リードの獲得は企業の業績拡大に欠かせない一方で、思った以上に大変なものです。ここではリードの説明と重要性を解説した後、リード獲得には大変な労力を要することについて触れていきます。
リードとはBtoBで使われるマーケティング用語の1つで、『見込み客』を意味します。リードは、以下にあげる3つの特徴を持っています。
リードは、成約につながる重要な通過点です。成約数を1つでも増やす上で、リードを確保し育てることは大変重要です。リードはその段階に応じて以下の3種類に分けられ、取るべきアプローチも変わります。
リードの種類 | 特徴 |
---|---|
Leads | 顧客が製品やサービスに対し、何らかの興味を示している段階。リードナーチャリングなどにより、顧客の育成が必要 |
MQL | マーケティング活動により生み出され、エンゲージメント率が高いリード。インサイドセールスや営業によるアプローチが有効となる場合も多い |
SQL | 営業活動により生み出されたリードで、「引き合い」とも呼ばれる。このリードは、営業部門が受け持つ場合もある |
リードを獲得し商談・成約につなげるためには、リードの段階に合ったアプローチが求められます。
リードは製品やサービスの販路を広げ、企業の業績をアップするには不可欠なものです。なぜなら既存顧客の維持に努めるだけでは顧客数が減少し、業績も低下するためです。このため、常に新しい顧客の獲得をしなければ業績アップは望めません。
新しい顧客を獲得するためには、前段階となるリードの獲得が必要です。できるだけ多くの、かつ有効なリードを獲得することで、顧客の増加につながりやすくなります。
リードの獲得は、1件だけでも大変です。それは『1:5の法則』で示される通り、新規顧客を獲得するコストは既存顧客への販売コストと比べて5倍かかるためです。
これは成約までのプロセスが長いことからも示されます。まずプロモーションなどで興味を持ってもらい、リードナーチャリングにより購買への意欲を高め、有望なリードを選別し営業に引き渡すステップがあります。ここまででも、リード獲得の大変さがおわかりいただけるでしょう。
さらに営業は複数の商談と交渉を重ねることで、ようやく一部の商談を成約に導けるわけです。このように新規案件の獲得は、大変な業務です。
情報通信技術の進歩により、遠隔地でも簡単に営業活動が行えるようになりました。一方で度重なる災害や新型コロナウイルスなどにより、対面式やオフラインでの営業活動は行いにくくなっています。
そのこともあり、動画などオンラインを活用してリードを獲得する方法に注目が集まっています。ここでは従来の営業活動の限界と、動画を活用したリード獲得のメリットについて解説していきます。
みなさまの周りには、「直接会って熱意を伝えることにこそ意義がある」と考える方も多いのではないでしょうか。しかし直接顔を合わせる営業活動には、以下のような限界や課題があります。
たとえば担当者がリモートワーク中のため出勤していなければ、オフィスに訪問しても会うことすらできません。2020年の新型コロナウイルスによる影響は、記憶に新しいところでしょう。このように貴社の努力によらない面でさまざまな影響を受けやすいことは、対面式の営業ならではのデメリットといえます。
冒頭で述べたとおり、オンラインで動画を使いリードを獲得する方法に注目が集まっています。それは、以下にあげる特徴があるためです。
動画を活用することで、貴社の製品やサービスに関するよい印象を得られやすくなります。対面で説明しなくてもリードを獲得できることは、注目を集めている主な理由です。
リード獲得のために動画を活用することには、以下のようにさまざまなメリットがあります。
とりわけIT技術の進展により、対面でなくても貴社の製品やサービスをプロモーションしてくれることが大きなメリットです。うまく動画を作成することで、「一度動画を作っておけば、動画が勝手にリードを獲得してくれる」といった効果も期待できます。
リード獲得をする上で、動画はさまざまな場面で活用できます。ここでは4つに分け、有効な活用方法を考えていきます。
動画広告は、動画サイトやSNS、検索エンジンなどを利用すると、自動的に表示されるコンテンツです。近年ではどのような広告を表示するか、利用者それぞれの属性やアクティビティによって変わることが特徴です。購入や契約が見込める利用者に対して重点的に表示でき、広告の効果を高められることはメリットの1つです。
動画広告の表示方式には、以下の4種類があります。
表示方式 | 説明 |
---|---|
インストリーム動画広告 | 動画再生時に流れる広告 |
インバナー動画広告 | 検索サイトやキュレーションサイトの広告枠を使って配信される広告 |
インリード動画広告 | スマートフォンでページをスクロールした際に、途中で流れる広告 |
インフィード動画広告 | SNSのタイムラインに埋め込まれる広告 |
いずれの方法も、まだ貴社の企業名や製品・サービスを認知していない利用者に向けてアピールできる方法です。一方で表示されるタイミングが悪いとリード獲得につながらないばかりでなく、貴社のイメージを低下させかねません。このため広告を出稿する際にはどの方式を使うか、事前の十分な検討が必要です。
リードは、検索エンジンからの流入で獲得することも可能です。偶然に貴社の製品を知った場合、まずユーザーが気になることには「使いやすいのだろうか」「便利なのだろうか」という点があげられます。
もし特徴に関する『商品説明動画』や、使い方に関する『デモ動画』があれば、真っ先に確認することでしょう。そこで「簡単」「使いやすい」「便利」といった感想を持てば、リードを獲得できる可能性は高まります。あとはリードナーチャリングなどを用いて、商談化できるようリードを育てるとよいでしょう。
BtoBの場合は、ビジネスの課題解決に役立つサービスを求める企業も多いものです。これらの場合は、「サービスの活用により、当社の課題は解決できるのだろうか」「売上や利益はアップするのだろうか」という点が、主な関心事となります。
この場合は「当サービスを利用すると、このように課題を解決できます」などのように、動画でアプローチすることも有効です。ビジネスの課題を示し解決へのアプローチを示すことで説得力が増し、リードを獲得しやすくなります。
一方でこれらの方は、忙しいことも特徴です。なるべくシンプルに示し、動画の時間を短めにすると視聴されやすくなります。もし長くなりそうならシリーズ化し、複数本の動画を作成することがおすすめです。
貴社の製品やサービスに興味を持つ方のなかには、「すでに使っているユーザーはどう考えているのだろうか」と考える方もいることでしょう。ユーザー側から見た使い勝手を気にすることは、当然の反応ともいえます。利用者の声を動画で紹介することで製品やサービスの信頼度がアップし、「ぜひ利用したい」という意欲を高める効果が期待できます。
もし本当に役立つ製品やサービスならば、ユーザーからも「ぜひ他の方にすすめたい」という意見や感想が寄せられているはずです。動画作成にも快く出演してもらえ、リード獲得の後押しとなることでしょう。これらは『テスティモニアル動画』とも呼ばれ、リード獲得に有効な動画の1つとなっています。
リード獲得に役立つ動画を作るためには、他社の事例に学ぶことが有効です。ここからは動画を活用した事例を3点取り上げ、それぞれについて詳しく解説します。
はじめに、全国で共済事業を営む『都道府県民共済グループ』の動画を取り上げます。2020年1月6日に公開された『「あなたのまちにも、都道府県民共済グループ。」地域密着篇』は、7ヶ月でおよそ290万回も再生されています。
動画では、共済の仕組みや加入するメリットをこと細かに説明していません。代わりに共済が最も大切にしている理念を、短く伝えていることが特徴です。この内容は繰り返し伝えられますから、記憶に残りやすいものです。加えて映像で各都道府県のシンボルが流れますから、全国どこに住んでいても身近なものとして感じられやすいメリットがあります。初めての方に認知されるためにはなるべくシンプルに作成し、イメージアップにつながる工夫が必要です。
『BtoBプラットフォーム 契約書』は、企業につきものの契約書業務をWebで一元管理する仕組みです。動画の内容は以下の4つに分かれており、管理部門の方が一通り見ることで興味を持ちやすい内容となっています。
動画は3分強ですので、すき間時間でも気軽に確認できる長さになっています。短い動画ですが、リード獲得に必要な内容をコンパクトにまとめていることが特徴です。
Teachme Bizは、Webでマニュアルを作成し閲覧できるサービスです。導入事例の動画では、実際にサービスを活用している企業の方から、導入したメリットなどが話されます。サービス運営者がアピールするメリットの裏付けが得られますので、「弊社でも導入するメリットがありそうだ」などの理由で、興味を示す顧客の増加が期待できます。
加えてユーザーの声ならば、実際に使われている状況も映像で示せることが特徴です。たとえば『JR東日本フーズの導入事例』では、実際に活用されているシーンもふんだんに映し出されています。2分ほどの短い動画ですが、見るだけで「飲食業でも十分に活用できそうだ」という感想が得られ、リード獲得につなげることが可能です。
動画を活用することで、対面営業がなかなか行えない時代でもリードを獲得しやすくなります。うまく作成すれば動画自体が営業マンとなり、多くの反響が寄せられることでしょう。リードが増えれば、商談数や新規顧客の増加も期待できます。
これからの営業活動には、動画の活用が欠かせません。貴社でもこの機会に、動画の作成を検討されてみてはいかがでしょうか。
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