パーソナライズド動画は何が良い?メリットから活用事例まで

この記事では、マスマーケティングからOne to Oneマーケティングへの流れとともに注目を集めているパーソナライズド動画について、そのメリットから作り方まで紹介します。
目次
パーソナライズド動画とは?
パーソナライズド動画とは個々のターゲット顧客に向けてカスタマイズされた動画です。具体的にはターゲット顧客の属性(氏名、年齢、年齢、性別、年収、購買行動など)に合わせて動画にテキストや画像、音声を差し込み最適化します。
動画広告のように一定数のターゲット顧客に対して包括的に訴求するものではなく、個人に向けられているため、ターゲット顧客が「自分事」と感じて最後まで視聴しやすいのが特徴だと言えるでしょう。
2010年ごろに欧米で活用が始まったパーソナライズド動画は、日本でもそのサービスを提供する会社が増加し続け、さらなる市場の拡大が見込まれています。
パーソナライズド動画活用のメリット
次にパーソナライズド動画を活用するメリットを5つご紹介します。
クリック率・コンバージョン率の向上
パーソナライズド動画を活用するメリットの1つめは、クリック率・コンバージョン率のアップが見込めることです。
人間には選択的注意(多様な情報の中から自分にとって重要なものを選択して注意を向けること)という認知機能を持ちますが、視覚に対して働く心理的効果をカラーバス効果、聴覚に対して働く心理的効果をカクテルパーティ効果と言います。
動画は視覚・聴覚両方に訴えることができる媒体であり、パーソナライズド動画は個人を対象としているため、自分にとって重要なものと認識されやすいことから、このカラーバス効果とカクテルパーティ効果が働きやすくなるのです。そのためターゲット顧客は、パーソナライズド動画の内容を自分事として興味・関心を持ちやすくなり、クリック率やコンバージョン率のアップにつながるというわけです。
複雑な商品やサービスの説明に適している
パーソナライズド動画を利用するメリットの2つめは、複雑な商品やサービスの説明に適しているということです。
1971年にアメリカの心理学者アルバート・メラビアンが提唱した「メラビアンの法則」では、話し手が聴き手に与える影響は「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」の3つから構成され、それぞれの影響力は次のような割合だとされています。
言語情報(Verval)7%
話し手の発する言葉の意味や言葉で構成される話の情報。
聴覚情報(Vocal)38%
話し手の声のトーンや大きさ、口調やテンポなどの情報。
視覚情報(Visual)55%
話し手の表情や視線、態度や仕草、見た目などの情報。
このメラビアンの法則を基に考えてみると、パーソナライズド動画は言語情報、聴覚情報、視覚情報の全てを含み、ターゲット顧客にとっては特に視覚情報を多く取り入れることができる媒体のため、複雑な商品やサービスがあったとしても理解しやすい内容で作成することができるのです。
例えばターゲット顧客に応じて自分の売りたい商品やサービスのオプションや見積内容が異なる場合、それを表やグラフなどを用いてわかりやすく表現することができるでしょう。
また動画という媒体は、テキスト+画像と比較して約5,000倍、また1分間の動画は一般的なWebページの3,600ページ分の情報量を表現できるとされています。これだけ聞いても、複雑な商品やサービスに対してパーソナライズド動画の効果がどれだけ高いのかがわかるでしょう。
コスト削減につながる
パーソナライズド動画を活用するメリットの3つめは、コスト削減につながることです。
パーソナライズド動画を制作することで削減できるコストは次の2つです。
①問い合わせ業務や見込み客育成コストの削減
問い合わせ業務や見込み客育成においては、各ターゲット顧客に対して商品やサービスについての同じ説明を繰り返す必要があるため、企業によってはそこにかかるコストに頭を悩ませる場合もあるでしょう。
しかしパーソナライズド動画を制作することで、商品やサービスにかかる質問や説明を1つにまとめることができるため、問い合わせ業務の数や見込み客育成にかかる時間の削減につながります。
②動画配信コストの削減
従来型の動画広告などを制作する場合、商品やサービスに合わせて複数のパターンを制作する必要があり、コストが膨らみがちでした。
しかしパーソナライズド動画では、ベースとなる動画はいくつかのテキスト、音声、画像をテンプレートとして用意し、それを組み合わせたり、一部変更したりすることで小さなコストでターゲット顧客にアピールすることが可能です。
非対面での販売・接客に応用できる
パーソナライズド動画を活用するメリットの4つめは、非対面での販売・接客に応用できることです。
例えばターゲット顧客に時間の制約がある場合、なかなか対面して商品やサービスの説明を行うのは難しいでしょう。このような時でも、ターゲット顧客とSNSやメールなどで繋がってさえいれば、パーソナライズド動画のリンクを掲載して送付することができるため、個々の好きなタイミングで視聴してもらえます。
ターゲット顧客にとっても、時間の制約というデメリットを受けずに、商品やサービスの自分に合った説明というメリットだけが享受できる良い方法だと言えるのです。
マーケティング戦略に活用できる
パーソナライズド動画を活用するメリットの5つめは、各企業における今後のマーケティング戦略に活用できることです。
パーソナライズド動画ではターゲット顧客の動画視聴状況を詳しく分析することができます。具体的にはクリック行動、入力情報などからターゲット顧客の興味関心・ニーズ・嗜好などを顧客情報として分析でき、動画視聴時の離脱したポイントが分かれば、より訴求力の高いパーソナライズド動画の制作につなげることができるでしょう。
パーソナライズド動画が活用される場面
パーソナライズド動画の活用に向いている場面とはどのようなものがあるのでしょうか。
3つご紹介します。
既存顧客へのCRM施策として活用する場合
パーソナライズド動画の活用に向いている場面の1つめは、既存顧客へのCRM施策として活用する場合です。
CRMとはCustomer Relationship Managementの頭文字を取った略語で、「顧客関係管理」や「顧客管理」などと訳されます。高度成長期やバブル期のように、スムーズで右肩上がりの新規顧客獲得が難しくなった今、各企業では自社の持つ既存顧客をいかに競合他社に流出させないようにするかに力を注ぐようになりました。そのため、自社の既存顧客とより良好な関係を構築するための営業マネジメント手法である、CRM施策に注目が集まるようになったのです。CRM施策を行うことでターゲット顧客が求めるニーズや価値を最大化すれば、企業はさらに大きな成果や利益を得られるようになります。
パーソナライズド動画を取り入れたCRM施策の具体的な行い方の例としては、既存顧客とSNSやメールで繋がっている場合、パーソナライズド動画も再生することのできるLPへのリンクを貼りつけて送付し誘導する方法が最も効果が期待できるでしょう。
新規顧客へのキャンペーンとして活用する場合
パーソナライズド動画の活用に向いている場面の2つめは、新規顧客へのキャンペーンとして活用する場合です。
SNS上の新規顧客にそのプロフィールを反映させたパーソナライズド動画を配信することで興味を惹くことができるため、Webサイトへの遷移や問い合わせの増加を見込めます。また、新規顧客には商品やサービスの詳しい説明や問い合わせへの回答が必須と言えますが、パーソナライズド動画を配信することでその手間を一定数省くことも可能でしょう。
多数の新規顧客に向けてアピールする動画広告と比較しても訴求効果は高くなるので、効率的に新規顧客を獲得したい場合はパーソナライズド動画をぜひ活用してみましょう。
営業支援ツールとして活用する場合
パーソナライズド動画の活用に向いている場面の3つめは、営業支援ツールとして活用する場合です。
例えばターゲット顧客と対面で商品やサービスの説明を行う場合でも、事前にパーソナライズド動画を視聴しておいてもらうことで、ターゲット顧客自身が質問したい事項をイメージできたり、動画以外で知りたい内容を把握できたりします。パーソナライズド動画を活用することで営業担当者が売りたい商品やサービスを効率よくターゲット顧客に理解してもらうことができるため、営業にかかる時間や手間をスリム化できるでしょう。
パーソナライズド動画の作り方(ツールの紹介など)
パーソナライズド動画を使用したマーケティングでは、ターゲット顧客数に応じた大量の動画を制作・配信する必要があるため、動画作成・配信サービスを活用することをおすすめします。
パーソナライズド動画の動画作成・配信サービスでできることはサービスによっても異なりますが、おおまかに次の通りです。
- パーソナライズド動画の自動生成・配信
- パーソナライズド動画の適正なサイズへの圧縮
- パーソナライズド動画配信後のアクセスデータ収集・分析
リスティング広告を作成し、運用を行いながらデータ収集し、分析結果を基にまた広告配信を行う流れに似ていると言えるでしょう。パーソナライズド動画を作成するにあたって企業内で事前に準備しておく必要があるのは、ターゲット顧客の属性情報やWeb閲覧履歴などの顧客データです。
おすすめのパーソナライズド動画作成・配信サービスを2種類ご紹介します。
PRISM
PRISMは株式会社クリエ・ジャパンが提供するパーソナライズド動画生成エンジンです。
ターゲット顧客の興味や関心に合わせて動画の内容を変化させる「インタラクティブ機能」や、特許第6147776号の「Mpeg動画ファイル生成方式」による端末に依存しない正確な表示を実現し、他の動画作成・配信サービスとの差別化を実現しました。
まずはホームページからオンラインデモを依頼してみたり、事例資料をダウンロードしてみたりする所から始めるのがよいでしょう。
One Douga
One Dougaは国内運用実績No.1のパーソナライズド動画ソリューションです。
3種類のバリアブル動画生成技術(事前生成、リアルタイム生成、リアルタイム非生成)で、顧客情報に紐づいたさまざまなデータと動画を組み合わせ、自動的にパーソナライズド動画を生成できます。専用チームが導入から運用までワンストップでサポートしてくれるので、まずはホームページから入門資料をダウンロードしてみましょう。
パーソナライズド動画の事例
最後にパーソナライズド動画を活用したマーケティングの具体的な事例を2つご紹介します。
チューリッヒ保険 自動車の事故解決までの流れをご案内する「パーソナライズド動画」
チューリッヒ保険が自動車事故の解決までの流れを説明するために制作したパーソナライズド動画です。最初にターゲット顧客の名前を呼びかけたり、お見舞いの言葉を伝えたりすることで安心感を持ってもらうよう配慮されています。
専任担当者がつくこと、保険金や修理の話なども動画でわかりやすく解説していることが特徴的で、パーソナライズド動画での不明点は最後の画面から問い合わせができるようになっているのも親切な作りと言えるでしょう。
キャドバリー パーソナライズド動画
イギリスのお菓子・飲料メーカーのキャドバリー社が制作したパーソナライズド動画です。海外マーケットのシェア拡大のために作成され、動画内にはFacebookからターゲット顧客の写真や名前が取り込まれ、動画内容が自分事として感じられるように工夫されています。
まとめ
パーソナライズド動画の活用方法は新規顧客へのキャンペーンから既存顧客へのCRM対策まで幅広く、従来の動画広告と比較してターゲット顧客に「自分事」と思わせる心理効果があるため日本でも少しずつ普及が進みつつあることがわかりました。パーソナライズド動画を自動生成できる動画作成・配信サービスを利用すれば、この新しいマーケティング手法はますます企業にとって身近なものとなるでしょう。
ぜひこの記事も参考にして、自分の売りたい商品やサービスをパーソナライズド動画で積極的にアピールしてみてください。
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