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インストリーム広告とは動画広告フォーマットの1つで、YouTubeなどの動画プラットフォームにおける動画再生画面内で流れる広告です。動画広告の中でも、バナー広告などと比較すると大画面で表示されることから映像や音、テキストをフル活用してターゲット顧客に自分の売りたい商品やサービスを効果的にアピールできるでしょう。
インストリーム広告は配信されるタイミングに応じて3種類に分類されます。
動画を再生する前のタイミングで流れる広告で、動画プラットフォームで流れる動画広告の8割がプレロール広告です。
動画の再生中の任意のタイミングで流れる広告で、多くの人は動画の続きが気になるため広告からの離脱率が低くなります。
また、インストリーム広告は動画広告表示後にターゲット顧客が視聴の継続・非継続を選択できるかどうかによっても2種類に分類できます。
5秒間待つと右下に「広告をスキップ」という表示が現われ、動画広告をスキップすることができるインストリーム広告です。尺の長さは秒数で15秒~30秒ほどが一般的ですが、1分程度の広告も増えてきています。
動画広告視聴中にスキップができないように設定されたインストリーム広告です。尺の長さは15秒~30秒ですが、30秒もスキップできない状態で動画広告をターゲット顧客に強制的に視聴させるのは逆効果となってしまう場合があるため、内容に工夫が必要だと言えるでしょう。
動画広告の分類でインストリーム広告と対になっているのがアウトストリーム広告ですが、この2つの違いはどのようなものなのでしょうか。
インストリーム広告が動画の「中」で展開される広告であるのに対し、アウトストリーム広告は動画の「外」で展開される広告を指します。具体的にはインストリーム広告が動画内に差し込まれる形式であるのに対し、アウトストリーム広告は動画とは別枠であるWebサイト・アプリ画面の広告枠・バナー枠・SNSのPR投稿枠などに表示される動画広告です。アウトストリーム広告を活用することで、動画を視聴するターゲット顧客以外にも広く自分の売りたい商品やサービスをアピールすることができるでしょう。
インストリーム広告を活用することで見込める効果にはどのようなものがあるのでしょうか。3つご紹介します。
インストリーム広告は動画再生画面全体を使って大きく表示されるので、ターゲット顧客に自分の売りたい商品やサービスを効果的にアピールできます。
この理由はなぜなのかを理解するため、動画が伝えることのできる情報量を数値化してみましょう。
これをインストリーム広告の尺の長さに置き換えて考えると、ターゲット顧客に最低5秒視聴してもらったとしてWebページ300ページ分、30秒視聴してもらったとしてWebページ1800ページ分の情報量を伝えることができるということです。ターゲット顧客の商品やサービスへの理解が深まれば、自然にクリック率やコンバージョン率のアップにもつながるでしょう。
インストリーム広告を配信できるYouTube、ニコニコ動画、Ustreamなどの動画配信プラットフォームでは、誰にどのような広告を配信するかを絞り込める機能(ターゲティング機能)がついています。ターゲット顧客の属性、趣味や嗜好、Webサイトの訪問履歴などかなり細かく設定することが可能なので、ニーズに合ったインストリーム広告を効率的に配信できるでしょう。
また、ターゲット顧客におもしろいと感じてもらえたインストリーム広告は、SNSなどで拡散される可能性もあります。このことから二次的な効果で、インストリーム広告にかけたコスト以上のパフォーマンスを発揮する場合もあるでしょう。
インストリーム広告では動画内にWebサイトへのリンクを貼ることが可能なため、WebサイトやLPへ効率的に誘導できます。
例えば、インストリーム広告を見て商品やサービスに興味を持ったターゲット顧客をWebサイトに誘導し、さらに詳細な情報提供を行うことや、購入意欲の高いターゲット顧客をLPに誘導することも可能だということです。
ターゲット顧客の心を惹きつける効果的なインストリーム広告を作成するには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。5つご紹介します。
インストリーム広告はスキッパブル広告の場合でも、最初の5秒間は配信された全てのターゲット顧客が目にします。そのため強制視聴であることを踏まえ、ターゲット顧客に商品やサービスへ関心を持ってもらうことを目的とした内容を冒頭の5秒に持ってくる必要があるのです。インパクトのある映像、ナレーション、BGM、テキストを使用するようにし、ブランドロゴも表示しましょう。また、続きが気になる要素を盛り込むことで、離脱を防ぐ効果もあります。
インストリーム広告はターゲティングができるため、どのようなターゲット顧客に対して配信するのかを明確にして作成する必要があります。
もし自分の売りたい商品やサービスのターゲット顧客像がまだ明確ではなかったり、担当者によってぶれがあったりする場合は一旦ペルソナを作成してみるのもよいでしょう。ペルソナとは自社の商品やサービスのたった一人の理想的なターゲット顧客を指し、実在するターゲット顧客や見込み客の定量的・定性的データから顔写真なども含めて作成されるため、非常にリアルな人物像となります。ペルソナを作成することからターゲット顧客目線でインストリーム広告の企画ができたり、複数の担当者間でターゲット顧客像が共有しやすくなったりするのです。ターゲット顧客の満足度の高いインストリーム広告とするためにも、ターゲット設定は明確にしましょう。
インストリーム広告を作成する際はコンセプト設定を明確にしましょう。ターゲット顧客に、自分の売りたい商品やサービスについてより理解を深めてもらうためには何を伝える必要があるのかを考えると、コンセプトを立てやすいのではないでしょうか。コンセプトを立てる際はたくさんの情報を盛り込み過ぎないよう、内容を絞り込みターゲット顧客にとってわかりやすくするのがコツです。
インストリーム広告を作成する時は、短い時間でもターゲット顧客の印象に残るシナリオを作成するのがよいでしょう。ストーリーに意外性を持たせるよう意識したり、ユーモアを織り交ぜたりすることでターゲット顧客の興味を惹くことができます。ロゴのデザインやイメージキャラクターがあればそれを動画内のポイントとなる場所に挟み込むことで、ブランディング効果も高まるでしょう。
インストリーム広告を視聴することで商品やサービスに興味を持ったターゲット顧客が、次にどのようなアクションを起こせばよいのかは明確に伝えましょう。動画広告内からWebサイトやLPへスムーズに遷移できるよう、導線を考えておくということです。ターゲット顧客の購買意欲をどれだけインストリーム広告で高めたとしても、ターゲット顧客にとって購買行動を起こしにくい導線であればコンバージョンにはつながりにくいでしょう。
ユーザービリティを意識したインストリーム広告にすることが大切です。
インストリーム広告を作成する際の注意点を3つご紹介します。
インストリーム広告においては、たとえスキッパブル広告の場合でも、最初の5秒間は配信された全てのターゲット顧客が目にするため、関心を持ってもらう内容とするのが大切だとお伝えしました。
しかし同時に、不快感を持たれない内容とすることも重要です。前提として、ターゲット顧客は自分が検索をかけてまで見たい動画があるため、早く動画本編を視聴したいという気持ちで画面の前にいます。例えばプレロール広告の場合、見方を変えるとターゲット顧客は5秒間表示された広告を眺めて本編を視聴するのを我慢しなければならない状況に置かれているとも言えるのです。このような時に不快感を持つようなインストリーム広告が表示されたのでは、その商品やサービスに対する印象は良くなりようがありません。
ビジネスでは3対33の法則というものがあり、「サービスや物などに満足した人は3人にその話を広め、不満に感じた人は33人にその話を広める」と定義づけられています。せっかく作成したインストリーム広告について良くない印象を拡散されないようにするためにも、ターゲット顧客には不快感を持たれないよう気をつけましょう。
インストリーム広告は、各動画プラットフォームのポリシーに準じているかどうかの審査を通過する必要があります。そのため作成したからといって、すぐに配信することはできないのです。
例えばYouTube広告の審査は1営業日ですが、内容によってはもう少し時間がかかるとされています。配信したい日付が決まっている場合、インストリーム広告は余裕を持って作成するようにしましょう。
※参考: 広告の審査について – Google 広告 ヘルプ
冒頭の5秒でターゲット顧客の興味・関心を惹くことや、売りたい商品やサービスを効果的に映像・ナレーション・テキストを用いて表現することは、動画広告の作成においてなかなか難易度が高いと言えます。そのため、社内のリソースでは費用対効果のバランスを取りながら制作するのが難しいと感じたら、外部の専門業者に委託することも考えてみましょう。
インストリーム広告の課金方法は2種類あります。
CPVとはCost Per Viewの頭文字を取った言葉で、ターゲット顧客がインストリーム広告を最後まで、もしくは所定の秒数以上視聴した場合に課金される形態です。CPV課金はインストリーム広告においては、スキッパブル広告で適用されます。
単価は広告費÷再生数で計算できます。
CPMとはCost Per Milleの頭文字を取った言葉で、ターゲット顧客に対してインストリーム広告が1000回表示された時に課金される形態です。CPM課金はインプレッション課金とも呼ばれ、インストリーム広告においてはノンスキッパブル広告で適用されます。
単価は広告費÷表示回数×1000で計算できます。
一般的な課金方法はCPV課金ですが、いずれの課金方法においても設定した予算内でインストリーム広告を配信することが可能なので、自分の売りたい商品やサービスについて費用対効果が高い課金方法はどちらなのかを最初は試しながら配信するのがよいでしょう。まずは少額の予算からインストリーム広告を配信してみて、適する課金方法がわかったら予算を徐々に増加させていくことをおすすめします。
インストリーム広告は動画広告の配信フォーマットの1つで、ターゲティングを適切に行いながら動画を用いて効果的に自分の売りたい商品やサービスをアピールできるため、費用対効果の高い広告手法だとわかりました。インストリーム広告は商品認知度を高めるだけではなくWebサイトやLPへの誘導も行えるため、すぐに購買行動を起こしたいターゲット顧客へのニーズも満たすことができます。
インストリーム広告は今や多くの人に認知され、一般化しつつある広告媒体へと進化しました。この記事も参考にしながら、ぜひ積極的にインストリーム広告を活用してみてください。
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