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まずはYouTubeの基本的な知識から追っていきましょう。
YouTubeは世界最大級の動画共有サイトで2006年にGoogleに買収されました。その YouTubeの利用者数は全世界で25億人を超えています(2022年1月時点)。日本でもYouTubeの人気は高く、日本国内利用者数は7,000万人を超えており(2022年10月時点)、 利用者の年齢層は10代から60代までと幅広く、特に10代から20代の年齢層が多いです。
YouTuberと聞くとヒカキンさんなどのエンタメ系のYouTuberを思い浮かべる人もいるかもしれませんが、最近は集客目的でYouTubeを運営している企業もあります。
引用元:サイバーエージェント、2021年国内動画広告の市場調査を発表
YouTubeはすでにユーザー数が25億人を超えていますが、これからまだまだ動画市場は伸びていくといわれています。その理由は動画広告の市場規模にあります。
サイバーエージェントの調査によると、これまでの動画広告市場の規模から判断して、2024年には市場規模が8,736億円と2021年の約2倍になるという予想を発表しました。そのため、YouTubeの市場もこれからますます拡大することが予想されます。
引用元:消費行動のきっかけになったSNSの種類、中学生は「YouTube」・高校生は「Instagram」・それ以降の年代では「Twitter」が主流の傾向
YouTubeがあまり世間に浸透していなかった頃、商品の購入を考える際に多くのユーザーが検索に使っていたのはGoogle検索でした。
しかし、近年GoogleからYouTubeへと検索サービスを乗り換えるユーザーが増えてきています。2022年9月にスタディプラス株式会社が行った調査によると、Z世代の77.5%が「YouTubeは消費行動のきっかけとなった」と回答しており、主要SNSの中で最も高い結果となりました。また、X・Y世代も54.0%とTwitterに次いで高い結果となっており、YouTubeはあらゆる世代の消費行動のきっかけとなることがわかりました。つまり、YouTubeは単に広告収入を得られるだけでなく、自社商品・サービスの宣伝としても有用なプラットフォームだということです。
では次に、企業でYouTubeを活用するメリットについて紹介していきます。
YouTubeをビジネスに活用するメリットは、以下の7つです。
それぞれ詳しく解説していきます。
YouTubeでチャンネル登録者が増えると、コアなファンを獲得することができます。コアなファンが増えるということは信頼度が上がることになるので、集客がしやすくなります。
しかし、ここで間違えてはいけないことは「闇雲にチャンネル登録者を増やせばいいわけではない」ことです。
企業がYouTubeを運営する際の目的は、自分の商品の宣伝や集客目的の場合が多いでしょう。その場合、できるだけ自分の商品に興味があるユーザーを集める必要があります。つまり、チャンネル登録者数100万人を目指すのではなく、商品を買ってくれる1,000人が集まるような情報を発信する必要があるということです。
YouTubeは、低コストで始めることができます。実際、スマホさえあればYouTubeの投稿自体は無料でできます。テレビCMなどのマス広告の場合数100万円以上かかってしまうことを考えると、コストパフォーマンスがよいことがわかります。
しかし、質の高い動画を制作したい場合は、ビデオカメラや照明、編集ソフトが必要になるので、多少コストがかかってしまいます。
YouTubeには「YouTubeアナリティクス」という分析ツールがあります。
YouTubeアナリティクスを使えば、動画の視聴回数や総再生時間、流入元や閲覧したユーザーの属性などを確認することができます。自分が制作した動画一つひとつを解析しやすく、自分の動画になにが足りないのかを効率的に判断することができるでしょう。
YouTubeは、動画を開くと必ず目に入るところに、共有ボタンがあります。そのため、コンテンツが面白いまたは有益であれば、ほかのSNSで拡散される可能性が高いです。動画がSNSで拡散されると、多くの人の目に留まることになるため、自社商品やサービスの認知度アップにつながります。
よく共有されるSNSは、以下のとおりです。
また、2020年9月から追加された「YouTubeショート」も、自社商品・サービスの認知度アップに役立ちます。YouTubeショートは、公式でも「新しい視聴者と出会える動画フォーマット」と明言されているとおり、通常の動画よりも新規視聴者を獲得しやすいフォーマットです。
なぜYouTubeショートが通常の動画よりも新規視聴者獲得につながるかというと、YouTubeショートはGoogleのアルゴリズムを利用し、不特定多数のユーザーに表示される仕組みになっているためです。通常の動画は、視聴数を増やすためにVSEO対策やクリック率など、多方面に気を遣う必要がありました。
しかし、YouTubeショートは、興味や関心がありそうなユーザーに対して表示されるシステムになっているため、チャンネル登録者数が少なくても多くの人に見てもらえやすくなります。
YouTubeの強みは、動き・音声を通して情報を発信できることです。
伝えられる情報量は「文字<画像<動画」の順に大きくなります。動画では、臨場感や使用感をより具体的に発信することができるため、商品の宣伝に向いています。
YouTubeでは、収益化申請が通れば、動画の再生回数に応じて報酬がもらえるようになります。収益化の条件は以下のとおりです(2023年2月現在)。
収益化のためのYouTubeのパートナープログラムについては、以下をご覧ください。
YouTube パートナー プログラムの概要と利用資格
動画には、テキストや画像の5,000倍の情報量があるといわれています。そのため、テキストや画像のみで構成されたWebページよりも、より効果的に企業イメージをすり込めます。音楽やナレーションをつければ、直感的にブランドイメージが伝えることもできます。
また、拡散されやすいというSNSの特性上、潜在顧客に届きやすい点もYouTubeがブランディングに効果的な理由の一つです。
YouTubeはビジネスとの親和性が高いプラットフォームですが、YouTubeのビジネス活用にはデメリットもあります。
YouTubeをビジネスに活用するデメリットは、以下の4つです。
それぞれ詳しく解説します。
YouTubeに動画を投稿するには、企画、キャスティング、撮影、動画編集、投稿など多くの工程が必要です。また、チャンネルを伸ばし、長期的に効果を得るためには、YouTubeに動画をアップロードしたあとも、分析や改善点の洗い出しなどを行わなくてはいけません。
このように、YouTube投稿は手間がかかるため、ほかの業務と並行して行うことは難しいです。YouTubeをビジネスに活用するためには、ある程度の人的リソースを確保しておく必要があります。
YouTubeは、一朝一夕に効果が出るものではありません。
一般的に、YouTubeで成果が出るまでには最低でも8~12か月程度かかるといわれています。投稿を始めてしばらくは効果が出なくても、辛抱強く投稿を続けましょう。
先述したように、動画投稿には多くのステップがありますが、どの工程にも経験やスキルが必要です。例えば、企画立案には流行や視聴者のニーズを読む力、動画編集やサムネイル作成にはパソコンスキルが必要になります。
スキル不足だと動画を投稿しても効果が出にくいため、スキル不足の場合は外部委託する必要があり、手間や費用がかかるでしょう。
YouTubeをはじめとしたSNSは、常に炎上のリスクをはらんでいます。
企業のチャンネルが炎上した場合はもちろんのこと、撮影をYouTuberに依頼した場合、そのYouTuberが別の場所で炎上した際に、自社のイメージが悪くなる可能性もあります。
YouTubeをビジネスに活用する方法は、以下の3つです。
それぞれ詳しく解説していきます。
最もコストがかからない方法は、自分でYouTubeチャンネルを運営することです。時間は少しかかりますが、チャンネル登録者を増やせば安定的な集客が見込めるようになります。
もう一つの方法として、人気YouTubeに自分の商品を紹介してもらうという方法があります。ほかのYouTuberに頼む場合は自分でチャンネルを運営する必要がなく、人気YouTuberであるほど集客も簡単です。短時間で結果が出やすいのもこちらの方法です。
一回の案件費用はピンキリで、有名YouTuberになると100万円を超えることもあります。
スキルをもっている人材を確保できない場合や、そもそも何から始めればよいかわからないという場合は、YouTube運営に長けた会社に運営を依頼するのもおすすめです。
YouTube運営を依頼できる会社には、動画制作会社、YouTube広告運用代行会社、総合YouTube運用代行会社の3種類があります。クオリティの高い動画を制作してもらいたい場合は動画制作会社、広告運用をメインにしたい場合はYouTube広告運用代行会社、戦略立案から分析まで丸ごと委託したい場合は総合YouTube運用代行会社に依頼するとよいでしょう。
企業がYouTubeチャンネルを活用する際は、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。
YouTubeをビジネスに活用する際のポイントは、以下の4つです。
それぞれ詳しく解説していきます。
企業の集客目的でYouTubeを運営する際は、まずコンセプト(目的)を明確にする必要があります。
企業でYouTubeをする場合は、闇雲に動画を投稿して再生回数を稼いでも、集客できていなければ意味がありません。そのため、動画を撮影する前に、どのような人のどのような悩みや疑問を解決できるようなコンテンツを作ればいいのかを決めてから作成するようにしましょう。
せっかくの自分たちのチャンネルだからといって、好き勝手に自分が発信したい情報を配信することはやめましょう。
特に始めたてのときは、ほとんどの人が自分のチャンネルや企業の存在を知らないことがほとんどです。そのため、専門性があり情報として有益なもの、または華やかで楽しめるものなど、ユーザーにとって価値のある動画を配信するようにしましょう。
テレビCMを放送するような企業のYouTubeチャンネルでよくあるのが、テレビCMで放送した映像を投稿するだけのチャンネルを運営していることです。
テレビで流すようなCMはクオリティが高い場合が多いですが、YouTubeとテレビでは求められることが違います。多くの人に見てもらうには、YouTubeの特徴をおさえる必要があります。
見られる動画を作るためのポイントは、次の4つです。
それぞれ詳しく解説していきます。
YouTubeではタイトルに必ずその動画のキーワードを入れるようにしましょう。タイトルに適切なキーワードを入れることで、ユーザーがほかの似ている動画を見た際に、関連動画として自分の動画が表示される確率が上がります。
キーワードが「美容師 ヘアカット」の場合
ユーザーは、動画を選ぶ際に、画像情報のサムネイルを見て判断します。そのため、サムネイルはついクリックして見たくなるような画像にする必要があります。
YouTubeで動画を見ているユーザーは、冒頭の10秒で動画の良し悪しを決めているといわれています。実際、多くの動画は開始10秒以内に徐々にユーザーが離脱していきます。
結論を冒頭にもってくるなど、冒頭の10秒で「この動画は最後まで見る価値があるな」と思わせるような工夫をしましょう。
YouTubeのユーザーは、進行がぐだぐだな動画を嫌う傾向があります。実際、有名YouTuberの中でも「えー」や「あー」などの無駄な繋ぎ言葉をカットしている人も多いです。
カット編集は編集ソフトで簡単にできるため、できるだけ無駄なシーンはカットするようにしましょう。
同じYouTubeユーザーでも、10代が好むコンテンツと50代が好むコンテンツはまったく違います。そのため、YouTubeチャンネルを伸ばすためには、幅広い層に見てもらうよりもターゲットを絞ったほうが効果的です。
YouTubeで上げた認知度を利益につなげるためには、自社商品・サービスを好む層に動画を見てもらう必要があります。したがって、企業がビジネスとしてチャンネルを運用する場合は、ターゲットを自社商品・サービスのターゲットと同じ層に設定するとよいでしょう。
YouTubeチャンネルをビジネスに活用する場合は、次の3点に注意しましょう。
それぞれ詳しく解説していきます。
炎上は、ブランドイメージに傷を付けてしまいます。些細な言動や説明不足から炎上してしまうケースもあるため、発言には特に気を付けましょう。
炎上を防ぐために事前に台本を用意し、視聴者を不快にさせる表現がないかチェックしておくことをおすすめします。
デメリットで挙げたように、YouTubeは短期間では効果が出にくいです。2~3か月で効果が出ないからといって諦めずに、少なくとも半年以上は継続して投稿しましょう。
また、チャンネルが軌道に乗るまでは特に、まめに動画を投稿することをおすすめします。
テレビCMよりはコストが抑えられるとはいえ、YouTube投稿にも機材や運営委託の費用などコストがかかります。また、先述したようにYouTubeは効果が出るまで時間がかかるため、長期的に運用するのが基本です。
効果が出る前にリソースが枯渇してしまわないように、最初に予算計画を立てておくことをおすすめします。
ここからは、企業のYouTubeチャンネルをご紹介します。実際の運用事例を見ると、より具体的なイメージが湧きやすくなるでしょう。
「不動産投資の楽待 (らくまち)」は株式会社ファーストロジックのYouTubeチャンネルで、チャンネル登録者数は約40万人です(2023年2月現在)。
こちらのチャンネルでは、主に不動産に関する情報を発信しています。内容は一部専門的な内容の動画もありますが、基本的には不動産投資に興味がある人に向けて発信しています。「楽待チャンネル」では、有名YouTuberや人気お笑い芸人を起用し、不動産投資に関する基礎知識を学ぶことができる動画も発信しています。
「ザ・ホワイトデンタルクリニック」は、文字通り歯科医のYouTubeチャンネルで、チャンネル登録者数は約37.5万人です(2023年2月現在)。
このチャンネルの特徴は、サムネイルです。ほとんどの動画のサムネイルで虫歯などで歯ががたがたになった画像が使われていて、視聴者の目を引き、インパクトを与えていることがわかるでしょう。
「耳そうじサロンeariss(イアリス)」は、耳のエステに関するチャンネルで、チャンネル登録者数は約9.69万人です(2023年2月現在)。
こちらのチャンネルも「ザ・ホワイトデンタルクリニック」同様、サムネイルのインパクトが強いのが特徴でしょう。あまりにもインパクトが強すぎるため、一部動画には年齢制限がかかっています。
トヨタ モビリティパーツ株式会社が運営する「ジェームス公式チャンネル」のチャンネル登録者数は、約4,380人です(2023年2月現在)。
チャンネル登録者数は上記のチャンネルに比べ少ないですが、以前公開していたシリーズ物のCM「連続10秒ドラマ」は100万再生を超えるものもありました。現在は車のお手入れに関する情報などを発信しています。
「葬儀葬式ch有限会社佐藤葬祭」は、葬式に関する情報を発信するチャンネルで、チャンネル登録者数は約9.19万人です(2023年2月現在)。
このチャンネルはお葬式でイヤな思いをする人が減らすことを目的に、葬祭のプロである佐藤さんが葬儀の知識を発信しているチャンネルです。内容は葬祭に関する内容がほとんどですが、中には葬祭とは関係がない時事ネタも取り扱っています。
鴨頭嘉人さんのYouTubeチャンネルは、人材育成・セールス獲得・話し方について情報を発信しています。チャンネル登録者数は約106万人です(2023年2月現在)。
このチャンネルの特徴は、講演家の鴨頭さんが熱血なことです。鴨頭さんは、マクドナルドで働いていた経験があり、マクドナルドで取れるすべての賞を受賞しました。その経験を元に人材育成・セールス獲得・話し方に関する有益な情報を発信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=ebomQaNys74
プロ向けのヘアケア用品ブランド「Kérastase(ケラスターゼ)」のYouTubeチャンネルのチャンネル登録者数は、約2.75万人です(2023年2月現在)。Kérastase(ケラスターゼ)は、フランスの化粧品会社「ロレアル」が展開している商品です。
このチャンネルの特徴は、自社の商品を専門的に紹介していることです。動画の中では高品質な自社の商品の能力を100%発揮させるために、髪の洗い方のような基本的なことから解説されています。
https://www.youtube.com/watch?v=M1lB1lPFRxI
日本の自動車メーカー「トヨタ」のYouTubeチャンネルのチャンネル登録者数は約26.1万人です(2023年2月現在)。
このチャンネルの特徴は、自社の自動車の性能を前面にアピールした動画です。チャンネルの中には、ただCMを載せているだけの動画もありますが、自社の自動車を紹介するためにオフロードを泥だらけになりながら走行するような爽快感のある動画も配信しています。
野村證券株式会社のYouTubeチャンネルのチャンネル登録者数は約5.83万人です(2023年2月現在)。
このチャンネルの特徴は、有名YouTuberを頻繁に起用していることです。 「マネーの亀」では、有名YouTuberの瀬戸弘司さんと元カリスマブラザーズのジョージさんが登場し、株式用語や資産運用をわかりやすく解説する動画を投稿しています。
YouTubeの動画制作、運営代行におすすめの会社は、次の4社です。
Mチーム(MTEAM)は、豊富な実績が魅力の総合YouTube運用代行会社です。大手メディアでマーケティング施策を経験したスタッフやTV業界出身の編集者、CM制作を経験したスタッフなど、あらゆる業界で実績を積んだスタッフが多数在籍しています。
もちろんMチーム自体も、チャンネル登録者数100万人以上の運営実績があり、YouTube運営代行会社として十分な実績をもっています。また、Mチームでは企画から運用までワンストップで対応しており、社員が担う業務は撮影の立ち合いと校了のみなので、自社社員はほかの業務に専念できます。
株式会社火燵は、コンサルティングに強い総合YouTube運営代行会社です。
長年培ってきた制作ノウハウや分析技術を生かし、成果と利益にこだわった運営を行ってます。また、動画内製化のサポートも対応しており、最短3か月でプロレベルの実力をつけられます。
株式会社Lumiiは、戦略立案から分析改善まで、一手に依頼できる総合YouTube運営代行会社です。
株式会社はLumiiは映像のクオリティの高さが特徴で、動画の種類もアニメーションからCG、実写映像まで幅広く対応しています。また、クリエイターと直接マッチングすることで費用を3/1まで抑えている点も魅力です。
株式会社フロンティアチャンネルは、300社以上の実績をもつ総合YouTube運営代行会社です。
動画制作の一連の流れだけでなく、BGM制作やチャンネル開設など、対応している業務の範囲が広いことが特徴です。
YouTubeはユーザー数が多く、拡散力も高いため、ビジネス活用にうってつけのプラットフォームです。
しかし、YouTubeのビジネス利用は、効果が出るまでに時間がかかる、スキルやノウハウが必要である、などの課題もあります。YouTube運営代行会社をうまく利用するなどして、効果的にYouTubeを活用しましょう。
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