インストア動画とは商品やサービスの説明・販売促進を目的に店頭で流す動画です。
動画を流すデバイスは店舗の規模や目的に応じて大画面モニター・タブレット端末などさまざまに使い分けられます。店頭でよく用いられる販促ツールのパンフレットやチラシ、POP広告と比較すると、より多くの情報を映像と音声、テキストで伝えられるという特徴があるため、インストア動画にはターゲット顧客が購入意欲を高めることのできる内容が求められるのです。
インストア動画の効果とはどのようなものなのでしょうか。4つご紹介します。
インストア動画は大型看板、ポスター、POP広告など情報が氾濫している繁華街でもアイキャッチ効果が高く、埋没しにくいという特徴があります。そのためターゲット顧客が店舗の前を通りがかっただけでも目に留まりやすく、店内誘導へのきっかけ作りとなるのです。
もし店頭が路面に面していて比較的騒がしければ音量を上げたり、キャンペーンなどを開始した時期はテキストを目立つように工夫したりと、店舗の状況に応じて内容をカスタマイズしながらターゲット顧客を店内誘導できるのもインストア動画の魅力的な点だと言えるでしょう。
また、店舗スタッフに声掛けをされて店内誘導されるのが苦手なターゲット顧客にとっては、インストア動画を見て自分の来店したいタイミングで店内に入ることができるというメリットがあります。これらのことからインストア動画はターゲット顧客の効率的な店内誘導に役立つとわかります。
2013年にSapientNitroがアメリカとカナダの消費者1,500人を対象に行った小売環境調査の結果によると、消費者が最も知りたい情報は「商品の仕様」で84%を占めることがわかりました。また、商品のデモンストレーション動画が購買への後押しとなると感じている消費者が74%存在していることも明らかになりました。(※1)
これらのことからターゲット顧客の心理を推察すると、商品やサービスを購入する前に店舗に赴くのは実物を見て比較したり購入を検討したりするためで、購入を決定する前にはできるだけ多くの情報を収集した上で納得して購入したいと感じていることがわかります。
インストア動画はターゲット顧客にとって詳しい商品やサービスの説明だけではなく、購買の後押しもしてくれる便利なツールのため、店舗への導入効果は高いと言えるでしょう。
2019年に株式会社fitomが全国の20代~30代の女性500名を対象に「女性の洋服の購入に関する調査」を行いました。(※2)
この中で店舗スタッフの接客に対する意識を調査したところ、83.4%の人が「店頭でショップ店員に声をかけられることに抵抗を感じる」と思っていることが明らかになったのです。この結果から、店舗スタッフが丁寧に接客したとしても、そのこと自体がターゲット顧客の足を遠のかせてしまう原因となっているということがわかります。
しかし店舗にインストア動画を導入すれば、ターゲット顧客はその内容から商品やサービスについてある程度の情報を得ることができるため、必要がある時にだけ店舗スタッフに質問するといった形も取れるでしょう。このことからインストア動画は、ターゲット顧客が店舗で本当にしてほしい接客を実現するために有効なツールだと言えます。
店舗はブランドのイメージを伝える場の1つであるため、そのブランドのコンセプトに沿った外装・内装とする必要があるでしょう。そのためリニューアルなどを行う際に外装・内装全てを変更しようとすると、多額の資金がかかります。
しかしインストア動画を導入すれば、新しいブランドイメージやコンセプトに合わせた内容を照明や店内BGMと組み合わせて、店内の雰囲気を刷新することが可能です。コストを抑えて効率的にブランディングを行いたい場合、インストア動画は有効だと言えるでしょう。
(※1)参考:SapientNitro「小売環境調査」
(※2)参考:イマドキ女性たちの「お買い物の本音」調査。店頭での試着に抵抗を感じる女性は6割以上!一方で、約7割は試着なしで失敗を経験…
ターゲット顧客への店舗での訴求効果が高いインストア動画ですが、どのようなポイントに気を付けて制作を行えばよいのでしょうか。5つご紹介します。
インストア動画を制作する際は、ターゲットを明確化しましょう。店舗という形態上さまざまな属性のターゲット顧客が足を運ぶため、誰に向けて自分の売りたい商品やサービスをアピールするのかがぶれてしまいがちになります。
しかしインストア動画はターゲットを絞り、動画内でその顧客に対して具体的な呼びかけを行うことで初めてその心を惹きつける内容となるため、どのターゲット顧客に対してアピールするかをあらかじめ決めておくのが望ましいのです。
もしインストア動画を用いて、どのようなターゲット顧客に対して訴求したいのかがはっきりしない場合は、ペルソナを作成してみましょう。ペルソナとは自社の商品やサービスの一人だけの理想的な顧客を指し、実在するターゲット顧客の定性的・定量的データを基に作成されるので、非常にリアルな人物像となるのです。作成したペルソナに対して訴求することを目的としたインストア動画を作成すれば、ブレがなくターゲット顧客の購買意欲を高めることができるでしょう。
販促ツールを作成する時全般に言えることですが、ついたくさんの情報を盛り込んでしまい、その結果ターゲット顧客にとって難解な内容となってしまいがちです。
このようなことを防ぐためにも、インストア動画はまず尺を短くすることを意識し、決められた時間の中でどれだけターゲット顧客に店舗で売りたい商品やサービスを訴求することができるかを考えて制作しましょう。
店舗を巡回しているターゲット顧客が、インストア動画を最後まで全て視聴する可能性は低いことも考えて、一番伝えたい内容は冒頭部分でアピールすることも大切です。
インストア動画はチラシやパンフレットと比較すると、多くの情報量をターゲット顧客に提供できます。その利点を最大限に活用するためにも、インストア動画はストーリー性を意識して制作しましょう。チラシやパンフレットの場合、テキストで店舗にある商品やサービスの特徴やメリットを伝えることになります。
しかしインストア動画ではそれに時間軸、音楽、ナレーションなどを加えることができるので、ターゲット顧客がどうなるか見届けたくなるようなストーリーを表現することができるのです。
具体的には商品やサービスの製作者インタビュー、商品やサービスをお試し利用した人の口コミ情報、上品やサービスの製作背景などがストーリーになりやすいでしょう。ターゲット顧客がインストア動画を少し時間をかけても視聴したくなったり、SNSなどで拡散しやすくなったりと販売促進効果がさらに高まります。
インストア動画は店舗空間に与える影響が大きいため、ブランドイメージを意識して制作することが大切だと言えるでしょう。店舗の雰囲気や内装に合わせて、インストア動画に用いる色やナレーションの口調を工夫した方がよいということです。
例えば高級品を扱う店舗なら落ち着いた雰囲気にマッチする内容が望ましく、日用品を扱う店舗なら人混みでも埋没してしまわないような内容が望ましいでしょう。
インストア動画は映像表現なので、ターゲット顧客の興味を惹くために次のようなことに気を付けて制作してみましょう。
インターネットやSNS上の動画広告とは、ターゲット顧客や利用方法が異なることを意識した映像表現を行うことが大切です。
インストア動画の具体的な活用事例にはどのようなものがあるのでしょうか。3つご紹介します。
2019年にエバラ食品工業と販促会議は「インストア動画アワード」を初開催しました。これはどのようなインストア動画が販売促進につながるのかを研究し、店頭の活性化を図るのが目的で行われたものです。
実際の店舗での放映を前提として、「30代~40代にエバラ黄金の味の価値が伝わる企画」が課題となり、応募総数はパートナー企業から28作品に上った中でグランプリを受賞したのがCyberBullの「食欲レシピ」編でした。
CyberBullでは「店頭ブランディング」という観点でインストア動画を企画し、食材を炒める音や湯気、色味などターゲット顧客が本当に美味しそうと思ってくれるかどうかを基準として映像化したのです。
さらにSNS風の評価コメントを挿入することで、料理に対する共感や支持が多いと感じさせる工夫もされています。
官公庁でインストア動画というのはなかなかイメージしにくいかもしれませんが、名古屋市役所では納税手続きが簡単であることをアピールするためにこの動画を制作しました。
納税のCMは固い印象のものが多い中、このインストア動画ではRPGのような3D映像で親近感のわく映像表現を実現しています。RPG風にすることで思わず最後まで見てしまうように工夫がなされているとも言えるでしょう。
海外で実績を上げたインストア動画もご紹介します。
カナダのシューズショップ「Sport Chek」では北米で初めてインストア動画を導入し、デジタルツールを活かした店舗作りに取り組みました。その結果売上やターゲット顧客とのエンゲージメントに良い結果が表れ始めたため、その後カナダ国内の140店舗でもインストア動画やデジタルツールを導入したのです。
インストア動画を制作するのにおすすめの会社を3つご紹介します。
Ad Arch株式会社はCM・動画広告・インストア動画・YouTubeチャンネルなど幅広い動画制作を手掛けている会社です。
外国人クリエイターが所属しているため、国内向けだけに動画制作を行うのではなく、英語・スペイン語・北京語・広東語・タガログ語・ポルトガル語・ミャンマー語での制作も行っています。海外展開を行うため、グローバルスタンダードなインストア動画を制作したい方におすすめの制作会社と言えるでしょう。
フラクタルは店頭プロモーション、グラフィックデザイン、販促物倉庫管理など幅広い事業を手掛けるセールスプロモーション会社です。
インストア動画を制作する際は、情報を欲していない人に呼び掛けるのではなく、情報を欲しい人に対して情報を欲しい場所・場面で適切に伝え、頭の中にビジュアル化させ、購買行動に直接結び付けることができるような内容とするよう心掛けています。
インストア動画を新たな価値が創造できるメディアとして捉え、ターゲット顧客の視線を常に意識した制作を続けているのです。
Mチームはプロモーション動画の製作やデザイン制作を手掛ける会社です。
動画もデザインも「もっと安く」「手間なく」作ろうをテーマに、あらゆる業種の企業から相談を受けているだけではなく、ホームページのトップ画面に表示されている明確化された料金形態も魅力の1つだと言えるでしょう。
また流行りのサブスクリプション方式を取り入れた「定額動画」は動画制作・編集が月額料金を支払うことで依頼し放題となるサービスなので、インストア動画を商品やサービス別に複数依頼したい場合も利用しやすいのです。ホームページ右上の「まずはご相談」ボタンから1クリックで問い合わせができるので、インストア動画を制作してみたい方は相談してみましょう。
インストア動画は店舗で商品やサービスをターゲット顧客向けにアピールするための動画全般を指しますが、内容説明だけではなく店内誘導からブランディングまでさまざまに活用できる便利な動画だとわかりました。
ターゲット顧客への店舗での接客を効率化し、より売上やエンゲージメントにつなげるためにも、この記事を参考にして自分の売りたい商品やサービスに合ったインストア動画を導入してみてください。
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