Blenderを使って3Dモデリングをはじめよう!

ソフトによって、合う・合わないがあったり、
自分が求めている機能が搭載されていない場合も少なくありません。
そこで、初心者の方に特におすすめしたい3DCGソフトが「Blender(ブレンダー)」です。
Blenderは、3DCG制作において一貫して使用できる無料のソフトです。
今回は、人気の3DCGソフト「Blender」について
インストール方法から基本的な使い方まで詳しく解説していきます。
Blenderとは?

まず初めに、Blenderがどのようなソフトなのか解説します。
3Dモデリングが可能な無料統合型3DCGソフト
Blenderは無料で使用ができる統合型3DCGソフトです。統合型とは、次のように3DCG制作において必要な機能をすべて搭載したことを指します。
- アニメーション
- リギング
- レンダリング
- スカルプト
- VFX
- グリースペンシル
- シミュレーション
- エフェクト
- ダイナミクス
上記は必要な機能ですが、これらの機能をすべて利用できる無料のソフトはなかなかありません。
しかし、Blenderはこれらの機能をすべて搭載しており、無料で使用することが可能です。有料版のMayaに匹敵するぐらいのハイスペックソフトといえます。また、Blenderはオープンソースソフトウェアとなっていて無償で提供されているため、誰でも公式サイトからダウンロードできます。
Blenderで制作された作品について
Blenderの公式YouTubeには、制作された動画がいくつか投稿されています。
動画を見ると、3Dアニメーションや実写合成など、膨大な機能が搭載されていることがわかります。
日本語に対応している
Blenderは日本語に対応しているので、英語に自信がない人でも安心して使用することができるのも大きな特徴のひとつです。
Blenderの導入方法と設定方法

では、実際に「Blender」を導入していきましょう。その前に、自身のPCが動作に適しているか確認しましょう。
Blenderを使用するのに必要な要件
まずは、Blenderの公式サイトの「Requirements」を確認し、自分のパソコンのOSや能力が満たしているかを確認しましょう。
OSについて
BlenderでサポートされているOSは以下です。
- Windows 8.1
- Windows 10
- macOS 10.13 Intel
- macOS 11.0 Apple Silicon
- Linux
これ以外の場合は動作がサポートされていないので、インストールできなかったり、動作がうまくいかなかったりする場合があるので注意しましょう。
必要なハードウェア
では、ハードウェアはどのぐらい必要でしょうか。Requirementsのページでは、「Minimum(最小)」「Recommended(おすすめ)」「Optimal(最適)」の3つに分かれて解説されています。
最低限動かすのに必要なMinimumでは以下のハードウェアが最低限必要となります。
- 64-bitデュアルコア
- メモリ4GB
- 画面のサイズ1280×768
- マウスまたはトラックパッド
- 1GBRAWを搭載したグラフィックボード
- 10年未満のPパソコン
グラフィックボードが搭載されていないパソコンもあるので、よく確認しておきましょう。
Blenderをダウンロード
Blender公式サイトのダウンロードページで、自身のPCのOSに合った種類のダウンロードバージョンを選択してダウンロードしてください。
主な種類は以下です。
- Windows インストーラ:msi形式でのインストール
- Windows ポータブル(.zip):zip形式でのインストール
- Windows Microsoft Store:Microsoft Storeでのインストール
- Mac OS インテル:Apple Siliconではない場合はこちら
- Mac OS Apple Silicon:Apple Siliconである場合はこちら
- Linux
このほかに、ソースコードを改変したい人などのためのバージョンなども用意されています。
もし、自分がどれを選択していいかわからない場合は、公式サイトに入ってすぐ表示される「Blenderをダウンロード」を押すと、PCのOSに合ったダウンロードが開始されます。ダウンロード後は、OSごとの手順に従いインストールを実行してください。
初回起動時に日本語化
インストールが完了したら次に日本語化する必要があります。
まずは、「Blender」を起動します。初期画面で次のような画面が出てきます。

この画面で「language」を「日本語」に選択することで、メニューなどの言語が日本語となります。この初期画面が表示されなかったり、誤った言語で進めたりしまった場合は「編集」をクリックし「プリファレンス」を選択します。その後、「インターフェース」をクリックして「翻訳」の中にある「言語」で変更できます。
おすすめは、インターフェースで変更した際に併せて「言語」選択欄の下部にある「影響」で「新規データ」のチェックを外すことです。「新規データ」も日本語化してしまうと、新規に作成したオブジェクトなどに自動的に日本語名が付いてしまいます。3Dファイルは、オブジェクト名などに日本語が入っているとエラーやトラブルになる場合がありますので「新規データ」については必ず外しておくのがベターでしょう。
実際にBlenderを使ってモデリングしてみよう

ここからは実際にBlenderを使ってモデリングをしていきます。モデリングをする前に、画面の構成などについても解説していきますので、理解しながらモデリングしていきましょう。
Blenderの画面構成について

Blenderでは、以下の5つのウィンドウによって画面が構成されています。
- 「情報」ウィンドウ
- 「3D ビュー」ウィンドウ
- 「タイムライン」ウィンドウ
- 「アウトライナー」ウィンドウ
- 「プロパティ」ウィンドウ
最初見たときはどのウィンドウがどのような役割をしているのかわからないと思いますが、使用していくうちに自然と覚えていくので問題ないです。まずは、簡単に5つのウィンドウについて解説します。
情報ウィンドウ
Blenderの基本設定を行います。新規ファイルの作成・ファイルの保存・ユーザー設定・ヘルプ・ウィンドウなど、基本的な情報が表示されているウィンドウです。
3Dビューウィンドウ
画面の中央にある3D Viewウィンドウは、初期状態では四角形のオブジェクト・カメラ・ライトが映し出されています。モデリングを作成するときは、3D Viewをメインに制作していきます。
オブジェクトの中央にある青色・緑色・赤色の3つの矢印は、3Dカーソルです。X軸・Y軸・Z軸の方向を示す役割があり、3Dカーソルを中心にオブジェクトが回転したり、拡大縮小したりします。また、オブジェクトを新規作成すると3Dカーソルの位置に生成されます。
タイムラインウィンドウ
3Dビューウィンドウの下部にあるタイムラインウィンドウは、オブジェクトのアニメーション制作をする際に使用します。モデリングで使用することはありませんが、アニメーション制作するときには必須のウィンドウです。
アウトライナーウィンドウ
初期画面の右上に親として「Collection」、その子要素として「Camera」「Cube」「Light」がツリー表示されているアウトライナーウィンドウは、オブジェクトなどが整理・構造化された表示により、複雑なシーンを簡単に操作できる便利なウィンドウです。Blenderプロジェクトを立ち上げた初期の画面は「Camera」「Cube」「Light」の3つのオブジェクトのみで生成されています。オブジェクト数が少ないので、3D Viewの中でも移動させたいオブジェクトを瞬時に見つけることができるでしょう。
しかし、本格的なモデリングをする場合、オブジェクトが100個以上となることは珍しくありません。もし、オブジェクトなどが3D Viewの中にたくさんあり複雑になっている場合は、変更したいオブジェクトがどこにあるかわからなくなってしまいます。そのようなときに、アウトライナーウィンドウを使用すれば、探しているオブジェクトを見つけることができます。
プロパティウィンドウ
プロパティウィンドウは、オブジェクトの位置・回転・拡大縮小を細かく設定できる画面です。ざっくりとしたオブジェクトの移動・拡大縮小・回転は、マウス操作で行うこともできますが、1mm単位での操作はマウスだと難しいです。プロパティウィンドウを使えば、細かくオブジェクトの位置を決めることができます。
Blenderの基本的な使い方
オブジェクトの操作方法について

3Dビューウィンドウの左側にツールバーが表示されています。ツールバーの種類は6種類あり「オブジェクトモード」を選択することでオブジェクトの基本的な操作が可能となります。オブジェクトモードを選択すると、画面左側のツールバーが「オブジェクトモード」仕様となるので、ここから回転・移動や拡大・縮小したりしていきます。
まずは、オブジェクトの形など気にせずにいろいろなツールを選択してマウスで操作してみることをおすすめします。ある程度慣れてきたら、右側のプロパティウィンドウに数値を入力することで可能となるので、こちらも試してみましょう。
スカルプトモード
キャラクターなどを作っていくにはスカルプトモードで制作していく必要があります。
画面左側のツールバーで「スカルプトモード」を選択すると、ブラシなどがずらりと表示されますが、ブラシを選択して操作しても思ったような変形ができないでしょう。その場合、プロパティウィンドウの設定アイコンをクリックし、「Dyntopo(Dynamic Topology)」を有効にすることで、ブラシをかけて盛り上げた箇所を細分化することができます。チェックボックスをONにすると、表示される警告の通り、頂点カラーやUVマップが消えてしまうので注意が必要です。
Blenderを使うときの注意点

マウスをできる限り使用
Blenderを使用するにあたり、できる限りマウスを使用しましょう。トラックパッドは操作がうまくいかず、効率が悪い場合があります。
ショートカットキーは早めに覚える
ショートカットキーを覚えることによって作業効率は何倍にも上がります。Blenderのショートカットキーの数はとても多く覚えるまでは非常に大変ですが、覚えると間違いなく時間短縮につながります。
下絵は正面だけでなく横向きも必須
Blenderで3Dモデルを作成するときには、元となる下絵を作ることになると思いますが、下絵は必ず正面と横を用意しましょう。3Dモデルは3次元なので、横向きの下絵がないと作った時にバランスが悪くなります。
まとめ

今回はBlenderの導入方法から基本的な使い方まで解説してきました。Blenderは今回解説した使い方以外にもいろいろな使い方があります。モデリングだけではなくアニメーションなどの機能も搭載しているので、Blenderのすべての使い方を覚えるのはとても難しいですが、覚えてしまえば制作の役に立ち、効率よく使用することができます。
ぜひ、Blenderの使い方を覚えて、いろいろな3DCGの制作をしてみてください。
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