動画制作・編集

短納期の動画制作を依頼する方法

パソコンで編集をしている女性
動画制作を依頼したいと考えているけれど
あまりにも短い納期を提示すると断られてしまうのではないかと心配で
外注しにくいと悩んでいる人はいませんか?
この記事では、動画制作を短納期で依頼する方法について詳しく解説します。

動画制作の流れと一般的な制作期間

LONG TERMとSHORT TERMと書かれたボール

動画制作を短納期で依頼する前にまず知っておきたいのは、一般的な動画制作の流れとその制作期間です。

近年、動画は活用の幅が広くなってきているため、どのような動画でも必ず同じ流れで制作されるというわけではありませんが、それでも平均的な段取りとそれにかかる一般的な制作期間というのは存在します。動画制作を依頼するところから、通常の納期で納品するまでの流れ・その概要・かかる時間の目安を見ていきましょう。

1.問い合わせ(1週間)

動画制作を依頼したい先にインターネットや電話で連絡し、問い合わせをする段階です。

動画制作を依頼できる先は主に3つあるため、それぞれのメリットとデメリットを表にまとめてみました。

動画制作の依頼先 メリット デメリット
個人(フリーランス) ・動画制作会社や広告代理店に依頼するより費用を抑えられる・細かな融通を効かせやすい・動画制作の1工程だけを切り取って依頼できる ・納期やクオリティなどの保証がない・信頼できる依頼先を探しにくい・トラブルが起こった場合に解決しにくい
動画制作会社 ・動画制作のすべての工程を依頼できる・動画制作を専門に行っているため幅広いニーズに対応できる ・フリーランスと比較すると融通が利きにくい・会社ごとに制作が得意なジャンルと不得意なジャンルがある
広告代理店 ・動画制作のすべての工程を依頼できる・動画を使った広告戦略の立案をしてもらえる・コンプライアンスやセキュリティに対する意識が高い ・動画制作費用は外注となるため価格が割高となる・自社の持つ動画制作のイメージが伝わりにくい場合がある

自社のイメージ通りの動画を制作してもらうためには、どこに依頼するのがよいかをあらかじめ調べ、いくつか候補を挙げてから絞り込んでいくのがよいでしょう。

2.ヒアリング・打ち合わせ(1週間)

動画制作の依頼先担当者とヒアリング・打ち合わせを行う段階です。

次のようなことをヒアリングされる可能性が高いため、あらかじめ準備しておくのがよいでしょう。

  • 動画制作を依頼するに至ったきっかけ
  • 制作した動画の用途
  • 動画制作の目的
  • 誰に向けた動画を制作するのか
  • 動画制作にかけられる予算
  • 納期

また、打ち合わせでは動画の完成イメージをしっかりと共有できることが大切です。もしここにずれがあると、予算をいくらかけてもニーズに合った動画を制作するのは難しいためです。受け身な姿勢で打ち合わせに臨むのではなく、不安な点は納得がいくまで質問をするなどコミュニケーションを積極的に図ることが重要です。

3.見積もり・提案(1週間)

ヒアリングの内容を踏まえて、依頼先担当者が見積書や提案書を提出する段階です。

見積書や提案書では、次に挙げる条件がどのように記載されているかをチェックしておきましょう。

  • 制作費
  • 制作スタッフの人数
  • スケジュール
  • 動画の方向性
  • 動画の長さ
  • 無料の修正回数
  • 納品のフォーマット

似たような見積金額でも提案書の内容や提示される条件が異なっていたり、曖昧な条件が指定されていたりする可能性があるため、慎重に確認することをおすすめします。

4.企画(1週間~2週間)

企画とは動画の骨組みを作る段階のことです。

具体的には「動画制作の目的」「視聴するターゲット層」「掲載先」「動画の構成」を決め、次のような作業を行います。

  • シナリオ(絵コンテ)作成
  • オーディション
  • キャスティング
  • スケジュール表の作成
  • ロケハン(ロケのある場合)

さまざまなアイデアを具体化し、行動できるようにするための準備作業が「企画」だといえるでしょう。

5.撮影準備(1週間)

撮影の準備を行う段階です。

カメラ・照明・音声などの機材と大道具・小道具を調達し、撮影場所を確保します。動画の内容によってはドローンなど特殊な機材をレンタルする場合もあるでしょう。

6.撮影(半日~1日)

台本を基に映像素材を撮影する段階です。

撮影にかかる期間は動画のジャンルや制作費によっても異なりますが、素材が足りない、イメージに合わないといった事態を招かないためにもクライアントとして立ち会うことをおすすめします。

7.編集(2週間)

PCと動画編集ソフトを用いて動画素材を台本通りに構成し、ナレーション・BGM・テロップなどの演出効果を加えていく段階です。

初稿提出後、イメージと異なる場合は修正を依頼することも可能ですが、あまりにも回数や追加編集が多いと納期がずれ、費用負担も大きくなります。ヒアリング段階でしっかりとイメージの擦り合わせを行っておくことが大切です。

8.納品(1日)

見積もり・提案の段階で決めておいたフォーマットで動画が納品される段階です。

通常の納期の場合、動画制作をして納品するまでは3か月ほどかかるのが目安となります。そのため、これより短い期間で制作できれば短納期での動画制作といえるでしょう。

短納期な動画制作の方法

パソコンを操作しているビジネスマン

動画制作は、どのような方法で行えば短納期で納品してもらうことができるのでしょうか。5つご紹介します。

社内調整を綿密にしたうえでヒアリング・打ち合わせに臨む

動画制作をする際に、社内のさまざまな部署を横断して意見を調整しなければならない場合がありますが、編集における修正段階でこの意見を伝えると、納期の遅れだけではなく費用負担が増える可能性もあります。

短納期で動画制作を行いたい場合は、まず社内の意見統一を図ってからヒアリング・打ち合わせに臨むことです。イメージのずれを防ぎ、無駄な時間がかかるのを防ぐことができます。関係各所を確認し、スムーズに確認が行えるよう配慮しましょう。

スケジュールと役割分担を明確にする

企画の段階で「いつまでに・誰が・何をするのか」を細かい部分まで明確化することで、動画制作にかかる余計な時間を削減することができます。並行作業できる部分はないか、スタッフに対する分担は適切かなどの観点でスケジュールを見直すと、より短納期での制作が可能となるでしょう。

イメージをしっかりと共有しておく

ヒアリング・打ち合わせの段階で、完成形の動画のイメージをわかりやすく依頼先担当者に伝えることで、必要な素材のみを撮影し、編集段階での修正回数も減らすことができます。必要であれば字コンテや絵コンテなども用意し、イメージが正確に相手に伝わるよう心がけましょう。

先にBGMを決めておく

編集前に、使用するBGMをある程度決めておくことで編集時間を短縮することができます。動画から受けるイメージはBGMによって大きく変化します。

ただし、時間短縮のためでもイメージに合わないBGMを選択しては本末転倒です。本来の目的を忘れないように注意しましょう。 

アジャイル方式を意識する

アジャイル方式とはプロジェクトマネジメントにおいてよく使用される言葉で、チームがプロジェクトを複数の段階に分割し、すべての段階で密に関係者とコミュニケーションを取って、工程の改善を繰り返す管理方法を指します。

クライアントとして動画制作の各段階において積極的に担当者とコミュニケーションを図り、報告や相談を促すことで、より効率的に作業が進むのではないでしょうか。

短納期な動画制作の例

デスクにパソコンや資料を広げ打ち合わせをしている

短納期で制作した動画の事例を3つご紹介します。

Mydoトラベル「売りつくしスーパーセール」

旅行会社Mydoトラベルにおいて、半期に一度行われる「売りつくしスーパーセール」のB4チラシデータをもとに、最短5営業日で納品可能なプランを用いて作られた広告動画です。

具体的には、Adobe illustaratorで作成したB4チラシのデータを取り込んで、夏らしい明るいBGMと効果音を挿入して再構成しているのですが、安くなった価格を強調し無駄な情報を省いているため、とてもわかりやすくなっています。30秒という短い尺の中で4種類のおすすめ旅行を紹介しているのですが、行き先・価格・期間をしっかりと確認できるため、急かされるような印象を持ちません。また、最後に検索窓に「マイドゥ」と打ち込んで検索ボタンを押すシーンが挿入されていることから、詳細はWebサイトで確認すればよいこともすぐに理解できる作りとなっています。

広告動画として顧客に必要な情報を提供し、次の行動を促すという目的が十分に果たされている動画に仕上がっているといえるでしょう。

システムバンク株式会社「会社案内パンフレット動画」

システムバンク株式会社の会社案内パンフレットを素材として作られたWeb用動画です。パンフレットをもとに作られているため、新たな撮影も不要で納期だけでなく余分なコストも抑える事ができます。同社は最短5日間で動画制作を請け負っているため、動画制作だけなら短納期で制作できるでしょう。

導入部分はコインパーキングを上空から撮影したようなビジュアルのアニメーションで、道路には「System Bank」と記載してあるため、システムバンク株式会社の動画であることがわかる作りとなっています。ナレーションはなく、BGMのみが流れているのですが、それがかえって画面の説明に集中できる要因になっているといえるでしょう。また、道路を走る自動車が画面切り替えのシーンとして挿入されているため、パンフレットでいうと少しずつページをめくっていくような感覚を持つことができます。そして、システムバンク株式会社の強みを説明するシーンにおいては、1枚の画像と短い文言のみで内容が表現されるため、強みがしっかりと印象に残ります。

短納期で制作されていますが、難解さを極力省き短めの尺にまとめたことで、最初から終わりまで集中して視聴することのできる動画に仕上がっているといえるでしょう。

株式会社ネクスコ東日本エンジニアリング「トイレ忘れ物防止システム展示会映像」

株式会社ネクスコ東日本エンジニアリングが展示会用に制作した、トイレ忘れ物防止システムの説明動画です。

株式会社ネクスコ東日本エンジニアリングの文字と会社ロゴからゆっくりと始まる動画は、お手洗いから出ようとする女性がスマホを忘れ、システムにより「忘れ物はございませんか?」と声がけされ、スマホを取りに戻るシーンへと移ります。その後、改めてナレーションとBGMが入り、本格的なトイレ忘れ物防止システムの説明が開始されるのです。説明はナレーションの音声だけではなくアニメーションと実写映像を取り交ぜて行われるため、飽きずに画面に集中することができます。忘れ物を感知するセンサーの仕組みと導入するメリットを伝えて動画は終わるのですが、もう少し詳細に知りたいと思わせる情報量で動画が終了するため、問い合わせや検索に結び付きやすくなっているといえるでしょう。

企画・撮影・編集期間は約1か月間と短納期の動画ではありますが、動画の目的がはっきりと伝わり成果につながりやすい形に仕上がっています。

短納期の動画制作のために準備しておくこと

LONG TERMとSHORT TERMのブロック

短納期での動画制作を行うためには、あらかじめどのような準備をしておくのが望ましいのでしょうか。3つご紹介します。

動画で伝えたいメッセージやキーワードを決めておく

ヒアリングの段階で動画において伝えたいことを明確にしておくと、その後の流れがスムーズになり短納期での動画制作がしやすくなります。もし内容を詳細に決めるのが難しければ、メッセージやキーワードだけでも考えておくと、依頼先の担当者と作りたい動画のイメージを共有しやすくなるでしょう。メッセージやキーワードを決めることで、それをどのように表現すると伝わりやすいのかといった演出も検討しやすくなります。

参考になる動画を探しておく

ヒアリングの段階で、言葉や資料だけで制作したい動画のイメージを依頼先の担当者に伝える時間がかかりそうだと感じたら、あらかじめ参考になりそうな動画を探しておくのもよい方法だといえるでしょう。その参考動画のどこが共有したいイメージに似ているのかを説明できるようにしておくと、さらにスムーズです。

企画に関連した資料を準備する

企画の段階で関連する資料を多く提供できれば、本質的な部分を理解しながら動画制作を進めてもらえるため、結果的に納期を短縮できます。自社の社員であれば誰でも理解できるようなことでも、依頼先の担当者にとっては初めて耳にする内容かもしれないということを考慮しながら資料をそろえるようにするとよいでしょう。

まとめ

スマホで街を撮影している

動画制作を短納期で行うためには、基本的な動画制作の流れを理解し、ヒアリングなどの早い段階でできるだけ依頼先担当者と制作したい動画のイメージを共有し、効率的なスケジュールを組んで編集時の手直しが最小限で済むよう配慮することが大切だとわかりました。

この記事を参考にして、ぜひ動画制作を短納期で行ってみてください。

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