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動画制作・編集

商品を動画で紹介するメリットや制作方法・事例についてわかりやすく解説!

現在、動画広告市場の市場規模が急速に拡大しています。
通信技術の進歩から予想されていた動画広告市場の拡大ですが、
ここ数年、その予想を超える速度で拡大の一途を辿っているのです。
この理由として、動画配信サービスが予想よりも増加し、市場規模を拡大したことに伴って
動画配信サービスへ動画広告を出稿する企業が増加したことなどが挙げられています。
2025年には市場規模が1兆円を超えることが予想されるなど、
動画広告市場が業界内外で注目されている様子が伺えます。
市場拡大の要因として、圧倒的な情報量や高い訴求力など
「動画」ならではのメリットもその要因の1つと考えられています。
今回は、注目の動画広告の中でも多くの企業が利用している「商品紹介動画」について
メリットや制作方法まで詳しく解説していきます。

商品紹介動画とは?

動画撮影

商品紹介動画とは、イラストや写真、文字などの静止画で構成されていた広告物を動画化したものを指します。動画広告は、静止画に比べると情報量を増やすことができるため、商品紹介において非常に効果的な広告手法です。

こちらは世界で最も利用されているスマートフォン、iPhoneの商品紹介動画です。この動画はアップル社がYouTubeで配信している動画広告ですが、GAFAと呼ばれる世界的大企業でさえも動画配信サービスを利用した商品紹介動画を制作、配信しています。

多くの企業やユーザーにとって今や当たり前となった商品紹介動画ですが、ここまで広く普及した理由は一体どこにあるのでしょうか。それでは、商品紹介動画を広告宣伝に利用する際のメリットについて詳しく解説していきます。

商品を動画で紹介するメリット

さまざまな動画

商品を動画で紹介するメリットは、以下の4つです。

  1. 訴求力が高い
  2. 使用感が伝わりやすい
  3. 情報量が多い
  4. 業務効率向上

それぞれ詳しく解説します。

訴求力が高い

商品紹介動画は、従来の静止画を中心とした宣伝広告よりも訴求力が高く、ユーザーの購買意欲も高くなるといわれています。

商品紹介動画の主な目的は「ユーザーに購入に結びつく行動を喚起させること」であることが多く、この「購買意欲が高くなる」という点は動画での商品紹介において最大のメリットです。

使用感が伝わりやすい

商品紹介動画は、実際の使用シーンや使用前後の比較などを動的に解説することができるため、ユーザーに商品購入による課題解決をイメージさせやすいという特徴があります。

凸版印刷株式会社と株式会社ONE COMPATHは、2020年に動画視聴に関するユーザーの意識調査を行いました。下記のグラフは「商品紹介やサービス説明の動画視聴」についてユーザーの意識調査の結果を表したものです。

「商品紹介やサービス説明の動画視聴」についてユーザーの意識調査

引用元:凸版印刷株式会社 電子チラシサービス「Shufoo!」、全国4.7万人に5Gと動画視聴の意識調査 

この調査結果から、多くのユーザーが画像・文字など静止画よりも動画の方がより「使い方がわかりやすい」「理解力が高まる」と感じていることが分かります。

情報量が多い

商品紹介を動画で行う際の最大のメリットは「情報量の多さ」です。

ここ数年、動画広告業界で「動画の情報量は文字の5,000倍」という言葉をよく耳にするようになりました。これは、アメリカの調査会社が2014年に発表した研究結果に基づくものとして日本にも広まった考えで「1分間の動画は、文字に換算すると180万語、Webページに換算すると3,600ページ分」にもなるといわれています。

この研究結果と合わせて「メラビアンの法則」も、よく同時に取り上げられます。

メラビアンの法則

引用元:NTTオンライン 文字の5000倍!?映像の持つ圧倒的な情報量とは 

「メラビアンの法則」は、話し手が聞き手に与える影響に関する研究結果を数値化したもので、上記のグラフは聞き手にとってどの情報がより影響が高い情報かを表しています。

  • 言語情報:7%
  • 聴覚情報:38%
  • 視覚情報:55%

商品紹介を動画に変更することで、聞き手が情報の理解に重要と考える「視覚」「聴覚」をどちらも刺激することが可能になります。そのため、商品紹介動画は「視覚」「言語」のみに頼らざるを得ない静止画での商品紹介に比べると、より多くの情報をユーザーに伝えられるツールといえるでしょう。

業務効率向上

商品紹介は、従来営業担当者や常駐しているスタッフなど、自社の商品・サービスに詳しい担当者がユーザーに対して行うケースがほとんどです。商品紹介を動画にすることで、担当者が直接説明するというコストを削減することにも繋がります。

商品紹介動画は、広告宣伝を行う広告物であるとともに、場合によっては、商品を紹介・普及してくれる営業担当者に代わるツールであり、また商品の使い方を解説してくれるスタッフでもあるといえます。導入することで業務効率が向上する可能性があという点も、商品紹介動画のメリットの1つです。

商品紹介動画の制作方法

ここまで商品紹介動画の特徴やメリットについて解説してきました。

とは言っても、初めて商品紹介動画を制作する人にとっては、ハードルが高く感じられるのではないでしょうか。ここからは、そんな人に向けた商品紹介動画の基本的な制作方法から、制作する際に注意すべきポイントなどについて解説していきます。

商品紹介動画は、基本的に以下の工程で制作されます。

  • 目的とターゲットの決定
  • 構成
  • 撮影・編集

まずは、商品紹介動画でユーザーに対してどのような変化を与えたいのか、また、どういったユーザーにアプローチしたいのかなど「目的とターゲット」について細かく設定します。「目的とターゲット」に合わせて「構成」を決定し「撮影・編集」という流れが一般的な商品紹介動画の作成手順です。

次に、それぞれの工程を注意すべきポイントも含めて解説していきます。

商品紹介動画を制作する際のポイント

動画撮影

商品紹介動画は「目的とターゲットの決定」「構成」「撮影・編集」の工程で制作されます。それでは、それぞれの工程について見ていきましょう。

目的とターゲットの決定

商品紹介動画ですので、もちろん紹介したい商品・サービスの内容は決まっているはずです。動画の構成に入る前に、まずはこの商品紹介動画の「目的とターゲット」について考える必要があります。

商品紹介動画の目的は、大まかに言うと「商品を紹介すること」ではありますが、ここではより具体的な目的を決めることをおすすめします。「どうして商品紹介をするのか」「商品紹介を通してどうしたい(どうしてほしい)のか」など、目的をより具体的に設定することが高い効果を発揮するためには必要となります。

ターゲットの決定とは、自社の商品・サービスを紹介したいユーザーの年齢・性別・職業・趣味・居住地などといった属性を決定することを指します。広告業界では、「ペルソナ」とも呼ばれるこのユーザーの属性をより詳細に設定することが広告効果を高めるために必要と考えられています。

  • 日本在住のサラリーマンにスケジュール帳の購入を促す
  • 日本在住の来年サラリーマンになる新卒生にスケジュール帳の購入を促す

上記の2つだと、後述のほうがより詳細にターゲットの選定を行っています。前述のターゲットだと、スケジュール帳の機能性をアピールすればよいのか、デザイン性が重要なのか、スケジュールはいつから必要かなど、効果的な商品紹介動画の構成が作成できません。後述の場合「来年度から新入社員として働くわけだから、デザインはシンプルな方が良いかも」「入社前からも面接や内定式などスケジュールを書き込むのであれば前年の冬から記載できる方が良いかも」といったように、アピールすべき機能やデザインが明確に浮き上がってきます。

この工程は、商品の企画段階で既に終わっているケースもありますが、その場合は、商品のコンセプトや商品自体のターゲットなどを正しく把握しておくことが重要となります。

構成

構成とは、商品紹介動画の内容や一連の流れ、強調するポイントなど動画の組み立て、設計図を作成することを指します。構成は、事前に決めた「目的」や「ターゲット」に基づいて作成していきます。

商品紹介動画の構成で最も重要なポイントは、冒頭の数秒間でユーザーの興味をいかに引き立てるかというところにあります。

モバイル向け動画広告プラットフォーム事業を行うFIVEが発表した、動画広告の離脱率に関する調査結果

引用元:株式会社翔泳社 MarkeZineニュース 再生から2~3秒後に離脱率が低下/FIVE、モバイルビデオ広告市場を振り返るインフォグラフィック発表

上記は、モバイル向け動画広告プラットフォーム事業を行うFIVEが発表した、動画広告の離脱率に関する調査結果です。

この図からは、動画広告の離脱が最も多く起こるポイントは冒頭の数秒で、そこから時間経過とともに離脱率は減少していくことがわかります。この結果から、商品紹介動画においては動画開始から数秒間で、ユーザーにこの動画を見ることで得られるメリットについて理解してもらうことが重要といえます。そのため、商品紹介動画の構成では、「ユーザーの現時点での課題」と「課題が解決した後」を具体的にイメージできるような内容を冒頭に盛り込むと良いでしょう。冒頭でこの「課題」と「課題解決後の未来」のイメージを共有することで、課題解決のための方法としての商品を紹介するという部分に興味を引きやすくなります。

上記のような理由から、商品紹介動画は「課題提示」「課題解決後の未来」「課題解決の方法(商品紹介)」「購入(問い合わせ)方法」の流れで作成されることがほとんどです。

撮影・編集

商品紹介動画は、多くの情報量をユーザーに伝えられるツールではありますが、あまりに多くの情報を詰め込みすぎると動画時間が長くなり、本当に伝えたい部分がユーザーに伝わりにくくなることも少なくありません。そのため、構成段階で想定している再生時間に収まるように、撮影・編集の工程でも常に動画自体のボリュームを意識するように心がけましょう。

また、せっかくこだわって動画を撮影しても、編集作業がおざなりだと魅力的な動画にはなり得ません。有形商品の紹介動画であれば、アニメーションやエフェクトを使って重要な箇所を強調することや、ナレーションが多くなるようであれば適宜テロップを挿入するなど、情報が伝わりやすくなるよう工夫をすることも重要です。

商品紹介動画の事例

動画撮影

商品紹介動画と一口に言っても、紹介される商品・サービスはさまざまです。具体的にイメージが付きやすいよう、どういった商品・サービスで利用されているのか、実例をいくつか紹介していきます。

Panasonic Japan「ジェットウォッシャー」

パナソニック公式が発信している電動歯ブラシの商品紹介動画です。約1分30秒の商品紹介動画で、全体的にさわやかでスピード感のある演出が多い印象ですが、中でも冒頭の商品イメージと商品名がスタイリッシュに表示されるシーンが特徴的です。商品名にもなっている「ジェット噴射で汚れを落とす」というユーザーの課題解決を提案する部分が冒頭で流れ、その後詳しく仕組みを解説していくという構成になっています。

商品イメージにもマッチしている爽快感が全体を通して強調されている点は、商品紹介動画のコンセプトや構成がしっかり練られていることを感じさせられます。

Zoff 「Zoff NEW STANDARD」

ZoffがYouTube公式チャンネルで配信している「Zoff NEW STANDARD」という眼鏡の商品紹介動画で「みんなに似合うメガネ」としてZoffがAIを利用して企画・制作した新しい眼鏡です。商品紹介動画の構成は基本に則ったもので、ユーザーの声というかたちでユーザーが抱える課題を視聴者と共有するところから動画が始まります。その後、その課題に解決する方法として「みんなに似合うメガネ」を提案し、続いて根拠や商品の詳細を紹介していく流れになっています。

課題の共有から動画が始まることで、同じ課題を持っているユーザーの興味を引き、動画からの離脱を防ぐ狙いが感じられます。また、商品紹介の最後に企業ロゴや商品名を表示することで、商品購入の際に重要な情報をユーザーの記憶に残す工夫がされています。

ジョーシス 「ITデバイス&SaaSの統合管理クラウドサービス」

この動画は、ジョーシスが自社のYouTubeチャンネルで公開しているITデバイス&SaaSの統合管理クラウドサービスのサービス紹介動画です。クラウドサービスは前述の商品とは異なり、無形の商品・サービスのため、商品紹介動画の構成も有形商品とは少し違ってきます。

商品紹介動画の流れ自体は、先ほどのZoffの動画と似た構成になっていますが、商品自体に形がないため、動画全体が実写ではなくインフォグラフィックスと呼ばれる動きのあるイラストで構成されています。30秒という短時間で商品を紹介している動画ですが、必要な情報以外がそぎ落とされているため、短い動画時間で過不足なくきれいにまとまったサービス紹介動画といえます。

また、必要な情報は全てテロップで文字起こしがされているため、無音状態でもサービス紹介の内容が理解できる点も特徴です。最近では、出先でスマートフォンを利用して動画を視聴するユーザーも少なくないため、この無音状態でも伝わる内容かどうかという点を気にして構成を考えられている商品紹介動画も増加傾向にあります。

まとめ

スマートフォンと再生マーク

今回は、多くの情報をユーザーに短時間で伝えやすい商品紹介動画について解説していきました。

ここ数年、商品紹介動画に限らず、さまざまな媒体の動画化が急速に進み、気軽に動画が視聴できる時代になりました。まだ商品紹介動画を利用したことがない人も、ぜひこれを機に、動画のメリットを最大限に活かした商品紹介動画の制作を検討してみてはいかがでしょうか。

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