Hub Spotとは?機能と使い方について解説!

Hub Spotという名称を聞いたことはあっても、
実際どのようなツールなのか詳細を知っている人は少ないのではないでしょうか。
この記事では、Hub Spotでできることやメリット・デメリットなどについて、詳しく解説します。
MAツール導入検討時の参考にしてください。
目次
Hub Spotとは?

Hub Spotとは、アメリカのマサチューセッツ州に本社があるHubSpot社によって提供されているMA(マーケティングオートメーション)ツールです。マーケティングやセールス、カスタマーサポートといった各ツールが統合されており、プラットフォームとして自社の用途に合わせてカスタマイズ可能です。
また、Hub Spotのツールは、企業側から積極的に顧客へとアプローチをかけるアウトバンド型の手法ではなく、顧客自らが行動するように促していくインバウンド型の手法を採用しているのも特徴のひとつとして挙げられます。
なお、アメリカ発のMAツールであるHub Spotは、英語だけでなく、日本語も含めた11言語に対応しており、2022年6月現在、世界120か国・14万社以上に導入されています。
Hub Spotの5つのツールとできること

Hub Spotでは、プラットフォーム上で5つのツールを組み合わせて使用することが可能です。ここではHub Spotのツールについて詳しく解説します。
Marketing Hub
Marketing Hubは、その名の通り、マーケティングに関する機能・ツールを集約しています。主な機能は以下の通りです。
- リードジェネレーション
- マーケティングオートメーション
- アナリティクス
Marketing Hubではメールマーケティング・WEBチャット・CTAといったツールだけでなく、キャンペーンやアトリビューションのレポート作成、WEBサイトのトラフィック分析も行うことが可能です。これらの機能を活用することにより、SEO対策を効率よく行い、自社サイトを上位に表示させるようアプローチをかけたり、集約したデータからより一層魅力的な広告や動画・ブログにするためのコンテンツ作成にも役立てられます。
Sales Hub
Sales Hubは、営業支援CRM(Customer Relationship Management)であり、短い期間で効率よく多くの契約を成立させる手助けをしてくれる機能を備えています。主な機能は以下の通りです。
- 高度なCRM
- ミーティング設定
- 見積もり作成
CRMでは、メール送信自動化やOutlook・Gメールとの連携機能、顧客とのコミュニケーションツールなど営業活動をサポートしてくれる機能が充実しています。また、Sales Hubには、営業活動の進捗やパフォーマンスを管理するのに役立つツールや、取引の予測ができる機能なども備わっています。そのため、Sales Hubを活用すれば、さまざまな角度から営業を効率化することができるでしょう。
Service Hub
Service Hubは、カスタマーサービスソフトウェアであり、顧客サポートに関する業務を強化できるツールです。主な機能は以下の通りです。
- チケット
- 顧客フィードバック
- ナレッジベース
商品やサービスを販売することも重要ですが、顧客に対してのサポートも同じくらい重要であると考えている方は多いのではないでしょうか。
Service Hubは充実した機能を持ち合わせており、Webチャットやチケット管理だけでなく、タスク管理もできます。事業の拡大に比例して、対応しなければいけない顧客の人数も増加します。クオリティを保ちつつサポート体制を拡大・強化していくためには、ソフトウェアなどを使った効率的な運用が望ましいといえるでしょう。
また、Service Hubでは顧客のフィードバックデータも収集でき、その場限りの顧客対応だけで終わらせず、ネクストステップである改善へと繋げることができるので、今後のサービス向上にも役立てられる有効なツールといえるでしょう。
CMS Hub
CMS Hubは、コンテンツ・マネジメント・ソフトウェアであり、主な機能は以下の通りです。
- ドラッグ&ドロップエディター
- SEO推奨(アドバイス)
- ウェブサイトテーマ
コンテンツの作成や管理・運用するためには多くのシステムやツールが必要ですが、CMS Hubには簡単にWEBサイトを構築できるドラッグ&ドロップエディターの機能や、チャット・レポートを簡単に作成できるツールなど、利便性に富んだ機能が備わっています。また、WEBサイト監視ツールも利用可能で、SEO対策についてアドバイスを受けることができる点も見逃せない特徴です。
このように、集客対策やデータ収集だけでなく、WEBサイト制作においても充実した機能が備わっているため、CMS Hubはマーケティング担当者だけでなく、開発者にとっても魅力的なツールといえるでしょう。
Operations Hub
Operations Hubは、オペレーション支援ソフトウェアであり、主な機能は以下の通りです。
- データ同期
- プログラマブルオートメーション
- データ品質管理オートメーション
事業の規模が大きくなってくると、顧客データや商品データなど、さまざまなデータを多くの人数で共有する必要が出てきます。それは部署内だけでなく、他部署間でも発生することが予想できるでしょう。
Operations Hubを活用すれば、今までの蓄積したデータから最新のデータまでをリアルタイムで共有することが可能です。アプリ間の同期や顧客データの共有だけでなく、データのクリーンアップやカスタムなど、多くの業務を自動化することも叶います。
業務の効率を向上させつつデータの整合性を上げることにもつながるため、Operations Hubを活用することで得られる大きな利点といえるでしょう。
Hub Spotのメリット・デメリット

次に、Hub Spotのメリット・デメリットについて解説します。ツールのメリット・デメリットを知っておくことで、自社でのツール選定時に役立てることができるでしょう。
メリット1:業務効率が上がる
マーケティングや開発のために多くのツールやアプリを導入してきた方も多いでしょう。Hub Spotを新たに導入することで、CRMを含めたさまざまなツールをプラットフォームに一元化できるため、業務効率の改善が期待できます。
事業が拡大するほどに細かな業務が増え、人員も多く割かなければなりません。扱う情報量も比例して増加していきます。Hub Spotを導入しマーケティングに関する業務を一元化・自動化すれば、余計な人員を割かずに済み、新規事業・企画の立ち上げなどの基幹業務など、人員が必要なところに人手を回せます。
また、手作業でデータ集計などを行っていた場合には、Hub Spotと使うことにより人的ミス削減も期待できるため、更なる業務効率の向上を狙える可能性が高いといえます。
メリット2:見込みの高い顧客の流入が期待できる
Hub Spotはインバウンドマーケティングを推奨しています。Hub Spotのツールを導入すれば、インバウンドマーケティングが強化され、見込みの高い顧客の流入が期待できるでしょう。
従来のマーケティングで主流だったアウトバンドの手法では、企業側から顧客へアプローチをかけることが求められました。
しかし、インバウンドの手法では、顧客の動きをしっかりと把握し、興味を持ってもらったり、商品を実際に購入してもらうための導線を作り上げる必要があります。そのためには、顧客データの収集や効率のよいWebサイト・コンテンツ作成ツールは必要不可欠と言えるでしょう。
適切なインバウンドマーケティングを行うことは、良質な顧客の流入を意図的に狙える可能性が高まります。Hub Spotにはそれらのツールが全て揃っているので、全力でインバウンドマーケティングを実践する環境を整えることができます。
デメリット1:操作を覚えるまでに時間を要する
アメリカ発のMAツールであるHub Spotは機能が豊富に揃っているため、操作を覚えるまでにやや時間がかかる可能性があります。また、日本語に対応しているとはいえ、翻訳された日本語にやや違和感があることもあるでしょう。
とはいえ、Hub Spotはヘルプセンターやコミュニティーなど、サポート体制が充実しています。初めてMAツールを利用する方や英語が苦手な方でも、安心して利用できる環境が整っているので、操作に不安がある場合でも、まずは導入してみるのがよいでしょう。
デメリット2:全機能を導入するにはコストが高くかかる
Hub Spotは無料で利用できるサービスもありますが、有料で提供されているツールも多くあります。全てのツールを導入しようとすれば多くのコストがかかってしまうため、あまり現実的とはいえないでしょう。
Hub Spotを利用する際には、自社にとって必要なツールをしっかりと選定することが大切です。Hub Spotではツールによって「無料版」もしくは「14日間の無料トライアル」を設けています。無料版で物足りなければ有料版に移行することを検討するのもよいでしょう。また、14日間のトライアル期間を経れば、おおよその使い勝手やシステムについて感覚を得ることができます。
実際の使用感はMAツールを選定する際の重要なポイントです。MAツール導入を検討している方や、MAツール自体を使用したことのない方は、とりあえず使ってみるのも1つの方法です。
Hub Spotの利用料金について

Hub Spotのツールは5つありますが、それぞれ価格帯やサービスによって「Staeter」「Professional」「Enterprise」の3つに分かれています。
詳細は下記の通りです。
<Hub Spot各ツール価格(月額)>
Starter | Professional | Enterprise | |
---|---|---|---|
Marketing Hub | 5,400円〜 | 96,000円〜 | 384,000円〜 |
Sales Hub | 5,400円〜 | 54,000円〜 | 144,000円〜 |
Service Hub | 5,400円〜 | 54,000円〜 | 144,000円〜 |
CMS Hub | 2,700円〜 | 43,200円〜 | 144,000円〜 |
Operations Hub | 5,400円〜 | 86,400円〜 | 240,0 00円〜 |
プランによっては、年額で利用料を支払えば10%の割引が適用されるものもあります。また、Starterプランはすぐ購入できますが、Professional以上のプランは営業担当者に相談したうえで購入手続きとなるので、導入を検討する際には時間に余裕を持って取り組むとよいでしょう。
Hub Spotの導入方法と使い方

ここでは、Hub Spotの導入方法と使い方について詳しく解説します。
Hub Spotの導入方法
Hub Spotを導入するには、直接サイトからHub Spotにアクションを取る方法もありますが、Hub Spotを取り扱う代理店を通して導入するのも1つの方法です。
自社で直接サイトからHub Spotを導入すれば、誰も介することがないのですぐに利用開始でき、会社の情報が社外に出てしまうリスクも避けられます。
一方で、多くのリソースを必要としたり、ノウハウを新たに蓄積しなければならないといった負担も発生するでしょう。代理店を通せば、既にノウハウを持った事業者に一任できるため、自社の負担なくツールを導入でき、リソースの負担も少なく済みます。社内の情報を共有しなければいけないため情報漏洩などの一定のリスクが発生したり、間に一社介することで逆にコミュニケーションに時間を割くことになるかもしれないといったデメリットが考えられます。
双方にメリットとデメリットがあるため、自社に合った導入方法を見極めるのが肝心です。
Hub Spotの使い方
「Hub Spotを導入したいけれど、実際どのように利用したらいいのかイメージがつかない」という方もいらっしゃるでしょう。
Hub Spotの使用方法は、以下のような流れを想定しておくとよいでしょう。
- 自社の課題の洗い出し・目標設定
- 戦略の立案
- 戦略に基づいたHub Spot設定
- データ検証&改善方法の検討
まずは自社がHub Spotによって解決したい課題は何かを明確にすることが肝心です。課題解決後に得たい目標もしっかりと定めましょう。課題と目標が明確になれば具体的な戦略を立案できます。そして、その戦略に基づいて課題解決や目標達成できるようHub Spotの設定を行います。
もちろんHub Spotを導入しただけでは意味がありません。Hub Spotで得られたデータを検証し、それを元に今後のプランをしっかりと検討しましょう。そして、Hub Spotでコンテンツを新たに作成したり、Hub Spotの設定を変更したり、定期的にブラッシュアップをかけていくことが大切です。
Hub Spotの利用をおすすめしたい企業

Hub Spotはどのような企業にマッチするのでしょうか。ここでは、Hub Spotの利用をおすすめしたい企業について、いくつかポイントをピックアップしてご紹介します。
MAツールをまだ導入していない企業
「MAツールを導入したかったけれど、ツールが増えて取り扱いに困る心配があった」という方にとって、Hub Spotは利便性を発揮するでしょう。
MAツールが全て同じプラットフォーム上で管理できるため、各ツールを行き来したり、それぞれの操作を覚えるといった手間がかかりません。また、導入時もHub Spotであれば必要な操作を一括で行えるので、手軽に導入できるのも魅力的な点といえます。
SEO・SNSを強化したい企業
Hub SpotはSEO対策やSNSの投稿一元管理機能などが備わっているため、SEO・SNSを強化したい方にとっても有効なMAツールです。
SEO対策は検索エンジンにて検索をかけた際、上位に掲載されるように行う対策ですが、はじめて行うときには何から手を付けたらよいのか戸惑ってしまうものです。Hub Spotならば、どのような点を改善するべきかを提案してくれるので、安心して対策を練ることができます。
また、SNSの動向を一元管理できる機能では、複数のアカウントを管理できるだけでなく、前もって投稿を用意しておくことも可能です。計画的に業務を進められるので、効率をあげるための手段としても有効に活用できるでしょう。
コストを最小限に抑えたい企業
Hub Spotは一部のサービスを無料で利用できるだけでなく、Staeterプランならば月額5,400円から導入することが可能です。多額のコストをかけてツールを導入するのはリスクが高く、ためらってしまっている方もいらっしゃるでしょう。Hub Spotであれば、少額のプランから始めることで、リスクなくMAツールを導入できます。
また、コストといっても金額だけではなく、リソースや人員といった人的コストも考慮すべき点としてあげられます。先述したように、無料版や14日間の無料トライアル期間もあるので、まずはそこからスタートして様子を見るのも手段の1つです。
まとめ

Hub SpotとはアメリカのHub Spot社が提供しているMAツールで「Marketing Hub」「Sales Hub」「Service Hub」「CMS Hub」「Operations Hub」といった5つのツールを自社に合わせてカスタマイズすることができ、全てのツールはプラットフォーム上で一元管理することが可能だとわかりました。
Hub Spotを導入することで、業務の効率化やコストの削減などのメリットが期待できます。多くのツールや機能があるために操作を覚えるまで時間を要するといったデメリットもありますが、サポート体制が充実しており、14日間の無料トライアル期間も用意されているため、初心者でも安心して導入できる環境が整っています。
MAツールの導入を検討していてHub Spotに興味がある場合は、トライアルを利用してから判断するのもよいのではないでしょうか。
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