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Web・グラフィックデザイン

【これから始めたい人必見】3DCGの作成方法と作成ソフトの選び方

3DCGは敷居が高いイメージがあるかもしれませんが、プロの方でも仕事を始める前は何も知らない状態です。
この記事は、初心者向けのため詳しいことは割愛しますが
3DCGの作り方についてCGの概要・3DCGの作成の手順
3DCGが作成できる無償ソフトとその選び方について解説します。

CGとは?(3DCGと2DCG)

ノートパソコンで動画再生する女性の後ろ姿

CGはコンピューター・グラフィックスの略です。文字通りコンピューターで作られたり、加工された画像や映像を指します。そのなかでも3DCGは「三次元コンピューター・グラフィックス」の略で、縦と横のほかに奥行きが加わった立体的な画像や映像を指します。それに対して2DCGは「二次元コンピューター・グラフィックス」の略で、縦と横のみの平面的な画像や映像です。

2DCGは3DCGと比べて耳にする機会があまりないと思いますが、2DCGと3DCGを一括りにして「CG」と呼びます。

3DCGの作成手順 (三面図作成~レンダリング出力まで)

ノートパソコンを操作している

3DCGの作り方を学ぶ際は、まず3DCGの作成手順を一通り把握しましょう。3DCGの作成手順は、下記の通りです。

三面図を作成する

三面図とは3DCGにしたい人や物などを以下の向きから描いた絵です。

  • 正面
  • 後ろ

三面図は3DCGの作り方において、最も基本的な事項で、この時点では紙に描く場合も多いです。三面図によってどの向きから3DCGを作っても、自然に立体的に見せやすくなります。また、三面図は建物やバイクなど複雑な形の場合は、そこに真下などから見た絵も加えます。

三面図はあくまで参考程度に描き記す程度に留めたほうが良いでしょう。なぜなら、特にアニメキャラクターを三面図で描いた場合に立体的な矛盾が生じやすい傾向があるためです。

例えば、膨らんだスカートを履いたキャラクターを描くとします。スカートの下がっている部分と上がっている部分があり、正面から見た時、両横は真ん中より上がっています。ところが、見た目の良さを重視しているので、横から見た時に両横のほうが下がっていることがあるのです。その矛盾をクリアして三面図を描いたとしても、見た目の良さを損なうので、三面図はあくまで参考に留めた方が良いのです。言葉ではイメージしづらい部分があるので「三面図 スカート」で画像検索したリンクを一度確認してみてください。

モデリングする

三面図を作成したら今度はモデリングします。

モデリングは実際にコンピューターで立体物にする作業です。モデリングでは三面図を元にして主に次の3つの軸を線と線でつなげます。

  • 横方向のX軸
  • 縦方向のY軸
  • 奥ゆきのZ軸

このように作られた立体物はポリゴンとも呼ばれ、モデリングは形の違うポリゴンを組み合わせることで作られます。例えば、人間を3DCGで作る場合、丸い形1個や四角い形1個だけでは表現できないため、複数のポリゴンを組み合わせることで人間に近づけていきます。

なお、ポリゴンの頂点の数はできるだけ少ないほうが扱いやすいです。3DCGは頂点を動かすことで調整します。これも例えるとサイコロなら頂点の数は8つで、三角形の積み木なら頂点の数は6つになり、両方を3DCGに起こすと三角形の積み木が動かしやすいと言えます。

人によっては頂点の数が多いほど、細かな調整がしやすいと意見する人もいると思いますが、一つずつを動かす可能性があります。多いとその分、マウスで頂点をクリックする回数が多くなるのです。

テクスチャーを使って色を塗る

モデリングが完成した段階では、あくまで形のみで色はない状態のため、テクスチャーを使って色塗りします。

テクスチャーとは、色などを付けるための素材集のことです。木の質感を出すのが得意な素材集もあれば、凸凹を出すのに向いた素材集もあります。また、そのテクスチャーで色を塗ることをテクスチャーマッピングとも言います。

リギングで立体物を動かせるようにする

テクスチャーを使って色を塗り終わったら、今度はリギングで立体物を動かせるようにします。

リギングとは立体物に骨を入れる作業です。人間が骨を動かして身体を動かすように、立体物にも骨を入れることで動かすことができます。また、人間や動物の立体物だけではなく、服や乗り物などにもリギングすることで複雑な動きや細やかな表現が可能になります。

スキニングで動きの調整をする

リギングで骨を入れたら、今度はスキニングで動きの調整をします。

スキニングとは立体物の一部分が、骨と一緒にどのように動くか設定する作業です。例えば、人間の肘を動かす時、どのように皮膚を伸び縮みさせるのかを調整をするのがスキニングです。スキニングをしないと不自然な動きになるため、骨と立体物の影響具合を確認しながらスキニングします。

ライティングで光の当て方を調整する

3DCGにも現実世界と同じように光とカメラがあります。空間の照明や朝と夜の光の変化、ライトを当てて対象物をどのように見せるかという考えがあります。その光の当て方を調整することをライティングと言います。

また、カメラはユーザーの視点なので、ユーザー目線でどのように光が当たっているように見せるか調整するのもライティングの作業です。

レンダリングで書き出す

最後にレンダリングで書き出して完成です。

レンダリングはコンピューターで制作してきた3DCGを実際の作品として見せられるように出力する作業です。

【比較】有償ソフトと無償ソフトの違い

パソコンの前でデザインについて話し合っているビジネスマン

3DCGを作成する際の制作ソフトウェアは有償ソフトと無償ソフトがあります。無償ソフトであっても、有償ソフトの機能を一定期間使用可能であったり、機能制限を付けて無償ソフトウェアにしているものが多いです。

プロの現場で使われているソフトウェアのなかには、試用期間中であれば無償で全機能を試すことができるものもあります。ほかにも非営利で作られた試用期間や機能制限もない、無償のソフトウェアもあります。

3DCGが作成できる無償ソフト

3DCGが作成できる無償ソフトウェアは、以下の2種類に分けられます。

  • 統合型
  • 特化型

統合型は、3DCGに出力するまで必要な作業が一通りできるソフトです。特化型は、ある特定の作業に特化したソフトで、その特定の作業に関しては細やかなことができるように作られています。

3DCGが作成できる統合型・特化型の無償ソフトをご紹介します。 

統合型

まず、統合型ソフトについてご紹介します。

Blender

Blenderは、オランダの非営利団体の『Blender Foundation』が主立って作った統合総合型のソフトウェアです。試用期間や機能制限もない完全無償ソフトです。世界中にユーザーがおり、プロの映像現場でも使われています。また、日本語にも対応しています。開発期間が長く、Blenderだけで3DCG作品を作ることができるため、有償ソフトに引けを取らないくらい高機能です。最近は架空の3DCGキャラクターが喋るVTuberにも使われています。

しかし、企業が出すソフトウェアと比べて、CG初心者には使いづらいという欠点があります。

MAYA

MAYAは、3DCGを使ったハリウッドの映画製作でも使われているAUTODESK社が提供している統合型のソフトウェアで、3DCGを使ったハリウッドの映画製作でも使われています。3DCG作成ソフトウェアのなかでも高機能で、3DCGアニメーションに特化しており、直感的な操作でグラフィックスやキャラクター作成などあらゆる制作が可能です。

30日間の無償体験版を試すことができ、最新バージョンの機能も利用することがます。また、学生や教員の場合は1年間の無償ソフトウェアとして使用可能です。

  • 料金
期間 料金
1か月契約 36,300円
1年契約 286,000円
3年契約 815,100円

3DS MAX

3DS MAXは、MAYAと同じAUTODESK社が提供している統合総合型のソフトウェアです。MAYAと比べて3Dモデリングやレンダリングが優れており、アニメーションの制作はもちろん、VR映像やゲームソフトの制作するに向いています。

MAYA同様、3DS MAXも最新バージョンのすべての機能を30日間の期間限定で使用することが可能です。料金はMAYAと同じで、学生や教員の場合は、1年間無償ソフトウェアとして使用可能です。

  • 料金
期間 料金
1か月契約 36,300円
1年契約 286,000円
3年契約 815,100円

DOGA L-1

3DCGアニメの作り方を学びたい初心者に、楽しさを知ってもらうためにPROJECT TEAM DoGAから提供されている統合型のソフトウェアです。

宇宙空間でのマシーン同士の戦いをテーマにしたアニメーション作りというコンセプトがあるものの、段階をゆっくり踏んで理解してもらう内容になっています。アニメーションのための素材は500種類ほどあります。

  • 料金
プラン 料金
DOGA L-1 無料
DOGA L-2 1,000円 ※公的教育機関なら無料
DOGA L-3 3,000円 ※公的教育機関なら無料

※DOGA L-3は、DOGA L-2を使っている場合2,000円で使用できます。また、商用利用可能ライセンスを発行するなら、20,000円となります。

Tinkercad

Tinkercadは、Autodesk社から小学生の子供向けに作られた統合型のソフトウェアです。試用期間や機能制限がなく完全無償となっています。3DCG作成の入門用として作られており、日本版公式サイトもあります。

作成したデザインはパソコン版のゲーム「マインクラフト」内で使えたり、AR(拡張現実)機能用や3Dプリンターで出力することもできます。あくまで入門用なので本格的なデザイン用途には向いていませんが、もちろん大人も使用可能です。

特化型

続いて、特化型について見ていきましょう。

Metasequoia

Metasequoiaは、日本の企業である株式会社テトラフェイスが作っている特化型ソフトウェアです。ゲーム用の素材用途としても使えます。動きが軽快で、マシンスペックが低くてもある程度使用することが可能です。モデリング機能に特化しているといわれており、ほかの3DCG作成ソフトに比べて機能面で充実はしていませんが、直感的な操作が可能で初心者にも扱いやすいという良さがあります。

Metasequoiaは他の有償ソフトと比べると機能に制限はありますが、比較的安い料金なのが特徴です。

  • 料金
プラン 料金
Metasequoia 4 Standard 5,500円
Metasequoia 4 EX 20,350円

RenderMan

RenderManは、ディズニー映画でおなじみのピクサー・アニメーション・スタジオが開発した、3DCGのなかでもレンダリング専用として作られた特化型のソフトウェアです。Metasequoiaと連動しており、制作した3DCGデータをRenderManで高いクオリティのレンダリングとして出力することができます。

RenderMan非商用であれば無料で試すことができ、機能制限はありません。

  • 料金
概要 料金
メンテナンスを含む初年度費用 111,650円
1年間・更新料金 38,500円

Smoothie-3D

Smoothie-3Dは、画像から3Dモデルが作れる特化型のソフトウェアです。完全無償のソフトウェアで試用期間や機能制限がありません。モデリングの用意もいらないので、直感的な操作で3DCGを楽しむことができるようになっています。

3DCGが作成できる無償ソフトの選び方

パソコンの前でノートを見ている人

3DCGが作成できる無償ソフトの選び方は、自身が作成したい3DCGが制作できるソフトを探すことです。例えば、プロの3DCGの映像を作成したい場合はMAYAやBlenderなどを選択し、ゲームのような3DCGを作成したい場合は3DS MAXやMetasequoiaを選択すると良いでしょう。

また、無償期間が過ぎてもそのソフトウェアーを使用したい場合、予算を検討しておきましょう。MAYAは1か月契約だと36,300円なので、気軽に有償に切り替えられる金額でありませんが、Blenderなら使いづらい欠点があるものの無料です。

さらに、学習する時間が取れるかどうかについても考えておくことをおすすめします。無償期間の30日は一見長いように思えますが、ほかのことに気を取られていると、あっという間に過ぎてしまいます。無償期間を学習期間とする場合、なるべく3DCGの作り方に集中した方が良いでしょう。

3DCGの作成を学ぶための時間や費用をかけられない場合は、TinkercadやSmoothie-3Dなどの無償ソフトを選択しても良いでしょう。

自身で作る場合と制作会社に作成依頼する場合、それぞれのメリット

電話をしながらノートパソコンを操作するビジネスマン

3DCGをご自身で作る場合と制作会社に制作を依頼する場合、それぞれにメリットがあります。詳しく解説していきます。

自身で作る場合

3DCGの作り方を学び自分で作る場合のメリットは、以下の3つが挙げられます。

1つ目は、とにかく自由に作れる点です。依賴すると受注側の主観が入る可能性があり「思っていたものと違う」と後悔することがあります。その点、CGの作り方について自身で学びながら制作することで、自身の表現したいものを制作することができます。

2つ目は、予算を抑えることができ、やり方によっては無料で作成できる点です。制作会社に制作を依頼する場合、費用計算が複雑です。例えば、10秒ごとに30万円、さらにレタッチだけで50,000円など、場合によっては最終的な費用が100万円から300万円以上にもなります。制作会社に制作を依頼する場合は、素材を自分で用意することで予算を抑えられます。そのため、CGの作り方をある程度でも学んだほうが良いのです。

3つ目は、素材を一度作るとほかの作品を作る時に流用可能な点です。もちろんほかの製作者の素材が使用できる3DCGはありますが、利用規約が多いため自由な使用が難しい場合があります。自作の場合は何度でも使用でき、素材の再利用を重ねることでコストを大幅に下げたり手間を減らせます。

制作会社に作成依頼する場合

制作会社に制作を依頼する場合のメリットは、以下の3つが挙げられます。

1つ目は、高クオリティのものが出来上がる可能性が高い点です。同じCGでも得意分野や実績に違いなどはありますが、それらを見極めれば高クオリティのものを仕上げてくれる確率が上がります。

2つ目は、CGの作り方を自分で学ぶ手間を省ける点です。予算はあるものの、CGに苦労した方やご自身で学ぶ時間がない方は制作会社に依頼したほうが良いでしょう。

3つ目は、制作会社によっては自分が伝えたいことが明確になる点です。制作会社は単純にCG制作のノウハウを知っているだけでなく、映像の企画や構成などで人に伝える知見に長けてます。客観的な意見を聞くことができるため、ヒアリングを重ねて納得のいく作品に仕上げられるでしょう。

まとめ

パソコンの前で指を指し微笑んでいる女性

CGの概要・3DCGの作り方・自身で作る場合や制作会社に依頼する場合のメリットについてご紹介しました。

3DCGは、数あるモノ作りのなかでも時間のかかる部類に入るかもしれませんが、その分やりがいがあり、ある程度のレベルまで作ることができれば感慨もひとしおです。自分の方向性をしっかり見極めながら、納得のいく3DCGを作っていきましょう。

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