バイラル動画の特徴と制作のコツ

よく言われる言葉としてそのように拡散している動画を「バズっている」と呼んだりしますが、配信側では『バイラル動画』と呼んだりします。このバイラルとは「ウイルスのように広がっている」と言う意味ですが、バズるとは違いがあるのでしょうか?そしてバイラル動画は狙って作る事ができるのでしょうか?
この記事ではバイラル動画の特徴と制作のコツについて、「バズる」との違いを含めてお話をしていきます。
バイラル動画=バズる動画?
バイラルとはWebマーケティング用語の一つで、ウイルスのように世の中に広まっていく様子のことを表しています。ウイルスは一瞬でネットワークを通じて世の中に浸透していきますよね。
英語でウイルスは「virus」と表記され、それを形容詞として使うと「viral」と表現されるのです。そのまま訳すとバイラル動画とは「ウイルス性のある動画」と表現できるので、動画が世の中に広がっていく様と考えると、バズっている動画と同義と考えても良いでしょう。
しかし、バイラルとバズにはマーケティングとしてはやや違いがあるのでそれを抑えておきましょう。
バズるとは何が違うの?
バズるでよく使われるバズとは英語の「buzz」のことで「ブンブンいう、ガヤガヤ言う」などの意味を持っています。英語の表現をそのまま使うと、自分の身の回りで虫が集まって動き回っているような様子やガヤガヤと噂話が広がっているような表現になります。
英語での「buzz」の場合は、少しずつ周りがガヤガヤしているなくらいのイメージになります。日本語で言われるバズるとはこの「buzz」を動詞化して和製英語にしたものなのです。日本語ではバイラルもバズるもほぼ同じ使われ方をしますが、「バズる」の方が動詞化した時に日本人が言いやすくキャッチーな言葉になります。
バイラルはウイルスのように一瞬で広まっていく感覚
バイラルの意味を改めてまとめると、バイラルはウイルスのようにネットワークを通じて一瞬で広まっていく様子を指します。
ウイルスの場合は一瞬で広がった後は収束していくようになります。一方バズるは少しずつガヤガヤと話題が広まっていき、一瞬ではないものの時間をかけて浸透していき、大きな話題になる様子です。
バイラルとバズるの特徴
バイラルとバズるの意味は分かったので特徴をまとめてみます。
- バイラル→一瞬での広がりが強いが、話題の継続性が少ない
- バズる→広がり方はやや遅いが、継続性がある
このような特徴があるのです。バイラルは一度の拡散で多くの人の目に触れていくイメージになるため、流行が短くなります。一方でバズるは、口コミがさらに口コミを呼ぶので、やや浸透に時間はかかるものの何度もユーザーの目に触れるので継続性があるのです。
具体的な例
では具体的にはどのようなことが挙げられるのでしょうか。2つの例に分けると以下のように分けられます。
- バズ→口コミ
- バイラル→広告
浸透度合いはメディアやタイミングによって大きく異なりますが、バズは少しずつ口コミが広まっていくイメージになります。TwitterなどのテキストベースのSNSでは、一瞬ではなく徐々に拡散されるようになりますよね。インフルエンサーなどに協力をしてもらい、様々なユーザーにさらに紹介をしてもらい口コミを広げていくこともバズるとも言います。
一方でバイラルは広告のような形で、ネットやテレビなどのメディアで一斉に広告を出して認知力を高めるイメージです。バイラル動画においては広告をほとんど利用せずとも、事前にターゲットを選定しそれに合ったコンテンツ発信をし一瞬で話題を広げることもできます。閲覧者が多いメディアや、YouTubeやInstagramなどの広告を出せるSNSなどで効果が高いです。
バイラル動画のもたらす効果
ではバイラルとバズの違いが分かったところでバイラル動画のもたらす効果についてお話ししていきます。
なんと言ってもバイラル動画のもたらす1番の効果は爆発的な話題の広がりです。Twitterのようなテキストベースのような媒体では、話題の拡散を一瞬で広げることが難しいです。
動画ならではの視覚と音声の両方でユーザーに伝えることで印象を残しやすく拡散性が高まるのです。
その結果としてもたらされる効果として
- 多方面のメディアで拡散される
- 広告費以上の効果を狙える
- 企業のブランドイメージを向上できる
このような効果が出るのです。
多方面のメディアで拡散される
バイラル動画のメリットは多方面のメディアで拡散できることです。動画はSNSでも拡散がしやすいので、インフルエンサーが拡散をせずともユーザーが自分で拡散をしてくれます。テキストベースの口コミだとユーザーは自分で文章を書かないといけないので障壁が高いですが、動画であればワンタッチで各SNSへのシェアを簡単にできてしまいますよね。
広告費以上の効果を狙える
多方面のメディアでユーザーが拡散をしてくれることで、広告費をかけていたとしてもそれ以上の効果を狙うことができるのです。
例えばバイラル動画の場合、TikTokに広告を出して一気にリーチをした場合、ユーザーがTikTok以外のSNSに拡散をしてくれる事もありえます。そうすると、かけた広告費は1メディアだけですが、結果的にいくつものメディアに拡散できたことになるのです。
テレビや雑誌の広告では、大量の費用がかかる割に拡散性が期待できませんが、大きな広告費をかけなくても効果を狙えるのがバイラル動画の大きな効果です。
企業の他のメディアにも影響を与えられる
バイラル動画を準備をする上で、企業のSNSやYouTube運営など行うことになるでしょう。
バイラル動画は事前準備なしで、いきなり話題性を狙うことはできません。ある程度の認知度を高めるために事前に各メディアに投稿をしておくと、いざバイラル動画が拡散された時に、過去に投稿したメディアにも新規ユーザーが流入してくれる流れも期待できます。バイラル動画をきっかけに、ユーザーが他のメディアにも流入し、好循環が生まれる可能性もあるのです。
バイラル動画は狙って作れる?
バイラル動画は狙って作ることは可能です。しかしそこには入念な準備をする必要があります。ただ面白い動画を撮るだけでは効果を十分に得ることができません。
ポイントは大きく3つです。
- ホットなコンテンツを狙う
- ターゲット選定を明確にする
- バイラルメディアを選定する
少なくともこれらを意識しながらコンテンツづくりをする必要があるのです。
ホットなコンテンツを狙う
バイラル動画の1番のメリットは拡散性です。この拡散性がないジャンルで動画を投稿しても意味があまりありません。まずは現在どんなジャンルがホットなのか、将来的に伸びるのか、それらを調べた上でコンテンツを考える必要があります。
ターゲット選定を明確にし、リストを作る
コンテンツ選定と合わせて重要なポイントがターゲットの選定です。この部分でも、結局拡散性を期待できるターゲットに狙いを絞る必要があるのです。
通常のインフルエンサーマーケティングの場合は、インフルエンサーがフォロワーに宣伝してくれれば、目的はある程度達成できます。しかしバイラル動画の目的は、情報を受け取ったユーザー各々が拡散をしてくれることまで視野に入れる必要があるのです。そのためバイラル動画を作成する場合は、事前にターゲットとなるユーザーのリストを獲得しておくことが重要です。
例えばYouTubeやTwitter・TikTokでフォロワーを増やすなど、動画に反応してくれそうなターゲットを事前に確保しておきましょう。
バイラルメディアを選定する
拡散性を持たせるために重要なポイントとしては、どのメディアを中心に拡散させるかです。YouTube、Instagram、TikTokなど様々な動画配信サービスがあります。その中で、あらかじめ設定したコンテンツやターゲットに応じて動画を投稿する必要があるのです。この選定がうまくできれば、自ずと他のSNSサイトに一瞬で拡散されますが、選定を誤ると拡散のペースが遅くなってしまいます。
バイラル動画制作のコツ
バイラル動画を狙って作る上ではコンテンツ選定やターゲット選定が重要になります。そしてその上で拡散力を上げるためにはいくつかコツがあるのです。
ポイントは5つです。
- 共感性がある
- 意外性がある
- 短時間で見れる
- キャッチーなタイトルになっている
- 再現性がある
これらのポイントを抑えると拡散しやすくなります。
共感性のある内容にする
様々なユーザーに拡散をしてもらうためには、多くの人が共感を持てる内容にする必要があります。なぜならバイラル動画では、一部のニッチなユーザーだけでなく幅広い層に受け入れられなければ拡散力を持ちにくいからです。
そこでターゲットになるユーザーが、日々体験していることや疑問に思っていることを動画で表現すると、共感をしてもらえやすくなります。YouTuberのヒカルがお祭り屋台のくじ引きを大量に引いた動画がバズったのも、多くのユーザーが「ホントに当たりが入ってるの?」と疑問に思っていることを大胆にやったことが、共感を呼んで拡散されたのです。
意外性がある
ただのあるある動画を出しているだけでは、周りと同じことをやっているだけになってしまいます。そこで、内容が他の配信者と類似していたとしても、意外性があると拡散する可能性があります。
例えばおじさんが若者の間で流行っている事をしてみるなど、意外性をもたすことをやってみると注目を浴びる事があります。また、若年層に企業認知を広げたい老舗企業などであれば、配信サービスをTikTokにして、音楽に合わせてコミカルな動画を作ってみると意外性が出るでしょう。ギャップを感じさせることがコツです。
短時間で見れる
拡散しやすい動画は、短時間で流し見をしていたとしてもわかりやすい動画が多いものです。それはSNSのタイムラインに流れてきた時にユーザーが一瞬で気になって、すぐに内容がわかる必要があるからです。
キャッチーなタイトルになっている
動画の内容の意外性だけでなく、タイトルにも意外性を持たせる必要があります。たとえ面白い動画を作れたとしても、動画が再生されなければ意味がありません。
そこで重要なポイントがタイトルとサムネイルなのです。動画配信サービスの動画一覧画面やSNSのタイムラインで流れて見た時に、思わずクリックしてみたくなるタイトルをつけるようにしましょう。
再現性がある
バイラル動画のメリットは、動画にすることでユーザーが真似できるところにあります。例えば音楽とダンスを合わせた動画であれば、それを見たユーザーが真似をしやすいですよね。
このように、動画を視聴したユーザーが、同じ内容や少しアップデートした内容の投稿が広がっていくことで、より拡散していくのです。誰にも真似できない動画も良いですが、再現性のある動画にすると、それを見たユーザーが、今度は発信者として拡散をしてくれます。
バイラル動画にはリスクがある
バイラル動画にはリスクがあります。バイラル動画は狙って拡散させるためには入念な準備をする必要があるため、失敗は避けたいですよね。
バイラル動画のリスクは大きく2つです。
- トレンドや適切なプラットフォームから外れて拡散をしない
- 意図していない不適切な広がりで炎上リスクがある
単純に、思ったように動画が拡散しなかった場合に、これまでの準備が無駄になってしまうこともありますが、その他に企業イメージを悪くするリスクもあるのです。ではどうしてバイラル動画が広まることで企業イメージが悪くなるのか見ていきます。
トレンドや配信プラットフォームを間違えると拡散性が無くなる
バイラル動画を制作するためには、数ヶ月前から1年以上の時間をかけて準備をしているケースがあります。しかし、世の中の流行は早いものです。その間にトレンドが変わってしまったり、配信プラットフォームのアルゴリズムが変わったりする可能性もあるのです。
バイラル動画では、ユーザーに合わせたプラットフォームでの動画投稿をしないと、最も重要とも言える拡散性が損なわれてしまいます。タイミングやどのプラットフォームから拡散するかによっても効果が変わってくるので、注意をする必要があります。
不適切な広がりをした時に炎上リスクがある
バイラル動画では、内容によっては炎上するリスクがあります。宗教や信条、ジェンダー問題など、動画を見たユーザーが何に反応するか予想ができないところもあります。企業が全く意図していない内容として捉えられて、炎上してしまうこともあるのです。
拡散する前の状態であれば、既存顧客からの低評価があがった段階で、ある程度火消し対応はできます。また既存顧客であればブランドコンセプトを知っているので、そもそも炎上するリスクは低いです。しかしバイラル動画の場合、一瞬で知らないユーザーまで拡散してしまうため、炎上してしまうリスクがあります。
まとめ
バイラル動画はバズるとかなり似ている言葉になりますが、具体的には内容がやや異なってくるのです。共通する部分は多いですが、バイラル動画は一瞬の拡散力を期待し、初動を高めるために事前に入念な準備をする必要があるのです。
この記事の内容をまとめると
- バズは周りがガヤガヤしてくることを指し徐々に拡散されるイメージであり、バイラルはウイルスの様に一瞬で広がるイメージである
- バイラル動画は、動画だからこそユーザーに視覚的にも聴覚的にも伝えやすく、短時間で拡散しやすい
- 拡散されるには入念なやターゲット選定やコンテンツ制作、配信プラットフォーム選定などの準備をする必要がある
バズる動画はたまたまバズったのではなく、バイラルマーケティングとして意図的に拡散されている場合もあります。ぜひこの記事を参考にしてバイラル動画を作ってみてはいかがでしょうか。
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