バンパー広告ってなに?メリットや設定方法・活用事例を紹介

従来は「TrueViewインストリーム広告」という形式が主流であり、聞いたことがある人も多いことでしょう。
しかし、現在のYouTube広告といえば「バンパー広告」の存在が欠かせません。
今回はバンパー広告とはどういった広告なのか徹底的に解説していきます。
設定方法から活用事例まで網羅しているので、ぜひ最後までお読みください。
目次
バンパー広告とは?

バンパー広告とは、2016年よりYouTubeで提供が始まった広告の種類です。基本的には動画再生中に流れる映像広告とさほど変わりはありません。
ただし、長さは6秒以下で、視聴者が手動でスキップができないようになっています。みなさんもYouTubeを視聴中に普段と変わらない広告なのに、なぜかスキップボタンが表示されない広告を見たことがあるでしょう。どうにかスキップしようとしたら、いつの間にか広告が流れ終わっていた経験があるはずです。それがバンパー広告と呼ばれるものです。6秒という短い時間で強烈なインパクトを残すバンパー広告は、Googleから日本文化になぞらえて「動画広告の俳句」と呼ばれています。
「バンパー広告」と「TrueViewインストリーム広告」はどう違う?

バンパー広告と比較されやすいのが、従来の「TrueViewインストリーム広告」です。TrueViewインストリーム広告は主に以下の2種類があります。
- スキッパブル広告:5秒間の再生の後にスキップの選択が可能
- ノンスキッパブル広告:スキップできず強制的に再生される
バンパー広告もスキップできない点では上記のノンスキッパブル広告と同種といえます。
ただし、ノンスキッパブル広告は15~30秒という長い尺を使った広告でした。この長い尺がユーザーに与える不快感を考慮した結果、代替手段として登場したのが6秒という短い尺のバンパー広告というわけです。
- 従来のスキッパブル広告

- バンパー広告

バンパー広告を活用するメリット

では、従来のノンスキッパブル広告に比べて、バンパー広告はどのようなメリットがあるのでしょうか。具体的には次の5つです。
- 視聴者が広告をじっくり見れる
- 視聴者の不快感があまりない
- ブランディングに最適
- Google Preferred キャンペーンで効果拡大
- 若者への宣伝力が強い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
視聴者が広告をじっくり見れる
バンパー広告のメリットの1つは、視聴者が広告をじっくり見れることです。スキッパブル広告のようにスキップボタンが表示されると、視聴者は基本的に広告を飛ばします。
しかし、バンパー広告はスキップボタンが表示されないため、広告を見てみようという意識になるのです。また、バンパー広告は6秒という短さで終わるため、視聴者の集中力が持続し、記憶に残りやすいというメリットがあります。視聴者の記憶に残れば、広告として最低限の仕事はできたといっていいでしょう。
視聴者に最低限の印象を与えるのがバンパー広告の大きな目的といえます。
視聴者の不快感があまりない
バンパー広告は視聴者の不快感があまりないことも特徴です。従来のノンスキップパブル広告は15秒あるいは30秒の長さが主流でした。
しかし、その長さは視聴者からすると、肝心の動画を邪魔する時間と思われやすく、不快に感じられるケースがあります。バンパー広告の場合、広告として最低限の仕事を果たしながらも、視聴者に不快感を与える前に終わります。6秒という時間が絶妙な制限になっているのです。
動画広告の悪い面を最小限に抑えているのがバンパー広告といえます。
ブランディングに最適
バンパー広告はブランディングにも効果を発揮します。先にも触れたとおり、バンパー広告は従来の動画広告よりも視聴者に与える不快感があまりありません。そのため、長期的な目線で商品やサービスを売り込みたいときにピッタリです。たとえば、ビジネスを始めるとき、スタートダッシュは強く宣伝したいと思うのが人情です。
しかし、従来の動画広告では視聴者に不快感を与える可能性があり、ごり押しと捉えられることもありました。バンパー広告の場合、よい印象だけを視聴者に与えられるため、スピーディに想定したイメージを浸透させることが可能です。
バンパー広告は、近い将来、ブランディングに欠かせない広報手段となっていくことでしょう。
Google Preferred キャンペーンで効果拡大
バンパー広告は「Google Preferred キャンペーン」と組み合わせることができるのもメリットです。Google Preferred キャンペーンとは、大きな影響力を持つチャンネルに限定して広告を出稿できる仕組みです。テレビCMのように広告枠を買うようなイメージをすればわかりやすいでしょう。
視聴者の多いチャンネルに絞って広告を配信することができれば、短い期間でも多くの視聴者の目に触れ、広告としての効果が飛躍的に高まります。短期間で自社の商品やサービスの認知度を高めたいときに効果的です。
若者への宣伝力が強い
バンパー広告は若者に対しての宣伝力が強いことも大きな魅力です。昭和から国民的メディアとなったテレビですが、現在の若者のテレビ視聴率は大きく低下しています。逆にYouTubeを中心とした動画サイトの人気は爆発的に広まりました。バンパー広告の運用場所は主にYouTubeのため、若者向けの宣伝として最適です。うまく活用することで多くの支持を集められることでしょう。
ターゲットが若者であるなら、バンパー広告を使わない手はないといえます。
バンパー広告にかかる費用はどれくらい?

バンパー広告にかかる費用はジャンルによって異なります。平均すると1,000回の視聴につき、500円程度の費用がかかるといわれています。ちなみにバンパー広告ではCPMと呼ばれる課金システムを採用しており、1,000回視聴されるごとに課金されていく仕組みです。まったく広告が視聴されていないのに費用だけかかることはないため、安心して運用することができます。
バンパー広告の設定方法

ここからはバンパー広告をどうやって設定するのか解説していきます。具体的な手順は次のとおりです。
- 動画広告を作成する
- キャンペーンタイプを選択する
- キャンペーンを設定する
- 広告グループを設定する
- 広告用動画を設定する
各項目を詳しく見ていきましょう。
動画広告を作成する
まず、バンパー広告を設定するには、広告として運用する動画を作成しなければいけません。動画の作成方法は割愛しますが、何度も触れているとおり、尺は6秒という制限だけは忘れないようにしましょう。もし、自分たちで動画を制作するならば、6秒という短い時間でどれだけ視聴者にインパクトを残せるか、アイデアを出し合ってみてください。
動画が完成したら、事前準備として非公開設定でYouTubeにアップロードしておきます。これで第一段階は終了です。
キャンペーンタイプを選択する
次に広告の設定をするためにGoogle広告にログインします。

ログイン後、トップページの概要から「新しいキャンペーンの作成」を選択しましょう。

そうすると、達成したい目標の選択画面が表示されます。ここでは「ブランド認知度とリーチ」を選択してください。
選択後、画面下部にキャンペーンタイプを選択する項目が表示されます。キャンペーンタイプは「動画」を選択してください。

そして、さらに画面下部に移動すると、キャンペーンのサブタイプを選ぶ項目があります。サブタイプは「リーチ重視の動画キャンペーン」を選択してください。最後に目標の達成方法について「効率的なアプローチ」を選択します。
あとはページ最下部の「続行」をクリックし、次の設定画面へと移動してください。
キャンペーンを設定する

画像のようにキャンペーンの設定画面が表示されたら、主に以下の項目を設定します。
- キャンペーン名
- 予算
- 開始日と終了日
- 入札戦略
- ネットワーク
- 言語
- 地域
- コンテンツの除外
各項目はそれぞれのビジネスモデルや戦略によって設定内容が異なります。自分たちがどのように広告を運営したいのか踏まえて細かく設定してください。設定が終わったら、ページ下部の「広告グループの作成」画面へと移動します。
広告グループを設定する

広告グループの作成では主に以下の項目を設定します。
- 広告グループ名
- ユーザー設定(属性・オーディエンス)
- コンテンツ設定(キーワード・トピック・プレースメント)
- 入札単価
こちらもそれぞれの目的や運用方法に沿って設定してください。ここまで終われば、バンパー広告の運用まであと少しです。
広告用動画を設定する

広告グループの作成が終わったら、最後にさらにページ下部にある「広告用動画の設定」を行います。
画像のように「新しい動画広告」という項目をクリックすると、YouTubeの動画URLを貼り付ける画面が表示されます。事前にアップロードしていた動画のURLを貼り付けましょう。あとはページ最下部の「キャンペーンの作成」ボタンをクリックすれば、バンパー広告の設定は終わりです。
バンパー広告の活用事例

最後に実際にバンパー広告を活用した事例を見ていきましょう。具体的な例を見ることで、いざ自分たちでバンパー広告を作るときの参考になります。
シンプルでインパクトのあるアニメーション
まずは、大手製薬会社である大塚製薬のバンパー広告です。同社の主力製品であるオロナインシリーズの新商品の宣伝を目的にしています。広告を見てみると、単色背景にシンプルな手のひらのアニメーションという構成です。手のひらが動くためびにテロップが表示され、新商品について視覚的にわかりやすくなっています。音がなくても内容が理解できるのもポイントです。
短い時間でもなるべく視聴者に不快感を与えたくない場合は、こういった動画のようにシンプルさを売りにするといいでしょう。
実際の雰囲気をダイレクトに強調
次は、山陽女子高等学校のMusicコースが開催したオープンデーの宣伝広告です。実際の雰囲気がわかるように演奏シーンのみを流し、詳細は画面左に終始表示させています。無駄な要素がないため、学校の清楚な雰囲気が強調され、広告としても見やすくなっています。広告を見た視聴者は映像の優雅な雰囲気に興味を持ち、オープンデーに参加しようと実際の行動に移したくなることでしょう。
ターゲットが若者である教育機関がYouTubeとバンパー広告を運用している代表的な例といえます。
視聴者の興味を引く演出
次は、法人向けに名刺管理サービスを展開しているSansan株式会社のバンパー広告です。同社の新サービス「オンライン名刺」について宣伝しています。広告はサラリーマンとなった有名俳優同士の会話からスタートし、終わりに新サービスの宣伝を唐突に挿入する形です。
どんなときに役立つのかをしっかりとアピールしつつも、急にサービスの宣伝を始めて視聴者の興味を引いています。サービスの内容をあえて説明していない巧みな演出です。
豊富なバリエーションで新鮮さをアピール
花王の男性向け柔軟剤「ハミング」のバンパー広告です。男性向けということもあり、女性を起用して訴えかけることをコンセプトにしています。それだけではなんの変哲もないですが、参考にしたいのはバリエーションを複数用意していることです。
いくら6秒の短い広告といっても、何度も見ていればいずれ飽きてしまうのは時間の問題です。そこでバリエーションを変えることで、常に新鮮なイメージを視聴者に持たせています。予算がなければ実現は難しいですが、商品のブランディングとしても効果的な戦略です。
ローカルCM風の広告
最後は沖縄のからあげ専門店リッキーのバンパー広告です。スライドショーのように写真やイラストを組み合わせた動画を採用しています。ローカルCMならではの暖かい雰囲気を演出しつつも、写真をテンポよく並べることでメニューがたくさんあることをアピールしています。6秒という尺であれば、写真とテロップという限られた素材だけでも効果的な広告が作れることがわかる例です。
今後は地方企業も次々のバンパー広告に参入してくることでしょう。
まとめ

バンパー広告の概要から設定方法・実際の活用事例まで紹介してきました。バンパー広告は6秒という短い時間で商品やサービスを宣伝する画期的な動画広告です。視聴者に不快感を与えることなく、ブランディングにも効果を発揮します。
ぜひ、新たなビジネス戦略を考えている人は、バンパー広告を活用してみてください。工夫次第で大きな成果を手に入れることができるでしょう。
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