コラム

グレーとブルーの背景にデスクトップパソコンやノートパソコンやタブレットやイヤフォンが並べられCodingの文字が書かれている
Web・グラフィックデザイン

コーダーって何?仕事内容やコーディングに必要なスキルを解説

コーダーはWebページを実際に閲覧・操作するために必要となるコーディングを行い
Webページの完成度のみならず、運営の成否をも左右する大切な仕事です。
また、コーダーとして培った知識や経験は
Webページ制作に関わるキャリアアップ・キャリアチェンジの足掛かりにもなります。
今回の記事では、コーダーの仕事内容や必要なスキル、コーダーになるための方法をご紹介します。

コーダーとは?

ピンク黄色緑のカラフルなプログラミングの文字

webデザイナーが作成したWebページをHTMLやCSSといった専用のプログラミング言語を使用してコンピューターが処理可能なプログラム(ソースコード)を作成し、実際にインターネット上で見られる状態にすることを「コーディング」といいます。

このコーディングを行うのがコーダーです。ざっくりとした言い方をすると、コーダーとは「Webページを見たりクリックしたりできるようにする仕事」となります。

コーダーの仕事内容

デニムシャツを肘まで捲くりあげた人がノートパソコンにプログラミングコードを入力し複数のコードのアイコンが浮き上がっている

コーダーの仕事は「Webページを見られる状態にすること」とはいえ、見ることができれば良いというわけではありません。見やすく美しいデザインであること、必要とする情報にアクセスしやすいこと、どのようなブラウザからでも見やすいことなど、「良い」とされるWebページにはさまざまな条件があります。

また、一度「良い」Webページができたとしても、ブラッシュアップをかけたり、不具合発生時に対応したりする必要があります。そうした作成後の管理や更新もコーダーの仕事です。

コーダーの主な作業としては、以下のようなものがあります。

コーディング

先ほどご紹介した通り、専用のプログラミング言語を用いてWebページを実際に見られるようにする作業です。使用する言語の文法、また会社やチームによって決められたローカルルール(コーディング規約)に沿って、ソースコードを入力していきます。

マークアップ

コーディングの重要なプロセスのひとつに「マークアップ」があります。Webページに掲載するテキストには、「タイトル」や「本文」「箇条書き」など、さまざまな要素があります。それらの区別をつけるために、テキストにタグなどのマークを記述し、文章の構成や装飾・レイアウトなどを指定する作業がマークアップです。

コーディングとマークアップを適切に行い情報を整理することで、「人が見やすい」だけではなく「検索エンジンが認識しやすい」Webページになり、SEO対策にもつながります。

レイアウト・動作確認

閲覧に用いるブラウザや端末により、コーディングしたデザインや機能に不具合が生じる場合があります。コーダーは複数のブラウザやプラットフォーム(Windows・Macintoshなど)で制作したページを確認し、状況に応じてコードの確認や修正を随時行わなければなりません。

また、最近ではWebサイトへのアクセスをパソコンではなくスマートフォンで行うユーザーが増えています。画面の大きさも形状もさまざまなモバイル端末においても、閲覧、操作がしやすいようインターフェイスを整えるのもコーダーの重要な仕事です。

作成後の管理・更新

先ほどご紹介した通り、コーダーは一度Webページを作ってしまえば作業完了というわけではありません。修正や更新、不具合発生時の対応もコーダーの重要な仕事です。そのためにも、制作の段階でコーディングを綿密に行なう必要があります。コーディングがしっかりしていると、レイアウト崩れを防ぎ、大きな修正や更新にも対応できます。

また、万が一コーダーの仕事を他の担当者に引き継ぐことになっても、分かりやすいコーディングであればスムーズに構造を理解し、管理作業を行うことができます。コーディングの能力はWebページの制作だけではなく、運営にも大きく関わってくるのです。

コーダーの年収

3枚の1万円札の上に電卓と2人のフィギュアが置かれている

コーダーの年収は300~400万円程度とやや低めです。

まずはコーダーからはじめ、フロントエンドエンジニアやWebデザイナーなどへのキャリアパスをつなぐことが必要となるでしょう。詳しくは後ほどご紹介します。

コーダーに求められるスキル・知識

CODINGの文字とパソコンとタブレットとスマホとアイコンなどが部品のようにすべてつながっているイラスト

コーダーには必須の資格などはなく、未経験者にも門戸が開かれている職業です。とはいえ、Webページのみならず、運営そのものの成否を左右するほどの重要な仕事であるため、常に技術向上のためにスキルや知識を習得し続ける必要があります。特にコーダーに求められる能力や知識をご紹介しましょう。

コーディングスキル

当然のことながら、コーディングスキルは必須です。特に以下の3つのスキルは必ず身に付けておきましょう。

【1】HTML

HTML(ハイパーテキスト・マークアップ・ランゲージ)はWebページを構成する基本的な言語であり、多くのサイトがHTMLに対応しています。HTMLを習得していないとコーダーとしての仕事を行うことはできません。必ずスキルを身に付けておきましょう。

【2】CSS

CSS(カスケーディング・スタイル・シート)はサイトのデザインを決めるもので、文字の色や大きさ・アニメーションの作成に関わるものです。HTMLに加えて使うことで、スタイルの幅を広げWebページのデザインを統一することができます。HTMLと併せて、CSSのスキルも習得しておきましょう。

【3】JavaScript

JavaScriptはプログラミング言語の一つで、検索機能やポップアップ・スライドの表示など、HTMLやCSSだけでは表現できない動作をWebページに付加することができます。特に現在はキャッチーな動きや演出のあるページが一般的になっており、JavaScriptのスキルが不可欠なものとなっています。

上記でご紹介した基礎的なスキルに加え、正確に、また早くコーディングを行なえる経験や能力も必要です。

制作時に見やすく操作しやすいページに仕上げるのはもちろんのこと、その後のトラブルや担当者交代の際もスムーズに対応できるような、しっかりとした分かりやすいコードを書く技術が求められます。なおかつ、納期までに素早くコーディングを仕上げるスピード性も重要になります。

CMSに関する知識

CMSとは「Contents Management System(コンテンツ・マネジメント・システム)」の略で、プログラミング言語の知識がなくてもWebページを作成できるシステムのことです。代表的なものには「WordPress(ワードプレス)」「Jimdo(ジンドゥー)」などがあります。大規模なサイトではCMSを導入するケースが増えているため、CMSに関する知識も得ておくと良いでしょう。

また、WordPressはPHPで作成されているため、PHPの知識を持っておくことでWordPressのカスタマイズの依頼なども受けることができます。仕事の幅が広がり、後述の「フロントエンドエンジニア」へのキャリアアップにもつながります。

SEOに関する知識

先ほどご紹介した通り、検索エンジンの上位にWebページを出現させるための工夫(SEO対策)は、Webページの運営にとって成否を分ける非常に重要な要素になります。そのため、コーダーはSEOに関する知識を備え、正しいコーディングやマークアップを行なう必要があります。

デザインやデザイン編集ソフトに関する知識

コーダーは、WebデザイナーのデザインをもとにWebページを作成します。

色やデザインだけでなく、PhotoshopやIllustratorなどのデザイン編集ソフトに関する知識を備えておくことで、Webデザイナーの意図を汲み取りやすくなり、意識のすり合わせもスムーズになります。また、コーダーをやりながらWebデザインの知識を学ぶことで、Webデザイナーへのキャリアチェンジにもつながります。

コーダーに必要な能力

1人の男性と2人の女性が資料やパソコンを広げ打ち合わせをしている

コーダーにはスキルだけではなく、集中力や協調性などさまざまな能力が必要です。特に重要なものをいくつかご紹介しましょう。

集中力・根気

コーディングの作業には細かい作業や確認がいくつも必要になります。

ちょっとしたミスでレイアウトがおかしくなったり、最悪な場合にはサイト自体が表示できなくなったりします。一日中パソコンに向かい、正確で繊細な作業を行なえる集中力と根気が必要になります。

コミュニケーション能力・協調性

コーダーは一人で黙々とパソコンに向かう仕事というイメージがありますが、実際のところはWebデザイナーや依頼者との打ち合わせも多いです。相手の意図を汲み取り、真意を引き出すためのコミュニケーション能力も必要になります。

また、Web制作はチームで行います。お互いに協力し合い一つの仕事をやり遂げる協調性も、コーダーにとっては大切な能力であるといえるでしょう。

コーダーになるには

オレンジの服を着た人とメガネを掛けた人がデスクに横に並んで座りパソコンで説明をしている

コーダーは未経験者でもなれないわけではありません。とはいえ、先ほどご紹介したような知識やスキルに加え、実装経験があると採用において有利になるのは間違いありません。コーダーとして必要な経験や知識を積むためにはどうすれば良いのでしょうか。主な方法をご紹介しましょう。

アルバイトで経験を積む

コーダーとしての経験を積むためには、アルバイトから始めるのが最も手早い方法です。

簡単なプログラミング言語の知識があれば採用される可能性も高まります。アルバイトの場合、デザインを起こすのではなく、あらかじめ用意されたフォーマットを必要に応じてカスタマイズする仕事が多いようです。それでも実践経験が得られるという点は大きな魅力であり、また周りにプロのコーダーが多くいるため良い刺激になります。

積極的に周りの人と関わり、生きた知識と経験を得たいという方にはおすすめの方法です。

学校やセミナーで学ぶ

アルバイトでコーディングを学ぶという場合、その会社で必要なスキルのみが磨かれ、コーダーに必要な幅広い知識が培われないという欠点もあります。また、分からない点があっても周りの人に聞きづらい雰囲気である場合もあります。

学校やセミナーであれば、知識やスキルを体系立てて効率的に学ぶことができます。不明点は先生に聞いてその場で解決できます。地方に住んでいたり仕事をしているなどで通学が難しい場合は、オンラインで講義を受けることも可能です。

費用はかかりますが、コーダーに関する幅広い知識や経験を学べ先生に質問できるという点が、学校やセミナーでコーディングを学ぶ大きなメリットです。

 独学

参考書や学習サイト・動画などを活用して、独学でコーディングの知識を得ることもできます。費用を抑えつつ、自分のペースで学べるのが大きなメリットです

しかし、疑問点を解消するのが難しい、挫折しやすいというデメリットもあります。学習サイトの中には質問を受け付けているところもありますので、活用すると良いでしょう(有料の場合あり)。

コーダーからのキャリアアップ・キャリアチェンジ

さまざまなイラストが書かれた紙を数枚広げペンが置かれている

先ほどご紹介した通り、コーダーの年収は300~400万円と、決して高いとはいえません。また、小規模の制作会社であればコーディングだけではなくWebページ制作に関わるあらゆる作業を行うことが求められる場合もあります。そうした理由からコーダーに留まるのではなく、さまざまな職業にキャリアアップ・キャリアチェンジをする人も多くいます。

コーダーとしての経験を積むことで、どのような職種へのキャリアパスが得られるのでしょうか。主なものをご紹介しましょう。

フロントエンドエンジニア

フロントエンドエンジニアはコーダーの上位職種ともいわれ、コーダーの仕事に加え仕様設計やシステム開発など、Webページを最終的にユーザーの目に触れる形に仕上げるまでの全ての業務を担う仕事です。

単にデザイナーや依頼者の指示に従うのではなく、要望を叶えるためのシステム開発や設計など、能動的にWebページ制作に関わります。プログラミング言語はもちろんのこと、先ほどご紹介したCMSやPHPなどの知識も求められる難易度の高い仕事です。クリエイティブ力があり、動的にWebページ開発に携われるという点にやりがいを見いだせる人に向いています。

Webデザイナー

先述の通り、小規模な制作会社では、一人のスタッフがコーディングだけではなくWebページ作成に関わる諸作業を幅広く行えることが求められます。

Webデザイナーがコーディングを行うことも決して珍しくありません。そうした中でデザインの経験と技術を磨き、Webデザイナーにキャリアチェンジすることも可能です。

まとめ

窓越しのデスクの上にWEBSITEと書かれたデスクトップパソコンとマウスとコーヒーと資料が置かれている

コーダーは、Webページ制作において重要なコーディング作業を担う仕事です。

コーディングに用いる専用言語はもちろんのこと、プログラミング言語やSEO、デザインの知識などを幅広く得ることで、Webデザイナーや依頼者の要望に沿い、ユーザーにとって見やすく分かりやすいWebページを作り上げることができます。また、そうした知識や経験は、フロントエンドエンジニアやWebデザイナーへのキャリアパスにもなりえます。

Webページ制作に興味がある方は、まずコーダーを目指してみてはいかがでしょうか。

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