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キュレーションメディアとはキュレーションサイトとも呼ばれます。
YouTubeやニコニコ動画などの動画配信サイトと違い、特定のジャンルに絞った動画や、特定のジャンルの情報が記載されているWEBサイトをまとめたメディア(サイト)のことを指します。
インターネットの普及に伴って、専門家・一般人問わず自身の知識や情報をインターネットを通じて誰でも簡単に発信することが可能になりました。
これを受け、多くの消費者がインターネットを利用して必要な情報を収集するようになったため、キュレーションメディアの価値が高まりました。
キュレーションメディア市場はここ数年で急速に成長し、2020年3月現在では様々なキュレーションメディアが存在しています。なかでもSmartNewsやグノシー・NewsPicsなどが有名で多くの消費者に利用されています。キュレーションメディアはバイラルメディアと混同されることがしばしばありますが、両者には消費者に対するアプローチ方法に決定的な違いがあります。
先ほど、キュレーションメディアは特定のジャンルに関する情報をまとめたメディアだとご紹介しましたが、バイラルメディアとはどのようなメディアなのでしょうか。
バイラルメディアは『バズる』コンテンツに特化したメディアのことを指します。WEB上のコンテンツを収集したメディアである点はキュレーションメディアと同じであるため、「バイラルメディアもキュレーションメディアの一部」という捉え方もできるかもしれません。
しかし、両者には消費者の流入経路という点で決定的な違いがあります。キュレーションメディアがSEOを意識したWEBサイトを作成することで検索エンジンを通して消費者の流入を期待するのに対し、バイラルメディアはSNSの拡散力を利用して消費者の流入を促す構造になっています。
つまりバイラルメディアはSNSで「バズる」ことに特化して作成されたキュレーションメディアと考えられます。
キュレーションメディアは特定のジャンルに関する情報を効率よく閲覧できるメディアとして多くの消費者に親しまれています。
キュレーションメディアを運営する企業側としては、専門書や独自の取材などで一時情報を収集するメディアに比べると運営し易い点などが人気となった理由のひとつです。
では、消費者側・運営側にはそれぞれどのようなメリットがあるのでしょうか。
消費者側の大きなメリットとして、情報が精査されているという点が挙げられます。
多くの情報を取りまとめているキュレーションメディアでは、よりアクセスを集中させるため、良質な情報をある程度厳選して掲載されていることがほとんどです。
そのためWEB上で情報難民になることもなく、非常に効率よく知りたい情報にたどり着けるという点が、キュレーションメディアが多くの消費者に親しまれている理由の1つです。
消費者目線では大きなメリットがありそうなキュレーションメディアですが、では運営者側にとってはどうでしょうか。
キュレーションメディアはWEB上の有益な情報をまとめて掲載しているため、SEOで他のWEBサイトより優位性を確保できることが多く、不特定多数の消費者の流入が期待できます。
運営元は自社のキュレーションサイトに訪れた消費者に対して自社サービスへの誘導や、広告収入を利用するなどして利益を得ることができます。流入経路に気を配る必要はありますが、非常に高い費用対効果が期待できるメディアとしてここ数年で参入企業が急増しているようです。
キュレーションメディアで取り扱う情報は、基本的にはWEB上で公開されている二次情報がほとんどです。そのため、情報獲得に必要なコストがほとんど存在せず、低コストでの運営が可能です。
キュレーションメディアの開設自体に必要なコストも非常に安価なため、上記の流入経路の確保さえしっかり行えば、高い費用対効果が期待できる夢のメディアでもあります。
キュレーションメディアは上記の内容以外のメリットも多く、さまざまな分野の企業が新規参入をしている今話題のメディアです。
しかし、市場拡大に伴っていくつかのメディアで以下のような問題点が指摘されるようになってきました。
キュレーションメディアはWEB上の情報を収集して利用するため、運営元はその掲載方法が著作権侵害にあたらないか注意する必要があります。
なかでも問題として取り上げられやすいのが、記事や画像の無断転載・引用についてです。他者が作成し掲載している画像や写真などは著作権が発生するため、無断で転載すると基本的には著作権侵害にあたります。
記事内容に関しても『どこからどこまでが転載したものか』を明記する必要があり、これを怠ると写真や画像同様に著作権侵害となります。引用に関しては、引用した文章があくまで補足的な内容である必要があるため、引用文のみで構成された記事をキュレーションサイトに掲載することはできません。
最近では、個人が掲載している記事を盗用されたとして著作権侵害でキュレーションサイトを運営している企業側を訴えるという話も少なくないため、記事内で引用を使用する場合はより一層の注意が必要です。
キュレーションメディアはその性質上、より多くの情報(WEBサイトや記事)を掲載しているメディアに消費者が集まる傾向にあります。
キュレーションメディアで掲載されている情報自体は、運営元が独自に取材を行って収集したものではなく、WEB上で既に公開されている二次情報が大半を占めます。
なかには不正確な情報を含んだWEBサイトや記事の情報を掲載してしまうケースもあり、情報の正確性が疑われるキュレーションメディアも少なくありません。そのため、キュレーションメディアを運営する際は、掲載する記事を精査することが重要となります。
また、キュレーションメディアを利用する消費者側では、そのメディアに掲載されている情報が正しいかどうか、消費者に不利益な情報が隠されていないかなどを注意する必要があります。
現在最も話題になっている動画キュレーションメディアについて紹介していきます。
料理レシピ動画を集めたメディアは、動画キュレーションメディアの中でも広く認知されているジャンルです。
そのなかでもクックパッドは、クックパッド株式会社が運営している料理レシピ動画のキュレーションメディアで国内最大級のキュレーションメディアです。
従来の献立表では伝わりにくかった焼き加減などの料理のビジュアルとレシピの一連の流れが動画で確認できるため、主婦を中心に爆発的な人気となりました。現在では月間で約5,000万人ものユーザーがクックパッドを利用しています。
クラシルは、株式会社delyが運営する料理動画のキュレーションメディアです。
クックパッド同様、WEBサイトとアプリの両方を展開しており、アプリ登録者数・レシピ動画数はレシピ動画アプリ第一位と、多くの人に認知されている動画キュレーションメディアのひとつです。
クックパッドは有料会員であれば誰でもレシピを投稿できるのに対し、クラシルのレシピは専属の料理人「クラシルシェフ」が管理栄養士の監修の元で作成されているのが特徴です。
NewsPicksは、株式会社ニューズピックスが運営しているビジネス系動画キュレーションメディアです。
国内外90以上のメディアから経済に特化したニュースが配信されています。NewsPicks独自の動画も配信されていますが、経済ニュースを著名人のコメントとともに閲覧できるなど、ニュースに付加価値を付けた動画配信が人気の理由のひとつです。
WEBサイトとスマートフォンアプリの両方で展開されていて、会員ユーザー数は約470万人と多くの人に利用されている動画キュレーションメディアです。
新R25は、株式会社Cyber Nowが運営している動画キュレーションメディアで、運営元は『ビジネスバラエティメディア』と銘打って若者に向けて経済に関する情報を配信しています。
比較的若い年齢層の著名人やTVなどのマスメディアでも活躍している著名人のインタビュー動画が多く、動画サムネイルや内容などが若者に受け入れられやすいよう工夫されているのが特徴です。
bouncyは、株式会社朝日新聞社が運営する最新ニュースやエンタメなどを取り扱った動画キュレーションメディアです。
最新のテクノロジーやライフスタイルに関するものから世界中で話題のカルチャーなど、幅広いジャンルの動画が掲載されています。
おしゃれなテイストと海外の最新情報が動画で手軽に見られる点など、若者やトレンドに敏感なユーザーを中心に人気の動画キュレーションメディアです。
MimiTVは、株式会社MimiTVが運営する女性向けの美容やライフスタイルに特化したキュレーションメディアです。
コスメやスキンケアなど美容に関する記事が中心に掲載されており、同社が運営しているYouTubeチャンネルではコスメグッズのレビュー動画などを積極的に配信しています。
チャンネル登録者数は31万人(2021年3月現在)で、どの動画も数万回再生されるなど多くの女性に支持されています。
C CHANNELは、C Channel株式会社が運営する美容・ファッション・料理や旅行など女性に向けた動画を総合的に掲載している動画キュレーションメディアです。
「クリッパー」と呼ばれるタレント・読者モデルなどのインフルエンサーと撮影・製作した比較的短い動画を掲載しているのが特徴です。
数十秒から1分程度の動画が多く、「すき間時間に手軽に視聴できる」をコンセプトにたくさんの動画が掲載されています。
Spolayは、スポーツナビ株式会社が運営している健康を維持するための運動に関する動画を配信している動画キュレーションメディアです。
SpolayはWEBサイトやアプリを通して情報を配信するのではなく、FacebookやInstagramといったSNSを通じて動画を配信しています。
女性向け動画キュレーションメディアC CHANNELの運営元・C Channel株式会社は、子育てに特化した動画キュレーションメディア「mamatas」の運営も行っています。
C CHANNELと同じく数十秒から1分程度の短い動画が中心で、子育てに関する情報をまとめた動画を掲載しています。育児の悩みや子どもの食事・育児をするママのファッションや趣味など、多くの情報が掲載されている動画キュレーションメディアです。
MAMA DAYSは、株式会社エブリーが運営する子育てに特化した動画キュレーションメディアです。
mamatasと同じく育児に関する情報を総括的に取り扱っており、配信されているスマートフォンアプリでは記事や動画の閲覧だけでなく、離乳食や赤ちゃんの生活リズムなど詳細な育児記録が付けられる機能も人気です。
動画キュレーションメディアはここ数年で様々なジャンルで利用されるようになりました。
WEB上で目当ての情報やそれに関連する情報をいち早く見つけられるキュレーションメディアは、これからも増加の一途を辿ることが予想されます。
なかでも動画キュレーションメディアは、5Gの普及に伴って動画がより身近になることも追い風となり、これからますます増え続けると言われています。
動画メディアは、すき間時間でも有用な情報を得ることができる貴重な情報源でもあります。
今回紹介した動画キュレーションメディアにも目から鱗の情報が眠っているはずです。興味のあるジャンルの動画キュレーションメディアがあった人は、一度覗いてみてはいかがでしょうか。
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