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プロジェクションマッピングとは、主にパソコンで作成した映像を、建物や物体、樹木や空間にプロジェクターを使用して映像を投影する技術です。
プロジェクションマッピングは、基本的に映画館のようなフラットスクリーンに投影するものではありません。凹凸がある立体物の壁面などに投影するため、作成段階で投影する対象物との兼ね合いや明るさの調整など細かい部分の計算が重要になります。
しかし、しっかりと計算され作成したプロジェクションマッピングは、映像そのものが視覚効果をもたらします。その結果、投影している映像が実際に動いているように見えるため、鑑賞している人々を魅了することができるのです。
また、プロジェクションマッピングは映像と同時に音楽も流れます。映像だけでなく、その場の臨場感や躍動感を表現するためにも音楽は重要なポイントと言えるでしょう。作り手のアイディア次第で、可能性は無限大のプロジェクションマッピング。近年ではプロジェクションマッピングを活用している企業やイベントが続々と増えています。
星が輝く澄んだ空の冬も💫
お花畑が色とりどりの春も🌷
晴れた夜に満月が煌めく夏も🌕
姿を変えながら雲が流れゆく秋も☁️この場所から観る東京ディズニーランドの
プロジェクションマッピングは特別でした。 pic.twitter.com/oCZIsLVk2w— ⋆⸜ remi ⸝⋆ (@mic__photo) May 7, 2020
東京ディズニーランドでは、シンデレラ城をスクリーンに見立てプロジェクションマッピングを行っています。
\明日開催/
花火をイメージした約8分間のプロジェクションマッピング「ペンギン花火」を、7月11日(土)に開催します🎆✨“来年は再び花火が楽しむことができますように”という願いを込めて、本年の隅田川花火大会の開催予定日に実施いたします。#すみだ水族館#みんなで隅田川花火大会
— すみだ水族館【公式】 (@Sumida_Aquarium) July 10, 2020
水族館でもプロジェクションマッピングは活用されています。東京都墨田区にあるすみだ水族館では、ペンギンプールを使用したプロジェクションマッピング“ペンギン花火”を開催しました。
過去には、東京駅の丸の内駅舎をスクリーンにしてプロジェクションマッピングを行った事例もあります。想定していた数をはるかに超えた観客数が集まったため、開催2日目の途中で急遽中止になる事態になりました。さまざまな企業がプロジェクションマッピングを活用する現在ですが、活用するメリットにはどんなことがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
企業がプロジェクションマッピングを導入するメリットは以下の3つ。
順番に見ていきましょう。
立体的な建物や空間に映像を投影できるため、映画館のようなフラットスクリーンよりも大きなインパクトを与えることが可能。観客の印象に残りやすく、PRには最適な活用方法です。
まったく同じ映像が無いように、建物や空間にも同じものは存在しません。そのため、建物自体の特性や空間の使い方によっては表現方法の幅は格段に広がります。
たとえば、2014年に大阪城天守閣を使用したプロジェクションマッピングでは、400年前に行われたという『大坂冬の陣』を見事に再現。建物の特性を活かしたオリジナルティの高い表現は、企業のPRにおいて他社との差別化を可能にしました。
プロジェクションマッピングは話題のイベントや映画、ゲームなどとコラボレーションすることが多いです。そのため、そのときの流行と組み合わさることでSNSでのPR効果が期待されます。
とくに、大きなインパクトを与えられるプロジェクションマッピングにおいては、TwitterやInstagramなどに投稿されるだけで瞬く間にシェアされ、認知度は急上昇するでしょう。
数年前までは、現在のようにSNSもそこまで発達しておらず、PRはマスメディアの紹介に頼る部分が大半でした。しかし、今ではSNSの拡散力により、企業の宣伝力は格段に広がりました。今の時代、SNSでのPRは企業にとってなくてはならないものになっています。
ここまでの解説で、プロジェクションマッピングの活用が企業のPRに最適だということが理解していただけたと思います。しかし、プロジェクションマッピングを活用する場合にはいくつか注意点があります。
順番に解説していきます。
なんでもかんでもプロジェクションマッピングを活用すればいいわけではありません。PRしたいサービスや商品と、投影する建物や空間の世界観がうまくフィットしている必要があります。PRしたいサービスや商品が決定したら、事前準備としてプロジェクションマッピングで投影する建物や空間の特性を調べ理解しておくことが大切です。建物の大きさや雰囲気など事前に理解しておくことで、映像を作成するうえで役立つこと間違いありません。
また、投影する場所の夜の雰囲気を確認することも忘れてはいけません。プロジェクションマッピングは、夜に行うことが多いため、建物周辺の灯りや騒音など影響を考えなければいけないのです。ステキな映像ができあがっても、実際に投影してみたら周辺の影響でまったくうまくいかなかったとならないために、事前準備はしっかりしておきましょう。
規模が大きくなればなるほど、注目度も上がるプロジェクションマッピング。まだ珍しさもあるため、鑑賞している方々には強烈なインパクトを残せます。しかし、伝えたい内容があやふやだと、期待していた効果は得られない可能性が高いでしょう。
そもそも、プロジェクションマッピングを活用して何をPRしたいのか。鑑賞している方々にどのような行動をしてほしいのか。伝えたい内容を明確にすることは、プロジェクションマッピングを活用するうえでとても大切です。迫力のある映像、音楽も合わさってステキなものを披露できて満足することがゴールであればそれはそれで良いですが、そうでない場合が多いのではないでしょうか。伝えたい内容が明確で、なおかつステキな映像を作成することがポイントです。
プロジェクションマッピングを活用することにおいて、効果を最大限発揮させたい場合、PRしたいサービスや商品のターゲットとなる人が多く集まる場所で行うことが重要です。
PRしたいサービスや商品は、どの年齢層に向けたものなのか。その年齢層が多く集まる場所はどこなのか。ターゲットを明確にすることも、プロジェクションマッピングをうまく活用するために大切です。
屋内で行われるプロジェクションマッピングに関しては、法令や条例はさほど問題はありません。しかし、屋外で行われるプロジェクションマッピングの場合は、法令や条例を事前に確認する必要があります。
プロジェクションマッピングに共通する法令として、『屋外広告物法』というものがあります。法令によると、以下の4つの要件を全て満たすものは規制の対象となります。
プロジェクションマッピングを行う場合は、事前に各地域の相談窓口に確認しておきましょう。また、プロジェクションマッピングには多くの観客が集まることが予想されます。イベントの大きさによっては、周辺道路の交通規制などが必要になる場合があります。そのため、各都道府県の警察署に相談することも忘れずに行いましょう。
プロジェクションマッピングはさまざまなシーンで活用されています。各種イベントや音楽ライブ、展示会や地域活性など活用されるジャンルは年々広がっています。
最近では、屋外でのプロジェクションマッピング以外にも、屋内で行うプロジェクションマッピングにも注目が集まっています。ここでは2つをご紹介します。
どのように活用されているのか、順番に見ていきましょう。
物販店にとって、プロジェクションマッピングの活用はPRに最適です。新発売の商品や人気商品などを店内で流すことは、お客様に対して立派なPRになります。
また、店舗のロゴを店内に映すのも効果的でしょう。映像を投影しているため、実物のロゴは不要になります。そのうえ、デザインや大きさは自由に変更することが可能となり、各店舗の雰囲気や規模に合わせて柔軟に対応することもできます。
結婚式でもプロジェクションマッピングを活用する方が増えてきました。チャペルの凹凸に合わせて映像を投影するプロジェクションマッピングや、新郎新婦入場の際に、披露宴会場をプロジェクションマッピングで彩るサービスです。また、各円卓に映し出されるプロジェクションマッピングや、360度に映し出されるエンドロールのサービスなども人気となっています。
それでは、実際にプロジェクションマッピングの活用事例をご紹介します。
2012年9月22日、23日に東京駅丸の内駅舎を使用して行われたプロジェクションマッピング。東京駅に投影するということもあり、電車やつり革、Suicaを使用した映像が多く登場します。また、音楽も『線路は続くよどこまでも』などが使用されており、東京駅とうまく調和するような作りになっています。
プロジェクションマッピングならぬ『風呂ジェクション富山ッピング』。映像を投影する空間は銭湯全体、従来の銭湯のイメージを180度変えてしまうほどのプロジェクションマッピングです。近未来を想像させる映像からスタートし、富山県を代表するものを数多く取り入れている構成となっています。また、公開日にもこだわり、語呂合わせで11月26日(いい風呂の日)に公開したことも当時話題となりました。
Le Petit Chefは、ドイツの制作チーム『Skullmapping』の作品です。小さなシェフが料理を作るストーリーがお皿に投影されるプロジェクションマッピング。今回は、Le Petit Chefなかから3つの作品をご紹介します。
1つ目にご紹介するのは『Bouillabaisse』編。テーブル全体を海に見立て、小さなシェフがお皿に上陸するところからストーリーは始まります。海の幸を集めながら、お皿の上で調理していく過程を存分に楽しめる映像となっています。
2つ目にご紹介するのは『Lobster』編。こちらの作品もテーブル全体を海と見立ており、小さなシェフは潜水艦に乗って登場します。お皿の上や水中でのロブスターと格闘するシーンは、とても見応えがある映像です。
最期にご紹介するのは『Dessert』編。テーブルを雪山に見立て、小さなシェフがスキーをしながら材料や道具を乗せたソリを引いて登場します。雪を転がし、大きくなったらお皿に投げ入れます。すると、たちまち本物のデザートに!そこから、ベリーを入れ、チョコレートソースをかけ、ホイップクリームを噴射させて完成させます。
ご紹介した3つのプロジェクションマッピングでは、映像と同時進行でリアル料理が作られ出てくるというサービスになっています。注文してからの待ち時間を楽しめるような工夫が施されているのです。
プロジェクションマッピングと聞くと、たいていは大きな建物や空間に投影された映像と思われがちです。しかし、投影する範囲が限りなく小さくとも、お客様に対してダイレクトに行うプロジェクションマッピングも立派なPR方法でしょう。
プロジェクションマッピングについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。投影するものを基本的に選ばないため、自由度が高く、アイディア次第ではオリジナリティ溢れるPRが可能となるプロジェクションマッピング。サービスや商品のPRはもちろん、企業のPRにも最適です。この機会にぜひ制作を検討してみてはいかがでしょうか。
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