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笑顔のリクルートスーツを着た女性
動画制作・編集

【就活×動画?!】最近注目の就活動画選考について解説します

動画就活という言葉を知っていますか?近年、人材採用において動画で面接を行う企業が増えてきています。今回は就活市場で話題になっている動画選考について、対面面接との違いから、実戦に向けての傾向と対策まで、動画選考を駆使し効果的な就活を行うために役立つ情報をご紹介していきます。

就活の動画選考って?

男性がトリミングポーズをしている様子

就活に動画選考?と思われる方も多いかと思います。まずはその概要から説明していきます。

動画を用いた新しい選考方法

ここ数年、就活界における新風として注目を集めている動画選考。動画選考とは、エントリーシートなどの応募書類や対面での面接ではなく、学生の動画をもとに面接を行うオンライン選考のことです。

Web面接市場が急速に成長しているアメリカでは、動画を活用した人材採用はすでにスタンダードな手法の一つ。日本でも「動画就活」という言葉が認知され始めており、5大総合総社や大手マスコミ、ホテルやANAの客室乗務職など、およそ300もの企業が動画を用いた採用プロセスを進めています。

傾向としては、接客サービスに重きを置いている企業、稀少性や多様性を重視した人材を求める新興企業やベンチャー企業などが導入を進めているようです。

ライブ面接

面接会場ではなく、Skypeなどを用いてオンラインで行う「ライブ面接」は以前より利用されている動画選考の一つです。企業と学生間でスケジュール調整を行い、対面式の面接と同じようなやりとりを画面越しで行います。

注意が必要なのは面接途中での通信エラー。面接に妨げが生じぬよう、通信環境の事前チェックは念入りに行っておきましょう。

録画面接

最近では動画選考と言うと、ライブ面接よりも「録画面接」のことを意味する機会が増えました。録画面接とは、就活生が自身で撮影した動画を投稿フォームにアップロードし、それを選考材料として進められる企業面接のこと。動画内容は企業側の設問に答えていくというスタイルが一般的で、動画の尺は30秒や1分、長くても2分程度が相場とされています。

録画した動画は後で確認ができるので、面接官の視点から見た自身の様子を自己分析することができます。トライアル&エラーはパフォーマンス向上には欠かせないプロセスであり、このように確認ができるという点は、挑戦を続ける就活生にとって大きなメリットと言えるでしょう。

また、対面面接やライブ面接には一発本番という独特の緊張感がつきものですが、撮り直しができるという安心がある録画面接では、良い心理状態で面接に挑むことができます。

録画回数が制限されている場合がある

動画の撮り直しができるという点は多くの学生にとってありがたい特典ですが、企業によっては選考の妨げと捉えるところもあるようです。その企業が応募者のどのような点を精査したいかによって異なるのでしょうが、企業側が動画の取り直しを不可と設定していたり、そうでなくても、取り直し回数に制限を設けているというケースがあります。

そのような動画選考では、録画でありながらもライブに近い状態で撮影をすることになるため、それに向けての対策が必要となってきます。動画面接についての傾向と対策については後ほど詳しく説明します。

動画面接への応募フロー

面接ソフトウェアは市場拡大とともに進化し、操作性も機能性も高いものが普及傾向にあります。動画面接への応募フローもシンプル化が進んでおり、基本的には以下のようなプロセスのもと簡単な操作だけで動画を提出することが可能となっています。

  1. 企業から動画投稿用のURL、もしくはアプリに関する案内メールを受け取る
  2. ログイン後、指示に従って動画面接の画面に移動
  3. 設問の内容を確認
  4. 撮影開始(撮り直しの可・不可、回数制限の確認を忘れずに行う)
  5. 動画を確認しアップロード

設問に関しては動画で尋ねられたり、テキストで表示されたり、選択式の場合もあれば自由記述の場合もあるようです。このように、企業の面接方針や使用するツールなどによって多少の形式の違いはありますが、基本的には上記のような大枠の中で行われます。

就活で動画選考が広がっているわけ

就活中のリクルートスーツを来た男女の足元

人材採用ソフトウェアの開発を行っているIdeal社の調査によると、アメリカ企業の人事部長の63%は動画面接を採用しているとのこと。(※1)

それほどまでに動画選考が広がっている要因とは何なのでしょうか。

志望企業について理解を深めることが就活の基本であることは言うまでもありませんが、その企業がなぜ動画選考を導入しているのか、その背景や意図を理解しておくことは有効な手札を増やすことへと繋がるかもしれません。

ここからは企業の人事が動画選考を推進する理由に目を向けてみましょう。

コスト削減

新卒採用にはどれくらいのコストがかかるか、あなたはご存知ですか?新卒採用にはなんと、1人あたり50万円以上のコストが必要だと言われています。しかもそれは年々増加傾向にあるとのこと。

現在、多くの経営陣が企業全体の生産性を上げるため、バックオフィスの効率化に着目し効果的な手法を探っています。そのような流れのなかで、新卒採用の経費削減のために動画面接を導入するという動きが勢いをみせているのです。

例えば、一次面接を動画面接で代替することができれば会場や面接官の確保、そして複雑なスケジュール管理などにかかる労力や費用を大幅に抑えることが実現します。

ある企業では、動画選考というフィルターをうまく活用したことで、実際に面接する学生の数を3分の1まで抑えることができたそう。同様にアメリカでも、一次面接を動画面接に代えることで採用までの工数を10分の1に、そして費用も9分の1まで削減できたというデータが上がっています。(※2)

スピードアップ

内定者を決定するまでのリードタイムをいかに短縮するかは、企業が優秀な人材を確保する上で重要視していることの一つです。学生にとっても次のステップへ進む、もしくは切り替える迅速性が上がるというメリットがあるでしょう。

選考を行う側と受ける側、就活シーズンは両者ともスケジュールが立て込む時期です。動画選考では面接のための準備期間がほとんど必要なく、時間の制約からも比較的放たれた状態で行うことができるため、従来よりも少ない時間で多くの面接を行うことが実現します。

選考の質の向上

わずか1分の動画でも、それが伝達する情報を言語化するとWebページ3,600ページ分のボリュームになることが分かっています。エントリーシートのように画一的なフォーマットに要点だけが並べられた書類からは、その人のコミュニケーションスキルや人間性・熱意といった潜在的な魅力の汲みとりは難しいでしょう。しかし、動画であれば書類よりも圧倒的に豊かな情報を短時間で得ることが可能になります。

他にも、就活に動画選考を採用することには、以下のようなメリットが期待できます。

  • 対面面接よりプレッシャーが軽減されるため普段の様子に近い候補者を見ることができる
  • 必要に応じて複数人で何度でも確認が可能
  • 人材のダイバーシティー化
  • 地方の優秀学生にもアプローチできる
  • 内定後の定着率アップ

(※1)参照:【最新情報】アメリカのWEB面接市場とトレンド
(※2)参照:日本初のドー活(動画就活)サイトrecme[レクミー]をリリース

就活選考動画を撮る際のポイント

手帳を見るリクルートスーツを着た女性

多くの方が就活の面接対策をするのと同様に、就活の選考動画を撮るのにもいくつかポイントがあります。

求められている人物像を把握する

就活選考動画を作成する際、自らの長けているところを伝えたり、一般的に良いとされている印象に近づけることも大切ですが、その企業がどのような人材を必要としているのかをしっかりと把握することがもっとも重要なポイントです。

コミュニケーション能力が高い人、チームプレイが得意な人、特定の分野において秀でた知識を持っている人…どれも良い人材に当てはまりますが、企業が真に求めているのは「自社にマッチする人」です。企業理念や注力しているプロジェクトなどを調査し、企業が求めている人物像と自身との間にある合致点を探りましょう。それをベースにアプローチ方法を考えることができれば、核心を突いた動画が撮れると思います。

良い印象・適切な印象を与える

話す内容も大切ですが、話す姿も重要な審査のポイントです。画面の中でもっとも面積を使って映っているのはその人の顔、もしくは服装でしょう。自然な笑顔や明るい表情は良い印象を与えます。服装に関しては面接時と同じようなスーツでかっちりとキメても良いですし、私服を選んで作り込まれていない姿を見てもらう、というのも一つの戦略です。要は、自身のどのような面を見てもらいたいか、ということです。ただし、主張が強すぎる服装にはリスクが伴うので避けたほうが良いでしょう。

他に抑えるべきポイントは以下の通りです。

  • 清潔感のある身だしなみ(髪型、メイク、ヒゲの処理など)
  • 姿勢
  • 聞き取りやすくハキハキとした口調
  • 前向きで自信を持った印象

良い画を撮る

いくら工夫を凝らして良い印象をつくっても、画面越しに見た「画」でそれが表現できていなければ全て台無しになってしまいます。特に重要なのは視線。三脚を利用しカメラを話し手の目の高さに合わせ、面接官に語りかけるような動画を撮ることが重要です。撮影時は画面の中の自分を見ず、カメラに視線を向けることを意識しましょう。

また、表情を見てもらいたい場合はバストショット(胸から上)、パネルやジェスチャーなどで演出を加えたいときはミディアムショット(上半身)で撮影すると効果的です。いずれの構図も、頭上に卵1個分の空間ができるようにカメラを設定するとバランスの良い動画を撮ることができます。

伝えたいことを的確に伝える

就活選考動画では以下のような質問が設けられていることが多いようです。

  • あなたがどういう人間か、そう考える理由も含めて教えてください。
  • 当社のフィールドであなたは何をやってみたいですか?
  • 自由に自己紹介をしてください。

企業は、とても短い時間の中であなたの本質にせまりたいという思いで設問をつくっています。そして候補者には、この意図を理解して結論ファーストで核心をついたプレゼンテーションを行うことが求めらています。設問に対する自身の答えの取捨選択を行い、練習と調整を重ね、最終的には台本を見ずにスムーズに話せるようになることが理想です。加えて、主張には具体的な事実を添えること、熱意を伝えることも押さえるべきポイント。

普段より的を得た話し方を心がけておくと、対面面接やライブ面接、取り直し制限のある動画選考でも、冷静かつ自然に応対ができるようになるでしょう。取り直しのきかない動画選考では、要点をまとめたカンペをカメラの近くに設置しておくと目線をカメラにキープしたまま話しを行うができます。

適切な環境で撮影する

就活動画では常に話し手に目がいくよう、背景には白い壁などシンプルな場所を選ぶことをお勧めします。柱やポスター、通行人などが映る場所は避けるべきです。

照明に気を使うことも重要です。健康的な表情がはっきりと映るよう、影のない明るい場所で撮影しましょう。特にやわらかい自然光には良い演出が期待できます。

周囲の音にも気をつけましょう。話しを妨げるような雑音が入らない環境選びがマストです。特にライブ面接、取り直し制限のある動画選考では音の妨げは致命的です。予期せぬトラブルを最小限に抑えるよう、撮影環境の事前確認は念入りに行いましょう。

就活選考動画を撮る時に使うツール

レトロな雰囲気のあるカメラ

就活用の選考動画を撮影するのに、そこまで特別な機材は必要ありません。ここでは、実際に撮影に使えるツールを紹介します。

機材はスマホで十分

iPhoneなど、現代のスマートフォンには高性能なカメラが装備されているので、動画撮影はスマホ一台で十分です。一眼レフカメラなどで撮影し差別化を図りたい場合は、編集後のデータ量のチェックまで忘れずに行うようにしましょう。ちなみに、カメラの向きは横向きがマストです。

三脚

カメラの高さを調整したり、撮影中に動かないように安定させるためには三脚が必要です。スマホ用なら100円ショップでも手に入れることができます。

レフ板

必須ではありませんが、顔の印象を明るくみせる効果があります。白い画用紙などの簡易的なもので構いません。光が顔に当たるように設置しましょう。

フリップなどの小道具

こちらも必須ではありませんが、視覚的なアピールを行うのに有効です。あくまでも話しをサポートするための道具であることを忘れず、サイズや色についての適正性を見定めましょう。

就活選考で参考になる動画

就活選考で参考になる動画を紹介します。動画だけでなく、全般的な知識も学べるので、ぜひ参考にしてみてください。

面接官のリアルな視点を知ることができる動画

現在3万4,000人の登録者数を持つ大学生ユーチューバー「しゅんダイアリー」の動画、「就活に成功する動画自己PRの方法を辛口人事に教えてもらった!」では、3人の現役大学生が30秒の自己PR動画を撮る過程から、就活のプロがジャッジを下すまでの様子が紹介されています。就活生と面接官、両者の視点を客観的に分析することができる動画です。

撮影の基本を学べる動画

動画採用システムを提供している「ジョブレコ」による「[JobReco]動画面接・オンライン面接の受け方|スカイプ面接にも」では、就活選考動画でありがちな悪い例と、手本にすべき良い例が分かりやすく比較されています。撮影についての基本が簡潔にまとめられている動画です。

ウェブ面接対策について徹底的に学べる動画

就活のプロ「マイナビ」が提供する動画「【WEB面接】NGマナーをスマホで実演≪寸劇≫」はウェブ面接を受ける前に必ず見るべき動画です。ウェブ面接を受ける際のNG例についてが分かりやすく再現されています。

まとめ

ガッツポーズをするリクルートスーツを着た女性

就活における動画面接は定着傾向にあるものの、未だ多くの企業が効果的な活用方法を探っている段階です。そのため、動画選考に対する対策についても今後アップデートが重ねられることが予測されます。基本的なルールはもちろんのこと、最新の動画就活動向にもアンテナを張っておくと自信をもって本番に挑むことができるでしょう。

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