーが最初に目にする、いわば動画の看板ともいえる部分です。このサムネイルが動画の内容と合っているか、また、ユーザーの視聴を促す魅力的な内容になっているかは、アルゴリズムの評価にもつながる重要なポイントの一つです。
具体的には、ユーザーが検索する際に入力する「メインキーワード」と呼ばれるものと、そのキーワードと合わせてよく検索される「サジェストキーワード」、動画の内容を解説する数字や動画の結論などを簡潔にまとめた「インパクトキーワード」などをサムネイルに盛り込むことが効果的といわれています。
とはいえ、タイトルがあまりに長すぎると逆効果となってしまうため、特に重要なキーワードに絞って記載するように心がけましょう。
ハッシュタグは、タグとは違い、動画の説明欄に直接記載するものです。そのほかのSNS同様「#〇〇」と記載することで、その動画にハッシュタグを付けることができます。ユーザーの検索するであろう想定キーワードをハッシュタグとして記載しておくことで、ユーザーが検索したときに補助的な役割を担ってくれます。
こういったユーザーを補助することにつながる設定も、YouTubeに対するユーザーの評価を高める行為としてアルゴリズムによい印象を与える効果があるといわれています。
終了画面とは、動画の最後に最新のアップロード動画や視聴者に適した動画、再生リストなどを表示する機能です。これはYouTube Studioから設定でき、前述のカード機能のように自身のチャンネル内のユーザー滞在時間を増やす効果が期待できます。
チャンネル全体のユーザー滞在時間が増えると、その分YouTubeのアルゴリズムにチャンネル内の動画全体が評価されやすくなります。そのため、こうしたほかの動画への誘導もYouTubeアルゴリズムへの対策として効果があります。
投稿した動画は、ユーザーによってコメントや評価が付けられます。これらはエンゲージメントと呼ばれ、ユーザーの動画に対するアクションの一つです。
エンゲージメントの中でもコメントや評価は、動画の満足度をわかりやすく表したものであるため、YouTubeのアルゴリズムに与える影響も大きいといえます。
悪い評価はアルゴリズムにも悪い影響を与えますが、エンゲージメント率を上げることは関連動画対策としても非常に重要です。そのため、エンゲージメントを上げるために、動画内でコメントや高評価を促すことも有効な関連動画対策の一つです。
YouTubeの関連動画対策は、より多くのユーザーを流入させるために非常に効果的な手法です。この関連動画対策を実施するうえで、対策自体が逆効果とならないように、以下には注意しておきましょう。
それでは、1つずつ解説していきます。
少し前までは、動画概要欄に動画リンクを貼ることで、そのリンク先の動画を視聴中に関連動画として表示されやすくなるといわれていました。
現在でも同じチャンネル動画に関してはこの方法は有効とされる一方で、ほかのチャンネル動画のリンクを貼ることでYouTubeのアルゴリズムにスパム行為とみなされ逆効果となってしまうケースがあります。そのため、動画概要欄にほかのチャンネル動画のリンクを貼りたいときは必要最小限に留めるようにしておきましょう。
YouTubeでは動画に付けるタグの数に制限は設けられていません。そのため、自分の動画だけでなく、関連動画を表示させたいほかのチャンネルの動画に関する言葉もタグとして複数設定することが可能です。
もちろん、動画の内容に直接関係のない内容をタグ付けすることは逆効果になりますが、たとえ関係のあるものであってもタグを必要以上に設定すること自体がYouTubeのアルゴリズムにとってスパム行為と判断されるケースもあります。そのため、タグ付けは必要最小限にし、5個から多くても15個程度に留めるように意識しておきましょう。
関連動画対策を実施したとしても、必ずしも多くのユーザーの関連動画画面に表示されるとは限りません。また関連動画に表示されていたとしても、その動画がユーザーによってクリック、視聴されなければ大きな効果は得られません。そのため、関連動画対策によって関連動画からの流入がどの程度発生しているのかは把握しておきたいところです。
関連動画から動画へのユーザー流入は、以下のYouTubeアナリティクスから確認することができます。具体的な確認方法は以下のとおりです。
もしくは、
このように、YouTubeの関連動画対策は、YouTube Studioに標準で搭載されている機能だけでいつでも気軽に効果検証を行えます。
YouTubeのアルゴリズムはユーザーのYouTubeに滞在する時間を最大化するために、日常的にアップデートが繰り返されています。そのため、一度実施したアルゴリズム対策がいつまで効果が続くかは誰にも予想ができません。こうした効果検証をまめに行うことは、YouTubeのアルゴリズム対策にとって非常に重要といえます。
今回は、YouTubeの関連動画対策についてご紹介してきました。関連動画のアルゴリズムは非公開となっていますが、今回ご紹介した機能を活用することで、関連動画対策が可能になります。「動画制作の効率が上がる」「ユーザーの流入を期待できる」「アップロード済み動画への相乗効果を期待できる」など、複数のメリットがある関連動画対策であるため、積極的に行うことをおすすめします。
ただし、関連のないキーワードを無理に挿入するとスパム扱いされてしまうケースも少なくないため、不自然にならないように注意しながら対策をしていきましょう。
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