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【簡単解説】バーチャルYouTuber(VTuber)を分かりやすく解説

最近、動画配信だけではなく、CMやテレビなどさまざまな場で
バーチャルYouTuberが活躍しているのは知っているけれど、
そもそもどのような存在なのかよく知らないという人も多いのではないでしょうか。
この記事では、バーチャルYouTuberの概要や人気を得た理由だけでなく
バーチャルYouTuberを支える技術の進歩まで、詳しく解説します。

バーチャルYouTuber(VTuber)とは?

バーチャル映像

バーチャルYouTuberとは、2DCGや3DCGで描かれたアバターを用いて動画投稿・ライブ配信を行うYouTube配信者の総称です。2016年12月に活動を開始したキズナアイさんが、YouTubeで活動をする際に自称していた肩書でもあります。

バーチャルYouTuberの主な活動内容

バーチャルYouTuberの主な活動内容は次の通りです。

  • YouTubeでの動画投稿、生配信
  • ゲーム実況
  • 歌ってみた
  • 踊ってみた
  • VRライブ
  • CM出演
  • テレビ出演

バーチャルYouTuber四天王

キズナアイさんを始め、輝夜月さんミライアカリさんバーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさんねこますさん)、電脳少女シロさんは、この時期にバーチャルYouTuber人気を底上げした功労者として「バーチャルYouTuber四天王」と呼ばれています。

バーチャルYouTuberは今後も増える見込み

2020~2021年には、新型コロナウィルスの影響でバーチャルYouTuber関連のイベントやライブについて中止を余儀なくされたものもありますが、その反面、バーチャルYouTuber事務所の海外進出が進んでおり、今後ますます人気が広まるものと予想されます。

2017~2018年ごろに、バーチャルYouTuber事務所である「ホロライブ」やバーチャルライバーグループである「にじさんじ」などが活動開始したのを皮切りに、バーチャルYouTuberの数はこれまでの10倍ほどにまで増加しました。

「バーチャルYouTuberランキング」を運営する株式会社ユーザーローカルが2021年に発表したプレスリリースによると、2021年10月19日時点でのバーチャルYouTuber数は16,000人であることがわかっています。2018年3月19日で1,000人だったのに対し、3年7ヶ月で16倍にも増えていることになります。このことから、現在ではさらに多くのバーチャルYouTuberが存在していると予想されます。

今後も人気の高まりや技術の進歩とともに、バーチャルYouTuberの活動の場も広がっていくのではないでしょうか。

バーチャルYouTuber(VTuber)が人気沸騰した理由

スマートフォンを持っている3人

バーチャルYouTuberの人気が高まったのには、どのような理由が考えられるのでしょうか。3つご紹介します。

YouTubeの視聴時間が増えている

Googleが2020年12月に開催したオンラインイベント「Brandcast」で、日本における2020年9月のYouTube月間利用者数は6,500万人を超えたと発表しました。また、新型コロナウィルスの影響を受け、動画サービス利用者全体の中で視聴時間が増えた人は74%という結果でした。

YouTubeや動画サービスの利用者数、並びに視聴時間が増加していることと相まって、それらの媒体で配信するバーチャルYouTuberも注目されやすくなったと言えるでしょう。

参照元:Think with Google「月間 6,500 万ユーザーを超えた YouTube、2020 年の国内利用実態─テレビでの利用も 2 倍に」

目新しさ

バーチャルYouTuberが登場し始めた2016年においては、2DCGのキャラクターがリアルタイムで話し身体の動きも表現できるというのは、YouTubeの視聴者にとって目新しさを感じさせるものでした。

心理学用語で「スノッブ効果」というものがあります。これは、他と差別化したい、個性的なものを求める心理です。この心理が働き、目新しく個性的なものとしてバーチャルYouTuberが支持されました。また、一定数に人気が出始めると、ある選択肢が多数の人に支持されることでさらに選ばれやすくなる心理現象の「バンドワゴン効果」が働きやすくなります。それにより、現在のように多くの人がバーチャルYouTuberを支持する結果へとつながっていったのではないでしょうか。

配信プラットフォームの増加

キズナアイさんが活動を開始した2016年ごろの動画配信プラットフォームというと、YouTubeやニコニコ動画が知られていましたが、ライブ配信専用のプラットフォームはまだ一般的ではありませんでした。2007年にニコニコ生放送、2010年にツイキャス、2011年にYouTubeライブといったライブ配信専用のプラットフォームはリリースされていましたが、まだニコニコ生放送をする人を「生主」という呼び方をしていたように、一部の人が楽しむ媒体としての位置づけだったのです。

しかし、2017年に17LIVE株式会社が設立され、2018年にSHOWROOMでバーチャルSHOWROOMERの東雲めぐ(しののめ めぐ)さんが活動を開始したあたりから、ライブ配信専用プラットフォームの人気は高まりを見せます。そして現在では、バーチャルYouTuberの活動の場としてライブ配信専用のプラットフォームは一般化し、定着しています。

このような配信プラットフォームの多様化と一般化は、バーチャルYouTuberの幅広い活動を後押しし、人気を高めるのにも一役買っていると言えるのではないでしょうか。

大人気のバーチャルYouTuber(VTuber)5選

グラフとビジネスマン

バーチャルYouTuberの人気の秘密についてご理解いただいたところで、人気のバーチャルYouTuberを5人ご紹介します。

キズナアイ

キズナアイさんは、2016年6月30日に活動を開始したバーチャルYouTuberです。メインの活動の場だったYouTubeのA.I.channelは、2022年3月現在でチャンネル登録者数309万人に、ゲーム実況を含むサブチャンネルとしての位置づけだったA.I.Gamesはチャンネル登録者数151万人と高い人気を誇りましたが、2022年2月26日のオンラインライブイベントを最後に活動休止(スリープ)状態となっています。

キズナアイさんは活動目的として「75億人のみんなとつながる」ことを掲げ、ピンクと白を基調とした外見の美少女になったことについては「みんなに愛されるものらしい」データの蓄積であったことを明かしています。このような細かな人物設定に加え、DE DE MOUSEさん、☆Taku Takahashiさん、TeddyLoidさん、Yunomiさん、中田ヤスタカさん、W&Wさんといった一流のミュージシャンから曲の提供を受け、自ら作詞をした音楽活動など、質の高いコンテンツ作りがキズナアイさんの人気を高める結果につながったと言えるでしょう。

キズナアイさんが残した作品の中に「ハロハワユ – キズナアイ【歌ってみた】」という動画があります。限りある人生を生きる人間がその時間を充実させることができずに悩むという歌詞を、時間の流れとは関係ない存在のキズナアイさんが歌い上げること自体に矛盾を感じる人もいるかもしれませんが、だからこそ励まされるところもあるのではないでしょうか。また、心を打たれたというコメントも多く、キズナアイさんに対してファンがどのような感情を抱いていたのかを想起させます。

バーチャルYouTuberについて知りたい人は、まずキズナアイさんの動画を見てみてください。

バーチャルおばあちゃん

バーチャルおばあちゃんは、2018年より活動を開始したバーチャルYouTuberです。ゲーム実況、三味線ライブ、3分でわかるシリーズなど配信内容は多岐に渡り、含蓄のあるトーク内容はもちろんのこと、所々に散りばめられるブラックジョークも人気の秘密だと言えるでしょう。

頻繁に「バーチャルおばあちゃんだよ」と自己紹介を挟むため視聴者の印象に残り、ほかの人を「ヘルパーさん」と呼ぶなど、時にはおばあちゃんらしい行動を見せるのも特徴的です。

まったりとしたライブ配信を楽しみたいなら「スナックVB」、バーチャルおばあちゃんの短時間の動画を見てみたいなら「3分でわかるVBシリーズ」など、好みに合わせて内容を選ぶこともできるので、バーチャルおばあちゃんの軽妙なトークに興味のある人は、ぜひ一度チャンネルをのぞいてみましょう。

大蔦エル

大蔦エルさんは、中京テレビにアナウンサーとして採用され、2018年9月より活動を開始した中京テレビアナウンス部所属のバーチャルYouTuberです。中京テレビの番組に出演するのはもちろんのこと、毎週水曜日はYouTubeにて「水曜夜に伝えたい大蔦さん」の生配信、また入社時には中京テレビアナウンサーとしての新人研修を受ける様子も動画で配信するなど、幅広く活動しています。

また、愛知県のご当地バーチャルYouTuberとしても活動していて、2020年9月30日には名古屋市より名古屋観光文化交流特命大使に任命され、福島県のせんのいのりさん、福岡県の舞鶴よかとさん、沖縄県の根間ういさんとご当地バーチャルYouTuberユニット「日本烈島」を結成し、そのリーダーとしても活躍しているのです。

「伝える! 伝わる! 大蔦エルです!!」の声から元気をもらいたい人は、ぜひ大蔦エルさんの「ツタエルチャンネル」をチェックしてみてください。

ガッチマンV

ガッチマンさんは、もともとメインチャンネルである「あまり驚かないガッチマンはホラーゲームばかりやっている」でホラーゲーム実況を主として活動していたのですが、ガッチマンさんのアバターが活躍するチャンネルとして「ガッチマンV」を立ち上げました。「ガッチマンV」のチャンネルホーム画面には、オリジナル曲「ガッチマンV」の特撮風プロモーションビデオがトップに表示されています。「魔法戦隊マジレンジャー」のオープニングテーマの歌手であり、作曲を手掛けた岩崎貴文さんがこのオリジナル曲「ガッチマンV」の作詞・作曲を手がけており、すぐにその世界観に引き込まれることでしょう。

「ガッチマンV」ではホラーゲーム実況の生配信、他のゲーム実況者とのコラボ動画など、メインチャンネルではできないことをサブチャンネルらしく楽しみながら行っています。また、シティーハンターのエンディングテーマ「Get Wild」のカバーでは、バーチャルYouTuberであることを最大限活用し、主人公である冴羽獠の姿をそのままガッチマンさんのアバターに置き換えた作りが秀逸です。

ホラーゲームが好きな人はもちろんのこと、いわゆる「氷河期世代」の人にも刺さる内容が多いのでぜひ一度動画を視聴してみてください。

バーチャルゴリラ

バーチャルゴリラさんは、2018年1月より活動を開始したバーチャルYouTuberです。更新頻度はそれほど高くないのですが、とにかく歌がうまく、アップテンポからバラード、カラオケでも難易度が高いとされる曲を歌いこなしてしまうのに驚かされます。バーチャルゴリラさんの声の特徴として、低音は下に向かって響き、高音は後ろに響くため歌に立体感があり、1曲1曲がとても心地よく聴こえるのです。

また、さまざまなバーチャルYouTuberとコラボをして歌っているのですが、バーチャルゴリラさんの太めで温かい声がほかの人の声を下から支えるため、誰とコラボしても馴染んで聴こえるのが魅力的と言えるでしょう。

歌が好きな人は、ぜひバーチャルゴリラさんの歌声を聴いてみてください。

バーチャルYouTuber(VTuber)を支える技術の進歩

バーチャル

バーチャルYouTuberの活動のために必要な技術はどのようなものがあるのでしょうか。2つご紹介します。

モーションキャプチャ

モーションキャプチャとは、動きのある物体の位置と動きを記録し、それをデジタルデータ化する技術のことです。ゲームの開発においては1990年代から使用されている技術でしたが、バーチャルYouTuberにおいてはモーションキャプチャの技術を利用することで、ライブ配信におけるリアルタイムでのリアクションや視聴者とのコミュニケーションが可能となるのです。

近年ではカメラ1台でモーションキャプチャができるシステムや、スマホの動画からモーションキャプチャを行えるアプリなども開発されてきているため、バーチャルYouTuberになるための敷居はどんどん下がっています。今後もその傾向は続くでしょう。

2Dモデルと3Dモデル

現行のバーチャルYouTuberにおいては、2Dモデルと3Dモデルの両方が使用されています。

それぞれの特徴やメリットを表にまとめてみました。

モデルの種類 特徴 メリット
2Dモデル 3Dモデルと比較すると簡単に作成できる/高スペックなPCでなくても動かせる/Live2D対応のイラストが必要/全身を動かすのは難しい 外注する場合、制作可能なクリエイターが多く選択肢が多い/自作するのもそれほど難しくない/3Dモデルと比較すると作成費用が安く済む
3Dモデル 立体なので動かせる範囲が広い/VR機器を使用すると全身が動かせる/高スペックなPCを必要とする 動きに立体感が出る/バーチャルYouTuberとしての活動の幅が広くなる

人気の高いバーチャルYouTuberは、2Dモデルと3Dモデルの両方を使用している場合が多いです。

誰でもなれるバーチャルYouTuber(VTuber)

撮影や配信の機器

近年では誰でもバーチャルYouTuberになれるといわれますが、なぜなのでしょうか。

考えられる理由は次の通りです。

  • バーチャルYouTuberのアバターを簡単に作れるシステムやアプリが多数開発された
  • バーチャルYouTuberの認知度が高まっている
  • 企業や地方自治体などもバーチャルYouTuberの運営をするようになり、仕事として成り立つ存在となった

初期費用をあまりかけずに手軽にアバターを作ることができる環境が整ったことと、日本や海外でもバーチャルYouTuberという存在が広く認識されてきているため、バーチャルYouTuberになることへの敷居は現在ではあまり高くないと言えるでしょう。

まとめ

スマートホンを見ている男女

バーチャルYouTuberとは2DCGや3DCGで描かれたアバターを用いて動画投稿・ライブ配信を行うYouTube配信者の総称で、近年認知度と共に人気も高まっていることがわかりました。

この記事を参考にして、ぜひバーチャルYouTuberへの理解を深めてみてください。

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