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Cookieとは、サイトを閲覧した際、ブラウザに一時的に保存されるユーザーデータのことです。Cookieの中には、ログインデータや閲覧回数などが記録されていて、これを利用することで閲覧者にとって便利な機能などを提供できるようになっています。
CookieはWebサイトにおける会員証のようなもので、
という仕組みで成り立っています。
Cookieを利用することでWebサイトはより便利に活用していくことができます。たとえばCookieは以下のような場面で用いられています。
このように、ユーザーに対して気の利いた機能を提供できるのはCookieのおかげなのです。
Cookieを利用するための、ユーザー側からの特別な手続きは不要です。会員登録が必要な機能は「ユーザーにメールアドレスなどを入力してもらい、確認メールから認証をして……」といった手続きが必要ですが、Cookieはそれが不要です。だからユーザーに会員登録をさせずとも、こうした便利機能が提供できるという点で、とても優れていて便利なのですね。
便利なCookieですが、利用することのメリットとデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
前述の内容通りですが、Cookieを利用することでUXの向上に一役も二役も買ってくれます。
こんなユーザーの声に答えてくれるのがCookieです。こうした機能を充実化させておくことで、サービス提供者側から見れば、最終的なコンバージョンに繋がることも十分に考えられます。ユーザー側にもサービス提供者側にもメリットがありますね。
アクセス解析とは、サイト閲覧者の動きを把握することです。いつ、誰が、どのページを見て、どのページを最後にサイトを見るのをやめていったのか、といったことを把握していきます。そのためにCookieを利用するのです。
といったことをCookieに記録し、解析データとして利用しているのです。
GoogleアナリティクスでもCookieを利用したアクセス解析が行われています。より良いサービスを提供していくためにも、アクセス解析が必要です。より良いサービスが展開されていけば、ユーザーにはそれだけでメリットがありますよね。Cookieのアクセス解析への利用は、ユーザーにもマーケターにも、双方メリットがあるのです。
Cookieは「サードパーティCookie」という種類のものがあります。この「サードパーティCookie」は、ユーザーが特定のWebサイトを閲覧した時に発行されるものではなく、直接のやりとりのない第三者が発行するものです。
サードパーティCookieは、別のドメインに対してもユーザーの行動を記録することができます。このユーザーはどんなものに興味があるのか、そこからどのような年齢層、性別の人物だと推測できるか……といったデータが蓄積されていくのです。それを利用して、このサードパーティCookieはターゲティング広告に活用されています。ユーザーが興味を持ちやすいジャンルの広告を表示することで、ユーザーは興味を惹かれ、提供者は成果に繋がりやすくなります。
しかし近年では、サードパーティCookieはプライバシーの観点から問題視されつつあり、ブラウザの設定やアプリを使うことでブロックできるようにもなっています。
Cookieには有効期限があります。 そのためCookieが有効期限切れとなると、ログアウトされていたり、ショッピングカートの中身がリセットされていたり、といったことが起こります。
セキュリティの観点から見ると、いつまでもログイン状態であったり、どんな商品を見ていたのかが分かるというのは問題でもあるため、必要な措置とも言えますね。
「有効期限切れとなるとデータを取り出せない」といった面があり万能ではないため、Cookieで利用できる機能は、会員登録機能などと併用されて補われるのが一般的です。ユーザーに特別な作業をさせずに様々な便利機能を提供できるのがCookieの魅力ですが、その分いつまでも同じデータを利用できるわけではなく、いつか使えなくなるというデメリットがあります。
これは格安のスマートフォンなどを利用している人には十分起こり得る問題です。
Cookieは閲覧したWebサイトごとにテキストデータを保持していく仕組みで、ひとつひとつのCookieデータは、写真や動画、音楽のような、記憶媒体を大きく使用するようなものではありません。しかしこの小さなCookieデータが「閲覧した全てのサイトの数」だけ蓄積されていくと、無視できないような容量になってしまうことがあります。これは定期的にCookieを削除することで改善できることですが、機械に疎い人がこの問題に直面すると、すぐに解決できないかもしれません。
Cookieは、ただネットサーフィンを楽しんでいるだけでも、ローカルストレージを圧迫し続けます。これはCookieを利用するデメリットと言えますね。
近年では公共施設でもネット利用ができるパソコンなどが貸し出しされるようになっています。学校、市区町村の図書館、インターネットカフェなど、様々な場所で大勢の人が利用できるインターネット端末がありますよね。そういった共用端末でWebサイトを閲覧し、Cookieを利用してしまうと、個人情報が漏れてしまう危険性があるのです。
たとえばAさんが共用端末でショッピングサイトなどにログインし、ログアウトせず帰宅してしまったとしましょう。Cookieにログイン情報が保存されているため、後で同じ端末を使ったBさんがショッピングサイトにアクセスしたとき、Aさんがログインしたままになっています。Bさんが良心的な人なら良いのですが、もしこの状況を悪用するような人物であれば、住所や連絡先が知られてしまい、トラブルに巻き込まれる可能性があるのです。またショッピングサイトにクレジットカード情報を登録していた場合、支払いはAさんのカードから行われて、商品だけはBさんの元に届いているなんて不正利用が起こるかもしれません。
共用のパソコンなどからCookieを利用したWebサイトを楽しむと、このような危険性があります。しっかりと対策されているインターネットカフェや公共機関であれば貸し出しが終わった時点でCookieも削除されていて心配ない場合があるのですが、対策するに越したことはありません。後述する「Cookieを削除する」方法で対応できるため、参考になさってください。
Cookieは基本的に「個人を特定できるものではない」のですが、悪用することで「個人を特定できるもの」にたどり着くという危険性は十分考えられます。
デメリットでもお伝えした通り、複数の人で使う端末でCookieを利用するWebサービスを使い、何も対策を取らないと、そこから個人情報やログイン情報などが流出してしまいます。ここから不正ログインが行われて個人情報が特定されてしまうなど、実際の被害に及ぶ可能性があるのです。
家族間などであれば物質的被害はないかもしれませんが、もし学校やインターネットカフェなどの共用パソコンなどで何か作業をする場合はとても危険です。共用の端末を使ってログインしたり、ネット銀行の操作を行ったりした場合には特に注意してCookieの削除を行っていきましょう。
また、EUでは「GDPR」というCookieやIPアドレスに関する法律が施行されています。GDPRでは、日本では個人情報としては位置付けられていないCookieも、個人情報として扱われるのです。この流れは、いずれ日本にもやってくるでしょう。
Cookieを有効/無効化したり、削除したりすることで、より便利で安全に利用することができます。今回はパソコン版Google ChromeとiPhone版のSafariで、Cookieの有効/無効化、削除の方法をご紹介いたします。
Cookieはブラウザにユーザーデータを保存しておく仕組みのことで、「Webサイトに会員証を見せることで便利な機能を使えるようになる」というような役割を持っています。ユーザー体験の向上に利用でき、マーケティングにも活用できるCookieは、Webサイト運営者側から見てもユーザー側から見ても、双方メリットがあり、とても便利です。
しかし一方でCookieについて何も知らないでいると、共用端末から大切な情報がダダ漏れになっていたり、原因不明の保存領域不足に陥ってしまう可能性があります。EUでは既にCookieは個人情報として扱われていて、GDPRという法律によって規制されています。具体的な時期などは分かりませんが、日本でも同じような流れになっていくのが当然と言えるかもしれません。
便利なCookieを安全に使うため、Cookieを削除する、お試し程度に閲覧するサイトのCookieは無効化してしまうなど、各自対策を取りましょう。マーケターや開発者であれば、Cookieは個人情報に準ずるものとして、適切に扱っていきましょう。
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